2019年 10月 02日 ( 1 )

ニコチン含有電子たばこ併用ニコチンパッチ禁煙治療は有用

e0156318_1003223.png NEJMの電子たばこ死亡例の報告があってから、すべての電子たばこと加熱式たばこが批判されています。呼吸器内科医としては「余計なものは吸うな」という認識ですが、くだんの報告でもってすべての新型たばこを叩く行為はサイエンティフィックには誤りだと思います。
 また、禁煙補助としての電子たばこは、嗜好品のそれとは別で考えるべきです。
 そして、呼吸器内科医であれば、電子たばこと加熱式たばこの違いくらいはおさえておきたいところです。

Natalie Walke, et al.
Nicotine patches used in combination with e-cigarettes (with and without nicotine) for smoking cessation: a pragmatic, randomised trial
Lancet Respiratory Medicine, Available online 9 September 2019


背景:
 ニコチン置換療法は禁煙に有用である。われわれは、6ヶ月の禁煙治療において電子たばこ(ニコチン含有・非含有)にニコチンパッチを併用する効果を検証した。

方法:
 われわれは、ニュージーランドにおいて、電子たばこを吸ったことがなく禁煙の意思がある成人喫煙者を3群並行群間試験に登録した。国内メディア広告から、被験者を募った。被験者は、ランダムに1:4:4の割合で、14週間(禁煙日前2週間から)の21mg24時間のニコチンパッチ、ニコチンパッチ+18mg/Lニコチン含有電子たばこ、ニコチンパッチ+ニコチン非含有電子たばこの3群に割り付けられた。われわれは、毎日1枚のニコチンパッチを用いるよう促し、電子たばこ割り付け群は、必要時あるいは希望時に吸入してもらうようにした。被験者と研究者は、液体ニコチンが含有されているかどうかは盲検化された。電話ベースでの行動サポート介入も行った。
 プライマリアウトカムは、CO濃度に基づく6ヶ月持続禁煙率とした。解析はITT集団でおこない、感度解析はper protocol、治療アドヒアランス、COカットオフ値ごとにおこなった。

結果:
 2016年2月17日から2017年11月30日までに、1124人の被験者が登録された。ニコチンパッチ群(125人)、ニコチンパッチ+ニコチン含有電子たばこ群(500人)、ニコチンパッチ+ニコチン非含有電子たばこ群(499人)の3群で解析をおこなった。ニコチンパッチ群の125人中62人(50%)、ニコチンパッチ+ニコチン含有電子たばこ群500人中161人(32%)、ニコチンパッチ+ニコチン非含有電子たばこ群499人中162人(33%)が、6ヶ月時点に脱落あるいは追跡不能となっていた。ニコチンパッチ+ニコチン含有電子たばこ群におけるCO濃度に基づいた6ヶ月時持続禁煙率は7%で、ニコチンパッチ+ニコチン非含有電子たばこ群よりも高かった(vs 4%、リスク差2.99、95%信頼区間0.17-5.81)。ニコチンパッチ群での持続禁煙率は2%と低かった(リスク差4.60、95%信頼区間1.11–8.09)。
 自己申告の場合、ニコチンパッチ+ニコチン含有電子たばこ群の6ヶ月持続禁煙率は18%、ニコチンパッチ+ニコチン非含有電子たばこ群11%、ニコチンパッチ群8%だった。
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(文献より引用)
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(文献より引用)

 ニコチンパッチ+ニコチン含有電子たばこ群の16人で18の重篤な有害事象があった(非含有電子たばこ群では22人・27イベント)。有害事象については統計学的な有意差はなかった。

結論:
 ニコチンパッチにニコチン含有電子たばこを併用するニコチン減量戦略は、ニコチン非含有電子たばこを使用したりニコチンパッチ単独で治療したりするよりも効果的であった。






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by otowelt | 2019-10-02 00:08 | 呼吸器その他