2018年 04月 06日 ( 1 )

NETsは市中肺炎のアウトカムの予測に有用

e0156318_10322082.jpg 市中肺炎のバイオマーカーに関する研究です。下火になっているのか、呼吸器系のジャーナルでは、最近あまり見かけません。

Ebrahimi F, et al.
Markers of Neutrophil Extracellular Traps Predict Adverse Outcome in Community-Acquired Pneumonia: Secondary Analysis of a Randomised Controlled Trial.
Eur Respir J. 2018 Mar 8. pii: 1701389. doi: 10.1183/13993003.01389-2017. [Epub ahead of print]


背景:
 活性化好中球の核内のクロマチンが細胞外に放出される現象があり、これをNeutrophil extracellular traps (NETs) と呼ぶ。市中肺炎におけるNETの役割についてはよくわかっていない。

方法:
 この研究の目的は、肺炎の臨床アウトカムにNETsが与える影響を調べることである。また、多施設共同ランダム化比較試験でこれを解析した。当該比較試験では、市中肺炎に対してプレドニゾン50mgあるいはプラセボが7日間投与された。プライマリエンドポイントは臨床的安定性とし、セカンダリエンドポイントは在院期間および死亡率とした。

結果:
 310人の患者が解析に組み込まれた。cell-free nucleosomesレベルをNETのサロゲートマーカーとした。これは入院時に上昇しており7日かけて減少していった。NETは、有意に臨床的安定性および退院のハザード減少と関連していた。また、NETは30日死亡の補正オッズ比を3.8倍上昇させた。プレドニゾン治療は、循環NETレベルを修飾しアウトカムに利益をもたらした。
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(文献より引用)

結論:
 血清NETマーカーの上昇は、臨床的不安定性のリスクが高く、入院期間が延長し、30日死亡率が高くなることと関連している。肺炎のアウトカムをはかる上で有用なバイオマーカーになるかもしれない。


by otowelt | 2018-04-06 00:57 | 感染症全般