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実臨床におけるLTBIの意義

e0156318_1302985.jpg 学会誌の論文を2連発で紹介しますが、めちゃくちゃ重要な知見です。LTBIやるとやらないの発病率の差がかなり参考になりますね。

松本 健二ら.
接触者健診における二次患者の発生状況とLTBI治療成績
Kekkaku Vol. 94, No. 2 : 21_26, 2019


目的:
 接触者健診における二次患者の発生と潜在性結核感染症(LTBI)治療成績を検討する。

方法:
 2011~2015 年,大阪市保健所が実施した接触者健診のQFT-3G(QFT)陽性例を対象とした。二次患者の発生とLTBI 治療適用の有無を検討し,LTBI 治療適用例は治療成績と発病の有無を検討した。

結果:
 QFT 実施は6486 例でQFT 陽性は871 例。LTBI 治療適用ありは697 例で,治療成績は完了480 例,中断73 例,未治療81 例であった。2 年以内の発病率は完了0.8%,中断2.7%,未治療8.6% であり,治療成績と発病率に有意差が認められた(p<0.01)。LTBI 治療適用なしは174 例で,理由はQFT陽性判明と同時期に発病判明70 例,既感染と診断13 例等であった。二次患者は84 例で,発病を認めなかったQFT 陽性例に比べ,初発患者の咳の期間3 カ月以上と有空洞の割合が有意に高かった(p<0.05)。

結語:
 二次患者は初発患者の感染性が高く,その発見はQFT 陽性判明と同時期が多く,LTBI治療の時機を逸していたが,LTBI 治療完了例では発病率が有意に低かったため早期発見が重要と考えられた。





by otowelt | 2019-04-18 00:09 | 抗酸菌感染症

喀痰以外の検体における結核菌LAMP

e0156318_1302985.jpg 実臨床的な報告です。

吉多仁子ら.
胃液・気管支鏡・胸水などの検体を用いた核酸増幅検査Loopamp 結核菌群検出試薬キット(TB-LAMP)の検討
Kekkaku Vol. 94, No. 2 : 15_20, 2019


目的:
 喀痰以外の検体を用いた核酸増幅検査Loopamp 結核菌群検出試薬キット(TB-LAMP)を検討したので報告する。

対象:
 2014 年8 月から2018 年3 月の間にTB-LAMP を実施した喀痰以外の検体は996 検体。このうちMGIT が結核菌群(結核菌)陽性の胃液29 検体,気管支鏡検体(BAL)10 検体,胸膜組織3 検体,肺組織2 検体,胸水6 検体,腹水2 検体,膿3 検体,耳漏1 検体の計56 検体と,TB-LAMP 陽性・MGIT 陰性の胃液1 検体,胸水2 検体,膿4 検体,肺組織1 検体の計8 検体を対象とした。

結果:
 MGIT 陽性56 検体中のTB-LAMP の陽性率は83.9%(47/56 検体),平均陽性検出時間は18分55秒。塗抹別では塗抹陽性が陽性率100%(12/12検体),平均陽性検出時間は14分51秒。塗抹陰性陽性率は79.5%(35/44 検体),平均陽性検出時間は19 分41 秒。MGIT 培養陰性8 検体の平均陽性検出時間は17 分05 秒で活動性結核と診断された患者からの検体であった。

まとめ:
 TB-LAMPは喀痰以外の検体に対しても有用であることが分かった。





by otowelt | 2019-04-17 00:38 | 抗酸菌感染症

肺kansasii症に対するマクロライド含有レジメンの有効性

e0156318_21415744.jpg 10年くらい後ろ向きにみると、もっと症例集まる病院がたくさんあると思うのですが、誰かやらないんですかね(他力本願)。当院ではカンサシ症に対してはイソニアジド+リファンピシン+エタンブトールを培養陰性から1年継続するレジメンを採用しています。
 なんか自然治癒する例もありそうなんですけど、今の時代、さすがにプラセボ群は設定できないですよね。

Moon SM, et al.
Treatment with a macrolide-containing regimen for Mycobacterium kansasii pulmonary disease.
Respir Med. 2019 Mar;148:37-42.


