カテゴリ:気管支喘息・COPD( 542 )

吸入薬の図

 未発売のエアロスフィアとジェネリックも含めた、吸入薬一覧です。保険適用に差がある製剤は細分化して記載しています。
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by otowelt | 2019-06-21 09:18 | 気管支喘息・COPD

COPDにおけるトリプル吸入療法:テリルジー vs ビレーズトリ

 COPDに対するトリプル吸入療法は論文の世界だけの時代が長らく続きましたが、グラクソスミスクライン社からテリルジー®エリプタが発売され、トリプル吸入療法をおこなっている患者さんをそちらの製剤に移行しているところです。
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 アストラゼネカ社からも、pMDI(エアロスフィア)のトリプル吸入製剤であるビレーズトリ®の製造販売が承認され、COPDに対するトリプル吸入療法はこれで、グラクソスミスクライン社 vs アストラゼネカ社の構図になります。
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 実臨床的には喘息におけるトリプル吸入療法をなんとかしてもらいたいところですが・・・。個人的事情により、私にはアストラゼネカ社からの情報提供はお断りさせていただく意向ですので、SNSなどで世の動向を見守ろうと思います。


by otowelt | 2019-06-20 07:48 | 気管支喘息・COPD

SAMBA試験:高齢者自己管理サポートの有用性

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 現実的にできるか、というハードルが一番高そうですが・・・。それでもこの論文を読むと、個人的な反省点は多いです。
 SAMBAコーチングマニュアルは公開されています

URL:https://static1.squarespace.com/static/5aa05b0d5ffd2076c3f84708/t/5bf01625352f533b08bac2ff/1542460967953/SAMBA+Coach+Initial+Training+Manual.pdf

Federman AD, et al.
Effect of a Self-management Support Intervention on Asthma Outcomes in Older Adults: The SAMBA Study Randomized Clinical Trial.
JAMA Intern Med. 2019 Jun 10. doi: 10.1001/jamainternmed.2019.1201.


背景:
 喘息の高齢者は、若年成人よりもコントロールやアウトカムが不良である。喘息高齢者における自己管理に関する介入は、通常、患者ごとの特定のニーズに合わせて調整されているわけではない。

目的: 
 包括的に高齢喘息患者の自己管理をサポートする上で、臨床および自己管理のアウトカムに対する効果を調べること。

方法と対象:
 2014年2月~2017年12月に、ニューヨーク市のプライマリケアクリニックおよび住宅で実施された3群のランダム化比較試験である。60歳以上の成人で、持続型コントロール不良喘息患者が大学病院センターおよび保健センターの電子カルテから特定された。適格性を評価された1349人のうち、406人が適格基準を満たし、研究参加に同意し、在宅ベースの介入、クリニックベースの介入、またはコントロール群(通常ケア)の3群に割り付けられた。合計391人の患者が割り付けられた治療を受けた。

介入:
 心理社会的、身体的、認知的、環境的喘息管理や自己管理に対する障壁のスクリーニング、および同定された障壁に対処するための行動自己管理。介入は、喘息ケアコーチにより、在宅やプライマリケアクリニックで行われた。
 害虫の問題を抱えている患者は、低所得世帯の居住者が利用できるニューヨーク市が支援する害虫駆除サービスに紹介された。

評価項目:
 プライマリアウトカムは、喘息コントロールテスト(ACT)、ミニ喘息QOL質問票、服薬アドヒアランス評価尺度、定量吸入手技、喘息による救急受診とした。プライマリ解析において、介入(在宅またはクリニックベース)と通常ケアを比較した。

結果:
 治療を受けた391人の患者のうち、58人(15.1%)が男性で、平均(標準偏差)年齢が67.8(7.4)歳だった。ベースラインスコアによる調整後、ACTのスコアは、コントロール群よりも介入群の方が良好だった(3ヶ月時の変化差1.2 [95%信頼区間0.2-2.2]、p=0.02、6ヶ月での変化差1.0 [95%信頼区間0.0-2.1]、p=0.049、12ヶ月での変化差 0.6 [95%信頼区間-0.5-1.8]、p=0.28、全体でχ=13.4、自由度4、p=0.01)。介入群における救急受診は、コントロール群と比較して12ヶ月時に有意に低かった(16 [6.2%] vs 17 [12.7%]、p = 0.03、補正オッズ比0.8 [95%信頼区間0.6-0.99]、p = 0.03)。介入群は、コントロール群と比較して、QOL(全体でχ=10.5、自由度4、p=0.01)、服薬アドヒアランス(全体でχ=9.5、自由度4、p=0.049)、吸入手技(定量吸入手技、12ヶ月時での正しい手技完遂、中央値[範囲]75 %[0-100%] vs 58%[0-100%])に有意な改善が見られた。在宅での介入と、クリニックでの介入との間のアウトカムに、有意差は観察されなかった。

