2018年 08月 07日 ( 1 )

CHESTガイドライン:間質性肺炎による咳嗽治療

e0156318_11335545.jpg わかりにくいですが、unexplained coughのことも、難治性咳嗽と翻訳しています。「説明できない咳嗽」という訳があまり好きになれず・・・。また、opiateはここではオピオイドと訳しています。

Surinder S. Birring, et al.
Treatment of Interstitial Lung Disease associated cough: CHEST guideline and expert panel report
CHEST, DOI: https://doi.org/10.1016/j.chest.2018.06.038


背景:
 間質性肺疾患(ILD)における慢性咳嗽は、QOLに大きな影響を与える。ILDによる咳嗽に対する効果的な治療アプローチが望まれている。

疑問:
 ILDにおける咳嗽に対して臨床的に効果的な治療のエビデンスは存在するか?:18歳を超える8週間超の慢性咳嗽患者の研究が組み入れられ、質が評価された。システマティックレビューに基づいて、CHESTガイドライン推奨をおこなった。

結果:
 IPF患者、サルコイドーシス患者、強皮症関連ILD患者の8研究と2ケースシリーズ(患者10人超)が対象となった。研究の質は、8研究すべてにおいて高かった。サルコイドーシス患者に対する吸入ステロイド薬は支持されなかった。シクロホスファミドとミコフェノール酸についても強皮症関連ILDの咳嗽治療には支持されなかった。IPFに対するサリドマイドは、CHESTパネルの投票で推奨に到達しなかった。ILDにおける難治性咳嗽の治療オプションが不足しており、ガバペンチンや言語病療法的マネジメントなどの選択を提示している難治性咳嗽(unexplained cough)ガイドラインを推奨されたい。オピオイドは難治性咳嗽に対する患者に代替治療として支持されてもよいだろう。

結論:
 ILDの慢性咳嗽マネジメントについてはエビデンスが限られている。

推奨サマリー:
1.ILDで咳嗽に悩まされている患者に対して、基礎にあるILDが進行していないか、あるいは免疫抑制治療が悪影響(副作用、肺障害など)を及ぼしていないかを評価し、さらなる検索ならびに急性・亜急性・慢性咳嗽のガイドラインに基づいて治療をこころみるべきである。

2.IPF患者に対して、慢性咳嗽があり胃食道逆流が否定的ならば、プロトンポンプ阻害剤を使うべきでないと支持する。

3.肺サルコイドーシスの患者に対して、慢性咳嗽に対して吸入ステロイド薬をルーチンに処方すべきでないと支持する。

4.難治性咳嗽のILD患者に対して、CHEST難治性咳嗽(unexplained cough)ガイドライン基づく治療であるガバペンチンや言語療法、臨床試験への登録を推奨する。

5.ILDによる慢性咳嗽の患者に対して、代替治療が失敗し咳嗽がQOLに悪影響を与えるとき、症状コントロールのために緩和ケアとしてオピオイドを用い、1週間目に再評価をおこない、処方を継続する前に1ヶ月ごとにも再評価すべきである。









by otowelt | 2018-08-07 00:46 | びまん性肺疾患