2019年 09月 03日 ( 1 )

AIRFLOW試験:COPDに対するTLDのランダム化比較試験

 COPDに対するTLDのランダム化比較試験です。
 呼吸器内科医ならご存知の人も多いと思いますが、TLD(Targeted Lung Denervation )というのは気管支鏡下で神経を焼灼して気管支を拡張させるCOPDの治療法です。喘息の気管支サーモプラスティに似ていますね。
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(COPDに対する気管支鏡下TLD)

 焼灼部位はかなり中枢側であり、両側の主気管支で手技をおこないます。
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Dirk-Jan Slebos, et al.
Safety and Adverse Events after Targeted Lung Denervation for Symptomatic Moderate to Severe COPD (AIRFLOW): A Multicenter Randomized Controlled Trial
Am J Respir Crit Care Med. 2019 Aug 12. doi: 10.1164/rccm.201903-0624OC


背景:
 TLDは気管支鏡下で行うCOPDに対するラジオ波焼灼治療で、副交感神経の呼吸器系の神経を永続的に破壊することで、気道抵抗と粘液過剰分泌を減少させる効果がある。

目的:
 TLDの呼吸器系の安全性と有害事象への影響を調べること。

方法:
 多施設共同ランダム化偽気管支鏡(sham-bronchoscopy)二重盲検比較試験において、有症状(mMRC≧2あるいはCAT≧10)のCOPD患者(予測1秒量30~60%)を登録した。プライマリエンドポイントはランダム化から3~6.5ヶ月のあいだの呼吸器系有害イベント(COPD増悪、頻呼吸、喘鳴、気管支炎の悪化、呼吸困難の悪化、インフルエンザ、肺炎、その他呼吸器感染症、呼吸不全、治療介入を要する気道への影響)の頻度とした。盲検は12.5ヶ月維持された。

結果:
 82人のCOPD患者(50%が女性、平均年齢63.7±6.8歳、平均予測1秒量41.6±7.3%、平均mMRC2.2±0.7、平均CATスコア18.4±6.1)が1:1にランダム化された。事前に規定された3~6.5ヶ月のウィンドウ期間において、TLD群の患者は有意に呼吸器系有害イベントがsham-bronchoscopy群よりも少なかった(32% vvs 71%、p=0.008、オッズ比0.19、95%信頼区間0.075-0.4923, p=0.0006)。0~12.5ヶ月のあいだにおいては、群間差はなかった(83% vs. 90%, p=0.52)。0~12.5ヶ月のあいだの、初回の入院を要するCOPD増悪までの期間は、有意にTLD群のほうが短かった(ハザード比0.35、95%信頼区間0.13-0.99、p=0.039)。中等症あるいは重症COPD増悪までの期間、患者の自己申告症状、その他生理学的検査については、12.5ヶ月の追跡期間中、統計学的な差はなかった。
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(重症増悪までの期間:文献より引用)

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(中等症あるいは重症増悪までの期間:文献より引用)

結論:
 適切な薬物療法と組み合わされたTLD治療を適用された有症状COPD患者は、入院を要するCOPD増悪など、研究で定義された呼吸器系の有害イベントが少なかった。



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by otowelt | 2019-09-03 00:53 | 気管支喘息・COPD