2019年 03月 22日 ( 1 )

空洞を残した肺結核治癒痕は続発性肺アスペルギルス症のリスク

e0156318_1443174.png HIV感染率の高い集団(登録者の50%)を想定しているので、解釈には注意が必要です。

Page I, et al.
Chronic pulmonary aspergillosis commonly complicates treated pulmonary tuberculosis with residual cavitation
Eur Respir J 2019; in press (https://doi.org/10.1183/13993003.01184-2018).


背景:
 慢性肺アスペルギルス症(CPA)は、陳旧性肺結核に合併し、高い5年死亡率を有する。われわれはこの集団におけるCPAの有病率を調べた。

方法:
 肺結核を治療された398人のウガンダ人に対して、臨床的アセスメント、胸部レントゲン写真、アスペルギルス特異IgG抗体を調べた。285人が2年後に胸部CTを含む検査で再評価され、73人がCPAを疑われた。CPAは、アスペルギルス特異IgG抗体が陽性で、CPAの放射線学的特徴を有し、慢性咳嗽や血痰などがある患者で、活動性結核の再発がない場合に診断された。

本研究におけるアスペルギルス診断基準項目:
 ①咳嗽あるいは血痰が1ヶ月以上続く
 ②アスペルギルス特異IgG抗体陽性
 ③GeneXpertで結核菌が陰性
 ④胸部CTで空洞近傍の線維化あるいは真菌球がみられる、あるいは連続した胸部レントゲン写真で空洞が進行(新規空洞あるいは既存空洞が悪化)

結果:
 著者が定義したCPAは、再評価で14人(9.5%)にみられた(95%信頼区間2.8-7.9%)。CPAは胸部レントゲン写真で空洞がみられた患者に有意に観察された(26% vs 0.8%、p<0.001)が、おそらくHIV感染合併患者にはCPAは少なかった(3% vs. 6.7%, p=0.177)。新規のCPA年間発生率は、胸部レントゲン写真で空洞がみられた患者で6.5%、そうでない患者で0.2%だった(p<0.001)。
 胸部レントゲン写真で空洞がなく、胸膜肥厚がみられる場合、CPAの陰性適中率は100%だった(感度100%、特異度78.2%)。アスペルギルス特異IgG抗体上昇、慢性咳嗽あるいは血痰、胸部レントゲン写真における空洞の組み合わせは、CPA診断に対して感度85.7%、特異度99.6%(陽性適中率92.3%、陰性適中率99.3%)だった。

結論:
 胸部レントゲン写真で空洞を残した肺結核治癒にはCPAが高頻度に合併する。胸部レントゲン写真のみでもCPAの除外が可能である。血清学的検査の追加は、妥当な精度でCPAを診断することができる。





by otowelt | 2019-03-22 00:53 | 抗酸菌感染症