2018年 10月 31日 ( 1 )

TWICS試験:吸入ステロイドを使用しているCOPD患者に対する低用量テオフィリンはCOPD増悪を減らさない

e0156318_1633480.jpg 日本ではキサンチン誘導体はまだ「効果がある」という風潮ですが、海外では逆風です。

Devereux G, et al.
Effect of Theophylline as Adjunct to Inhaled Corticosteroids on Exacerbations in Patients With COPD. A Randomized Clinical Trial
JAMA. 2018;320(15):1548-1559.


背景:
 COPDは世界的に主要な健康問題であり、テオフィリンが広く用いられている。臨床前研究では、テオフィリンの血清濃度が低いこと(1-5mg/L)が、COPDにおけるステロイドの抗炎症作用を高めることが示されている。

目的:
 COPDにおける吸入ステロイドに低用量テオフィリンを加えることの効果を検証する。


デザイン、状況、被験者:
 このTWICS研究は、2014年2月6日から2016年8月31日までCOPD患者を登録した実践的二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試験である。最終追跡は2017年8月31日である。被験者は、過去1年で少なくとも2回の増悪(抗菌薬、経口ステロイド、あるいはその両方)を経験し、吸入ステロイドを用いている、1秒率(1秒量/努力性肺活量)が0.7未満の患者である。この研究には、121のイギリスの一次・二次医療施設から1578人の被験者が登録された。
 
介入:
 被験者は、血清濃度が1-5mg/L(理想体重および喫煙ステータスで定義)になるよう低用量テオフィリン(200mg1日1回あるいは1日2回)を受ける群(791人)あるいはプラセボ群(787人)にランダムに割り付けられた。

主要アウトカム:
 1年の治療期間中、抗菌薬、経口ステロイド、あるいはその両方を要した、患者報告による中等症あるいは重症増悪の数。

結果:
 解析された1567人の被験者のうち、平均(標準偏差)年齢は68.4(8.4)歳で、54%(843人)が男性だった。プライマリアウトカムは1536人(98%)でデータ評価が有効だった(テオフィリン群772人、プラセボ群764人)。合計3430の増悪があった:テオフィリン群1727人(平均2.24[95%信頼区間2.10~2.38]増悪/年)、プラセボ群1703人(平均2.23[95%信頼区間2.09~2.37]増悪/年);非補正平均差0.01 (95%信頼区間−0.19~0.21)、補正罹患率比0.99 (95%信頼区間0.91~1.08)。テオフィリン群およびプラセボ群における重篤な有害事象イベントには、循環器系2.4% vs 3.4%、消化器系2.7% vs 1.3%、悪心(10.9% vs 7.9%)および頭痛(9.0% vs 7.9%)などの副反応が含まれた。

結論と関連性:
 増悪のリスクが高い吸入ステロイド治療を受けている成人COPD患者では、低用量テオフィリンを加えることは、プラセボと比較して1年間のCOPD増悪の数を減らさなかった。この知見は、COPD増悪を予防するために吸入ステロイドに低用量テオフィリンを補助的に用いることを支持しない。





by otowelt | 2018-10-31 00:33 | 気管支喘息・COPD