カテゴリ:びまん性肺疾患( 367 )

PRM-151拡大試験:IPFに対する次世代治療薬の長期安全性と有用性

e0156318_14441648.jpg パンチは弱めの数値ですが、期待しています。

<参考記事>
・IPFに対する遺伝子組み換え型ヒトペントラキシン2は肺機能低下を抑制

GaneshRaghu, et al.
Long-term treatment with recombinant human pentraxin 2 protein in patients with idiopathic pulmonary fibrosis: an open-label extension study
The Lancet Respiratory Medicine Available online 20 May 2019

背景:
 組み換え型ヒトペントラキシン2であるPRM-151で治療された特発性肺線維症(IPF)患者は、28週間におよぶ第2相二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試験において、有意に%努力性肺活量(FVC)を減少させ、6分間歩行距離(6MWD)を安定させた(JAMA. 2018 Jun 12;319(22):2299-2307.:上記リンクで記事解説)。ここで、76週におよぶオープンラベル拡大試験の結果を報告する。

方法:
 PRM-151-202試験期間である28週間の二重盲検期間を完遂した患者は、オープンラベル拡大試験に登録された。PRM-151群だった患者は治療を継続し、プラセボ群だった患者はPRM-151にクロスオーバーした。28週サイクルでPRM-151を投与された患者は、初回の週にday1,3,5にローディング用量として10mg/kgを60分で投与され、4週ごとに1回の10mg/kgを点滴を受けた。主要な目的は、PRM-151の長期安全性の検証であり、オープンラベル拡大試験に登録された患者を76週まで追跡した。探索的に有効性解析をおこない、ベースラインからの%FVC、%6MWD変化が調べられた。
e0156318_1122136.png
(文献より引用)

結果:
 二重盲検試験を完遂した116人のうち、111人がオープンラベル拡大試験にすすんだ(76人がPRM-151群由来、37人がプラセボ群由来)。111人のうち84人(76%)がIPF治療(ピルフェニドン55人、ニンテダニブ29人)と併用していた。IPF増悪が4人(4%)、IPF進行が4人(4%)、胸痛が2人(2%)にみられ、重篤な有害事象は21人(19%)に観察され、そのうちIPF増とIPF進行が2人ずつだった。
 長期的なPRM-151の有効性が観察され、継続群ではFVC減少、6MWD減少の抑制が引き続き観察されていた(-3.6%/年、-10.5m/年)。拡大試験でPRM-151を開始した集団でも、プラセボ時期と比較して両アウトカムの悪化を抑制することが示された。
e0156318_1123716.png
(文献より引用)

結論:
 長期PRM-151は、忍容性があり%FVCおよび6MWDの減少を抑制する効果がある。IPF患者に対する大規模なPRM-151臨床試験を実施することを支持するものである。



[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

画像から学ぶびまん性肺疾患 [ 酒井文和 ]
価格:10260円(税込、送料無料) (2018/5/12時点)



by otowelt | 2019-05-26 00:04 | びまん性肺疾患

SENSCIS試験:全身性強皮症間質性肺疾患に対するニンテダニブ

e0156318_14441648.jpg ATS速報ニュースでも流しましたが、強皮症ILDに対するオフェブ®の論文です。ATSでも盛り上がりを見せました。

Oliver Distler, et al.
Nintedanib for Systemic Sclerosis–Associated Interstitial Lung Disease
NEJM, May 20, 2019 DOI: 10.1056/NEJMoa1903076


背景:
 間質性肺疾患(ILD)は全身性強皮症(SSc)ではよくみられる表現型であり、SSc関連死亡の主たる原因である。チロシンキナーゼ阻害剤であるニンテダニブは、SScおよびILDの臨床前モデルにおいて抗線維化・抗炎症作用をもたらすことが示されている。

方法:
 われわれはランダム化二重盲検プラセボ対照試験を実施し、SSc関連ILDの患者におけるニンテダニブの有効性と安全性を検証した。過去7年以内に初回非Raynaud現象および最低10%の肺の線維化がある高分解能CTを呈するSScを有する患者を1:1の割合でニンテダニブ150mg1日2回経口投与あるいはプラセボにランダムに割り付けた。ベースラインの肺機能については、%DLCO30~89%、%FVCは40%を必要条件とした。肺高血圧症合併例は除外された。
 プライマリエンドポイントは努力性肺活量(FVC)の年間減少率とし、52週間にわたって調査された。キーセカンダリエンドポイントは、ベースラインから52週までの修正Rodnan皮膚スコア(mRSS)およびSGRQスコアのベースラインからの絶対変化とした。mRSSのMCIDははっきりとしたエビデンスはないが、3-4点あたりではないかと考えられている(Arthritis Res Ther 2019;21:23-23.)。

