カテゴリ:気管支喘息・COPD( 473 )

喘息コントロールが悪化し始めたときにICSを4倍にすると重度の喘息発作が減る

e0156318_1637713.jpg 小児のSTICS試験の結果と同時に発表されています。
 よくよく読むと、登録基準がほとんど軽発作に近い状況なので、短期的にプレドニゾロンを内服して発作を解除してもよいようにも感じます。新しい概念のようにも見えますが、過去にAMD(Adjustable Maintenance Dosing:用量調節投与)療法と称して何度か登場しているものに近いです。SMART療法もそうですが、「less is more」がもてはやされるのは事実です。

Tricia McKeever, et al.
Quadrupling Inhaled Glucocorticoid Dose to Abort Asthma Exacerbations
N Engl J Med 2018; 378:902-910


背景:
 喘息患者は発作におびやかされ、それによって死にいたることもある。われわれは、成人および思春期の喘息患者を対象に、喘息コントロールが悪化し始めたときに吸入ステロイド薬(ICS)を一時的に4倍に増量するなどの患者自己管理計画により、重度の喘息発作の発生率が低下するという概念を検証した。

※喘息コントロールが悪化し始めたとき:①リリーバーの使用回数が普段よりも増えている、②喘息のせいで夜眠りにくい、③ピークフローが自己ベストの80%を下回っている

方法:
 他治療との併用の有無を問わず喘息に対してICS治療を受けており、過去12ヶ月に発作を1回以上起こしてた成人および思春期の喘息患者を対象に、非盲検ランダム化試験をおこなった。ICSを4倍に増量することを含んだ自己管理計画(4倍量群)を、増量を行わない自己管理計画(非4倍量群)と比較した。プライマリアウトカムは初回の重度の喘息発作での期間とし、全身性ステロイドを要する発作または予定外受診と定義した。SMART療法を従来から用いている患者は除外された。

※4倍量群では、喘息症状が落ち着く、ピークフロー値が正常に復する、最大用量にして14日が経過すれば、いったん通常量に戻すこととしている。
※ICS/LABAを用いている患者は、基本的にICSを上乗せすることで対応する(表)。
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(文献より引用)

結果:
 ランダム化した1922人のうち、1871人を解析対象とした。全体の3割がICS単独吸入で、それ以外はICS/LABAなどの合剤だった。ICS成分はフルチカゾン、ベクロメタゾン、ブデソニドがそれぞれ3~4割ずつとバランスがとれていた。
 ランダム化後の1年間で重度の喘息発作を起こした患者は、4倍量群では420人(45%)だったのに対し、非4倍量群では484人(52%)だった。初回の重度の喘息増悪までの期間の補正ハザード比は0.81だった(95%信頼区間0.71-0.92、P=0.002)。有害事象はICSの局所作用がほとんどで、4倍量群の方が頻度が高かった。

結論:
 成人および思春期の喘息患者を対象とした試験において、喘息コントロールが悪化し始めたときにICSを一時的に4倍に増量するという自己管理計画は、ICSを増量しない場合と比べて重度の喘息発作の発生率を低下させた。


by otowelt | 2018-03-12 00:02 | 気管支喘息・COPD

メタアナリシス:COPDに対するロイコトリエン受容体拮抗薬は無効

e0156318_1633480.jpg 今のところエビデンスはないと考えてよさそうです。

Liu L, et al.
Leukotriene receptor antagonists do not improve lung function decline in COPD: a meta-analysis.
Eur Rev Med Pharmacol Sci. 2018 Feb;22(3):829-834.


目的:
 ロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)は、抗炎症作用があり、COPDに対しても効果的であると報告されてきた。しかしながら、肺機能の減少を抑制する効果については議論の余地があり、メタアナリシスが必要である。

方法:
 電子データベースでランダム化比較試験を抽出した。

結果:
 ランダム効果モデルの標準化平均差(SMD)・95%信頼区間を算出した。6研究221人のCOPD患者が登録された。COPD患者にLTRAを用いても、1秒量(SMD: 0.28, 95%信頼区間-0.17 to 0.72, p=0.227), 努力性肺活量(SMD: 0.54, 95%信頼区間 -0.10 to 1.18, p=0.597)、1秒率(SMD: 0.18, 95%信頼区間-0.09 to 0.46, p=0.189)は有意な改善はなかった。サブグループ解析においても、短期あるいは長期のLTRA治療は肺機能減少の抑制に何ら影響を与えなかった。

