2018年 08月 30日 ( 1 )

血液悪性腫瘍患者のPCP予測スコア

e0156318_16562622.png じわりじわりと悪くなるすりガラス陰影がPCPらしいと言えますね。

Azoulay E, et al.
A Multivariable Prediction Model for Pneumocystis jirovecii Pneumonia in Hematology Patients with Acute Respiratory Failure.
Am J Respir Crit Care Med. 2018 Jul 11. doi: 10.1164/rccm.201712-2452OC. [Epub ahead of print]


背景:
 ニューモシスチス肺炎(PCP)の罹患率は増えている。治療までの期間が長いことが死亡につながる。

目的:
 PCPの多変量リスク予測モデルを構築すること。

方法:
 前向きの多施設共同研究である。血液悪性腫瘍で呼吸不全を有しているICU患者を登録し、PCPの同定につながる因子を調べた。リスク予測モデルは、前向き多施設コホートとは独立して評価された。ROC曲線下面積(AUC)による判別能、Hosmer-Lemeshow検定による適合度を調べた。

スコア:
年齢
 50歳未満
 50~70歳
 70歳超

 0点
-1.5点
-2.5点
リンパ増殖性疾患がある+2.0点
PCPの予防をしていない+1.0点
呼吸器症状出現からICU入室までの日数
 3日未満
 3日超

 0点
+3.0点
ICU入室時ショック-1.5点
胸部レントゲン画像で非肺胞性陰影+2.5点
胸水がある-2.0点


結果:
 1330人の患者のうち、解析群(derivation cohort 群)1092人中134人(12.3%)、検証群(validation cohort 群)238人中15人(6.3%)がPCPと診断された。モデルには年齢、リンパ増殖性疾患、PCP予防、呼吸器症状の期間、ショックの有無、胸部レントゲン写真パターン、胸水の有無が組み込まれた。スコア中央値は解析群で3.5(IQR 1.5-5.0)、検証群で1.0(IQR0-2.0)だった。もっとも診断精度が高いスコア閾値は3点であり、これを上回るものはPCP診断において感度86.7%、特異度67.7%、陽性的中率は23.0%、陰性的中率は97.9%だった(PCP有病率10%想定)。スコアはHosmer-Lemeshow検定においてgood fitであり、判別能も良好だった(解析群平均AUC0.80[95%信頼区間0.74-0.84]、検証群平均AUC0.83[95%信頼区間0.72-0.93])。

結論:
 血液悪性腫瘍患者の呼吸不全におけるPCPスコアは入室時に計算されるべきである。





by otowelt | 2018-08-30 00:57 | 感染症全般