2020年 01月 09日 ( 1 )

慢性緑膿菌感染を有するCOPD患者に対するコリスチンのネブライザー吸入

慢性緑膿菌感染を有するCOPD患者に対するコリスチンのネブライザー吸入_e0156318_141151.png “どうしようもないケース”で使われる最後の手段、というイメージです。

Montón C, et al.
Nebulized Colistin And Continuous Cyclic Azithromycin In Severe COPD Patients With Chronic Bronchial Infection Due To Pseudomonas aeruginosa: A Retrospective Cohort Study.
Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2019 Oct 17;14:2365-2373.


背景:
 嚢胞性線維症および非嚢胞性線維症の気管支拡張症の治療としてネブライザーあるいは経口抗菌薬の長期使用がよくおこなわれている。しかしながら、これまでの研究で、COPD患者におけるネブライザー抗菌薬に焦点をあてたものはほとんどない。この研究の目的は、慢性の緑膿菌気道感染を有する重症COPD患者に対するコリスチンのネブライザー吸入とアジスロマイシン持続投与が増悪の頻度を減らすかどうか、また喀痰に対して微生物学的に効果があるか検証することである。

方法:
 重症COPDで慢性緑膿菌気道感染を有する患者にコリスチンのネブライザー吸入をおこなったケースを2005年~2015年後ろ向きに収集した。コリスチンのネブライザー吸入の導入前・導入後2年のCOPD増悪数やその特徴を記録した。

結果:
 コリスチンのネブライザー吸入を少なくとも3ヶ月受けた32人の重症COPD患者を登録した。投与期間中央値は17ヶ月である(IQR 7-24ヶ月)。1人を除く全員がアジスロマイシン持続投与を併用されていた(中央期間24ヶ月、IQR11-30ヶ月)。追跡2年時点でCOPD増悪数はベースラインから38.3%減少し、緑膿菌による増悪も明らかに減少していた(59.6%→24.6%)。2年時点で喀痰の緑膿菌培養が陰性になっていたのは28%だった。

結論:
 慢性緑膿菌気道感染を有する重症COPD患者において、コリスチンのネブライザー吸入とアジスロマイシン持続投与を併用することで、COPD増悪数が有意に減少し、喀痰の緑膿菌培養も陰性になりやすい。




by otowelt | 2020-01-09 00:31 | 気管支喘息・COPD