結論:
 このメタアナリシスでは、COPDにおけるLTRAは肺機能減少の抑制に寄与しなかった。しかしながら、大規模なランダム化比較試験が望ましい。


by otowelt | 2018-03-08 00:19 | 気管支喘息・COPD

気流閉塞の過小診断例(1秒率基準を満たさないLLN未満者)は肺炎・心不全・総死亡のリスクが高い

e0156318_1519449.jpg 気流閉塞の基準は、1秒率70%未満というのがCOPDでもっぱら使用されていますが、LLNとの決着はまだついていません。LLNは、正規分布の集団の下限5%の数値と定められています。これは正常健常人でも1秒率が加齢とともに低下する影響を排除する意味合いもあります。

Çolak Y, et al.
Young and middle-aged adults with airflow limitation according to lower limit of normal but not fixed ratio have high morbidity and poor survival: a population-based prospective cohort study.
Eur Respir J. 2018 Feb 15. pii: 1702681. doi: 10.1183/13993003.02681-2017. [Epub ahead of print]


背景:
 気流閉塞(論文では気流制限と記載しているが、当ブログでは気流閉塞に統一)は、高齢者において過剰診断を招き、若年者において過小診断を招く。しかしながら、若年者で潜在的に過小診断されていることが、どのように影響を与えるかはまだよくわかっていない。われわれは、若年者における気流閉塞が予後不良に関連しているのではないかと仮説を立てた。

方法:
 コペンハーゲン一般集団研究コホートから20~100歳の95288人を登録した。気流閉塞のない1秒率70%以上・LLN以上(78779人、83%)、1秒率70%以上・LLN未満(過小診断)(1056人、1%)、1秒率70%未満・LLN以上(過剰診断)(3088人、3%)、気流閉塞のある1秒率70%未満・LLN未満(12365人、13%)に分類された。増悪、肺炎、虚血性心疾患、心不全、総死亡のリスクを調べた。

結果:
 追跡期間中央値6.0年(2日~11年)だった。気流閉塞のない人と比べると、潜在的に過小診断された気流閉塞者は、年齢・性別で補正してもリスクが高かった(肺炎:ハザード比2.7[95%信頼区間1.7-4.5]、心不全:ハザード比2.3[95%信頼区間1.2-4.5]、総死亡:ハザード比:3.1[95%信頼区間2.1-4.6])。

結論:
 1秒率ではなくLLNに基づく気流閉塞がある若年・中年成人は、呼吸器系・心血管系のリスクや死亡リスクが高い。


by otowelt | 2018-03-02 07:19 | 気管支喘息・COPD

AANZDEM研究:COPD急性増悪の疫学と臨床アウトカム

e0156318_1633480.jpg 確かに、あまり大規模なデータがないなと思っていました。
 全身性ステロイドを使う頻度がかなり少ないですね。こんなもんでしょうか。

Anne Maree Kelly, et al.
Epidemiology, treatment, disposition and outcome of patients with acute exacerbation of COPD presenting to emergency departments in Australia and South East Asia: An AANZDEM study
Respirology, DOI: 10.1111/resp.13259


背景および目的:
 COPD急性増悪(AECOPD)は、救急部でよくみられる疾患だが、その疫学やアウトカムデータは不足している。われわれは、救急部におけるAECOPDの疫学、臨床的特徴、治療、アウトカムを調べた。

方法:
 オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、香港、マレーシアの46施設で実施されたAANZDEM研究で、救急部を受診してAECOPDと診断された患者を登録した。プライマリアウトカムは、その疫学、臨床的特徴、治療、アウトカム(在院日数、死亡率)とした。

結果:
 46の救急部で、415人のAECOPD患者が同定された(全コホートのうち13.6%)。年齢中央値は73歳で、60%が男性で、65%が救急車で搬送された。91%がすでにCOPDの診断を受けていた。80%の患者は吸入気管支拡張薬を投与され、66%は全身性ステロイドを投与され、pH7.30未満の患者の57%が非侵襲性換気の治療を適用された。78%の患者が入院し、7%がICUへ入室した。院内死亡率は4%で、在院日数中央値は4日だった(95%信頼区間2-7日)。

