2019年 11月 02日 ( 2 )

本の紹介:誰も教えてくれなかった「風邪」の診かた 感染症診療12の戦略 第2版

 1億年前から言っていますが、かぜの本が執筆できる人は、スゴイんです(1ヶ月ぶり2回目)。

 私が初めて読んだかぜの本は、岸田直樹先生のコレ。後期研修を終えた頃に第1版が出版され、「誰も教えてくれなかった」というタイトルを見て、こりゃスゴイ本が出たぞ!と即買いしたのを覚えています。当時、かぜの本なんて一冊もありませんでしたから。

 岸田先生は「医療におけるエンパワメントを推進する法人」を立ち上げ、感染症コンサルタントとして活躍しておられる、スーパードクターです。お名前はいたるところで拝見し、私の中では、まさに医の巨人・メディカルゴーレム。・・・別にドラクエウォークが流行っているから、寄せたワケじゃないんですが。
 
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発売日:2019年10月25日
単行本 : 320ページ
価格 : 3,500円 (税抜)
出版社 : 医学書院
著者 : 岸田直樹先生

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 「かぜなんて、とりあえずP●顆粒出しとけばいいんだよ」みたいな教えられ方をした人と、この本の前版を読んで育った人では、たぶんスライムとはぐれメタルくらいの差がついていると思います。その本がグレードアップして第2版になりましたが、別の本じゃないかと思うくらい進化していて、はぐれメタルは間違いなくメタルキングになります。・・・すいません、しつこくドラクエにたとえてみました。

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 第3章、高齢者の風邪のところ、完成度がすごいです。若者風に書くとマジパネェ、関西弁ならエライコッチャ。おそらく、ここに一番力を入れたのだと思います。呼吸器内科医としては、慢性腎臓病ならぬ慢性肺臓病のくだり、抗菌薬のNNTのくだりがとても勉強になりました。

 先日、山本舜悟先生もかぜの本を編著として出版されたのですが(本の紹介:かぜ診療マニュアル第3版 )、同時期に2冊刊行されることに驚きました。どっちの本も発売日に買って、どっちも献本されるという、異例の事態。2冊読めば、何だかかぜの神になれる気がする。

 お二人は座談会を開くほどの関係。どこで座談会をやったのかというと、「寺」だそうで。後光がまぶしくて、目が開けられないッ!座談会はJ-IDEO11月号の特集企画『かぜ診療と「禅」』に掲載されています。要チェケラーです!








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by otowelt | 2019-11-02 18:06 | その他

ベダキリン・デラマニド併用レジメンの長期安全性

e0156318_13203583.jpg ぶっちゃけ、どちらも数回しか処方したことがないです。

・参考記事:日本人の多剤耐性結核患者に対するベダキリン併用

 70%以上がXDR-TBというのもなかなか・・・。

Olatunde Olayanju, et al.
A regimen containing bedaquiline and delamanid compared to bedaquiline in patients with drug resistant tuberculosis
European Respiratory Journal 2019; DOI: 10.1183/13993003.01181-2019


背景:
 耐性結核におけるデラマニドとベダキリンに関するデータは限られている。HIV感染者を含んだ、前向き長期アウトカムデータはまだない。

方法:
 われわれは、2014年から2018年のあいだに122人の耐性結核の南アフリカ人(52.5%がHIV感染者)を登録した(Brooklyn Chest Hospital)。年齢中央値は34歳(IQR27-42歳)で、74人(60.7%)が男性だった。体重は中央値で51.8kgだった(IQR43.8-59.0kg)。HIV感染者のCD4中央値は154/μL(IQR57-332/μL)だった。86人(70.5%)がXDR-TBだった。
 ベダキリンベースのレジメン(82人)と、ベダキリン-デラマニド併用レジメン(40人)のアウトカムと安全性を検証した。

結果:
 6ヶ月時の喀痰培養陰性化率は同等だった(92.5% vs 81.8%; p=0.26)。18ヶ月時の良好アウトカムについても、ベダキリン-デラマニド併用群のほうがより耐性・より治療前失敗率が高かったにもかかわらず、同等だった(63.4% vs 67.5%; p=0.66)(5剤を超える耐性はベダキリン群3.7%、ベダキリン-デラマニド群22.5%, p=0.001/治療前失敗率12.2% vs 52.5%、p<0.001)。QTcF延長は、併用群のほうが頻繁にみられた(ベースラインから60msecを超えるもの、あるいは治療中450msecを超えるもののいずれもベダキリン群の約2倍)(p=0.001)。治療脱落には差はなかった。HIV感染の有無にかかわらず、効果は一定だった。
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(文献より引用)

結論:
 HIVステータスを問わず、耐性結核の患者において、ベダキリン-デラマニド併用レジメンは、ベダキリンベースレジメンと比較して長期の安全性は同等だった。





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by otowelt | 2019-11-02 00:06 | 抗酸菌感染症