結論:
 患者ニーズと障壁に応じた自己管理に対する介入は、高齢者の喘息アウトカムと自己管理行動を改善した。



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by otowelt | 2019-06-16 00:29 | 気管支喘息・COPD

右中葉の気管支サーモプラスティは可能

e0156318_9473145.png 一応禁忌的な位置づけになっていますが、そこまでの懸念はないという主張です。

Eisenmann S, et al.
Bronchial Thermoplasty Including the Middle Lobe Bronchus Significantly Improves Lung Function and Quality of Life in Patients Suffering from Severe Asthma.
Lung. 2019 May 27. doi: 10.1007/s00408-019-00240-5.


目的:
 気管支サーモプラスティ(BT)は、重症気管支喘息および最大限治療をおこなっても症状がある気管支喘息の患者に適用される。しかしながら、右中葉に対する処置は現在推奨されていない。この研究は、右中葉気管支に対するBTの安全性と有効性について調べることである。

方法:
 BTは17人の連続患者に実施され、QOLおよび肺機能がBT前およびBT90日後に評価された。さらに、すべてのBTの後にクリーンアップの気管支鏡を実施した。

結果:
 ベースラインの1秒量中央値は1.33(95%信頼区間0.91-1.73)、AQLQ中央値3.01(95%信頼区間2.76-3.61)で、治療90日後の1秒量中央値は1.75L(p=0.002)、AQLQ中央値3.8(p<0.05)だった。
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(文献より引用:AQLQ、1秒量)

 必要経口ステロイドの量は有意に減った。処置後重篤な合併症はみられなかった。クリーンアップ気管支鏡では、全BT後に有意な滲出物が観察された。

結論:
 右中葉を含むBTは適用可能である。機能的に制限のある重症喘息患者は、医学的利益を得ることができる。処置に関連した滲出物回収のため、右中葉治療後だけでなく、BT後にクリーンアップ気管支鏡検査をおこなうべきである。



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by otowelt | 2019-06-15 00:50 | 気管支喘息・COPD

小児喘息に対するスピリーバ®レスピマットの安全性に問題なし

e0156318_9473145.png 小児でもスピリーバ®レスピマットが使われるようになるでしょうね。

Vogelberg C, et al.
Tiotropium add-on therapy is safe and reduces seasonal worsenings in paediatric asthma patients.
Eur Respir J. 2019 May 16. pii: 1801824. doi: 10.1183/13993003.01824-2018.


背景:
 とりわけ安全面が最優先事項とされている、完全にコントロールされていない小児喘息患者において、効果的で忍容性の高い治療選択におけるアンメットニーズが存在する。

方法:
 1~18歳の有症状喘息患者において、チオトロピウム5µgあるいは2.5µgとプラセボの上乗せ治療を比較した5つのランダム化二重盲検プラセボ対照試験からのデータが用いられた。解析には、副作用イベント(AE)、重篤なAE(SAE)が組み込まれ、治療中および治療30日後に追跡された。

結果:
 1691人が治療され、1119人がチオトロピウムを投与された。AEは全群で低頻度だった:チオトロピウム5 µg群(51%), チオトロピウム2.5 µg群(51%)、プラセボ群(54%)。年齢、疾患重症度、性別を問わず、薬剤関連AE、治療中断を余儀なくされたAE、SAEは全群同等であった。喘息症状と関連したAEの数および喘息増悪は、とりわけ季節性ピークの間において、チオトロピウム5µg群のほうがプラセボ群より低かった。
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(文献より引用)

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(季節性:文献より引用)

結論:
 大規模な安全性データベース包括的解析によって、個々の試験では非実用的であったサブグループ分析が可能となり、有症状喘息の小児患者における1日1回チオトロピウム・レスピマット追加療法の安全性がさらに裏付けられた。



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by otowelt | 2019-06-07 00:43 | 気管支喘息・COPD

慢性II型呼吸不全に対するネーザルハイフローと非侵襲性換気の比較

e0156318_1633480.jpg 単施設でクロスオーバーすると、あっという間に試験が終わるので、計画の立案としてはラクですね。

McKinstry S, et al.
Nasal high-flow therapy compared with non-invasive ventilation in COPD patients with chronic respiratory failure: A randomized controlled cross-over trial.
Respirology. 2019 May 13. doi: 10.1111/resp.13575.


