2019年 03月 14日 ( 1 )

イギリスにおけるCOPDの吸入薬処方の変遷

e0156318_1633480.jpg イギリスは吸入薬界ではかなり“早熟”と呼ばれる国です。

Bloom C, et al.
Changes in COPD inhaler prescriptions in the United Kingdom, 2000 to 2016.
Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2019 Jan 22;14:279-287.


背景:
 過去20年間にわたり、吸入薬の臨床試験が爆発的に増加し、また国内外のガイドラインが更新され、COPDの薬物治療管理に大きな変化をもたらした。われわれは、イギリスにおける処方例の経時的変化、およびそれらに影響を及ぼした可能性があるいくつかの要因について説明しようとこころみた。

患者および方法:
 COPD患者は、2000年~2016年にイギリスプライマリケアにおける国内の代表的な電子医療診療録から特定された(Clinical Practice Research Datalink)。処方データは、3つの維持吸入治療クラスに分類して記述された。すなわち、吸入ステロイド(ICS)、吸入長時間作用性β刺激薬(LABA)、吸入長時間作用性抗コリン薬(LAMA)、およびそれらの併用であるLABA-ICS2剤、LAMA-LABA2剤、LAMA-ICS-LAMA3剤である。2016年に、6つの異なる治療レジメンで患者特性の違いをみた。

結果:
 COPD患者が同定され、187588人の吸入薬の一般処方、および169511人の吸入薬の初回処方(その年でCOPDに対して初めて処方された)があった。2002年から、LAMAは人気が高まっており、ICS単独は逆のトレンドになっている。トリプル吸入療法の処方は、LAMA-LABA処方が増えた2014年からファーストライン治療として急速に普及している。2014年までに、全COPD患者の41%がトリプル吸入療法を維持されており、13%がLAMA単独による維持だった。2016年の患者特性を調べると、トリプル吸入療法を受けている患者は、より重度の病態であることが多かったが、トリプル吸入療法を受けている患者の3分の1は軽度にとどまった。
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(文献より引用:COPDの初回維持治療吸入薬の変遷)

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(文献より引用:COPDの全吸入薬の変遷)

結論:
 英国の処方内容は国内ガイドラインと一致していないものの、大規模臨床試験や最新の国際ガイドラインからのエビデンスとは一致しているように思える。トリプル吸入療法は急増しており、データによればこの傾向は初期マネジメントですでに逆転し始めている。 



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by otowelt | 2019-03-14 00:53 | 気管支喘息・COPD