2018年 10月 30日 ( 1 )

救急部における肺エコーの有用性

e0156318_1224232.jpg 実臨床ではレントゲンをすぐに撮れるのであれば肺エコーにこだわる必要はありませんが、クリニックレベルではB-lineについては知っておくべきです。

Staub LJ, et al.
Lung Ultrasound for the Emergency Diagnosis of Pneumonia, Acute Heart Failure, and Exacerbations of Chronic Obstructive Pulmonary Disease/Asthma in Adults: A Systematic Review and Meta-analysis.
J Emerg Med. 2018 Oct 9. pii: S0736-4679(18)30925-9.


背景:
 肺エコーは、呼吸器症状を訴える成人の致死的な疾患の診断を早めることができる。

目的:
 救急部における成人の肺炎、急性心不全、COPD/喘息の増悪の診断に対する肺エコーの診断精度をシステマティックレビューすること。

方法:
 PubMed、Embase、Scopus、Web of Science、LILACSを用いて前向きに診断精度を調べた研究を検索した。肺エコーの総合的な診断精度を調べるため、Rutter-Gatsonis階層サマリーROC法が用いられ、異なるエコー所見の精度を調べるため、Reitsmaによる二変量モデルが用いられた。このレビューは過去にPROSPEROに登録されている。

結果:
 25研究が組み込まれた。14が肺炎、14が急性心不全、4がCOPD/喘息の増悪を評価したものであった。ROC曲線下面積は肺炎における肺エコー診断において0.948、急性心不全において0.914、COPD/喘息増悪において0.906だった。肺炎が疑われた患者では、コンソリデーションは感度82%(95%信頼区間74-88%)、特異度94%(95%信頼区間85-98%)だった。急性に呼吸困難を訴えた患者では、修正びまん性間質症候群の所見は、急性心不全に対して感度90%(95%信頼区間87-93%)、特異度93%(95%信頼区間91-95%)で、B-プロファイルは呼吸不全を呈した患者に対して感度93%(95%信頼区間72-98%)、特異度92%(95%信頼区間91-95%)だった。急性に呼吸困難を訴え呼吸不全に陥った例では、PLAPSのないA-プロファイルは感度78%(95%信頼区間67-86%)、特異度94%(95%信頼区間89-97%)だった。

結論:
 肺エコーは救急における肺炎、急性心不全、COPD/喘息の増悪の診断に精度の高いツールである。





by otowelt | 2018-10-30 00:30 | 呼吸器その他