結論:
 AECOPD患者は救急車で搬送されることが多く、入院率が高い。


by otowelt | 2018-02-23 00:35 | 気管支喘息・COPD

重症COPDに対する長期アジスロマイシンは増悪・入院を減らすが耐性菌は増加

e0156318_1633480.jpg 耐性菌の増加との綱引きですね。

Xavier Pomares, et al.
Clinical and safety outcomes of long-term azithromycin therapy in severe COPD beyond the first year of treatment
CHEST DOI: https://doi.org/10.1016/j.chest.2018.01.044


背景:
 アジスロマイシンの長期投与はCOPD増悪を減少させるが、1年を超えてのその効果と安全性についてはよくわかっていない。

方法:
 重症度Dの4回以上の増悪経験のある、アジスロマイシン500mg1日3回/週を追加投与されたCOPD患者を後ろ向きに登録した。24ヶ月を超えて治療されたものを長期使用者と定義し、COPD増悪の頻度、入院、在院日数について初年度、2年、3年で評価した。マクロライド耐性菌や副作用についても調査した。

結果:
 109人の重症COPD患者が登録され、そのうち24ヶ月を超えていた39人が長期使用者に該当した(35.8%)。この群は、12ヶ月時点でCOPD増悪が平均よりも56.2%低かった。また、24ヶ月で70%減、36ヶ月で41%減だった。同様に入院についても、62.6%減、75.8%減、39.8%減だった。COPD増悪の減少とは対称的に、耐性菌は50%増加した。忍容性は良好で、短期的な消化器症状がみられたり(7.1%)、聴力障害が長期投与群の5.1%にみられたりした。

結論:
 重症COPD患者に対する24~36ヶ月の長期アジスロマイシン投与は、COPD増悪や入院を減らすが、マクロライド耐性菌を増加させた。


by otowelt | 2018-02-21 00:17 | 気管支喘息・COPD

5歳未満の喘息小児に対するスピリーバ®レスピマットの有効性

e0156318_1637713.jpg これはすごいですね。レスピマットなので小児にも吸いやすいですし。大規模な臨床試験を計画する根拠になるでしょう。

Vrijlandt EJLE, et al.
Safety and efficacy of tiotropium in children aged 1-5 years with persistent asthmatic symptoms: a randomised, double-blind, placebo-controlled trial.
Lancet Respir Med. 2018 Jan 17. pii: S2213-2600(18)30012-2. doi: 10.1016/S2213-2600(18)30012-2. [Epub ahead of print]


背景:
 5歳未満の小児における喘息治療の効果と安全性データは限られている。われわれは、LAMAのチオトロピウムを1~5歳の遷延性喘息症状がある小児に用いる効果と安全性を検証した。

方法:
 12週間のランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間試験が世界各国32病院で実施された。1~5歳の小児で、少なくとも6ヶ月の遷延性喘息症状があり、吸入ステロイド薬(ICS)を必要としている児を対象とした。患児は既存ICS治療±他のコントローラーに加えて、1日1回のチオロピウム2.5μg・同5μg・プラセボにランダムに割り付けられた。患者側と研究者側にはどの治療に割り付けられたかマスクされた。チオトロピウムはレスピマットを用いて1回2吸入おこなわれた。プライマリアウトカムは安全性で、チオトロピウムとプラセボの有害事象が比較された。またベースラインから12週時点での日中の喘息症状を評価項目として治療効果もがアセスメントされた。上記アウトカム解析は少なくとも1回の吸入がおこなわれた患児全員を対象とした。