結果:
 576人が少なくともニンテダニブあるいはプラセボを1回投与された。51.9%がびまん型全身性強皮症であり、48.4%がベースラインにミコフェノール酸を投与されていた。女性のほうが多く、ニンテダニブ群76.7%、プラセボ群73.6%だった。年齢はニンテダニブ群54.6±11.8歳、プラセボ群53.4±12.6歳だった。約半数がdiffuse cutaneous SScだった。ベースラインの%FVCは、ニンテダニブ群72.4±16.8%、プラセボ群72.7±16.6%だった。ベースラインの%DLCOは、ニンテダニブ群52.9±5.1%、プラセボ群53.2±15.1%だった。
 プライマリエンドポイント解析では、補正FVC年間減少はニンテダニブ群-52.4mL/年、プラセボ群-93.3mL/年だった(差41.0mL/年、95%信頼区間2.9-79.0、p=0.04)。欠損データに対する多重代入による感度分析では、プライマリエンドポイント達成P値は0.06から0.10の範囲だった。ベースラインから52週までのmRSSトータルスコアおよびSGRQスコアの変化は統計学的に有意差はなかった(それぞれ-0.21,95%信頼区間-0.94~0.53、p=0.58、1.69、95%信頼区間-0.73~4.12)。下痢がもっともよくみられた副作用イベントであり、ニンテダニブ群の75.7%、プラセボ群の31.6%にみられた。

結論:
 SSc-ILD患者において、ニンテダニブはプラセボよりも年間FVC減少率を減少させるが、その他の表現型に対するニンテニブの利益は臨床的には認められない。この試験におけるニンテダニブの副作用イベントプロファイルは、特発性肺線維症患者で観察されたものと同等で、下痢を含む消化器系の副作用イベントがプラセボよりニンテダニブにおいてよくみられた。




[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

研修医のための人生ライフ向上塾! [ 鈴木 瞬 ]
価格:2916円(税込、送料無料) (2019/5/16時点)



by otowelt | 2019-05-24 00:28 | びまん性肺疾患

特発性肺線維症では血清アミロイドAが上昇する

e0156318_1543237.jpg さすがに、アミロイドーシスでしか測定したことないです。

Vietri L, et al.
Serum amyloid A in patients with idiopathic pulmonary fibrosis.
Respir Investig. 2019 Apr 26. pii: S2212-5345(19)30051-6. doi: 10.1016/j.resinv.2019.03.010.


背景:
 血清アミロイドA(SAA)は、活性化単球からの前炎症性サイトカインに反応し肝臓から産生されるアポリポプロテイン(12-14kDa)である。SAAの前駆体はサルコイドーシスの病因に関与する急性期タンパク質であり、COPDおよび肺癌の増悪時に増加することが分かっている。しかしながら、組織学的・放射線学的にUIPパターンを呈する間質性肺炎としてもっともよくみられる重症の特発性疾患である特発性肺線維症(IPF)の患者におけるSAA濃度の有用性についてはデータがない。この予備研究の目的は、IPF患者におけるSAA濃度を調べ、臨床バイオマーカーとしてのその潜在的用途を探索することである。

方法:
 SAA濃度は、IPF患者21人(14人が男性、平均年齢64.8±8.1歳)でELISA法を用いて測定され、健康なコントロール患者11人(3人が男性、平均年齢55±11.3歳)と比較された。臨床的、機能的、免疫学的データがデータベースから採取された。

結果:
 SAA濃度はコントロール患者よりIPF患者で有意に高かった(p = 0.03)。ROC解析では、カットオフ値 6067 ng/mlにおいて、感度70.59%、特異度90.91%であった。
e0156318_1753430.png
(文献より引用)

 IPF患者では、SAAとHDLコレステロール(r = -0.62, p = 0.05)および%努力性肺活量(r = -0.52, p = 0.01)の間に有意な相関がみられた。
 SAA濃度が上位75パーセンタイルにいる集団は、有意に生存期間が短かった。
e0156318_1794671.png
(文献より引用)

