ATS2018ニュース配信中

e0156318_10142767.png

Facebookページ(URL:Facebook「呼吸器内科医」https://www.facebook.com/pulmonarist)でATS2018のニュースを流しているため、ブログは少しお休みしています。

日本から情報収集しているため情報に偏りがあるかもしれませんが、呼吸器内科医の皆さんは是非チェックしてみてください。TwitterなどのSNS、委託している外国人医師の現地情報収集・ヒアリングに基づく速報です。このほうがトータルコストが少なく、豊富な情報が得られるためです。


<5月22日更新分 ATS2018ニュース35~> NEW!
■注目されていた演題
・ニンテダニブのINPULSIS試験+TOMORROW試験のプール解析
・メポリズマブのオマリズマブからのスイッチング:OSMO試験
・難治性肺MAC症に対するALISの上乗せ効果:CONVERT研究
・heterogeneous emphysemaに対するZypher:LIBERATE研究(AJRCCM同時掲載)


e0156318_8124156.png



<5月22日更新分 ATS2018ニュース23~34> 
■注目されていた演題
・喘息に対するデュピルマブの第3相試験:LIBERTY ASTHMA VENTURE研究(NEJM同時掲載)
・TRILOGY試験+TRINITY試験+TRIBUTE試験のプール解析


e0156318_758991.png



<5月21日更新分 ATS2018ニュース1~22>
■注目されていた演題

・ARDSに対するEOLIA研究
・IPFに対するPBI-4050+ニンテダニブ
・IPFにおける遺伝子組み換え型ヒト・ペントラキシン-2タンパク質製剤(JAMA同時掲載)
・IPFに対するオートタキシン阻害剤GLPG1690:FLORA研究(Lancet Respiratory Medicine同時掲載)
・IMPACT研究(すでにNEJM掲載)
・COPDのトリプル吸入療法からのde-escalation:SUNSET研究(AJRCCM同時掲載)
・低中所得国におけるqSOFAの有効性(JAMA同時掲載)
・重症喘息に対するTralokinumab:STRATOS 1、2研究(Lancet Respiratory Medicine同時掲載)
・メポリズマブの長期追跡:COLUMBA研究


e0156318_12111339.png
e0156318_12775.png






[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

ポケット呼吸器診療(2018) [ 林清二 ]
価格:1944円(税込、送料無料) (2018/5/12時点)



# by otowelt | 2018-05-21 00:10 | 呼吸器その他

気道熱傷の重症度判定に胸部CTにおける気管支壁測定が有効

e0156318_17111674.jpg thin sliceでないと正確な判定はできませんが、かなり参考になるデータですね。

久保飛鳥.
初療時胸部CT画像検査における気管支壁厚を用いた気道熱傷の重症度予測の有効性の検討.
日本集中治療医学会雑誌. 25 巻 (2018) 3 号 p. 179-184.


目的:
 気管支鏡による偽膜形成の評価は,受傷時に正確に判断できないことがある。そこで,初療時胸部CT検査が気道熱傷の重症度評価に有効か検討した。

方法:
 2011年4月から2016年12月に搬送された気道熱傷症例を対象に,胸部CT検査で中枢・末梢気管支壁肥厚を測定し,気管支鏡検査による重症度分類や臨床経過との関係を後ろ向きに検討した。結果は中央値で示す。

結果:
 症例は36例,年齢64.5歳であった。そのうち,気管支鏡検査による重症度評価かつ胸部CT検査が行われていたのは18例であった。重症度が高いほど,有意に中枢と末梢の気管支壁の肥厚を認めた(中枢:Grade 1:5例,1.55 mm,Grade 2:4例,1.89 mm,Grade 3:3例,4.39 mm,Grade 4:6例,3.77 mm,P<0.01,末梢:Grade 1:1.45 mm,Grade 2:2.06 mm,Grade 3:3.40 mm,Grade 4:3.62 mm,P<0.01)。

結論:
 初療時胸部CT検査を行うことで,気道熱傷の重症度を早期に予測することができる可能性がある。



[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

集中治療医学レビュー2018-'19 最新主要文献と解説 [ 岡元 和文 ]
価格:9720円(税込、送料無料) (2018/5/12時点)



# by otowelt | 2018-05-17 00:57 | 救急

南アフリカにおけるデラマニドの効果と安全性

e0156318_9552565.jpg デルティバ®は個人的にはまだ1例にしか使用経験がありません。心電図のフォローアップが大変です。

Erika Mohr, et al.
Delamanid for Rifampicin–Resistant Tuberculosis: A Retrospective Study from South Africa
European Respiratory Journal 2018; DOI: 10.1183/13993003.00017-2018


背景:
 とりわけ、HIV陽性の患者においてデラマニドの投与経験は限られている。われわれは、南アフリカにおいてデラマニドの早期の効果と安全性を調べた。

方法:
 これは、2015年11月から2017年8月までにデラマニド含有レジメンを投与された患者の後ろ向きコホート研究である。12ヶ月時の中間解析において、2ヶ月および6ヶ月までの喀痰陰性化率、重篤な有害事象、QT時間が報告された。

