2018年 11月 06日 ( 1 )

喀血に対するトラネキサム酸ネブライザーはプラセボと比較して喀血コントロールに有効

e0156318_17163723.png 日本のあの製剤をネブライザーに調整してもよいのでしょうか?ダメでしょうね(笑)。
 1年後の再発率に有意差がついているのが逆に不自然に見えます。別にトラネキサム酸をずっと吸入していたわけではないでしょうに。

Ori Wand, et al.
Inhaled Tranexamic Acid for Hemoptysis Treatment: A Randomized Controlled Trial
CHEST, DOI: https://doi.org/10.1016/j.chest.2018.09.026


背景:
 トラネキサム酸(TA)は、出血をコントロールするため、全身性に現在用いられている抗線溶薬である。現在までに、喀血治療に対する吸入TAの効果を検討した前向き研究は存在しない。

目的:
 TA吸入(すなわちネブライザーTA)の効果を前向きに検討すること。

方法:
 われわれは、さまざまな原因による喀血で入院した患者において、ネブライザーTA(500mg1日3回)とプラセボ(生理食塩水)を比較した二重盲検ランダム化比較試験を実施した。大量喀血例(喀血量>200mL/24時間)、血行動態あるいは呼吸器系が不安定である例は除外された。30日時点および1年追跡後の死亡率と喀血の再発がアセスメントされた。なお、使用されている抗凝固薬は出血コントロールがつくまで中止された。

結果:
 47人の患者がランダム化され、TA吸入群(25人)、生理食塩水吸入群(22人)に割り付けられた。平均年齢は66±11歳だった。74%が男性であり、64%が喫煙者だった。

TA群(25人)プラセボ群(22人)
COPD4人(16%)9人(41%)
気管支拡張症9人(36%)6人(27%)
肺線維症1人(4%)0人(0%)
出血源不明2人(8%)4人(18%)
抗凝固薬使用14人(56%)13人(59%)

 TAは、入院2日目以降の喀血量を有意に減らした。入院してから5日以内の喀血軽快はプラセボ群よりもTA群で多かった(96% vs 50%、p<0.0005)。平均入院期間はTA群のほうが短かく(5.7±2.5日 vs 7.8±4.6日、p=0.046)、気管支鏡処置や血管塞栓術などの出血を止めるための侵襲的処置も少なかった(0% vs 18.2%、p=0.041)。追跡期間中、どちらの群でも有害事象は報告されなかった。加えて、1年追跡後の喀血再発率はTA群で少なかった(p=0.009)。

結論:
 非大量喀血の患者において、TA吸入は出血をコントロールする上で安全かつ効果的に使用することができる。





by otowelt | 2018-11-06 00:54 | 呼吸器その他