2019年 10月 22日 ( 1 )

RELAY試験:EGFR陽性NSCLCに対するエルロチニブ+ラムシルマブ

e0156318_10535567.png RELAY試験の論文を読みました。

Nakagawa K, et al.
Ramucirumab plus erlotinib in patients with untreated, EGFR-mutated, advanced non-small-cell lung cancer (RELAY): a randomised, double-blind, placebo-controlled, phase 3 trial.
Lancet Oncol. 2019 Oct 4. pii: S1470-2045(19)30634-5. doi: 10.1016/S1470-2045(19)30634-5.


背景:
 EGFR遺伝子変異陽性転移性非小細胞肺癌(NSCLC)におけるEGFRおよびVEGF経路を両方阻害することは、臨床前および臨床データで支持されているが、まだ広く認識されていない。
 RELAY試験は、EGFR変異(Exon19deあるいはExon21 L858R)を有し、脳転移のない、未治療の進行NSCLC患者を対象とした、EGFR-TKIであるエルロチニブとVEGFR2アンタゴニストであるラムシルマブの併用を、エルロチニブ+プラセボと比較した第3相二重盲検ランダム化比較試験である。

方法:
 13ヶ国の100の病院・クリニック・医療センターから患者が登録された。適格基準は、登録時に18歳以上(日本と台湾は20歳以上)で、Ex19delあるいはL858Rが陽性の、ECOG PS0-1のNSCLC患者で、中枢神経系転移を有さないものとした。登録患者は1:1の割合で、エルロチニブ(150mg/日)+ラムシルマブ(10mg/kg、2週ごと投与)群と、エルロチニブ(150mg/日)+プラセボ群にランダムに割り付けられた。登録患者は性別、国地域、EGFR変異ステータス、EGFR遺伝子変異検査法で層別化された。
 プライマリエンドポイントは、治験医師の評価によるITT集団での無増悪生存期間(PFS)とした。セカンダリエンドポイントは、奏効率(ORR)、奏効持続期間、PFS2(ランダム化から2度目の病勢進行あるいは全死因死亡までの期間)、全生存期間(OS)、血漿T790M変異、安全性などとした。

結果:
 2016年1月28日~2018年2月1日までに、449人の患者がランダム化され、ラムシルマブ併用群224人、プラセボ群に225人が割り付けされた。女性は両群で63%、アジア人は両群で77%(日本人211人)、年齢中央値はそれぞれ65歳、64歳だった。EGFR遺伝子変異のうちEx19delはそれぞれ55%、54%だった。追跡期間中央値は20.7ヶ月(IQR15.8-27.2)だった。プライマリ解析では、PFSはラムシルマブ併用群のほうが有意に延長していた(19.4ヶ月 [95%信頼区間15.4-21.6] vs 12.4ヶ月[95%信頼区間11.0-13.5]、ハザード比0.59 (95%信頼区間0.46-0.76; p<0·0001)。EGFR変異のステータスで層別化しても、ラムシルマブ併用群でPFSが有意に延長していた(Ex19del:19.6ヶ月 vs 12.5ヶ月、ハザード比0.651、95%信頼区間0.469-0.903、L858R:19.4ヶ月 vs 11.2ヶ月、ハザード比0.618、95%信頼区間0.437-0.874)。1年PFS率は、ラムシルマブ併用群が71.9%、プラセボ群が50.7%だった。盲検下独立中央判定によるPFS評価でも、ハザード比0.671(95%信頼区間0.518-0.869、p=0.0022)と有意だった。
 セカンダリエンドポイントであるPFS2は、ラムシルマブ併用群においてプラセボ群より有意に延長していた。PFS2中央値は、併用群、プラセボ群ともに未到達で、ハザード比は0.690(95%信頼区間0.490-0.972)であった(p=0.03)。OSは未到達、ハザード比は0.832(95%信頼区間:0.532-1.303)(p=0.4209)。ベースライン時にT790M変異陽性の患者はいなかったが、病勢進行30日後の測定では、ラムシルマブ併用群43%、プラセボ群47%で発現がみられた(p=0.849)。
 グレード3-4の有害事象イベントは、ラムシルマブ併用群221人のうち159人(72%)、プラセボ群225人のうち121人(54%)にみられた。もっともよくみられたグレード3-4の有害事象は、ラムシルマブ併用群では、高血圧(52人[24%]、グレード3のみ)、ざ瘡様皮膚炎(33人[15%])で、プラセボ群では、ざ瘡様皮膚炎(20人[9%])、ALT上昇(17人[8%])だった。

結論:
 エルロチニブ+ラムシルマブは、エルロチニブ単剤と比較して、未治療EGFR遺伝子変異陽性転移性NSCLCに対してPFSを延長させる。安全性については、個々の薬剤の安全性プロファイルに矛盾しない結果であった。



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by otowelt | 2019-10-22 00:13 | 肺癌・その他腫瘍