結果:
 103人の患者がデラマニドを開始した。79人(77%)がHIV陽性だった。主なデラマニド適応は、セカンドライン抗結核薬に忍容性がなかったことであった(58人、56%)。46人の患者が12ヶ月のフォローアップを受け、28人(61%)が良好なアウトカムだった(治癒、治療完遂、培養陰性化)。47人の患者がデラマニド開始時に喀痰塗抹が陽性であり、31人中16人(52%)が2ヶ月以内、31人中25人(81%)が6ヶ月以内に喀痰陰性化を達成した。67人重篤な有害事象が29人(28%)に報告された。4回のQT延長(500msec超)が2人(2%)にみられ、1例では治療中止となった。しかしながら、不整脈の発生はなかった。

結論:
 HIV陽性患者が多い大規模コホート研究では、リファンピシン耐性結核に対するデラマニド治療は早期に良好な治療反応性を達成し、忍容性も良かった。デラマニドは、特に通常のレジメンが適用できない場合に有効な選択肢である。



[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

ポケット呼吸器診療(2018) [ 林清二 ]
価格:1944円(税込、送料無料) (2018/5/12時点)



# by otowelt | 2018-05-16 00:41 | 抗酸菌感染症

ベッドサイド処置時の1%リドカイン注入前同液表面使用は疼痛軽減に有効

e0156318_21221396.jpg 個人的にやってみたことがあるのですが、注入前に皮膚表面に1%リドカインを塗り付けてもこすっても、あまり変わらなかった印象があります。10mL全部使うことはないので、最初に1-2mL使うという戦略はいいかもしれませんが。

Bhakti K. Patel, et al.
Comparison of Two Lidocaine Administration Techniques on Perceived Pain from Bedside Procedures: A Randomized Clinical Trial
CHEST, DOI: https://doi.org/10.1016/j.chest.2018.04.018


背景:
 リドカインは処置時の疼痛軽減に用いられるが、注入によって逆に痛みを誘発してしまうことがある。疼痛の知覚は、非薬物的な刺激、たとえば温度やタッチングなどで疼痛閾値を上げることで修飾可能である。われわれは、リドカイン注入前に皮膚に滴下することで、皮膚表面を冷却あるいは接触し、疼痛知覚を軽減することができるのではないかと考えた。

方法:
 われわれは、2011年2月から2015年3月までに処置を必要として紹介された患者にランダム化比較試験を実施した。全患者は、1%のリドカイン注射を受けた。介入群に割り付けられた患者は、リドカイン注入前に1~2mLのリドカイン皮膚散布を受けた。この研究の介入について患者には盲検化された。プライマリアウトカムは処置による疼痛の程度とし、VASの平均を用いた。

結果:
 481人の患者がランダム化された。プライマリアウトカムである疼痛は介入群のほうがVASスコアが良好であった(16.6±24.8mm vs 12.2±19.4mm、p=0.03)。サブグループ解析において、疼痛スコアはPICC挿入患者において主に改善がみられた(18.8±25.6mm vs 12.2±18.2mm; p=0.02)。

結論:
 総じてベッドサイドの処置で疼痛の報告は少ないものの、リドカインを皮膚表面に事前に用いることでさらなる疼痛の軽減が期待される。


# by otowelt | 2018-05-15 00:45 | 内科一般

HIV非合併ニューモシスチス肺炎に対して早期ステロイド導入は必要か?

e0156318_20444355.jpg 後ろ向き研究ですが、ステロイドを早期に用いるプラクティスに一石を投じそうです。

Patrick M. Wieruszewski, et al.
Early corticosteroids for Pneumocystis pneumonia in adults without HIV are not associated with better outcome.
CHEST, DOI: https://doi.org/10.1016/j.chest.2018.04.026


背景:
 HIVを合併していない成人におけるニューモシスチス肺炎(PCP)の治療では、全身性ステロイドの併用を支持するエビデンスは限られており議論の余地がある。

方法:
 これは後ろ向きコホート研究で、HIVを合併していないPCPのメイヨークリニックの入院患者を2006~2016年まで登録した。ベースラインから5日時点のSOFArespスコアの変化を、早期ステロイド導入群(48時間以内)および非導入群で比較した。

結果:
 323人のPCP患者の内訳は、早期ステロイド導入群258人、非導入群65人だった。年齢中央値は65歳(IQR 53-78歳)であり、63%が男性で、92%が白人だった。重症度補正回帰および傾向スコアマッチ解析では、早期ステロイド導入群は5日目のSOFArespスコア改善が非導入群と比べて少なかった(それぞれ、p = 0.001、p = 0.017)。5日時点での1点以上のSOFArespスコア改善がみられたオッズ比については両群に差はなかった(補正オッズ比0.76、95%新リア区間0.24-2.28、p=0.61)。30日死亡率は、22.9%だった(95%信頼区間18.2-27.4%)。死亡率、入院期間、ICU入室、人工呼吸器装着の必要性は、早期ステロイド導入群と非導入群に差はなかった。

結論:
 HIV感染症のない患者において抗ニューモシスチス治療に対する早期ステロイドの導入は、呼吸器系のアウトカムの改善とは関連していなかった。





# by otowelt | 2018-05-14 00:21 | 感染症全般