2018年 05月 07日 ( 1 )

エリスロマイシンによる胸膜癒着術

e0156318_9591036.jpg タルクやピシバニールのように肺の炎症を惹起する可能性のある癒着剤を避けて、近年では自己血、50%ブドウ糖が使われることが増えています。エリスロマイシンはどうでしょうか、ミノサイクリンと同様の印象ですが・・・。

Zhai CC, et al.
Erythromycin poudrage versus erythromycin slurry in the treatment of refractory spontaneous pneumothorax.
J Thorac Dis. 2018 Feb;10(2):757-765.


背景:
 高い再発率の難治性(再発性あるいは遷延性)自然気胸は、持続的胸腔ドレナージあるいは何かしらの介入を要する。胸膜癒着術は高い効果と安全性がある再発性自然気胸の治療であるが、胸腔内エリスロマインの効果、安全性、投与法はまだよくわかっていない。

方法:
 再発性自然気胸に対して、胸腔鏡による胸膜癒着剤の散布と胸腔ドレナージを通じた胸膜癒着剤懸濁液の注入を比較した。57人の再発性自然気胸患者が登録され、そのうち30人が胸腔鏡散布、27人が懸濁液注入を受けた。胸膜癒着の反応性、合併症、再発率が比較された。

結果:
 胸腔鏡散布群の24人(80%)および懸濁液注入群の16人(59.26%)が5日以内に胸膜癒着の成功を得た(p=0.087)。エリスロマイシンを胸腔鏡で散布した方が、胸腔ドレナージ期間が短かった(6.23±3.04日 vs 10.67±9.81日)(p=0.032)。試験期間中、気胸の再発に統計学的有意差はなかった。よくみられた有害事象として、発熱と胸痛があったが、両群ともに差はなかった。

結論:
 エリスロマイシンは再発性気胸のマネジメントに有効かつ安全な胸膜癒着剤である。どちらも安全だが、エリスロマイシンを胸腔鏡で散布したほうが、懸濁液を注入するより有効である。


by otowelt | 2018-05-07 00:31 | 呼吸器その他