2020年 01月 20日 ( 1 )

メタアナリシス:世界の結核治療成功率

メタアナリシス:世界の結核治療成功率_e0156318_231239.png 研究デザインがごちゃまぜの解析ですが、アメリカの治療成功率がかなり低いですね。

Chaves Torres NM, et al.
Factors predictive of the success of tuberculosis treatment: A systematic review with meta-analysis.
PLoS One. 2019 Dec 27;14(12):e0226507.


目的:
 結核治療の世界的な結果のプール推定値を算出し、TB治療成功の予測因子を分析すること。

方法:
 肺結核の治療結果および結果に影響する因子について報告した、2014年から2019年までに出版された研究を用いた。ランダム効果モデルを用いて、オッズ比と95%信頼区間を算出した。

結果:
 合計151研究が基準を満たした。95が後ろ向きコホート研究、28が横断研究、25が前向きコホート研究、3が症例対照研究だった。成人の研究が91、小児の研究が7だった。また、HIV共感染患者を扱った研究は15で、多剤耐性結核/超多剤耐性結核の研究は15だった。
 成人における薬剤感受性結核の治療成功率は80.1%(95%信頼区間78.4-81.7%)だった。高い異質性(I2=99.8%)が観察されたが、出版バイアスはみられなかった。
 アメリカの治療成功率が最も低く、75.9%だった(95%信頼区間73.8-77.9%)。オセアニアが最も高く、83.9%(95%信頼区間75.2-91.0%)だった。
メタアナリシス:世界の結核治療成功率_e0156318_2310221.png
(世界の結核治療成功率:文献より引用)

 小児では、治療成功率は84.8%(95%信頼区間77.7-90.7%)だった。HIV共感染患者の治療成功率は71.0%(95%信頼区間63.7-77.8%)で、多剤耐性結核では58.4%(95%信頼区間51.4-64.6%)、超多剤耐性結核では27.1%(95%信頼区間12.7-44.5%)だった。
 治療開始2ヶ月後の喀痰抗酸菌塗抹検査が陰性の場合、治療成功率は約3倍高かった(オッズ比2.7、95%信頼区間1.5-4.8)。また、65歳未満の若年(オッズ比2.0、95%信頼区間1.7-2.4)、非飲酒者(オッズ比2.0、95%信頼区間1.6-2.4)、HIV陰性患者(オッズ比1.9、95%信頼区間1.6-2.5)も治療成功率が高かった。

結論:
 世界的に結核の治療成功率は良好だったが、それでもなお85%を下回っている。年齢、性別、アルコール消費量、喫煙、治療開始2ヶ月目の喀痰陰性化、HIV感染症は結核の治療成功に影響を与える。
 

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

医療者のための結核の知識 第5版 [ 四元 秀毅 ]
価格:3740円(税込、送料無料) (2019/12/30時点)



by otowelt | 2020-01-20 00:28 | 抗酸菌感染症