2018年 05月 30日 ( 1 )

肺非結核性抗酸菌症と肺アスペルギルス症の合併例の臨床的検討

e0156318_13334416.jpg  なにげにセカンドオーサーは私です。筆頭著者の内藤先生は、短期間で当院でたくさん論文を書いていかれた、秀才です。

Naitou M, et al.
Prognosis of chronic pulmonary aspergillosis in patients with pulmonary non-tuberculous mycobacterial disease
Respiratory Investigation, DOI: https://doi.org/10.1016/j.resinv.2018.04.002


背景:
 肺非結核性抗酸菌症(PNTM)は、慢性肺アスペルギルス症(CPA)のリスク因子として知られている。しかしながら、この関連について焦点を当てた研究はほとんどない。この研究では、PNTM患者におけるCPAの臨床経過と予後予測因子を調べた。

方法:
 近畿中央胸部疾患センターにおいて2010~2015年に62人のPNTMの既往があるCPA患者を登録した。合併症、起因菌、放射線学的所見、アウトカムを調べた。

結果:
 患者の年齢中央値は69.5歳で、追跡機関中央値は4.2年だった。よくみられた基礎疾患は、PNTMとCPAを除くと陳旧性肺結核、COPD、間質性肺炎だった。もっとも多かったNTMはMycobacterium avium complex(MAC)だった(37人:59.7%)。M. kansasiiは20人(32.3%)だった。1年生存率は83%で、5年生存率は61%だった。CPA診断時の全身性ステロイドの使用(ハザード比3.32、95%信頼区間1.23-9.51、p=0.00177)、CRP上昇(5mg/dL以上)(ハザード比8.96、95%信頼区間2.15-62.9、p=0.0014)は総死亡リスクを上昇させた。

結論:
 肺MAC症および肺カンサシ症などのPNTMはCPAになりやすい。PNTMの治療経過は総死亡とは関連していなかったが、全身性ステロイドの使用やCRP高値は予後不良であり、PNTM患者ではCPAの早期診断が望ましい。





by otowelt | 2018-05-30 00:34 | 抗酸菌感染症