背景
 Mycobacterium kansasiiは、肺非結核性抗酸菌症に関連した主要な病原菌である。肺M. kansasii症に対する治療として、イソニアジド、リファンピシン、エタンブトールの毎日の内服が推奨されている。イソニアジドの代替としてマクロライド含有レジメンが近年推奨されているが、それを支持するデータは限られている。われわれは、肺M. kansasii症患者においてマクロライド含有レジメン(マクロライド群)とイソニアジド含有レジメン(イソニアジド群)を比較した。

方法:
 2002年1月から2016年12月までに合計49人の患者が同定された。イソニアジド群(24人)およびマクロライド群(25人)が比較された。

結果:
 ベースラインの患者特性は両群同等だった。良好な転帰については、イソニアジド群(19人、79%)、マクロライド群(22人、88%)ともに有意差はなかった(p=0.463)。総治療期間(中央値17.9ヶ月 vs 15.4ヶ月、p=0.712)および菌陰性化までの期間(中央値2.0ヶ月 vs 1.2ヶ月、p=0.838)は両群同等だった。
 非空洞性肺M. kansasii症患者5人において、週3回の間欠的なマクロライド含有レジメンで12ヶ月未満の治療で菌陰性化が達成された。イソニアジド群で1人のみが肺M. kansasii症を再発した。

結論:
 肺M. kansasii症の治療においてマクロライド含有レジメンはイソニアジド含有レジメンと同等の効果である。加えて、マクロライド含有間欠的レジメンも、非空洞性肺M. kansasii症に対して代替治療オプションになりうる。


by otowelt | 2019-03-29 00:25 | 抗酸菌感染症

STREAM試験:リファンピシン耐性結核に対する短期レジメン

e0156318_1302985.jpg 日本ではモキシフロキサシンではなくレボフロキサシンが使用されますが、耐性結核に対する治療が短期化されるためには、いろいろハードルがあります。

Andrew J. Nunn, et al.
A Trial of a Shorter Regimen for Rifampin-Resistant Tuberculosis
NEJM, March 13, 2019, DOI: 10.1056/NEJMoa1811867


背景:
 バングラデシュにおけるコホート研究では、多剤耐性結核患者において2011年WHOが推奨したレジメンよりも短い期間で既存薬の投与により良好な治癒率を示すことができた。

方法:
 われわれは、フルオロキノロンとアミノグリコシドに感受性のあるリファンピシン耐性結核患者における第3相非劣性試験を実施した。患者はランダムに2:1の割合で、高用量モキシフロキサシンを含む短期レジメン(9~11ヶ月)あるいは2011年WHOガイドラインに準拠した長期レジメン(20ヶ月)に割り付けられた。プライマリ効果アウトカムは、132週時点における良好なステータスとされ、132週時点での培養および試験期間中の培養でMycobacterium tuberculosisが陰性で、不良なアウトカム(割り付けレジメンに含まれない2剤以上による治療の開始、許容期間を超える治療の延長、死亡、直近の2つの検体のうち1つで培養陽性、76週以降の受診がない)がないことと定義された。群間差の95%信頼区間の上限値が10%以下の場合、非劣性と判定した。

※高用量モキシフロキサシン、クロファジミン、エタンブトール、ピラジナミドを40週間。これにカナマイシン、イソニアジド、エチオナミドを初期16週間加える。
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( Supplementary Appendixより引用)