背景および目的:
 非侵襲性換気(NIV)は、COPDに続発したII型呼吸不全の標準的ケアの一部にあたるが、忍容性が不良かもしれない。これまでのエビデンスでは、ネーザルハイフロー(NHF)治療はCOPDにおける高炭酸ガス血症を改善させるかもしれないとされており、忍容性も良好である。われわれは、COPDおよび慢性II型呼吸不全の患者におけるNHFとNIVを比較した。

方法:
 ニュージーランドの単施設において単盲検ランダム化比較クロスオーバー試験が実施された。24人の安定期にある高炭酸ガス血症(PcapCO2 45mmHg以上)のCOPD患者が以下の治療を受けた:NHF45L/分およびNIV IPAP15cmH2O/EPAP4cmH2Oを60分、15分のウォッシュアウト間隔を設定。プライマリアウトカムは、ベースラインで補正した60分時点での経皮的二酸化炭素分圧(PtCO2)とした。

結果:
 患者の平均年齢は68±9歳だった(中央値70歳)。11人(45.8%)が女性。平均mMRCスケールは2.2±0.8である。
 NIVはNHFよりもPtCO2を減少させた(60分時点で平均-5.3±5.0 vs -2.5±3.5mmHg、差-2.8[95%信頼区間-5.0~-0.5]、p=0.021)。全ポイントを通しての差は-2.5mmHg(95%信頼区間-4.0~-0.5、p=0.016)だった。PtCO2が4mmHg以上あるいは8mmHg以上減少した患者の頻度には有意差はなかった。
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(PtCO2:文献より引用)

 被験者はNHFのことを、簡便に適用でき、快適でフィットしやすいとよりよく評価した(p<0.004)。
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(快適性の質問:文献より引用)

結論:
 高炭酸ガス血症のある安定期COPD患者において、NIVはNHFと比べてPtCO2をより減少させたが、臨床的意義は不明である。NHFはNIVに比べて忍容性に優れ、II型呼吸不全の患者の一部には治療オプションとなりうるかもしれない。



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by otowelt | 2019-06-02 00:37 | 気管支喘息・COPD

COPD患者における握力測定の意義

e0156318_1633480.jpg いくつか類似の報告があったように記憶していますが、サルコペニアと関連する疾患はおおむねこういう結果になりますね。

Wu ZY, et al.
Handgrip strength is associated with dyspnoea and functional exercise capacity in male patients with stable COPD.
Int J Tuberc Lung Dis. 2019 Apr 1;23(4):428-432.


背景:
 握力は、いくつかの疾患における栄養または有害アウトカムの評価に広く用いられている。しかしながら、握力とCOPDパラメータとの関連についてはまだよく知られていない。

目的:
 安定期COPDの男性患者における握力を評価すること、および呼吸困難と機能的運動耐容能の関連をアセスメントすること。

方法:
 外来通院中の安定期COPD男性患者116人を2017年2月から2017年12月までに中国の一般市中病院から登録した。それぞれの患者背景、肺機能検査、呼吸困難、運動耐容能、身体組成、握力が調べられた。

結果:
 握力は、筋肉量、肺機能、6分間歩行距離(6MWD)と有意に正の相関がみられ、修正MRC息切れスケールと負の相関がみられた。多変量線形回帰分析において、年齢、除脂肪体重、6MWD、COPD罹患期間の組み合わせは握力の全分散の43.1%にのぼった。

結論:
 握力は呼吸困難や運動耐容能と相関していた。加齢と疾患はCOPD患者における上肢筋力に影響を与えうる。そのため、握力測定は筋肉機能のアセスメントのためや多面的介入を早期に要する握力低下を同定するうえで簡便な方法かもしれない。



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by otowelt | 2019-05-29 00:57 | 気管支喘息・COPD