結論:
 SAAはIPF患者における疾患重症度の有望なマーカーである。われわれの予備的データは、このまれな疾患における脂質代謝変化が潜在的な病理学的役割を持つと示している。



[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

J-COSMO(Vol.1 No.1(2019) Common Senseを生きる
価格:2700円(税込、送料無料) (2019/4/30時点)



by otowelt | 2019-05-17 00:44 | びまん性肺疾患

INPULSIS試験事後解析:ニンテダニブはGAPステージを問わず有効

e0156318_10574046.jpg 早期から開始すべきという見解には変わりないですね。

Ryerson CJ, et al.
Effects of nintedanib in patients with idiopathic pulmonary fibrosis by GAP stage.
ERJ Open Res. 2019 Apr 29;5(2). pii: 00127-2018.


背景および方法:
 われわれは、特発性肺線維症(IPF)患者におけるニンテダニブの治療効果に潜在的に影響を与えるGAP(性別、年齢、生理学的パラメータ)の事後解析を実施した。アウトカムはINPULSIS試験においてGAPステージIとGAPステージII/IIIで比較した。

結果:
 ベースライン時、500人の患者がGAPステージIだった(ニンテダニブ304人、プラセボ196人)、489人がGAPステージII(ニンテダニブ296人、プラセボ193人)で、71人がGAPステージIII(ニンテダニブ38人、プラセボ33人)だった。ニンテダニブで治療を受けた患者の年間努力性肺活量(FVC)減少率は、GAPステージIおよびGAPステージII/IIIで同等だった(-110.1mL/年 vs -116.6 mL/年)。また、いずれの群もプラセボで治療された患者よりは減少率が低かった(プラセボ:-218.5mL/年、-227.6 mL/年) 。
 急性増悪の頻度は、GAPステージII/IIIのほうがGAPステージIの患者より多かった(8.4% vs 3.0%)。GAPステージIの患者では、ニンテダニブ群において1回以上の急性増悪を経験した頻度は1.6%で、プラセボ群では5.1%だった。GAPステージII/IIIの患者では、ニンテダニブ群において1回以上の急性増悪を経験し頻度は7.8%で、プラセボ群では9.3%だった。総合して解析すると、プラセボと比較してニンテダニブ群で初回急性増悪のリスクが減少する傾向があった(ハザード比0.64, 95%信頼区間0.39–1.05; p=0.08)。
e0156318_11321289.png
(文献より引用)
e0156318_1136216.png
(文献より引用)
e0156318_114659100.png
(文献より引用)

 SGRQスコアはベースライン時、GAPステージが高いほど不良であった(GAPステージI:37.0点、GAPステージII:40.5点、GAPステージIII:50.8点)。52週時点でSGRQスコアのベースラインからの変化はニンテダニブ群とプラセボ群で有意差はなかった (差−1.43, 95%信頼区間−3.09–0.23; p=0.09)。
 GAPステージIの患者では、ニンテダニブ治療を受けた患者はプラセボ群と比較して治療中断が多かった。この差は、GAPステージII/IIIでも同様だった。下痢がもっともよくみられた中断理由だった。ニンテダニブ群では、死亡は43.8%にみられた。プラセボ群では、59.8%にみられた。

結論:
 INPULSIS試験の事後解析によれば、ニンテダニブはどのGAPステージであってもFVC減少率に対する同等の効果を有することが示された。




[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

ポケット呼吸器診療(2019) [ 林清二 ]
価格:1944円(税込、送料無料) (2019/5/1時点)



by otowelt | 2019-05-08 00:16 | びまん性肺疾患

間質性肺疾患患者では睡眠呼吸障害が多い

e0156318_1543237.jpg あまり意識していなかったので注意したいと思いました。

Lauren K. Troy, et al.
Nocturnal hypoxaemia is associated with adverse outcomes in interstitial lung disease
Respirology, https://doi.org/10.1111/resp.13549


背景および目的:
 睡眠呼吸障害(SDB)は特発性肺線維症(IPF)およびその他の間質性肺疾患(ILD)の集団において高い頻度で報告されている。夜間の酸素飽和度低下(NOD)あるいはSpO2が90%未満の総睡眠時間(TST<90)は、無呼吸の有無を問わず起こりうるもので、ILDではよくみられる現象である。この研究では、ILD患者における異常SDBの特徴とTST<90の頻度を調べ、TST<90と疾患重症度マーカー・肺高血圧症(PH)・死亡との関連を評価した。