結果:
 ランダム化された424人のうち、383人が修正ITT集団に組み入れられた。良好なステータスは、長期レジメン群の79.8%、短期レジメン群の78.8%にみられ、HIV感染で補正した群間差は1.0(95%信頼区間-7.5~9.5)であり、非劣性が示された(非劣性:p=0.02)。また、per-protocol集団においても、短期レジメン群の長期レジメン群に対する非劣性が観察された(補正群間差:-0.7%、95%信頼区間-10.5~9.1、非劣性:p=0.02)。グレード3以上の有害事象は長期レジメン群の45.4%、短期レジメン群の48.2%にみられた。短期レジメン群で、QT間隔または補正QT間隔(Fridericia法)の500msecまでの延長が多く認められたため(11.0% vs.6.4%、p=0.14)、厳重なモニタリングとともに、一部の患者では薬剤調整が実施された。短期レジメン群の8.5%が死亡し、長期レジメン群の6.4%が死亡した。フルオロキノロンあるいはアミノグリコシドに対する耐性獲得はそれぞれ3.3%、2.3%に起こった。

結論:
 フルオロキノロンとアミノグリコシドに感受性のあるリファンピシン耐性結核の患者では、短期レジメンは長期レジメンにプライマリ効果アウトカムが非劣性であり、安全性の観点では同等だった。

by otowelt | 2019-03-28 00:06 | 抗酸菌感染症

空洞を残した肺結核治癒痕は続発性肺アスペルギルス症のリスク

e0156318_1443174.png HIV感染率の高い集団(登録者の50%)を想定しているので、解釈には注意が必要です。

Page I, et al.
Chronic pulmonary aspergillosis commonly complicates treated pulmonary tuberculosis with residual cavitation
Eur Respir J 2019; in press (https://doi.org/10.1183/13993003.01184-2018).


背景:
 慢性肺アスペルギルス症(CPA)は、陳旧性肺結核に合併し、高い5年死亡率を有する。われわれはこの集団におけるCPAの有病率を調べた。

方法:
 肺結核を治療された398人のウガンダ人に対して、臨床的アセスメント、胸部レントゲン写真、アスペルギルス特異IgG抗体を調べた。285人が2年後に胸部CTを含む検査で再評価され、73人がCPAを疑われた。CPAは、アスペルギルス特異IgG抗体が陽性で、CPAの放射線学的特徴を有し、慢性咳嗽や血痰などがある患者で、活動性結核の再発がない場合に診断された。

本研究におけるアスペルギルス診断基準項目:
 ①咳嗽あるいは血痰が1ヶ月以上続く
 ②アスペルギルス特異IgG抗体陽性
 ③GeneXpertで結核菌が陰性
 ④胸部CTで空洞近傍の線維化あるいは真菌球がみられる、あるいは連続した胸部レントゲン写真で空洞が進行(新規空洞あるいは既存空洞が悪化)

結果:
 著者が定義したCPAは、再評価で14人(9.5%)にみられた(95%信頼区間2.8-7.9%)。CPAは胸部レントゲン写真で空洞がみられた患者に有意に観察された(26% vs 0.8%、p<0.001)が、おそらくHIV感染合併患者にはCPAは少なかった(3% vs. 6.7%, p=0.177)。新規のCPA年間発生率は、胸部レントゲン写真で空洞がみられた患者で6.5%、そうでない患者で0.2%だった(p<0.001)。
 胸部レントゲン写真で空洞がなく、胸膜肥厚がみられる場合、CPAの陰性適中率は100%だった(感度100%、特異度78.2%)。アスペルギルス特異IgG抗体上昇、慢性咳嗽あるいは血痰、胸部レントゲン写真における空洞の組み合わせは、CPA診断に対して感度85.7%、特異度99.6%(陽性適中率92.3%、陰性適中率99.3%)だった。

結論:
 胸部レントゲン写真で空洞を残した肺結核治癒にはCPAが高頻度に合併する。胸部レントゲン写真のみでもCPAの除外が可能である。血清学的検査の追加は、妥当な精度でCPAを診断することができる。





by otowelt | 2019-03-22 00:53 | 抗酸菌感染症

認知症合併は肺結核の死亡リスク

e0156318_1302985.jpg 実臨床に即した論文です。

Saiki M, et al.
Coexistence of dementia with smear-positive pulmonary tuberculosis is associated with patient in-hospital mortality
Respiratory Investigation, online 11 February 2019


