2019年 10月 10日 ( 1 )

全ての間質性肺疾患は急性増悪を起こし、予後を悪化させる

e0156318_93123.png 公立陶生病院からの報告です。

Suzuki A, et al.
Acute exacerbations of fibrotic interstitial lung diseases.
Respirology. 2019 Aug 19. doi: 10.1111/resp.13682.


背景および目的:
 IPFにおいて急性増悪は重篤な合併症である。2016年に、国際ワーキンググループは、診断定義と基準を改訂した。しかしながら、その他の線維性ILD(FILD)患者におけるAEの頻度と予後について検討した研究はほとんどない。

方法:
 われわれは、2008年1月から2015年7月までの間にILDと診断された1019人の連続患者データを用いた。診断は2018年12月にMDDによって検討された。ILDの内訳は、IPF(462人)、その他のFILDとしてNSIP22人、CHP29人、膠原病関連ILD205人、分類不能ILD209人だった。2016年のIPF急性増悪の定義を用いて、急性増悪を起こした全患者を同定した。

結果:
 中央期間3.4年の観察期間中、193人が急性増悪を経験した(FILD69人、IPF124人)。発症は100人年あたり、FILD3.21、IPF8.38だった。初回の急性増悪までの期間は、FILD群の方がIPF群よりも有意に長かった(p<0.001)。潜在的に影響する交絡因子で補正すると、FILDは初回急性増悪までの期間の有意な予測因子だった(ハザード比0.453、95%信頼区間0.317-0.647、p=0.006)。
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(Kaplan-Meier曲線:文献より引用)

 IPF患者のうち53%で抗線維化薬が用いられていた。ほとんどの急性増悪患者がステロイドパルス療法(90%)、抗菌薬(96%)、免疫抑制剤(82%)が併用された。
 短期アウトカムについては、90日死亡率がFILDとIPFの急性増悪でそれぞれ38%、47%だった(p=0.345)。多変量Cox比例解析では、ベースラインの重症度はILD急性増悪と密に関連していた(ハザード比0.814、95%信頼区間0.483–1.371、p=0.439)。その他の臨床的因子で補正しても、急性増悪は全生存に悪影響を与えていた。FILDとIPFの急性増悪は短期アウトカムを同等に悪化させた。すべてのグループにおいて、診断時の血清D-ダイマー、P/F比は90日死亡の独立予測因子であった。
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(死亡予測因子:Cox比例ハザードモデル)

結論:
 すべてのILD型は急性増悪のリスクがあり、IPF急性増悪と同等のアウトカムである。



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by otowelt | 2019-10-10 00:29 | びまん性肺疾患