2019年 07月 23日 ( 2 )

日経メディカルの記事について

 2019年7月19日に公開した「「クラミジア肺炎」と言うの、やめませんか」(URL:https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/blog/kurahara/201907/561241.html)の記事について、複数の読者の方から事実関係の誤認があるとのご指摘をいただきました。確認したところ、医学的に古い情報に基づいた記載があったことが分かりました。本件についてお詫びをさせていただくとともに、記事中のどの部分が不正確だったのかについて説明します。

 記事中では、1999年に、遺伝子分析に基づき「肺炎クラミジア」と「オウム病クラミジア」の分類が、Chlamydia(クラミジア)属からChlamydophila(クラミドフィラ)属に再編されたことを紹介しました。しかしその後、専門家たちの間でこの分類の再編が不要であるというディスカッションがなされ、数年前に「クラミジア属に戻すべきだ」というコンセンサスが得られていました(Int J Syst Evol Microbiol. 2017 Feb;67(2):512-513.、Int J Syst Evol Microbiol 2010; 60: 2694.)。

 これら病原微生物の名称についても、現時点ではまだ混在はあるものの、肺炎クラミジア(Chlamydia pneumoniae)、オウム病クラミジア(Chlamydia psittaci)といった表記に統一する動きがあるそうです。またクラミジア属とクラミドフィラ属は、「属」の上位分類である「科」においてはどちらもクラミジア科(Chlamydiaceae)なので、クラミドフィラ属が残ったとしても、これらの総称としてカタカナで「クラミジア肺炎」と表現することに問題はないという指摘もいただきました。

 最新情報を十分に確認せず、読者の皆様に不正確な情報を提供してしまったことをお詫びいたします。なお、誤認のあった「病原微生物の分類や名称の変更」は、この記事の主要テーマでもあり、記事を部分的に修正することはできません。そこで記事本文は、公開当時のままで掲載を続けます。ご了承ください。





by otowelt | 2019-07-23 07:45 | その他

気道可逆性検査はCOPDと喘息の鑑別には役に立たない?

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Christer Janson, et al.
Bronchodilator reversibility in asthma and COPD: Findings from three large population studies
European Respiratory Journal 2019; DOI: 10.1183/13993003.00561-2019


背景:
 気道可逆性(BDR)試験は、閉塞性気道疾患の診断法として用いられている。この研究の目的は、喘息およびCOPDの被験者においてBDRを測定する異なる方法を比較すること、またBDRが症状負担やフェノタイプ特性にどの程度関連しているかを調べることである。

方法:
 3つの大規模国際集団研究において、16歳以上の35,628人にサルブタモール200μg吸入前および15分後に1秒量(FEV1)および努力性肺活量(FVC)が測定された。被験者は3群に分類された:現在の喘息(2833人)、COPD(1146人)、気道疾患なし(31,649人)。呼気フロー(FEV1上昇)に関しては3基準、肺容量(FVC上昇)に関しても3基準を用いて定義した。

結果:
 FEV1が12%以上かつ200mL改善した気道可逆性がある頻度は、喘息で17.3%、COPDで18.4%だった。一方で気道疾患のない被験者では5.1%だった。喘息では気道可逆性がwheezes(オッズ比1.36、95%信頼区間1.04-1.79)、アトピー(オッズ比1.36、95%信頼区間1.04-1.79)と関連していた。一方、COPDにおいてFeNOが上昇している場合、気管支拡張薬投与前のFEV1で補正しても、呼気フローないし肺容量関連の気道可逆性のいずれもが症状の悪化、増悪、健康ステータスと関連していなかった。
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(文献より引用)

結論:
 喘息と同じようにCOPDの被験者においても、少なくとも気道可逆性はよくみらえる現象である。これはすなわち、集団ベース研究において喘息とCOPDを鑑別する上で気道可逆性の測定に限界があることを示唆する。しかしながら、喘息においては気道可逆性はフェノタイプマーカーになるかもしれない。


by otowelt | 2019-07-23 00:05 | 気管支喘息・COPD