結果:
 2012年7月26日から2014年12月4日までに、102人の小児が登録された(36人:チオトロピウム2.5μg群、32人:チオトロピウム5μg群、34人:プラセボ群)。101人の小児が試験を完遂し、解析対象となった。日中の喘息症状スコアはベースラインから12週時点でどの群でも有意な差はみられなかった。
 チオトロピウム2.5μg群とプラセボ群の喘息症状スコア補正平均差は-0.080(95%信頼区間-0.132~0.152)で、同5μ群とプラセボ群の補正平均差は-0.048(95%信頼区間-0.292~0.195)だった。有害事象はチオトロピウム群の方がプラセボ群より少なかった(56% vs 58% vs 74%)。有害事象登録として喘息発作を記録された患児は、プラセボ群の方がチオトロピウム群より多かった(14% vs 6% vs 29%)。重篤な有害事象は3人に観察されたが、すべてプラセボ群だった。
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(Kaplan-Meier曲線:初回喘息発作まで)

結論:
 小規模ではあるが、これは1~5歳の喘息小児に対するチオトロピウムの効果と安全性を検証した初めての研究である。チオトロピウムの忍容性はプラセボと同等であり、これは成人高齢者と同じ結果だった。日中の喘息症状スコアは両群ともに同等という結果であったがチオトロピウムは喘息発作を軽減させる可能性がある。


by otowelt | 2018-02-13 00:11 | 気管支喘息・COPD

GOLD2017の重症度A-D分類は予後予測能として不十分

 日本でも重症度分類を使うことが多くなりましたが、縦軸が非常に使いづらく、A vs C, B vs Dのはざまに落ち込む患者さんが結構います。

Anne Gedebjerg, et al.
Prediction of mortality in patients with chronic obstructive pulmonary disease with the new Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease 2017 classification: a cohort study
Lancet Respiratory Medicine、DOI: http://dx.doi.org/10.1016/S2213-2600(18)30002-X

概要:
 GOLD2017では、これまでのGOLD Stage1-4と重症度分類A-Dが別々に表記されるようになりました。重症度分類A-Dの方が治療内容や予後予測に関して実臨床とマッチしていると評価されていましたが、オランダの研究で後者が否定的となりました。トラディショナルなStage1-4の方が予後をよく予測できるようです。全体の死亡率は重症度B>Cという結果でしたが、心血管系疾患による死亡は両群同等でした(症状が強いので重症度Bは心血管系リスクが高いとされていた)。苦肉の策として、GOLD1-4に重症度A-Dを付け加えて1A-4Dの16分類にすると、どうにか層別化ができたと報告していますが、どう考えても16個に分類されたCOPDなど実臨床で有用であるはずもなく。
 重症度A-Dは治療内容とヒモ付けされているので、とりあえずは予後予測には懐疑的な流れになりそうです。

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by otowelt | 2018-02-08 00:47 | 気管支喘息・COPD

吸入指導とフィードバックはやればやるほどよい

e0156318_1637713.jpg 日本の場合、やはりマンパワーの問題があります。

Sulaiman I, et al.
A randomised clinical trial of feedback on inhaler adherence and technique in patients with severe uncontrolled asthma.
Eur Respir J. 2018 Jan 4;51(1). pii: 1701126.


背景:
 重症喘息において、コントロール不良は服薬アドヒアランスや吸入手技不良と関連しており、難治性にいたる可能性がある。この研究では、吸入手技に関するフィードバック介入により改善するかどうかをみた。

方法:
 重症コントロール不良喘息患者に対して、集中的教育群では繰り返して吸入薬のトレーニング・アドヒアランスや疾患マネジメンのレクチャーをおこなった。今回の介入群でも同様の介入をおこなったが、フィードバックガイド訓練を用いてさらに質を高めた。プライマリアウトカムは、吸入アドヒアランスとした。セカンダリアウトカムは、事前に規定された臨床アウトカムとした。データはITTおよびper-protocolで解析された。

biofeedback:INCAデバイスを用いてフィードバック。INCAは装着が大変ですが(ドライバーなどでこじあけないといけない)、吸入タイミングが記録されるため、アドヒアランス維持のために有効とされる電子デバイスです。
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(http://www.incadevice.com/#research)

結果:
 3ヶ月の平均アドヒアランス率は、フィードバックを加えた群で有意に高かった(ITT: n=107; 73% vs 63%; 95%信頼区間2.8%-17.6%; p=0.02)。試験終了までに、喘息は54人(38%)で臨床的に安定ないし改善がみられた。しかし、コントロール不良・アドヒアランス不良は52人(35%)、コントロール不良・アドヒアランス良好は40人(27%)いた。