Novel START試験:シムビコート®頓用は軽症喘息に最適な選択肢?

e0156318_9473145.png 重症喘息に対する治療にばかり目が向くなか、軽症喘息にしぼった実臨床的な臨床試験です。来月のドクターズアイで解説したいと思います。ATS2019ニュースではうっかりSMART療法と書きましたが、厳密にはSMART療法の「M」がベースラインにないので、違いますね。

Richard Beasley, et al.
Controlled Trial of Budesonide–Formoterol as Needed for Mild Asthma
NEJM, May 19, 2019, DOI: 10.1056/NEJMoa1901963


背景:
 二重盲検プラセボ対照試験において、必要時頓用のブデソニド/ホルモテロールは短時間作用性β2刺激薬よりも重症増悪のリスクを減らし、またブデソニド維持療法+SABA頓用と同等のリスクであることが示されている。実診療をより反映するように設計された臨床試験からデータが得られれば有益であろう。

方法:
 われわれは軽症喘息の成人における52週間のランダム化オープンラベル並行群間比較試験を実施した。患者はランダムに3群治療のうちの1つに割り付けられた:サルブタモール(文献ではアルブテロールと記載)(100μg2吸入[pMDI])(サルブタモール群)、ブデソニド(200μg1吸入1日2回[タービュヘイラー])(ブデソニド維持群)、ブデソニド/ホルモテロール(200μg/6μg必要時1吸入頓用)(ブデソニド/ホルモテロール群)。吸入デバイスを電子的に監視し、薬物使用を測定した。プライマリアウトカムは年間喘息増悪率とした。

結果:
 解析にはランダム化された675人のうち668人が含まれた。年間増悪率は、サルブタモール群よりもブデソニド/ホルモテロール群の方が低く(絶対率0.195 vs 0.400、相対率0.49、95%信頼区間0.33-0.72、p<0.001)、ブデソニド維持群とは有意差はなかった(絶対率0.195 vs 0.175、相対率1.12、95%信頼区間0.70-1.79、p=0.65)。重症増悪数はブデソニド/ホルモテロール群のほうがサルブタモール群(9 vs 23, 相対リスク0.40、95%信頼区間0.18-0.86)、ブデソニド維持群(9 vs 21, 相対リスク0.44、95%信頼区間0.20-0.96)よりも低かった。平均(±標準偏差)吸入ブデソニド用量はブデソニド/ホルモテロール群で107±109μg/日、ブデソニド維持群で222±113μg/日だった。有害事象については、過去の臨床試験や実臨床において報告されている頻度やタイプと一致していた。

結論:
 軽症喘息の成人患者を含むオープンラベル試験において、ブデソニド/ホルモテロール頓用使用はサルブタモール頓用使用よりも喘息増悪予防に優れていた。



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by otowelt | 2019-05-25 00:48 | 気管支喘息・COPD

SIENA試験:喀痰好酸球比率が低い喘息患者では吸入ステロイドは効果に乏しい

e0156318_9473145.png 小児持ち越し喘息例は基本的に2型炎症が多いと思っている呼吸器内科医にとって、衝撃的な結果ではあります。

Stephen C. Lazarus, et al.
Mometasone or Tiotropium in Mild Asthma with a Low Sputum Eosinophil Level
NEJM, DOI: 10.1056/NEJMoa1814917


背景:
 多くの軽症持続型喘息患者において、喀痰中好酸球比率は2%未満(低好酸球値)である。これらの患者に対する適切な治療は不明である。

方法:
 この42週におよぶ二重盲検クロスオーバー試験において、われわれは12歳以上の軽症持続型喘息患者295人を登録し、モメタゾン(吸入ステロイド)、チオトロピウム(長時間作用性抗コリン薬)、プラセボのいずれかに割り付けた。患者は喀痰中好酸球比率に応じて層別化された(2%未満あるいは2%以上)。プライマリアウトカムは、事前に規定した喘息コントロールが試験薬のいずれかとプラセボで差があった、喀痰中好酸球比率が低い患者における、プラセボと比較したモメタゾンの反応性およびプラセボと比較したチオトロピウムの反応性である。治療失敗、喘息コントロール日数、1秒量を組み込んだ階層的な複合アウトカムに応じて効果が定められ、両側検定でp値が0.025未満の場合に統計学的に有意とした。セカンダリアウトカムは、喀痰中好酸球比率高値の患者と低値の患者における結果の比較である。

