2018年 03月 28日 ( 1 )

広島県におけるレジオネラ集団発生事例調査報告

e0156318_2143291.jpg レジオネラでステロイドを使ってしまうかどうか、確かに悩みどころですね。

尾下豪人ら.
広島県東部におけるレジオネラ症集団発生事例の郵送調査報告
日呼吸誌, 7(2): 85-89, 2018


概要:
 2017年3月に発生した広島県三原市の温泉入浴施設を感染源とするレジオネラ症集団発生では58人の発症届出があった.我々は近隣病院に対して郵送調査を実施し,12病院からレジオネラ肺炎39例の臨床情報を得た.平均年齢は70.7歳で,31人が男性だった.29人が尿中抗原検査にて診断され,他検査で診断された症例より,診断に要した時間が短かった.過去の集団発生事例と比べて確定診断例が増加していた.治療では抗菌薬に加えて,主に低酸素血症をきたした症例では副腎皮質ステロイド薬が使用された.

<以下、考察より抜粋>
 レジオネラに有効なリファンピシンは、一般診療医にとって使い慣れない薬剤であるためか,使用症例がなかった.また,副腎皮質ステロイド薬については,奏効例の報告は散見されるものの,レジオネラ肺炎に対する有効性は明らかではない.市中肺炎全体においてもステロイド薬の是非は古くから議論されているテーマであり,いまだ結論は出ていないものの,少なくとも短期間の投与であれば有害事象を増加させることなく,抗菌薬治療期間や入院期間の短縮に寄与するといった効果が示唆されている.本調査では主に呼吸不全を呈する重症のレジオネラ肺炎に対して,ステロイド薬が頻用されている実態が明らかになった。




by otowelt | 2018-03-28 00:05 | 感染症全般