2019年 03月 28日 ( 1 )

STREAM試験:リファンピシン耐性結核に対する短期レジメン

e0156318_1302985.jpg 日本ではモキシフロキサシンではなくレボフロキサシンが使用されますが、耐性結核に対する治療が短期化されるためには、いろいろハードルがあります。

Andrew J. Nunn, et al.
A Trial of a Shorter Regimen for Rifampin-Resistant Tuberculosis
NEJM, March 13, 2019, DOI: 10.1056/NEJMoa1811867


背景:
 バングラデシュにおけるコホート研究では、多剤耐性結核患者において2011年WHOが推奨したレジメンよりも短い期間で既存薬の投与により良好な治癒率を示すことができた。

方法:
 われわれは、フルオロキノロンとアミノグリコシドに感受性のあるリファンピシン耐性結核患者における第3相非劣性試験を実施した。患者はランダムに2:1の割合で、高用量モキシフロキサシンを含む短期レジメン(9~11ヶ月)あるいは2011年WHOガイドラインに準拠した長期レジメン(20ヶ月)に割り付けられた。プライマリ効果アウトカムは、132週時点における良好なステータスとされ、132週時点での培養および試験期間中の培養でMycobacterium tuberculosisが陰性で、不良なアウトカム(割り付けレジメンに含まれない2剤以上による治療の開始、許容期間を超える治療の延長、死亡、直近の2つの検体のうち1つで培養陽性、76週以降の受診がない)がないことと定義された。群間差の95%信頼区間の上限値が10%以下の場合、非劣性と判定した。

※高用量モキシフロキサシン、クロファジミン、エタンブトール、ピラジナミドを40週間。これにカナマイシン、イソニアジド、エチオナミドを初期16週間加える。
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( Supplementary Appendixより引用)

結果:
 ランダム化された424人のうち、383人が修正ITT集団に組み入れられた。良好なステータスは、長期レジメン群の79.8%、短期レジメン群の78.8%にみられ、HIV感染で補正した群間差は1.0(95%信頼区間-7.5~9.5)であり、非劣性が示された(非劣性:p=0.02)。また、per-protocol集団においても、短期レジメン群の長期レジメン群に対する非劣性が観察された(補正群間差:-0.7%、95%信頼区間-10.5~9.1、非劣性:p=0.02)。グレード3以上の有害事象は長期レジメン群の45.4%、短期レジメン群の48.2%にみられた。短期レジメン群で、QT間隔または補正QT間隔(Fridericia法)の500msecまでの延長が多く認められたため(11.0% vs.6.4%、p=0.14)、厳重なモニタリングとともに、一部の患者では薬剤調整が実施された。短期レジメン群の8.5%が死亡し、長期レジメン群の6.4%が死亡した。フルオロキノロンあるいはアミノグリコシドに対する耐性獲得はそれぞれ3.3%、2.3%に起こった。

結論:
 フルオロキノロンとアミノグリコシドに感受性のあるリファンピシン耐性結核の患者では、短期レジメンは長期レジメンにプライマリ効果アウトカムが非劣性であり、安全性の観点では同等だった。

by otowelt | 2019-03-28 00:06 | 抗酸菌感染症