2019年 02月 14日 ( 1 )

日本人の多剤耐性結核患者に対するベダキリン併用

日本人の多剤耐性結核患者に対するベダキリン併用_e0156318_13203583.jpg 当院の上司のベダキリンについての論文です。

Tsuyuguchi K, et al.
Safety, efficacy, and pharmacokinetics of bedaquiline in Japanese patients with pulmonary multidrug-resistant tuberculosis: An interim analysis of an open-label, phase 2 study
Respiratory Investigation, In press, corrected proof, Available online 7 February 2019


背景:
 ベダキリンは、結核菌の ATP (アデノシン5'-三リン酸)合成酵素を特異的に阻害する新しい作用機序のジアリルキノリンであり、アメリカやEUを含む50ヶ国で成人の多剤耐性肺結核(pMDR-TB)に対して承認されている。

方法:
 この研究は、成人pMDR-TB日本人患者におけるベダキリンの安全性、有効性、薬物動態を評価するため実施した。この研究では、患者は個別のバックグラウンドレジメンにベダキリンを24週間以上併用された(最大48週間)。有効性は、ベダキリン開始から喀痰培養陰性化までの期間とした。

結果:
 治療関連有害イベント(TAEAs)は調査段階で6人中5人(83.3%)に観察された(ベダキリン投与期間+1週間)。1人を超えるTEAEsが観察されたのは、肝機能異常(6人中4人)、感覚異常(6人中3人)、鼻咽頭炎、面皰、悪心(それぞれ6人中2人)だった。QT延長は1人(13.3%)にみられた。治療中断に陥ったTEAEsはなかった。喀痰培養陰性化までの期間は14-15日だった。
日本人の多剤耐性結核患者に対するベダキリン併用_e0156318_14165730.png
(文献より引用:喀痰培養陰性化までの日数)

 血清ベダキリンCmaxはベダキリン投与から4~6時間で達成され、AUC24hは2週時点で50637~107300 ng*h/mL(5人)で、24週時点で58513~77148 ng*h/mL(2人)だった。

結論:
 24週以上におよぶバックグラウンドレジメンにベダキリンを併用された患者で、あらたな安全性懸念は生じなかった。また喀痰培養陰性化が投与後早期にみられた。少なくとも24週間にわたる多剤レジメンの一部として、ベダキリンの併用が日本人の成人pMDR-TB患者にとって適切な治療法であることを示唆している。


by otowelt | 2019-02-14 00:35 | 抗酸菌感染症