カテゴリ:気管支喘息・COPD( 521 )

ブデホル®製造販売承認

 日本ジェネリック、東亜薬品、ニプロの3社がシムビコート®のジェネリック吸入薬の製造販売承認を取得しました。商品名は、ブデホル吸入粉末剤吸入です。
 アドエア®についてはアメリカではWixela Inhub®が今月末発売される予定ですが、日本ではまだのようです。

by otowelt | 2019-02-19 12:14 | 気管支喘息・COPD

喘息の入院に抗菌薬は不要か

e0156318_9473145.png もともと私は喘息発作で抗菌薬は使いません。それにしても、喘息の入院を数日しただけで4000ドルってえげつないですね。

Stefan MS, et al.
Association of Antibiotic Treatment With Outcomes in Patients Hospitalized for an Asthma Exacerbation Treated With Systemic Corticosteroids
JAMA Intern Med. 2019 Jan 28. doi: 10.1001/jamainternmed.2018.5394. [Epub ahead of print]


背景:
 専門家による会のガイドラインでは喘息増悪の治療に対してエンピリックに抗生物質を使用することを推奨しているが、高い抗生物質処方率がアメリカなどで問題となっている。

目的:
 喘息で入院し、ステロイド治療を受けた患者のうち、抗菌薬治療とアウトカムの関連を調べること。

デザイン・セッティング・参加者:
 2015年1月1日から2016年12月31日までにアメリカの急性期ケア病院542施設において、喘息増悪で入院し全身性ステロイド治療を受けたた成人患者19811人の後ろ向きコホート研究。

暴露:
 入院初期2日間に抗菌薬が開始され、最低2日間の処方されたものを想起抗菌薬と定義した。

主要アウトカム:
 プライマリアウトカムは、入院期間とした。ほかの項目として、退院30日以内の治療失敗(人工呼吸器の開始、入院2日目以降のICU入室、入院中の死亡、喘息による再入院)、医療費、抗菌薬関連下痢が設定された。多変量補正、傾向スコアマッチ、傾向重み付け、操作変数解析を用いて抗菌薬治療とアウトカムの関連を調べた。

結果:
 19811人の年齢中央値は46歳(IQR34-59歳)で、14389人(72.6%)が女性で、8771人(44.3%)が白人で、5120人(25.8%)で医療保険は健康保険が主な形態だった。抗菌薬は8788人(44.4%)に処方された。抗菌薬治療を受けていない人と比べると、治療を受けた患者は高齢(中央値48歳[IQR36-61] vs 45歳[IQR32-57])で、白人が多く(48.6% vs 40.9%)、喫煙者が多く(6.6% vs 5.3%)、併存症が多かった(例:うっ血性心不全は6.2% vs 5.8%)。抗菌薬で治療された患者は入院期間が有意に長かったが(中央値4日[IQR3-5] vs 3日[IQR2-4])、治療失敗は同等だった(5.4% vs 5.8%)。傾向スコアマッチ解析では、抗菌薬の払い出しは入院期間を29%延長することと関連しており(入院期間比1.29、95%信頼区間1.27-1.31)、入院費用を増加させた(中央値4776ドル[IQR3219-7373] vs 3641ドル[IQR2346-5942])。しかし、治療失敗リスクに差はなかった(傾向スコアマッチオッズ比0.95、95%信頼区間0.82-1.11)。多変量補正、傾向スコア重み付け、操作変数解析やその他複数の感度解析でも同等の結果だった。

結論:
 抗菌薬治療は入院期間を延長させ、入院費用を増加させるが、治療失敗リスクは同等だった。これらの結果は、喘息で入院した患者における不適切な抗菌薬処方を減らす必要があることを強調するものである。





by otowelt | 2019-02-19 00:58 | 気管支喘息・COPD

COPDにおける6分間歩行数と6分間歩行距離の差

e0156318_1633480.jpg 歩数に着目するとは、なかなか斬新ですね。

Zeng GS, et al.
The relationship between steps of 6MWT and COPD severity: a cross-sectional study
IJCOPD, Volume 2019:14 Pages 141—148


