2018年 02月 07日 ( 1 )

閉塞性睡眠時無呼吸はAlzheimer病のトリガー?

e0156318_956305.jpg 知らない知見なので勉強になりました。

Claudio Liguori, et al.
Is It Time to Consider Obstructive Sleep Apnea Syndrome a Risk Factor for Alzheimer’s Disease?
AJRCCM Articles in Press. Published on 26-January-2018 as 10.1164/rccm.201710-2105ED


概要:
 閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は、とくに肥満男性に多い疾患であり、AHI15以上の睡眠時呼吸障害は男性の半数にものぼるというデータがある。
 OSAは心血管系疾患、神経認知機能、代謝内分泌に影響を与えることがわかっているが、Alzheimer病の発症に寄与するのではないかという報告がある(Alzheimers Dement. 2017 Jul 21. pii: S1552-5260(17)32522-0. doi: 10.1016/j.jalz.2017.06.2269. [Epub ahead of print])。
 また別の報告によれば、OSAはAlzheimer病のバイオマーカー(アポリポプロテインE)を髄液中で変化させることが知られている(Neurobiol Aging. 2014; 35(6): 1318–1324.)。そして、髄液中のアミロイドβの減少とともに認知機能障害が進行することが示されており、OSAによってアミロイドβが脳に沈着している可能性もある。
 この仮説を支持するような研究結果が近年いくつも報告されており、AHIの上昇と髄液中アミロイドβの相関性が報告されている(J Alzheimers Dis. 2017;59(1):21-29.)。ただ、アポリポプロテインEの影響はそこまで大きくないかもしれない。
 ただの加齢によって起こる現象を見ているだけで、OSAが本当にリスク因子かどうかは異論もある。ただ、OSAに対するCPAP治療を受けている患者と受けていない患者では髄液中のバイオマーカーに明らかに差がある(Sleep.2017 May1;40(5).)。
 OSAがAlzheimer病のトリガーになっている可能性が高く、次のステップはCPAP治療がこの進行を食い止めることができるかどうか検証することである。



 

by otowelt | 2018-02-07 00:50 | 呼吸器その他