背景:
 肺結核患者の生存期間に認知症が与える影響は不明である。この研究は、認知症を合併した肺結核患者の院内死亡率に影響を与えるリスク因子を記述しようとしたものである。

方法:
 新規に塗抹陽性で、HIV感染症を伴わない非多剤耐性結核と診断された成人入院患者において、9年におよぶ診療録ベースの後ろ向き研究が実施された。臨床所見、生化学的検査、放射線学的所見、臨床アウトカムが収集された。因子を各グループで比較した。統計学的に有意(p<0.05)な因子は多変量ステップワイズロジスティック回帰モデルに組み込んだ。生存解析は、Kaplan-Meier法によっておこなわれ、log-rank testによって群間比較された。

結果:
 279人の患者(178人が男性、年齢中央値76歳)のうち、認知症は64人(22.9%)にみられた。全体での死亡率は12.2%(279人中34人)だった。認知症を有して生存退院したのは、245人中42(17.1%)であり、認知症を有して死亡したのは34人中22人(64.7%)にのぼった。単変量解析では院内で死亡した患者では認知症の頻度が高かった。多変量ステップワイズロジスティック回帰分析では、認知症は院内死亡の高さと有意に関連していた(オッズ比率3.20、95%信頼区間1.15-8.88、p=0.026)。そのほか、年齢(オッズ比1.07、95%信頼区間1.01-1.13、p=0.0024)、呼吸不全(オッズ比5.63、95%信頼区間1.15-8.88、p<0.001)、ADL(オッズ比2.14、95%信頼区間1.10-4.16、p=0.025)などが有意に関連していた。
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(文献より引用:多変量解析)

 加えてサブグループ生存曲線では、年齢で補正しても、認知症は生存率減少と関連していた(log-rank test, p=0.0007)。
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(文献より引用:Kaplan-Meier曲線)

結論:
 肺結核に合併した認知症は、患者の院内死亡率と関連していた。医療従事者は、塗抹陽性肺結核患者の高い死亡率集団を同定するために認知症に注意すべきである。
 




by otowelt | 2019-03-04 09:24 | 抗酸菌感染症

日本人の多剤耐性結核患者に対するベダキリン併用

e0156318_13203583.jpg 当院の上司のベダキリンについての論文です。

Tsuyuguchi K, et al.
Safety, efficacy, and pharmacokinetics of bedaquiline in Japanese patients with pulmonary multidrug-resistant tuberculosis: An interim analysis of an open-label, phase 2 study
Respiratory Investigation, In press, corrected proof, Available online 7 February 2019


背景:
 ベダキリンは、結核菌の ATP (アデノシン5'-三リン酸)合成酵素を特異的に阻害する新しい作用機序のジアリルキノリンであり、アメリカやEUを含む50ヶ国で成人の多剤耐性肺結核(pMDR-TB)に対して承認されている。

方法:
 この研究は、成人pMDR-TB日本人患者におけるベダキリンの安全性、有効性、薬物動態を評価するため実施した。この研究では、患者は個別のバックグラウンドレジメンにベダキリンを24週間以上併用された(最大48週間)。有効性は、ベダキリン開始から喀痰培養陰性化までの期間とした。

結果:
 治療関連有害イベント(TAEAs)は調査段階で6人中5人(83.3%)に観察された(ベダキリン投与期間+1週間)。1人を超えるTEAEsが観察されたのは、肝機能異常(6人中4人)、感覚異常(6人中3人)、鼻咽頭炎、面皰、悪心(それぞれ6人中2人)だった。QT延長は1人(13.3%)にみられた。治療中断に陥ったTEAEsはなかった。喀痰培養陰性化までの期間は14-15日だった。
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(文献より引用:喀痰培養陰性化までの日数)

