2020年 01月 27日 ( 1 )

結核関連喀血に対するBAEの予後予測因子

結核関連喀血に対するBAEの予後予測因子_e0156318_12475788.png 胸膜肥厚は、非気管支動脈系の血管を巻き込んでいることが多いと考察されています。

Peng Y, et al.
Effect of bronchial artery embolisation on the management of tuberculosis-related haemoptysis
INT J TUBERC LUNG DIS 23(12):1269–1276


目的:
 結核に関連した喀血への気管支動脈塞栓術(BAE)のアウトカムに影響するリスク因子を同定すること。
 
方法:
 2014年3月から2018年8月までに、結核関連喀血の患者207人へBAEがおこなわれた。臨床データがレビューされた。追跡期間は24~1749日の範囲だった。

結果:
 すみやかに止血が得られたのは94.2%だった。顕著な胸膜肥厚(2肋間を超えて3mm以上の肥厚がみられるものと定義)は喀血のリスク因子だった(P = 0.000, オッズ比22.52)。累積無再発率は、1ヶ月後98.5%、3ヶ月後94.8%、6ヶ月後88.7%、12ヶ月後79.9%、24ヶ月後68.5%、36ヶ月後65.7%、48ヶ月後62.7%だった。8人の患者が肺全摘、15人の患者が再BAEを受けた。しかしながら、5人は3度目のBAEまで受けることとなった。Cox回帰分析では、顕著な胸膜肥厚(P = 0.000), 糖尿病(P = 0.018)、肺真菌感染症合併(P = 0.001)は独立した再発のリスク因子だった。BAE後の死亡率は9.2%で、顕著な胸膜肥厚がやはりリスク因子だった(P = 0.000, オッズ比8.14)。
結核関連喀血に対するBAEの予後予測因子_e0156318_12414217.png
(胸膜肥厚ステータス別のKaplan-Meier曲線:文献より引用)

結論:
 結核関連喀血のほんどの例でBAEは有効である。顕著な胸膜肥厚、糖尿病、肺真菌感染症合併はBAEの予後に影響する独立リスク因子だった。肺真菌感染症と糖尿病が良好にマネジメントされれば、顕著な胸膜肥厚に対して適切な外科手術を考慮すべきかもしれない。


by otowelt | 2020-01-27 00:25 | 抗酸菌感染症