慢性過敏性肺炎における線維芽細胞巣の存在は予後不良因子
2017年 03月 10日

Ping Wang, et al.
Pathological Findings and Prognosis in a Large Prospective Cohort of Chronic Hypersensitivity Pneumonitis.
Chest. 2017. doi:10.1016/j.chest.2017.02.011
背景:
慢性過敏性肺炎(CHP)患者において特異的な組織病理学的特徴が死亡や肺移植を予測することができるかどうかよくわかっていない。
方法:
登録中の縦断的コホートから、外科的肺生検によってCHPと診断された患者を同定した。外科的肺生検組織検体は、経験のある呼吸器病理医によって前向きに評価された。
Cox比例ハザード解析によって非移植生存期間の独立予測因子を同定し、Kaplan-Meier解析によってアウトカムを視覚化した。
結果:
119人の患者が同定された。f-NSIPパターン、細気管支中心性線維化(BF)パターン、UIPパターンは、c-NSIPパターンやperibronchiolar inflammation with poorly formed granulomas (PI-PFG)パターンと比較して有意に非移植生存期間の悪化と関連していた。f-NSIPパターン、BFパターン、UIPパターンの患者の間には生存期間の差は観察されなかった。

死亡までの期間あるいは移植までの期間の独立予測因子には、線維芽細胞巣の存在あるいはdense collagen fibrosisが含まれた。

結論:
CHP患者において、UIPパターン、f-NSIPパターン、BFパターンと比較すると、c-NSIPパターン、PI-PFGパターンは非移植生存期間が良好であった。線維芽細胞巣やdense collagen fibrosisの存在は、死亡や肺移植といった悪化イベントと相関していた。どのような組織パターンであろうと、組織病理学的に線維芽細胞巣がみられたら、CHP患者が予後不良と考える必要があるかもしれない。
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▲ by otowelt | 2017-03-10 00:01 | びまん性肺疾患