背景:
 6分間歩行距離(D6MWT)は、COPD患者の機能的ステータスのアセスメントに広く用いられている。一方で、6分間歩行数(S6MWT)の役割にはほとんど注目されていない。この研究の目的は、COPDにおけるS6MWTとその他の生理学的パラメータの間の関連性を調べることである。

患者および方法:
 安定期COPD患者70人がこの横断研究に連続して登録された。スパイロメトリーやインパルス・オシロメトリー(IOS)、DLCOを含む肺機能検査が安静時に行われた。QOLは、修正MRC息切れスケール、St. George's respiratory questionnaire(SGRQ)、COPDアセスメントテスト(CAT)、臨床COPD質問票を含む健康関連QOL(HRQoL)質問票によって評価された。歩数と距離の両方がその後の6分間歩行検査(6MWT)によって測定された。

結果:
 S6MWTとD6MWTの両方ともがスパイロメトリー、IOS、DLCOパラメータ、HRQoLと相関していた。6MWTの前後いずれにおいても吸気量はS6MWTと有意な相関がみられ(それぞれρ=0.338, P=0.004; ρ=0.359, P=0.002)、D6MWTとは相関がみられなかった(それぞれρ=0.145, P=0.230; ρ=0.160, P=0.189)。ステップワイズ重回帰分析では、最終的なモデルにおいてmMRCグレード、年齢、CATスコアはD6MWTの有意な予測因子だった(補正R2=0.445, P<0.01)。DLCOとCATスコアは、最終的なモデルにおいて、S6MWTの有意な予測因子だった(補正R2=0.417, P<0.01)。
e0156318_16223771.png
(文献より引用)

結論:
 S6MWTは、COPDにおける機能的ステータスとQOLの評価に効果的である。また疾患重症度に関連するさまざまなパラメータと有意な相関がみられた。さらに、S6MWTはD6MWTと比較してCOPDの過膨張をより予測しやすいかもしれない。



[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

Dr.倉原の 呼吸にまつわる数字のはなし ナース・研修医のための
価格:2160円(税込、送料無料) (2019/1/10時点)



by otowelt | 2019-02-06 00:01 | 気管支喘息・COPD

COPD患者に対するインフルエンザワクチンはインフルエンザ関連入院を減らす

e0156318_13203796.png 予想された結果ですが、COPD患者ではエビデンスはそこまで多くないらしいです。死亡率が高いのが目につきますね。

Mulpuru S, et al.
Effectiveness of Influenza Vaccination on Hospitalizations and Risk Factors for Severe Outcomes in Hospitalized Patients With COPD.
Chest. 2019 Jan;155(1):69-78.


背景:
 COPD患者におけるインフルエンザ関連入院を減らすうえで、インフルエンザワクチンの有効性はあまり記述されておらず、インフルエンザワクチン接種の推奨は二の次になっている。

方法:
 2011年から2015年に呼吸器系あるいはCOPD増悪で入院したCOPD患者を含んだ国内前向き多施設共同コホート研究のデータが解析された。全患者はインフルエンザPCRの鼻咽頭スワブスクリーニングをおこなわれた。プライマリアウトカムはインフルエンザ関連入院とした。インフルエンザ陽性例と陰性コントロール患者を設定し、test-negativeデザイン(症例対照研究)による多変量ロジスティック回帰を用いて、インフルエンザ関連入院を予防するワクチンの効果を検証した。

結果:
 4755人のCOPD入院患者のうち、PCRベースでインフルエンザが陽性となったのは1833人(38.5%)だった。ワクチンステータスがある4198人(88.3%)が解析された。インフルエンザ感染症がない入院患者と比較して、インフルエンザ患者は高齢が多く(75歳超がそれぞれ50.8% vs 47.6%)、喫煙者が多く(34.4% vs 27.2%)、長期療養施設入所者が多く(9.2% vs 7.0%)、インフルエンザワクチン接種を受けていない頻度が高かった(58.9% vs 70.6%)。
 補正後の解析において、インフルエンザ関連入院は、ワクチン接種者のほうがワクチン非接種者よりも37.5%(95%信頼区間27.3-46.2)少なかった。インフルエンザ陽性患者(1833人[38.5%])は粗死亡率(9.7% vs 7.9%; P = 0.047)、重症疾患(17.2% vs 12.1%; P < .001)が陰性患者よりも高かった。
e0156318_13291998.png
(文献より引用)

