2019年 10月 12日 ( 1 )

分類不能型ILDに対するピルフェニドン

e0156318_1543237.jpg INBUILD試験でオフェブ一色ですが、ピレスパも負けていられない。
 おそらく将来的に、進行線維化を起こすILD全てに抗線維化薬が用いられる時代が来るでしょう。MDDしなくても・・・とかいう極論も出てきそうですが。

(参考記事)
INBUILD試験:進行線維化を伴う間質性肺疾患に対するニンテダニブ

※個人的には、PD-L1陽性肺癌に対する同阻害剤や、喘息に対するICSのような、ドラスティックな効果が出る印象は持っていません。

Maher TM, et al.
Pirfenidone in patients with unclassifiable progressive fibrosing interstitial lung disease: a double-blind, randomised, placebo-controlled, phase 2 trial
Lancet Respiratory Medicine, https://doi.org/10.1016/S2213-2600(19)30341-8


背景:
 現在まで、肺の進行線維化をきたす分類不能型間質性肺疾患(ILD)に有効な薬物治療は適応となっていない。われわれは、進行線維化をきたす分類不能型ILDに対するピルフェニドンの効果と安全性を検証した。

方法:
 われわれは、オーストラリア、ベルギー、カナダ、チェコ共和国、デンマーク、ドイツ、ギリシャ、アイルランド、イスラエル、イタリア、ポーランド、ポルトガル、スペイン、イギリスの70施設において多施設共同二重盲検試験を実施した。適格患者は、18~85歳の進行線維化をきたす分類不能型ILDで、%努力性肺活量(FVC)が45%以上、%DLcoが30%以上、胸部HRCTで線維化が10%を超えるものとした。患者はランダムに1:1の割合で、ピルフェニドン2403mg/日あるいはプラセボを内服する群に割り付けられ、併用ミコフェノール酸モフェチルやIPAFの有無によって層別化された。研究者は治療割り付けに関して盲検化された。プライマリエンドポイントは、24週時点でのベースラインからの平均FVC変化量とした(自宅でスパイロメトリー測定)。セカンダリエンドポイントは、施設でのFVC変化、%FVCがベースラインから5%あるいは10%を超えて減少した患者割合、施設におけるスパイロメトリーでの%FVCの相対的減少率、DLco変化(%)、6分間歩行距離、UCSD-SOBQスコア変化、LSQスコア変化、咳嗽VAS変化、SGRQスコア変化とした。さらに、追加的セカンダリエンドポイントとして、理由を問わず入院した患者の割合、急性増悪、無増悪生存期間を設定した。効果アウトカムはITT集団で解析され、安全性解析は試験薬を1回でも投与されたものを対象におこなわれた。

結果:
 2017年5月15日~2018年6月5日までの間、253人がランダムにピルフェニドン2430mg群(127人)、プラセボ群(126人)に割り付けられ、ITT解析に組み込まれた。それぞれ平均年齢70.0歳、69.0歳だった。
 プライマリエンドポイント解析は、家庭でおこなわれたスパイロメトリーの個人差によって影響を受け、事前に想定していた統計モデルの適用が妨げられた。
 24週を通して、自宅で測定された予測FVCの平均変化はピルフェニドン群-87.7mL(Q1–Q3 −338.1 to 148.6)で、プラセボ群-157.1mL(同−370.9 to 70.1)だった。施設で測定された場合も、ピルフェニドン群のほうが小さかった(治療差95.3 mL [95%信頼区間35.9 to 154.6], p=0.002)。プラセボ群と比較すると、ピルフェニドン群の患者は5%を超えるFVC減少を起こしにくかった(オッズ比0.42、95%信頼区間0.25-0.69、p=0.001)。10%を超えるFVC減少についても同様の結果だった(オッズ比0.44、95%信頼区間0.23-0.84、p=0.011)。24週時点で、ベース来からのDLco変化はピルフェニドン群-0.7±7.1%、プラセボ群-2.5±8.8%だった。
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(文献より引用)

 6分間歩行距離変化は、ピルフェニドン群-2.0±68.1m、プラセボ群-26.7±79.3mだった。UCSD-SOBQスコア、LCQスコア、咳嗽VAS変化、SGRQスコアは両群同等だった。急性増悪、入院、死亡までの期間はイベント発生数が少ないため解析不適とされた。無増悪生存期間に有意差はなかった。
 治療による有害事象は、ピルフェニドン群127人のうち120人(94%)、プラセボ群124人のうち101人(81%)にみられた。重篤な有害事象は、それぞれ18人(14%)、20人(16%)だった。もっともよくみられた有害事象イベントは、胃腸障害(ピルフェニドン群47% vs プラセボ群26%)、疲労感(同16% vs 10%)、皮疹(10% vs 7%)だった。

結論:
 プライマリエンドポイントに想定していた統計手法が適用できなかったが、進行線維化をきたす分類不能型ILDはおそらくピルフェニドン治療の恩恵を受けると考えられ、安全性・忍容性には問題ない。


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by otowelt | 2019-10-12 00:15 | びまん性肺疾患