2018年 10月 25日 ( 1 )

システマティックレビュー・メタアナリシス:COPDへのトリプル吸入療法とダブル・シングル吸入療法の比較

e0156318_1633480.jpg IMPACT試験には喘息既往例が含まれており、これが結果に影響を与えた可能性があるとCazzolaらは述べています。この臨床試験では気道可逆性のある患者さんが18%も含まれています。

Cazzola M, et al.
Triple therapy versus single and dual long-acting bronchodilator therapy in chronic obstructive pulmonary disease: a systematic review and meta-analysis
European Respiratory Journal Jan 2018, 1801586; DOI: 10.1183/13993003.01586-2018


方法:
 われわれはCOPD患者において、吸入ステロイド(ICS)、吸入長時間作用性β2刺激薬(LABA)、吸入長時間作用性抗コリン薬(LAMA)によるトリプル吸入療法がLABA/LAMA併用あるいはそれぞれの長時間作用性気管支拡張薬単剤との比較における影響を比較するためメタアナリシスをおこなった。

結果:
 16751人のCOPD患者が14研究から同定された。
 ICS/LABA/LAMA併用は、LABA/LAMA併用と比較して中等症~重症のCOPD増悪のリスクを減少させ(相対リスク0.70、95%信頼区間0.53-0.94)、トラフ1秒量を改善させた(平均差:+37.94mL、95%信頼区間18.83-53.89mL)。長時間作用性気管支拡張薬単剤との比較でも同様にCOPD増悪リスクを現象させ(相対リスク0.62、95 %信頼区間0.48-0.80)、トラフ1秒量を改善させた(平均差:+68.82mL、95%信頼区間56.95-82.48mL)。LABA/LAMA併用と比較したトリプル吸入療法のCOPD増悪リスクに対する保護的な効果は、好酸球数≧300/µLの患者で大きかった(相対リスク0.57、95%信頼区間0.48-0.68)。
 1回のCOPD増悪を予防するために、LABA/LAMA併用と比較するとおおよそ38人の患者が1年のICS/LABA/LAMA併用治療を受ける必要があり(患者ベースNNT[nunmer needed to treat]38.17)、長時間作用性気管支拡張薬単剤と比較したときのNNTはおおよそ21だった。好酸球数≧300/µLの患者における患者ベースNNTは8.58だった。
 肺炎のリスクはICS/LABA/LAMA併用では差はみられず、NNH(number needed to harm)はおおよそ195だったが、トリプル吸入療法にフルチカゾンフランカルボン酸エステルを含んだ研究を考慮するとおおよそ34にまで減少した。予想外の結果であったが、女性患者のほうが肺炎のリスクは高かった。

結論:
 このメタアナリシスでは、長時間作用性気管支拡張薬単剤あるいはLABA/LAMA併用を用いている患者で、いまだに増悪を経験して好酸球数≧300/µLであるならば、ICS/LABA/LAMA併用の恩恵を受けるかもしれない。





by otowelt | 2018-10-25 00:43 | 気管支喘息・COPD