 インフルエンザ陽性患者の死亡リスク因子には、75歳を超える年齢(オッズ比3.7 [95%信頼区間0.4-30.3]), 心疾患合併(オッズ比2.0 [95%信頼区間1.3-3.2]), 長期ケア施設入所中 (オッズ比2.6 [95%信頼区間1.5-4.5]), 在宅酸素療法中(オッズ比2.9 [95%信頼区間1.6-5.1])が挙げられた。
e0156318_1330201.png
(文献よ引用)

結論:
 COPD患者においてインフルエンザワクチン接種はインフルエンザ関連入院を有意に減らす。COPD患者の予防接種推奨と抗ウイルス薬を早期に開始するための政策は、インフルエンザ関連の入院と重症疾患を減らし、脆弱な集団の医療費を軽減できるかもしれない。





by otowelt | 2019-01-31 00:03 | 気管支喘息・COPD

メタアナリシス:安定期COPDの臨床アウトカムを予測する因子

e0156318_1633480.jpg こういう長期的観点の評価って大事ですよね。

Fermont JM, et al.
Biomarkers and clinical outcomes in COPD: a systematic review and meta-analysis.
Thorax. 2019 Jan 7. pii: thoraxjnl-2018-211855.


背景:
 COPDを評価するための従来の方法では、全身性の問題、特に筋骨格系の脱力および心血管疾患を捉えることができない可能性がある。これらを特定し、臨床転帰(すなわち死亡率、増悪およびCOPD入院)との関連を評価することは、臨床的に重要になっている。

目的:
 6分間歩行距離(6MWD)、心拍数、フィブリノーゲン、CRP、白血球数、インターロイキン-6および8(IL-6, IL-8)、TNF-α、大腿四頭筋最大随意収縮、鼻吸息圧、簡易身体能力バッテリー、脈波伝達速度、頸動脈内膜-中膜厚および増大指数、臨床アウトカムが安定期COPD患者を調べる。

方法:
 われわれはシステマティックに電子データベースから61研究を抽出し(2018年8月)、統合し、ハザード比を推定するため、MOOSE (Meta-analysis Of Observational Studies in Epidemiology)およびPRISMAに準拠してメタアナリシスをおこなった。

結果:
 6MWDの短縮、心拍数増加、フィブリノゲン増加、CRP増加、白血球数増加は、死亡の高いリスクと関連していた。プールされたハザード比は、6MWDが50m長くなるごとに0.80(95%信頼区間0.73 to 0.89)、心拍数が10/分速くなるごとに1.10 (95%信頼区間1.02 to 1.18)、フィブリノゲンが2倍に上昇するごとに3.13 (95%信頼区間2.14 to 4.57)、CRPが2倍に上昇するごとに1.17 (95%信頼区間1.06 to 1.28)、白血球数が2倍に上昇するごとに2.07 (95%信頼区間1.29 to 3.31)となった。6MWDの短縮とフィブリノゲンおよびCRPの上昇はCOPD増悪と関連しており、6MWDの短縮と心拍数、CRP、IL-6の上昇はCOPD入院と関連していた。筋骨格系測定に関する研究は少なかった。
e0156318_9413399.png
(文献より引用:死亡についてのfolest plot)

結論:
 本研究によれば、6MWD、心拍数、CRP、フィブリノゲン、白血球数は安定期COPD患者の臨床アウトカムと関連している。筋骨格系の測定値に関する研究がこの先必要になるだろう。




[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

Dr.倉原の 呼吸にまつわる数字のはなし ナース・研修医のための
価格:2160円(税込、送料無料) (2019/1/10時点)



by otowelt | 2019-01-30 00:18 | 気管支喘息・COPD

メタアナリシス:ICS/LABAと比較したトリプル吸入療法の効果

e0156318_1633480.jpg IMPACT試験、KRONOS試験、TRILOGY試験など名だたるランダム化比較試験が組み込まれたメタアナリシスです。全部よく知られた臨床試験なので、メタアナリシスの結果は予想通りになっています。

Calzetta L, et al.
Adding a LAMA to ICS/LABA therapy: a meta-analysis of triple therapy in COPD
Chest, DOI: https://doi.org/10.1016/j.chest.2018.12.016


