2019年 11月 07日 ( 1 )

多剤耐性結核に対するフルオロキノロンはガチフロキサシンが最良か

e0156318_9552565.jpg Gatifloxacin revisit!
 まぁ、もう杏林製薬はラスビックを売り出すんですけど。
 2016年にWHOはMDRTBに対する9ヶ月の「バングラデシュレジメン(shorter regimen)」を推奨しました。この論文では、ガチフロキサシンの効果が高いと報告されています。
 バングラデシュ、カメルーン、ニジェールでオッズ比が1をまたいでいるのですが、3ヶ国をメタアナリシスしたような形で有意差がついています。
 
Duen AV, et al.
Gatifloxacin is superior to levofloxacin and moxifloxacin in shorter treatment regimens for multidrug-resistant TB
The International Journal of Tuberculosis and Lung Disease, Volume 23, Number 9, 1 September 2019, pp. 965-971(7)


セッティング:
 バングラディシュ、ニジェール、カメルーンにおける多剤耐性結核(MDRTB)に対する短期治療レジメン(STR)のいずれかを開始した患者からデータを収集した。
 STR:カナマイシン+クロファジミン+キノロン+エタンブトール+イソニアジド+ピラジナミド+プロチオナミド(4-6ヶ月) → キノロン+クロファジミン+エタンブトール+ピラジナミド(5-8ヶ月)

目的:
 STRとして併用されたガチフロキサシン、モキシフロキサシン、レボフロキサシンの微生物学的効果を類推すること。

結果:
 1530人のうち、微生物学的な効果がみられたのは、96.7%だった。ガチフロキサシン(978人)、レボフロキサシン(290人)、モキシフロキサシン(262人)のSTRで層別化すると、ぞれぞれの効果は97.5%、95.5%、94.7%だった。ガチフロキサシンベースの治療と比較すると、レボフロキサシンベース、モキシフロキサシンベースのSTRは不良アウトアム(治療失敗あるいは再発)が2倍以上だった(オッズ比2.05、95%信頼区間1.09-3.90)。初期の耐性で補正すると、レボフロキサシンベースのレジメンおよびモキシフロキサシンベースのレジメンは、不良アウトカムのオッズ比がぞれぞれ4.5倍、8.4倍となった。ガチフロキサシンベースの治療を受けた859人のうち0人、レボフロキサシンベースの治療を受けた203人のうち2人、モキシフロキサシンベースの治療を受けた228人のうち4人がフルオロキノロン耐性を獲得した。

結論:
 MDRTBに対するガチフロキサシンベースのSTRは、モキシフロキサシンベース・レボフロキサシンベースの治療より効果的であった。ガチフロキサシンは現在ほとんどのMDRTBプログラムにおいて利用されておらず、再考を要する。





by otowelt | 2019-11-07 00:52 | 抗酸菌感染症