 血清ベダキリンCmaxはベダキリン投与から4~6時間で達成され、AUC24hは2週時点で50637~107300 ng*h/mL(5人)で、24週時点で58513~77148 ng*h/mL(2人)だった。

結論:
 24週以上におよぶバックグラウンドレジメンにベダキリンを併用された患者で、あらたな安全性懸念は生じなかった。また喀痰培養陰性化が投与後早期にみられた。少なくとも24週間にわたる多剤レジメンの一部として、ベダキリンの併用が日本人の成人pMDR-TB患者にとって適切な治療法であることを示唆している。


by otowelt | 2019-02-14 00:35 | 抗酸菌感染症

LTBIに対するリファペンチン+イソニアジドの3ヶ月レジメン

e0156318_1302985.jpg HIV感染・非感染がややヘテロな解析ですが、3HPが標準になるとよいですね。ちなみにリファペンチンは日本では使えません。

Hamada Y, et al.
Three-month weekly rifapentine plus isoniazid for tuberculosis preventive treatment: a systematic review
Int J Tuberc Lung Dis. 2018 Dec 1;22(12):1422-1428.


背景:
 結核(TB)の予防的治療を適用しても依然として不十分な状況である。リファンペンチン(RPT)とイソニアジド(INH)の3ヶ月レジメン(3HP)はその規模を容易に拡大できるかもしれない。われわれは、6ヶ月あるいは9ヶ月のINH単独治療と比較した3HPの効果をアセスメントするため、システマティックレビューをおこなった。

方法:
 われわれは、ランダム化比較試験を同定するため、PubMed、Embase、the Web of Science、Cochrane Central Register of Controlled Trialsデータベースを検索した。可能であればランダム効果モデルを用いてデータをプールした。

結果:
 4研究が組み込まれた。そのうち、2研究はHIV共感染における6ヶ月あるいは9ヶ月のINH(6/9H)と3HPを比較したものであり、1研究はHIV陰性成人におけるもの、1研究はHIV陰性優位の小児・思春期患者におけるものである。
 活動性TBのリスクは3HPと6/9Hの間に有意差はなかった(HIV感染成人患者:リスク比0.73、95%信頼区間0.23-2.29、HIV非感染成人患者:リスク比0.44、95%信頼区間0.18-1.07、小児・思春期患者:リスク比0.13、95%信頼区間0.01-2.54)。肝障害のリスクは成人HIV感染患者(相対リスク0.26、95%信頼区間0.12-0.55)、成人HIV非感染患者(相対リスク0.16、95%信頼区間0.10-0.27)のいずれににおいて有意に3HP群のほうが低かった。3HPはすべてのサブグループにおいて高い治療完遂率達成と関連していた。
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(文献より引用)

結論:
 HPはINH単独治療と同等の予防効果を示し、有害事象が低く、完遂率が高かった。3HPは予防治療において規模拡大に大きく寄与しうる。





by otowelt | 2019-02-13 00:15 | 抗酸菌感染症

多剤耐性肺結核に対するデラマニド上乗せの効果と安全性

e0156318_13203583.jpg プラセボ群の治癒が多すぎたようです。

Florianvon Groote-Bidlingmaier, et al.
Efficacy and safety of delamanid in combination with an optimised background regimen for treatment of multidrug-resistant tuberculosis: a multicentre, randomised, double-blind, placebo-controlled, parallel group phase 3 trial.
Lancet Respiratory Medicine, https://doi.org/10.1016/S2213-2600(18)30426-0