背景:
 吸入ステロイド(ICS)/長時間作用性β2刺激薬(LABA)の併用はCOPDでよく用いられている。そこで、われわれはCOPDにおけるICS/LABA併用に長時間作用性抗コリン薬(LAMA)を加える効果についてメタアナリシスを実施した。

方法:
 COPDにおけるICS/LABA/LAMAの効果を調べたランダム化比較試験(RCT)を異なるデータベースを用いて検索同定した。プライマリエンドポイントは、トラフ1秒量(FEV1)、COPD急性増悪(AECOPD)リスク、心血管系の重篤な有害事象(SAE)リスクに設定し、トリプル吸入療法の影響をICS/LABA併用と比較した。エビデンスの質をアセスメントするためGRADEシステムを用いた。

結果:
 13RCT、15519人のCOPD患者がメタアナリシスに組み込まれた(ICS/LABA/LAMA併用:53.1%、ICS/LABA併用46.9%)。ICS/LABA併用と比較すると、ICS/LABA/LAMA併用はトラフFEV1を改善し(平均差104.86mL、95%信頼区間86.74-122.99、エビデンス高度)、AECOPDに対する予防効果が大きかった(相対リスク0.78、95%信頼区間0.71-0.85、エビデンス高度)。IMPACT試験、KRONOS試験、TRILOGY試験にしぼった解析では、トラフFEV1に対する効果は平均差82.11mL(95%信頼区間66.00-98.23mL)だった。
 ICS/LABAと比較して、トリプル吸入療法を患者約4人に用いれば1人に100mL以上のFEV1上乗せがみられ(NNT=3.97、95%信頼区間3.25–5.13)、約26人に用いれば1人の年間1回のAECOPDを予防する効果がみられた(NNT=26.07、95%信頼区間16.79–152.70)。また、ICS/LABA/LAMA併用はSGRQスコアやTDIを改善する傾向にあったが統計学的な有意差はなかった。
e0156318_815971.png
(文献より引用:トラフFEV1

e0156318_8271921.png
(文献より引用:重要なRCTにしぼったトラフFEV1

e0156318_82236.png
(文献より引用:AECOPD)

 ICS/LABAにLAMAを加えても心血管系のSAEリスクは修飾されなかった(エビデンス中等度)。

結論:
 ICS/LABAを用いているCOPD患者にトリプル吸入療法を用いる臨床的ベネフィットは大きい。心血管系SAEのリスクを増加させることなくICS/LABAをトリプル吸入療法にステップアップすることができる。



[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

Dr.倉原の 呼吸にまつわる数字のはなし ナース・研修医のための
価格:2160円(税込、送料無料) (2019/1/10時点)



by otowelt | 2019-01-27 00:42 | 気管支喘息・COPD

SPIROMICSコホート:COPDにおけるアスピリンの恩恵

e0156318_1633480.jpg 個人的にはそう恩恵を受けているイメージはないです。

Ashraf Fawzy, et al.
Aspirin Use and Respiratory Morbidity in COPD: a Propensity Score Matched Analysis in SPIROMICS
CHEST, DOI: https://doi.org/10.1016/j.chest.2018.11.028


背景:
 COPDにおけるアスピリンの使用は、信頼性の高い研究のメタ回帰分析において総死亡の減少と関連していた。しかしながら、アスピリンがCOPD罹患におよぼす影響はよくわかっていない。

方法:
 自己申告でのアスピンリン常用について、SPIROMICSコホートのCOPD被験者(1秒率<70%)のベースラインデータから抽出された。3年までの四半期ごとの電話質問を用いてCOPD急性増悪(AECOPD)の発生を前向きに観察し、その発症を中等症(抗菌薬あるいは経口ステロイドによる症状治療)あるいは重症(救急部あるいは入院を要する)に分類した。アスピリンの使用は、非使用者と傾向スコアを用いてマッチされた。アスピリン使用とAECOPD総数、中等症AECOPD、重症AECOPDとの関連が、ゼロ過剰負の二項モデルを用いて調べられた。線形あるいはロジスティック回帰を用いて、ベースライン呼吸器症状、QOL、運動耐容脳の関連性が調べられた。

