2018年 06月 29日 ( 1 )

COPD患者に対するデキサメタゾンは高山病を予防できない

e0156318_1048233.png 5人に1人。なかなか高率に発症するようです。 

Michael Furian, et al.
Efficacy of dexamethasone in preventing acute mountain sickness in COPD patients. Randomized trial
CHEST, DOI: https://doi.org/10.1016/j.chest.2018.06.006


背景:
 COPD患者は、標高の高いところへ旅行すると急性高山病(acute mountain sickness:AMS)およびその他の高度関連障害(altitude-related adverse health effects :ARAHE)をおこしやすい。健常人のAMS予防に用いられる薬剤は、COPD患者においてAMS/ARAHEを予防できるかもしれない。

方法:
 標高800m未満(ビシュケク)においてGOLD1-2のCOPD患者に対して、登山前日から標高3100mの滞在2日間の期間デキサメタゾン(8mg/day)あるいはプラセボの投与をおこなうプラセボ対照二重盲検並行群間試験を実施した。プライマリアウトカムは、高地滞在時のAMS/ARAHEの発症の複合とした。AMSはAMScスコア(Environmental Symptoms Questionnaire cerebral score )0.7点以上で診断され、ARAHEは下山や介入を余儀なくされた例を対象とした。

結果:
 60人のCOPD患者がデキサメタゾン群(年齢中央値57歳、%1秒量中央値86%、760m地点でのPaO2中央値9.6kPa)に割り付けられ、AMS/ARAHEは13人(22%)に発症した。プラセボ群の58人ではAMS/ARAHEの発症は14人(24%)だった(p=0.749)。デキサメタゾンはプラセボと比較して高地によるPaO2減少に寄与した(平均差0.4kPa, p=0.028)。

結論:
 軽症~中等症COPD患者において、標高3100mでのAMS/ARAHEはデキサメタゾンによって予防できなかった。低酸素血症は幾ばくか予防できるものの、COPD患者ではAMS/ARAHE予防のためのデキサメタゾンは推奨されない。





by otowelt | 2018-06-29 00:28 | 気管支喘息・COPD