2018年 04月 19日 ( 1 )

COPDに対する太極拳は呼吸リハビリテーションと同等以上の効果

e0156318_23131240.jpg 太極拳と聞くと、どうしても医学的アウトカム改善には寄与しないだろうという先入観がはたらいてしまうので、凝り固まった考えをどうにかしないとだめですね。
 メタアナリシスでも有効とされています。

参照:メタアナリシス:COPDに対する太極拳は運動耐容能やQOLを改善

Michael I. Polkey, et al.
Tai Chi and Pulmonary Rehabilitation Compared for Treatment-Naive Patients With COPD
CHEST DOI: https://doi.org/10.1016/j.chest.2018.01.053

背景:
 COPDにおいて呼吸リハビリテーションは機能的ステータスを改善するが、実施には特殊なスキルを要する。太極拳は、精神的治療と身体的運動の組み合わせで特段の準備を要さない、中国から世界に広まっているスポーツである。われわれは、太極拳が呼吸リハビリテーションと同等の効果(SGRQスコア±4点以内の差)にあると仮説を立てた。
 
方法:
 120人の気管支拡張薬を使用したことがないCOPD患者(平均1秒量1.11±0.42L[予測値の43.6%])を登録した。インダカテロール150μg1日1回を開始した2週間後に、通常の呼吸リハビリテーション(週3回)あるいは太極拳(週5回)を12週間おこなう群にランダムに割り付けた。プライマリエンドポイントは、運動介入からのSGRQスコアの変化とした。介入終了から12週間後のアウトカムも評価した。

結果:
 SGRQスコアの介入群間差は、-0.48点(95%信頼区間―3.6~2.6、p=0.76)で臨床的に意義のある差はなかった。介入終了12週間後、SGRQスコアの群間差は4.5点(95%信頼区間1.9~7.0、p<0.001)で太極拳のほうが望ましい結果だった。この効果は6分間歩行距離にも観察されたが、1秒量には観察されなかった。
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(文献より引用)

結論:
 COPDにおける太極拳は呼吸リハビリテーションと同等のSGRQスコア改善効果を示した。介入終了から12週間が経過すると、太極拳の方が臨床的に有意なSGRQスコア改善効果を示した。太極拳は呼吸リハビリテーションの代替として適切である。

感想:
 週3回と週5回ではかなり差があるように思うのですが、どうでしょう。論文に動画が5つもアップされており、ものすごい筆者のバイアスが入っていそうな印象が・・・。シャム太極拳なんてできないので、評価が難しいところです。
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(文献ビデオより引用)

 果たして、インダカテロール治療は必要だったのでしょうか。GOLD3期のCOPDに対して運動療法だけというわけにはいかないんでしょうね。


by otowelt | 2018-04-19 00:43 | 気管支喘息・COPD