結果:
 1698人の被験者のうち、45%がベースラインでアスピリンを常用していた。傾向スコアマッチによって503の被験者ペアが作成された。アスピリン使用は、AECOPD総数の頻度を減らしたが(補正罹患率比0.78, 95%信頼区間0.65-0.94)、この現象は中等症AECOPDではみられたものの重症AECOPDでは観察されなかった(罹患率比0.86、95%信頼区間)。
e0156318_9453196.png
(文献より引用)

 アスピリン使用は、SGRQスコアの低さ(β -2.2, 95%信頼区間-4.1, -0.4)、中等症~重症呼吸困難(mMRC≧2)(補正オッズ比0.69, 95%信頼区間0.51-0.93)、CATスコア(β -1.1; 95%信頼区間-1.9, -0.2)と関連していたが、6分間歩行距離とは関連がなかった(β 0.7 m; 95%信頼区間-14.3, 15.6)。

結論:
 アスピリンの常用は、COPD増悪の頻度の減少、呼吸困難の軽減、QOLの向上と関連していた。COPDにおけるアスピリン使用のランダム化比較試験によって、未確認の残余交絡因子を説明することができるかもしれない。





by otowelt | 2019-01-15 00:12 | 気管支喘息・COPD

COPD患者におけるpMDI vs DPIの差

e0156318_1633480.jpg 海外では、OTCでも吸入薬が発売される流れになりつつあるようですね。

Wittbrodt ET, et al.
Differences in health care outcomes between postdischarge COPD patients treated with inhaled corticosteroid/long-acting β2-agonist via dry-powder inhalers and pressurized metered-dose inhalers.
Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2018 Dec 24;14:101-114.


目的:
 この研究の目的は、COPD関連入院を追跡したドライパウダー吸入器(DPI)あるいは加圧式定量噴霧吸入器(pMDI)で治療されたアメリカのCOPD患者における、医療資源の利用(HRU)および費用の差を実臨床で調べることである。

方法:
 これはTruven MarketScan®データベースを用いた後ろ向き解析である。適格基準は、①40歳以上、②COPDと診断されたもの、③COPD増悪の診断で入院した患者、④退院してから10日以内に吸入ステロイド(ICS)/長時間作用性β2刺激薬(LABA)を処方された患者、⑤登録前12ヶ月および90日後の持続的データがあるもの、とした。アウトカムには登録前後のHRUと費用が含まれた。背景およびベースラインの特性で調整した多変量モデルを介して、DPIおよびpMDI群におけるアウトカムを比較した。

結果:
 サンプルには1960人のDPI ICS/LABA治療患者、1086人のpMDI ICS/LABA治療患者が登録された。登録前の期間では、pMDI治療患者はDPI治療患者と比較して有意に短時間作用性β刺激薬処方が多く、COPD増悪関連入院日数が多く、呼吸器内科外来受診数が多かった(p<0.05)。しかしながら、多変量モデルではpMDI患者は登録後費用が10%低く(予測平均費用:2673ドル vs 2956ドル)、COPD関連費用も19%低かった(予測平均費用130ドル vs 169ドル、p<0.05)。さらに、pMDI治療患者は退院60日以内のCOPD増悪関連入院再入院がDPI治療患者より28%少なかった(オッズ比0.72、95%信頼区間0.52-0.99, p<0.05)。
e0156318_17225185.jpg
(文献より引用:増悪登録後の再入院)

e0156318_17251975.jpg
(文献より引用:HRUおよび費用)

結論:
 COPD増悪退院後のCOPD関連HRUおよび費用は、pMDI治療患者のほうがDPI治療患者より高かった。また、吸入デバイスタイプはCOPDアウトカムに影響を与えるかもしれない。



[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

Dr.倉原の 呼吸にまつわる数字のはなし ナース・研修医のための
価格:2160円(税込、送料無料) (2019/1/10時点)



by otowelt | 2019-01-14 00:47 | 気管支喘息・COPD

日本におけるCOPDグループAの患者の特徴

 GOLDのABCD分類は、2015年→2017年版になることでグループC-Dが半減したとされています(Am J Respir Crit Care Med. 2018 Feb 15;197(4):463-469.)。これは、縦軸の気流制限が重症度分類から外れたことによります。
e0156318_16445885.png


Oishi K, et al.
Characteristics of 2017 GOLD COPD group A: a multicenter cross-sectional CAP study in Japan.
Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2018 Dec 5;13:3901-3907.


