2018年 08月 02日 ( 1 )

結核と喫煙の関連

e0156318_1302985.jpg 結核診療医ならば誰しも興味があるところですね。

山内 祐子ら.
結核患者の喫煙習慣と結核発病・治療後の変化
Kekkaku Vol. 93, No. 1 : 11-16, 2018


目的・対象・方法:
 2010 年から2014 年に全国11 都府県36 保健所に新たに登録された20 歳以上の結核患者1,909人について,治療開始時,治療終了時の喫煙習慣について問診をして観察した。

結果:
 治療開始時,結核患者は一般人口に比して男では全年齢で,女では40~59 歳で有意に喫煙する者の割合(喫煙率)が高かった。一般人口に年齢構成を調整した喫煙率は男で一般の1.19 倍,女で1.23 倍であった。患者の喫煙率は生活困窮者(生活保護受給者あるいは60 歳未満で無職)で有意に高かった。喫煙の結核発病に対する相対危険度を2.0 と仮定した場合,日本の結核発病に対する集団寄与危険割合は男29%,女で11% となる。結核診断時に喫煙していた者のうち378 人中,治療終了時点で130 人(34.4%)が禁煙(禁煙率)したが,204 人(54.0%)は以前と同様に喫煙継続,残り44 人(11.6%)は喫煙量を減らしたものの喫煙は継続していた。禁煙率は男33.8%,女38.0% で有意差はない。年齢別にみると高齢ほど有意に禁煙率は高かった。生活困窮者の禁煙率は26.4% で,他の36.3%より低かったが,差は有意ではなかった。

結論:
 喫煙の結核に対する影響が明らかになっている中で,患者の禁煙の支援には今後さらに積極的,具体的に取り組むことが重要であろう。



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by otowelt | 2018-08-02 00:45 | 抗酸菌感染症