結論:
 繰り返しフィードバックをおこなうことで吸入アドヒアランスは向上した。一連のプログラムにより、40人(27%)のみが難治性かつアドヒアランス良好の集団に入り、さらなる追加治療をおこなわれた。


by otowelt | 2018-02-05 00:37 | 気管支喘息・COPD

TONADO試験事後解析:LAMA/LABA導入COPD患者においてβ遮断薬継続は問題なし

e0156318_1633480.jpg 一部のβ遮断薬が安全で、その他は心配、という呼吸器内科医も多いと思いますが、あまり心配しなくてもよいのかもしれませんね。私はβ遮断薬を継続しています。

François Maltais, et al.
β-blockers in Chronic Obstructive Pulmonary Disease: a Cohort Study from the TONADO® Research Programme
CHEST DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.chest.2018.01.008


背景:
 COPD患者において、心血管系疾患はよくみられる併存症である。多くの医師、特に呼吸器内科医は、心血管系イベントの予防に効果的であると証明されているにもかかわらず、COPD患者に対してβ遮断薬を処方するのに消極的である。

方法:
 大規模第III相試験(TONADO1,2試験)において、長時間作用性気管支拡張薬を吸入している中等症~超重症COPD患者における肺機能および患者報告アウトカムを1年アセスメントした。この事後報告では、β遮断薬を内服しているサブグループにおける肺機能変化、患者報告アウトカム、安全性を調べた。

結果:
 ベースラインで5162人のうち557人(11%)がβ遮断薬を内服していた。ベースラインの気管支拡張後1秒量はβ遮断薬内服群の方が高かった(1.470L vs 1.362L)。想定されていた通り、β遮断薬内服群の患者は心血管系へ依存症や投薬の既往が多かった。ベースラインからの肺機能変化はβ遮断薬群と非内服群で同等に改善し、24週・52週のトラフ1秒量あるいはトラフ努力性肺活量についても同等であった。SGRQスコアおよびTDIスコアにも差はなかった。安全性プロファイルは両群同等だった。

結論:
 中等症~超重症COPD患者におけるチオトロピウム/オロダテロールの呼吸器系ステータスや安全性は、ベースラインのβ遮断薬内服に影響を受けなかった。この大規模コホート研究結果は、COPDと心血管系併存症のある患者において、β遮断薬を慎重かつ適切に使用することを支持する。


by otowelt | 2018-01-31 00:48 | 気管支喘息・COPD

山形-高畠研究:軽度気流閉塞のある喫煙者が最も1秒量減少の影響を受けやすい

e0156318_1633480.jpg 喫煙者の入口に立っている人に強く予防をすすめなければいけない、ということですね。

Kento Sato, et al.
Impact of cigarette smoking on decline in forced expiratory volume in 1 s relative to severity of airflow obstruction in a Japanese general population: The Yamagata–Takahata study
Respiratory Investigation, DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.resinv.2017.11.011


背景:
 軽度の気流閉塞があるCOPD患者における1秒量の年間減少率に関する文献はほとんどない。この研究では、軽度の気流閉塞がある患者に対する喫煙の影響を調べた。

方法:
 2004年~2006年に、40歳を超える患者に肺機能検査をおこなった(山形県高畠町、3253人)。2011年に肺機能検査を再度実施した(838人)。

結果:
 喫煙者では%努力性肺活量、%1秒量、1秒率が低かった。気流閉塞は重度の喫煙者の方が非喫煙者よりも不良であった。1秒量の年間減少率中央値は、喫煙者の方が非喫煙者よりも大きかった。軽度の気流閉塞のある喫煙者の方が、中等度の気流閉塞のある喫煙者よりも1秒量の減少が大きかった。%1秒量の減少を解析すると、軽度の気流閉塞のある喫煙者の年変化は、正常スパイロメトリーを呈した喫煙者よりも大きかった。
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(文献より引用)

結論:
 日本人の一般的な集団では、軽度の気流閉塞のある喫煙者では大きな1秒量減少率が観察された。これはすなわち、未診断COPDを早期に同定して、その後の進行を予防する意義があることを示している。



by otowelt | 2018-01-25 00:55 | 気管支喘息・COPD