目的:
 2017年のGOLDによるABCD分類は、グループC-Dの患者がグループA-Bにシフトさせた。グループAは複数の研究においてもっとも多くみられる集団である。グループAの患者さんの特性を理解することは有用だが、これらの問題に関してはほとんど報告がない。

患者および方法:
 これは、日本における一次医療施設または二次医療施設15施設が参加した、実臨床におけるCOPDアセスメント(CAP)研究データベースを用いた多施設横断的研究である。われわれは、mMRCグレード0あるいは1によって層別化したグループAの臨床的特徴を調べた。

結果:
 1168人のCOPD患者のうち、グループAはおよそ半数にのぼった。グループB-Dと比較すると、グループAは若年で、男性に多く、肺機能は良好で、吸入長時間作用性抗コリン薬あるいは吸入長時間作用性β刺激薬による単剤治療を受けている頻度が高かった。mMRCグレード1の患者の頻度は、グループAの約3分の2にのぼった。mMRCグレード0と比較すると、グレード1の患者では増悪の頻度が高い傾向にあり(P=0.054)、有意に肺機能が低かった。mMRCグレードにかかわらず、グループAの患者の60%が吸入長時間作用性抗コリン薬あるいは吸入長時間作用性β刺激薬による単剤治療を受けていた。
e0156318_1745236.png
(文献より引用)

結論:
 グループAの患者は全体の約半数にのぼり、若年に多く、肺機能は良好で、グループB-Dと比較すると薬物療法の強度が低かった。グループAの患者をmMRCグレード0あるいは1で層別化すると、増悪リスクや気流制限に差がみられた。





by otowelt | 2019-01-11 00:55 | 気管支喘息・COPD

メタアナリシス:COPDに対する在宅酸素療法は、デマンド式 or 持続?

e0156318_135223100.jpg COPDにおける長年の疑問でしたが、結局ボンベの持続時間だけで選ぶのがベストなんでしょうね。

Gloeckl R, et al.
Comparison of continuous flow versus demand oxygen delivery systems in patients with COPD: A systematic review and meta-analysis.
Respirology. 2018 Dec 17. doi: 10.1111/resp.13457.


背景:
 デマンド酸素供給システム(DODS)は、連続酸素流量(CONT)の使用に比べて、液体酸素シリンダーの寿命を延ばすことができる。しかし、その有効性についてエビデンスは不足している。

方法:
 この研究では、COPD患者において液体酸素ベースのCONTとDODSを比較した。1980年から2018年1月までの電子データベースを検索した。プライマリアウトカムは、安静時および労作時の酸素飽和度(SpO2)と運動パフォーマンスとした。リスクバイアスはCochraneツールを用いて評価した。データは、可能であればRevman 5.3の逆分散法を用いたメタアナリシスあるいは記述的統合によって解析された。

結果:
 152人の中等症から重症COPD患者(1秒量範囲:27-42%予測値)を含む10のクロスオーバー研究が組み入れられた。割り当ての秘匿と盲検化に関連した潜在的なバイアスに関して、すべての研究で大きな不確実性があった。3研究(44人)のデータでは、DODSおよびCONTの間に安静時SpO2(差-0.2%、95%信頼区間-0.5%~0.1%)、労作時SpO2(差-0.3%、95%信頼区間-2.1%~1.5%)の観点では有意差はなかった。2試験(56人)の6分間歩行距離の平均差は5.7mだった(95%信頼区間-14.4~25.8m)。この知見はメタアナリシスと記述的統合で一致していた。

結論:
 DODSあるいはCONTを比較した限られた研究によれば、COPDにおけるSpO2あるいは運動パフォーマンスは同等の影響だった。しかしながら、DODSデバイスは、個人差が大きくなる可能性のある様々な仕様を用いているため、DODSの使用を検討している人には、個別にSpO2をテストすることが推奨される。



[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

科学的認知症診療5Lessons [ 小田陽彦 ]
価格:3240円(税込、送料無料) (2018/11/2時点)



by otowelt | 2019-01-04 00:32 | 気管支喘息・COPD