2018年 05月 14日 ( 1 )

HIV非合併ニューモシスチス肺炎に対して早期ステロイド導入は必要か?

e0156318_20444355.jpg 後ろ向き研究ですが、ステロイドを早期に用いるプラクティスに一石を投じそうです。

Patrick M. Wieruszewski, et al.
Early corticosteroids for Pneumocystis pneumonia in adults without HIV are not associated with better outcome.
CHEST, DOI: https://doi.org/10.1016/j.chest.2018.04.026


背景:
 HIVを合併していない成人におけるニューモシスチス肺炎(PCP)の治療では、全身性ステロイドの併用を支持するエビデンスは限られており議論の余地がある。

方法:
 これは後ろ向きコホート研究で、HIVを合併していないPCPのメイヨークリニックの入院患者を2006~2016年まで登録した。ベースラインから5日時点のSOFArespスコアの変化を、早期ステロイド導入群(48時間以内)および非導入群で比較した。

結果:
 323人のPCP患者の内訳は、早期ステロイド導入群258人、非導入群65人だった。年齢中央値は65歳(IQR 53-78歳)であり、63%が男性で、92%が白人だった。重症度補正回帰および傾向スコアマッチ解析では、早期ステロイド導入群は5日目のSOFArespスコア改善が非導入群と比べて少なかった(それぞれ、p = 0.001、p = 0.017)。5日時点での1点以上のSOFArespスコア改善がみられたオッズ比については両群に差はなかった(補正オッズ比0.76、95%新リア区間0.24-2.28、p=0.61)。30日死亡率は、22.9%だった(95%信頼区間18.2-27.4%)。死亡率、入院期間、ICU入室、人工呼吸器装着の必要性は、早期ステロイド導入群と非導入群に差はなかった。

結論:
 HIV感染症のない患者において抗ニューモシスチス治療に対する早期ステロイドの導入は、呼吸器系のアウトカムの改善とは関連していなかった。





by otowelt | 2018-05-14 00:21 | 感染症全般