結果:
 患者のち58人(20%)が12~18歳と若年層であった。全体で、73%の患者(221人)が喀痰中好酸球比率低値とみなされた。221人の平均年齢は31.2±13.8歳で、男性は34%だった。喀痰中好酸球比率高値群の患者の平均年齢は31.1±14.2歳で、男性は47%だった。喘息罹患歴は前者が19.2±10.2年、後者が20.0±12.2年で、初発年齢はおおむね7~8歳の小児喘息持ち越し例であった。気道可逆性は喀痰中好酸球比率低値群で9.6±7.1%、高値群で12.7±8.5%だった。ACT中央値は両群ともに21点だった。
 好酸球比率低値だった患者のうち59%が試験薬とプラセボで喘息コントロールに差がみられた。しかしながら、プラセボと比較してモメタゾンあるいはチオトロピウムの反応性に有意差はなかった。喀痰中好酸球比率低値群で効果に差があった患者において、モメタゾンに対して効果が高かった患者(57%、95%信頼区間48-66)とプラセボに対して効果が高かった患者(43%、95%信頼区間34-52)に有意差はなかった(p=0.14)。また、チオトロピウムに対して効果が高かった患者(60%、95%信頼区間51-68%)とプラセボに対して効果が高かった患者(40%、95%信頼区間32-49)にも有意差はなかった(p=0.029)。喀痰好酸球比率高値の患者において、モメタゾンの効果が高かった患者はプラセボよりも有意に高かったが(74% vs 26%)、チオトロピウムとプラセボの間には有意差はなかった(57% vs 43%)。
 有害事象はほとんどみられず、喀痰中好酸球比率低値群と高値群でも有意差は観察されなかった。

結論:
 喀痰中好酸球比率が低い軽症持続型喘息患者のほとんどが、プラセボと比較してモメタゾンやチオトロピウムに有意な効果を示さなかった。これらのデータは、喀痰中好酸球比率が低い患者における吸入ステロイドとその他治療を比較する臨床試験を要することを意味する。



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by otowelt | 2019-05-23 00:05 | 気管支喘息・COPD

COPD患者に対する好酸球の測定は変動が激しい?

e0156318_1633480.jpg これは本当にそう思います。あまり厳格なカットオフ値を敷くのもよくないですね。

Desiree M. Schumann, et al.
Stability of the blood eosinophilic phenotype in stable and exacerbated chronic obstructive pulmonary disease
CHEST, DOI: https://doi.org/10.1016/j.chest.2019.04.012


背景:
 末梢血好酸球レベルを、COPD増悪リスクや吸入ステロイド(ICS)に対する患者の反応性のバイオマーカーとして用いることには議論の余地がある。

方法:
 GOLD II-IVの安定期COPD患者を多施設共同観察研究に組み入れた。「一致」は、血中好酸球値が絶対値150/μL、3000/μL、または2%、3%、4%より持続的に低いかまたは持続的に高い数値として定義された。血中好酸球の値が2回の外来の間で変動したときを「不一致」とした。ICS治療については、試験登録時にワンポイントのデータを採取した。

結果:
 2059通院・210人の患者が研究に組み込まれた。患者の70%は男性で、36%が現喫煙者であり、平均年齢は67.8±0.62歳であった。試験開始時に81%がICS治療を受けていた。中央値7日(4-12日)の経時的好酸球レベルをみると、増悪や入院と関係なく、好酸球比率の不一致が2%カットオフで77%、3%カットオフで60%、4%カットオフで42%にみられた。2回の外来のみを解析対象にした場合、それぞれ不一致は34.5%、24%、17.2%に変化した。この不一致は好酸球の絶対値でも同様の結果だった。安定期患者は、軽度/中等度増悪のある患者よりも不一致の度合いが高かった。同様の現象は、COPDの重症増悪で入院している患者と比較した際の、他疾患で入院している患者においてもみられた。試験期間の初めに患者がICSを受けていたかどうかにかかわらず、不一致は多かった。

結論:
 結論として、われわれのデータによれば、血中好酸球レベルがCOPDの経過を通して有意な変動性を示すことを示唆しているため、単一測定はICS反応に対する信頼性のある予測因子ではないかもしれない。




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by otowelt | 2019-05-15 00:55 | 気管支喘息・COPD