2018年 11月 28日 ( 1 )

BORA試験:ファセンラ®の長期安全性

BORA試験:ファセンラ®の長期安全性_e0156318_17331245.png ファセンラ®の長期安全性についての報告です。

Busse WW, et al.
Long-term safety and efficacy of benralizumab in patients with severe, uncontrolled asthma: 1-year results from the BORA phase 3 extension trial
Lancet Respiratory Medicine, DOI:https://doi.org/10.1016/S2213-2600(18)30406-5


背景:
 ベンラリズマブは喘息患者において増悪を安全に減らし肺機能を改善させることが示されている、抗IL-5受容体α鎖モノクローナル抗体製剤である。われわれは、重症コントロール不良好酸球性喘息に対するベンラリズマブの長期的な安全性と有効性をアセスメントした。

方法:
 われわれはランダム化二重盲検並行群間第3相拡大試験を24か国447施設で実施した。適格患者はSIROCCO試験あるいはCALIMA試験を完遂し、ベンラリズマブ30mg4種ごとあるいは8週ごとを継続しているものとした。この研究でプラセボ群だった患者は、相互ウェブベースシステムを用いて再度1:1にランダム化され、ベンラリズマブ30mg4週ごとあるいは8週ごと(後者は最初の3回は4週ごとと規定)のいずれかに割り付けられた。成人患者(18歳以上)では治療は56週間継続され、青年期患者(12~17歳)は108週間継続された。プライマリエンドポイントは、成人患者では68週間まで、青年期患者では56週間までの、ベンラリズマブの2用量レジメンの安全性と忍容性である(治療後の追跡外来も含む)。このエンドポイントは、BORA試験で少なくとも試験薬を1回投与されたSIROCCO試験およびCALIMA試験の経験者でその他の研究に継続登録されていない患者における、最大の解析対象集団でアセスメントされた。

結果:
 2014年11月19日から2016年7月6日までに1926人の患者が登録され、SIROCCO試験あるいはCALIMA試験における633人がベンラリズマブ4週ごと、639人がベンラリズマブ8週ごとに割り付けられた。残る654人はこれらの研究でプラセボ群であり、再度ランダムにベンラリズマブ4週ごと(320人)あるいは8週ごと(334人)に割り付けられた。ベンラリズマブを4週ごとに投与された783人(265人が新規割り付け)およびベンラリズマブを8週ごとに投与された793人(281人が新規割り付け)が、最大の解析対象集団に組み込まれた。
 ベースライン時の血中好酸球数が300/μL以上の患者の74%は、投与2年目のBORA試験実施期間中に喘息増悪を起こさず、呼吸機能および喘息コントロールの改善が維持された。
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(文献より引用)

 もっともよくみられた有害事象は、ウイルス性上気道感染症(14~16%)で、喘息の悪化(3~4%)、肺炎(1%未満~1%)、細菌感染症による肺炎(0-1%)と続いた。BORA試験のあいだ、治療中断にいたったような治療関連有害イベント、重篤な有害イベント、有害イベントを起こした患者比率は、もともとベンラリズマブ群に割り付けられた患者、プラセボ群に割り付けられた患者、いずれのベンラリズマブ治療レジメンの患者においても同等だった。SIROCCO試験あるいはCALIMA試験(71-75%:ベンラリズマブ群のみ)とBORA試験(65-71%)の間で、有害イベントを起こした患者比率は同等で、治療中断にいたった有害イベントがあった患者比率も同等だった(SIROCCO試験あるいはCALIMA試験:2% vs BORA試験2-3%)。
結論:
 2年間のベンラリズマブの安全性の結果は、初年度に観察された安全性知見が2年目まで続いたことを示している。長期的好酸球の枯渇による新たな有害事象は起こらず、2年目のその他の有害イベント、日和見感染症についても同等だった。

資金提供:
 アストラゼネカ株式会社および協和発酵キリン株式会社。





by otowelt | 2018-11-28 00:55 | 気管支喘息・COPD