2019年 10月 31日 ( 1 )

COLDICE試験:クライオバイオプシーと外科的肺生検の診断一致率は良好

e0156318_1543237.jpg 今年春にブルージャーナルをにぎわせた論文はκ=0.22でしたが、まったく逆の結果が報告されました。本文中にくだんの論文について批判コメントを寄せています。

(参考記事)
クライオバイオプシーと外科的肺生検の病理医による一致率は不良
AJRCCMでのやりとり:外科的肺生検とクライオバイオプシー

 人の手と目が介在している上、MDDによって主観(権威者の意見)も入ってしまうため、プロセスを統一しないと真実は分からないのかもしれません。

Myer JL, et al.
Diagnostic accuracy of transbronchial lung cryobiopsy for interstitial lung disease diagnosis (COLDICE): a prospective, comparative study
Lancet Respiratory Medicine, https://doi.org/10.1016/S2213-2600(19)30342-X

背景:
 経気管支肺クライオバイオプシー(TBLC)は、間質性肺疾患(ILD)診断において肺組織検体を採取する新しい技術である。この研究の目的は、外科的肺生検(SLB)と比較したTBLCの診断精度を確立することである。

方法:
 COLDICE試験は、前向きに多施設でおこなわれたTBLCとSLBの診断精度を比較する臨床研究で、オーストラリアの複数施設で実施された。ベースラインの評価ののち、診断のために組織病理学的評価を要する18~80歳のILD患者が登録された。MDDによるスクリーニングのあと、ILD患者はTBLCおよびSLBを受けた。検体には1から130の番号がふられ、病理医には情報がマスクされた。その後のMDDでは、匿名化された症例がTBLCまたはSLBのいずれかで2回、臨床的および放射線学的データとともにランダムに非連続的に議論された。複合プライマリエンドポイントは、definite UIPあるいはprobable UIPパターン、indeterminate for UIP、alternative diagnosisに対するTBLCとSLBの組織病理学的特徴の一致(κ値)とした。

結果:
 2016年3月15日~2019年4月15日までに、65人(31人が男性、34人が女性、平均年齢66.1±9.3歳)が登録された。平均%努力性肺活量は83.7±14.2%、平均%DLcoは63.4±12.8%だった。TBLC(平均7.1±1.9mm)、SLB(平均46.5±14.9mm)は、同側の肺葉から2つ採取された(65人→130検体)。
 TBLCとSLBの組織病理学区的一致は70.8%だった(重みつきκ値:0.70, 95%信頼区間0.55–0.86)。MDDにおける診断一致は76.9%だった(κ 0.62, 95%信頼区間0.47–0.78)。
 TBLCで高い・確実な診断信頼性があるとMDDで判断されたのは65人中39人(60%)で、37人(95%)はSLB診断と一致していた。65人中26人(40%)では低い信頼性あるいは分類不能型であるとTBLCで診断され、SLBで6人(23%)が高い信頼性・確実なMDD診断へ移行できた。
 TBLCの14人(22%)で軽度~中等度の気道出血がみられた。90日死亡率は、2%だった(65人中1人)。

結論:
 病理組織学的な解釈とMDD診断の両方について、TBLCとSLBの間で高いレベルの一致が示された。TBLC MDD診断は特に信頼性が高く、SLB MDD診断との優れた一致を示した。これらのデータは、間質性肺疾患診断アルゴリズムにおけるTBLCの臨床的有用性を支持するものである。

ディスカッション:Romagnoli らの研究に対する批判
 Our findings contradict the results of Romagnoli and colleagues,which showed poor agreement betweenTBLC and SLB in a smaller cohort of 21 patients. In their study, both TBLC and SLB were presented together at MDD to inform the discussion and final diagnosis. Due to their study design, the final MDD diagnosis was affected by the SLB data, introducing substantial bias into the process. The subsequent masked assessment of TBLC specimens by a single pathologist had limited agreement with MDD diagnosis. It is unlikely however, that this aspect of the study design would have affected the masked biopsy interpretation, with poor histopathological agreement potentially relating to additional factors.Given the smaller sample size and the limitations discussed, no firm conclusions regarding the diagnostic utility of TBLC could be made from the study by Romagnoli and colleagues.



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by otowelt | 2019-10-31 00:57 | びまん性肺疾患