2018年 08月 23日 ( 1 )

WRAP-IPF試験:GER合併IPFに対する腹腔鏡下逆流防止術

e0156318_7331272.jpg 今年のATSで発表されたのでご存知の方も多いと思いますが、後ろ向き研究だった知見を前向きに再検討したものです。結果はポジティブとは言えませんが、もっと大規模にやりましょうという結論になっています。

Ganesh Raghu, et al.
Laparoscopic anti-reflux surgery for the treatment of idiopathic pulmonary fibrosis (WRAP-IPF): a multicentre, randomised, controlled phase 2 trial
Lancet Respiratory Medicine, DOI:https://doi.org/10.1016/S2213-2600(18)30301-1


背景:
 胃食道逆流(GER)は、IPFの進行にかかわると考えられている。我々は、腹腔鏡によるGERに対する手術(腹腔鏡下逆流防止術)がIPF進行を抑制するかどうか調べた。

方法:
 このWRAP-IPF試験は、IPFでGERがみられる患者をアメリカ6施設から集めたランダム化比較試験である。われわれは、努力性肺活量が保たれているIPFで24時間pHモニタリングでDeMeesterスコア14.7点以上のGER患者を登録した。%努力性肺活量が50%以下の患者、1秒率65%以下の患者、過去12週間に急性呼吸器系疾患の既往がある患者、BMI35以上の患者、既知の重症肺高血圧症の患者は除外した。ニンテダニブやピルフェニドンの併用は許可した。プライマリエンドポイントは、ITT集団におけるランダム化から48週までの努力性肺活量の変化とした。

結果:
 2014年6月1日から2016年9月30日までに、72人の患者がスクリーニングされた。そのうち58人が外科手術群(29人)、非外科手術群(29人)にランダムに割り付けられた。外科手術群の27人、非外科手術群の20人が48週時に努力性肺活量の測定を受けた。抗線維化薬の使用で補正したITT解析において、48週までの努力性肺活量の変化は外科手術群-0.05L(95%信頼区間-0.15~0.05)、非外科手術群-0.13L(95%信頼区間-0.23~-0.02)だった(p=0.28)。IPF急性増悪、呼吸器疾患による入院、死亡は外科手術群のほうが多かったが統計学的な有意差にはいたらなかった。嚥下障害(28人中8人)、腹部膨満感(28人中4人)が外科手術後の合併症としてみられた。観察期間中、外科手術群で1人、非外科手術群で4人の死亡がみられた。
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(文献より引用:努力性肺活量の変化)

結論:
 IPFでGERがみられる患者の腹腔鏡下逆流防止術は安全で忍容性がある。大規模なランダム化比較試験が望まれる。




by otowelt | 2018-08-23 00:16 | びまん性肺疾患