2020年 02月 07日 ( 1 )

自然気胸に対する保存治療と介入治療の比較

自然気胸に対する保存治療と介入治療の比較_e0156318_22312912.png 結構勇気要りますよね、このランダム化比較試験。シンプルながらも誰もが疑問に思っていたことを立案された先生がたに拍手です。

Brown SGA, et al.
Conservative versus Interventional Treatment for Spontaneous Pneumothorax.
N Engl J Med. 2020 Jan 30;382(5):405-415.


背景:
 非複雑性の、中等症~重度の原発性自然気胸に対する保存的治療が介入治療(胸腔ドレーンなど)の代替として容認されるマネジメントかどうかは不明である。

方法:
 このオープンラベル多施設共同非劣性試験において、われわれは14~50歳の初発・片側の中等症~重度の原発性自然気胸患者を登録した。患者はランダムに、すみやかな介入治療群(12Fr未満の小径胸腔ドレーン)あるいは保存的治療群に割り付けられ、その後12ヶ月追跡された。プライマリエンドポイントは、8週以内の肺の拡張である。
 介入治療群:胸腔ドレーン挿入後、エアリークがなければクランプし、4時間後肺が拡張しておればドレーン抜去とした。
 保存治療群:適切な鎮痛にもかかわらず、臨床的に重要な症状が持続する、胸痛または呼吸困難が動作を妨げる、保存治療の継続を拒否、患者の状態が生理学的に不安定、胸部X線写真で気胸の拡大などがあった場合、介入治療が主治医の裁量で実施された。

結果:
 合計316人の患者がランダム化された(154人が介入治療群、162人が保存治療群)。保存治療群では、25人(15.4%)が事前プロトコルに照らし合わせて介入治療を受けることとなった。残りの137人(84.6%)は介入治療を受けずに済んだ。完全ケース分析において、介入治療群23人と保存治療群37人を除外すると、8週間以内の肺の再拡張は、介入治療群131人中129人(98.5%)、保存治療群125人中118人(94.4%)で得られた(リスク差-4.1%ポイント; 95%信頼区間-8.6 to 0.5; 非劣性P = 0.02)。事前に95%信頼区間の非劣性マージンとして下限-9%ポイントと規定した。56日後のすべての欠落データを治療の失敗として帰属させた感度分析では、肺の再拡張は介入治療群138人中129人(93.5%)、保存治療群143人中118人(82.5%)となり、リスク差は-11.0%ポイント(95%信頼区間-18.4 to -3.5)は上記非劣性マージンを超えていた。保存治療群は、重篤な有害イベントや気胸再発が介入治療群と比較して少なかった。

結論:
 本試験では、原発性自然気胸の保存治療が介入治療に劣らず、重篤な有害事象のリスクが低いという、やや控えめなエビデンスが得られた。




by otowelt | 2020-02-07 00:00 | 呼吸器その他