2019年 11月 10日 ( 1 )

慢性夏型過敏性肺炎の診断基準提唱

e0156318_1543237.jpg 姫路医療センターからの報告です。
 「Aを診断するためにはAに合致する所見を満たす必要がある」のように、CHPは極めてトートロジーの部分があります。また、「このUIPパターンは特発性ではない」という判断にはやはり医師の裁量がかかわってきます。
 まだまだ難しい分野だと思います。

Onishi Y, et al.
Clinical features of chronic summer-type hypersensitivity pneumonitis and proposition of diagnostic criteria.
Respir Investig. 2019 Oct 12. pii: S2212-5345(19)30150-9. doi: 10.1016/j.resinv.2019.09.003.


背景:
 Trichosporon asahii (T. asahii) は、慢性夏型過敏性肺炎(C-SHP)を起こすが、臨床的特徴についてはほとんどわかっていない。われわれは、C-SHPの臨床的特徴を解明し、血清T. asahii抗体(TaAb)の存在によってC-SHPの臨床診断基準を提唱することをこころみた。

方法:
 2010年1月から2017年5月までに、C-SHPおよび特発性肺線維症(IPF)と診断された患者を後ろ向きにレビューした。2群において臨床所見が比較された。有意な特徴にもとづいてC-SHPの基準を提唱し、developmentおよびvalidation cohortに適用した。
 2018ATS/ERS/JRS/ALAT基準にもとづいて、UIPパターンがあると診断された患者のうち特発性ではないと考えられた症例にVasakovaらの基準を用いてC-SHPと診断し、非UIPパターンと診断された患者のうちTaAb陽性例にVasakovaらの基準を用いてC-SHPと診断した。前者1例、後者30例の合計31例が登録された。
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(Vasakovaらの基準[Am J Respir Crit Care Med. 2017 Sep 15;196(6):680-689.])

結果:
 31人のC-SHP患者および26人のTaAb陰性IPF患者が同定された。C-SHP患者は、木造建築の住宅に住んでいる頻度が高かった(94% vs 69%)。IPF患者のほうが男性が多かった。C-SHP患者では、KL-6とSP-DがIPF患者より有意に高かった(平均KL-6:1506 vs 914 U/mL、平均SP-D:235 vs 156 ng/mL)。C-SHP患者は、胸部HRCTにおいて、胸膜直下のコンソリデーション(39% vs 15%)、微細粒状影(77% vs 31%)、広範囲のすりガラス陰影(32% vs 0%)、モザイク灌流(48% vs 0%)がよくみられた。
 以下の3項目が高い診断能を有すると考えられた。

I)TaAb陽性
II)モザイク灌流、微細粒状影を含む、CHPに合致したHRCTパターン
III)血清バイオマーカー上昇(KL-6>1500 U/mL、SP-D>250 ng/mL)

 我々は、I)とII)を満たす症例を「probable C-SHP」と定義し、3項目を満たす症例を「confident clinical diagnosis of C-SHP」と定義した。development cohortおよびvalidation cohortでは、AUCがそれぞれ0.965、0.993だった。

結論:
 C-SHPを、IPFやその他ILDから鑑別する有用な臨床的特徴を示した。


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by otowelt | 2019-11-10 00:10 | びまん性肺疾患