2018年 05月 24日 ( 2 )

LIBERTY ASTHMA QUEST研究:コントロール不良喘息に対するデュピルマブの有効性

e0156318_13451472.png デュピクセント®のNEJMの2つ目の論文LIBERTY ASTHMA QUEST研究です。こちらでもやはり好酸球増多がみられているので、この現象は覚えておきましょう。

Mario Castro, et al.
Dupilumab Efficacy and Safety in Moderate-to-Severe Uncontrolled Asthma
NEJM, May 21, 2018, DOI: 10.1056/NEJMoa1804092


背景:
 デュピルマブは、IL-4およびIL-13のシグナルを阻害するヒト抗IL-4抗体受容体αモノクローナル抗体である。われわれは、コントロール不良の喘息患者に対する効果と安全性を検証した。

方法:
 われわれはm12歳以上のコントロール不良喘息患者1902人を、2:2:1:1の割合で、既存治療に200mgデュピルマブあるいは30mgのデュピルマブを2週ごとに投与する上乗せ群と、それぞれのマッチプラセボ群(200mgと300mgで注入量が異なるためプラセボを2群設定)にランダムに割り付けた(52週間)。プラマリエンドポイントは、全集団における重度の喘息増悪の年間発生率およびベースラインから12週時点の気管支拡張前1秒量の絶対変化とした。セナkダリエンドポイントは、血清好酸球数が300/mm3以上の患者群における増悪率および1秒量とした。喘息コントロールおよびデュピルマブの安全性が解析された。

結果:
 重度の喘息増悪の年間発生率は、200mgデュピルマブ群に割り付けられた患者では0.46(95%信頼区間0.39-0.53)で、同マッチプラセボ群では0.87(95%信頼区間0.72-1.05)だった(47.7%減、p<0.001)。300mgデュピルマブ群でも同様の結果だった。
 12週時点での1秒量は、200mgデュピルマブ群で320mL改善した(マッチプラセボ群+140mL、p<0.001)。これについても300mgデュピルマブ群でも同様の結果だった。
 血清好酸球数300/mm3以上の患者では、重度の喘息増悪の年間発生率は200mgデュピルマブ群で0.37(95%信頼区間0.29-0.48)だった(マッチプラセボ群1.08[95%信頼区間0.85-1.38]、65.8%減)。これについても300mgデュピルマブ群でも同様の結果だった。
 介入開始から52人(4.1%)にデュピルマブ投与による好酸球増多がみられた。

結論:
 デュピルマブを投与された喘息患者では、プラセボよりも重度の喘息増悪が少なく、肺機能や喘息コントロールも良好だった。ベースラインの血清好酸球数が多い患者ではその恩恵が大きかった。デュピルマブによる好酸球増多が一定の患者にみられた。

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by otowelt | 2018-05-24 20:46 | 気管支喘息・COPD

ATS2018閉幕:医学情報収集に対する私見

 ATS2018が閉幕しました。Facebookページでは、58のニュースをお届けしました。いかがだったでしょうか。

 若手医師の方々から、よく「倉原先生はどうやって情報を集めているのですか?」「倉原先生はどうやって医学論文を読んでいるのですか?」と聞かれます。簡単です。作業を簡略化しているだけです。私はもともと頭がよくない人間なので、インプットとアウトプットの間にできるだけ時間をかけないようにしています。

 私は、諸事情により休暇をとって海外に行くことはできません。そのかわり、学会参加者に負けない量の情報を収集しています。1つの情報源はTwitterです。そしてもう1つの情報源は参加医師です。数年前から、海外の信頼できる医師にインセンティブを支払って、国際学会の情報を収集しています。わずかなお金を支払って海外の学会に仮想参加できるなら、時間もお金もそのほうがリーズナブルです(臨場感はゼロですが・・・)。今後、学会情報を効率的に集めて医師向けに拡散するベンチャー企業が出てきてもおかしくないとすら思っています。

 また、医学論文を1つ1つ検索して読む時間がもったいないので、ある程度の水準のジャーナルに掲載された原著論文を週1回サーベイランスできるルーチン作業を実践しています。PubMedで検索式を代入するだけのアナログな手法ですが、これも作業を簡略化しているだけです。繰り返しますが、基本的に私は頭がよくないですから。要は、最小努力で最大情報量を集める意欲こそが情報収集のコツだということです。

 ATS2018では、多くの医師がTwitterを使用していました。実際、どういったセッションでどのくらいツイートがあったかというデータもあります(ATS2018ニュース33参照)。しかし、日本の学会ではSNS投稿はおろか、写真撮影はNGです。今年から、写真撮影に厳しいとされる天下のAACRですらもSNSでの情報拡散を一部容認しました。医師が情報収集ツールとしてSNSを使っている流れに便乗したわけです。SNSで拡散されるだけなら学会にメリットはありませんが、学会がマネースポットであるという企業向けの宣伝効果にもなりますし、学会の認知度も向上します。
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 残念ながら、日本では旧態依然とした考えがまだ根強く、SNSの普及に異論を唱える人もいます。これからの時代、SNSは医師にとって必携の情報収集ツールだと確信しています。




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by otowelt | 2018-05-24 12:33 | 呼吸器その他