背景:
 デラマニドは、最近承認された多剤耐性結核の治療薬2つのうちの1つである。われわれは、初期治療6ヶ月におけるデラマニドの効果と安全性を評価した。

方法:
 これは7ヶ国(エストニア、ラトビア、リトアニア、モルドバ、ペルー、フィリピン、南アフリカ共和国)の17施設で実施された、ランダム化二重盲検プラセボ対照第3相試験である。われわれは18歳~69歳の肺多剤耐性結核患者で、WHOおよび国内ガイドラインに基づいて選択された適切なバックグラウンドレジメンに、経口デラマニド(100mg1日2回)2ヶ月→200mg1日1回4ヶ月あるいはプラセボ群に登録した。患者は、2:1の割合でランダム化され、排菌陰性化遅延のリスクカテゴリーによって層別化された。プライマリアウトカムは、6ヶ月のあいだのMGIT喀痰培養陰性化までの期間および2群間の同期間における喀痰培養陰性化期間の分布差とした(修正ITT集団で解析)。

結果:
 2011年9月2日から2013年11月27日までの間に714人の患者をスクリーニングし、そのうち511人がランダム化された(341人がデラマニド+適切なバックグラウンドレジメン[デラマニド群]、170人がプラセボ+適切なバックグラウンドレジメン[プラセボ群])。年齢中央値はそれぞれ32歳、31歳だった。7割以上が男性だった。327人が培養陽性多剤耐性結核であり、これらが有効性解析に組み入れられた(226人がデラマニド群、101人がプラセボ群)。喀痰培養陰性化までの期間は両群で有意差はなかった(51日 vs 57日、ハザード比1.17、95%信頼区間0.91-1.51)。患者511人のうち501人(98.0%)が治療による有害事象を経験した。136人(26.6%)が重篤な有害事象をきたしたが、その頻度はデラマニド群とプラセボ群で同等だった(26.1% vs 27.6%)。死亡についても有意差はなかった(4.4% vs 3.5%)。QT延長はデラマニド群5.3%、プラセボ群2.9%だった。
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(文献より引用)

結論:
 プライマリ解析では、6ヶ月の間での喀痰培養陰性化について、デラマニド群とプラセボ群で有意差はなかった。デラマニドは忍容性があり安全性プロファイルに懸念は少ない。





by otowelt | 2019-01-29 00:21 | 抗酸菌感染症

アルコール消費は結核発症のリスク因子

e0156318_1302985.jpg エタノールは週100gまで大丈夫という報告がありましたが(Lancet. 2018 Apr 14;391(10129):1513-1523.)、結核治療中のアルコール消費はゴカンベンいただきたいところです。

Simou E, et al.
Alcohol consumption and risk of tuberculosis: a systematic review and meta-analysis
IJTLD, DOI: https://doi.org/10.5588/ijtld.18.0092

目的:
 アルコール消費と結核のリスクの関連についてシステマティックレビューおよびメタアナリシスをおこなうこと。

方法:
 Medline, EMBASE, Web of Scienceを用いて2005年から2018年4月までの観察研究を調べた。登録された研究の参考文献リストについてもスクリーニングされた。

結果:
 49研究が登録された。アルコール消費が少ないまたは全くない集団と比較すると、アルコール消費が多いまたはその他いずれの消費量において相対オッズ比は上昇した(1.90、95%信頼区間1.63–2.23)。相当なレベルでの異質性が確認された(I2= 82%)。しかしながら、出版バイアスは観察されなかった(P = 0.54)。アルコールをまったく飲まない群を対照群に設定した研究に限った感度解析では、わずかに低いながらもリスク上昇はやはり観察された(オッズ比1.60, 95%信頼区間1.39–1.84)。サブグループ解析では、研究デザイン、研究の質、地域、出版年、交絡因子の補正のいずれにおいて有意な差はみられなかった。ハザード比を報告した4研究を追加したプール解析では、追跡期間中のアルコール消費に関連した結核のリスク上昇は約3倍だった(ハザード比2.81, 95%信頼区間2.12–3.74)。暴露反応解析では、1日あたり10~20gのアルコール摂取が増えるごとに、結核のリスクは12%上昇した。
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(文献より引用:用量反応関係)

結論:
 アルコール消費は、結核発症の重要なリスク因子である。





by otowelt | 2019-01-28 00:40 | 抗酸菌感染症