方法:
 専門病院に新規に紹介された呼吸不全を有さないILD患者が、連続してポリソムノグラフィ(PSG)を受けた。すべてのILDはMDDにより診断された。連続して、肺機能検査、心エコーを受け、その他臨床的データが記録された。PHおよび死亡の予測因子は、ロジスティック回帰およびCox比例ハザード回帰分析を用いて評価された。

結果:
 合計92人のILD患者(IPF患者44人を含む)がPSGを受けた(平均年齢66.1±10.7歳)。追跡期間中央値は605日だった。26人(28.2%)が外科的肺生検を受け診断されている。
 少なくとも軽症の閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)を有しているのは65.2%で、IPF患者に限定すると60.4%だった。また、REM関連イベントが頻繁にみられた。少なくとも10%のTST<90がある(有意なNOD)は患者の35.9%で、ベースラインの心エコーにおけるPHと関連していた。有意なNODを含む、睡眠時低酸素血症の複数のインデックスは、新規のPHあるいはPHの悪化を予測した。TST<90は、全生存および無増悪生存を予測した。

結論:
 夜間の酸素飽和度低下は、ILD患者の予後不良と関連しており、肺血管疾患の病態生理に影響を与えているかもしれない。





by otowelt | 2019-05-07 00:42 | びまん性肺疾患

特発性f-NSIPにおけるKL-6とSP-D

e0156318_1543237.jpg IPAF f-NSIPの勉強になりました。

Yamakawa H, et al.
Evaluation of changes in the serum levels of Krebs von den Lungen-6 and surfactant protein-D over time as important biomarkers in idiopathic fibrotic nonspecific interstitial pneumonia
Respiratory Investigation, https://doi.org/10.1016/j.resinv.2019.03.006


背景:
 特発性f-NSIPの患者の一部は、特発性肺線維症と同様に進行性の経過をたどる。しかしながら、患者アウトカムの不良を予測することは難しい。この研究では、KL-6およびSP-Dの経時的変化が疾患増悪を予測することができるかどうか評価するものである。

方法:
 経過中に膠原病を発症した患者は除外された。われわれは後ろ向きに特発性f-NSIP患者75人の診療録を解析した。疾患経過を長期的な肺機能検査の変化によって2群に分類した。すなわち、進行型(年5%以上の努力性肺活量減少や年7.5%以上の%DLCO減少がみられる群)と安定型の2つである。KL-6およびSP-Dの測定、肺機能検査は並行して実施され、線形混合効果モデルを用いて解析された。

結果:
 安定型62人、進行型13人が比較された。これらの患者のうち、50人がIPAFの診断基準を満たした。ベースラインの血清KL-6とSP-Dは2群で有意差はなかった。これらのいずれもが%DLCOと逆相関していたが、努力性肺活量とは関連していなかった。これらのバイオマーカーは疾患進行とは関連していなかった。KL-6およびSP-Dが遷延して高値を示す場合、非IPAF f-NSIPにおいて進行型と相関がみられた。IPAF f-NSIPでは、いずれのマーカーも安定型と進行型で有意な差はなかった。
e0156318_1445295.png
(文献より引用)

結論:
 特発性f-NSIP、特に非IPAF fNSIP治療中の患者では、血清KL-6およびSP-Dの変化は疾患動態の予測に対して有用な情報を与えてくれるかもしれない。





by otowelt | 2019-04-21 00:46 | びまん性肺疾患

高齢IPF患者におけるフレイル

e0156318_10574046.jpg 当然の結果ではあるのですが、報告がないそうで。

Sheth JS, et al.
Frailty and geriatric conditions in older patients with idiopathic pulmonary fibrosis.
Respir Med. 2019 Mar;148:6-12.


背景:
 機能的ステータスは、高齢者にとって重要な健康アウトカム予測因子であるが、IPFの集団では研究されてこなかった。この研究は、高齢IPF患者におけるフレイルと老年症候群の頻度を調べることを目的とした。

方法:
 65歳以上のIPF患者がミシガン大学において前向きに登録された。フレイルは、Friedらによるフレイル表現型を用いて診断された。機能的ステータス、加齢症状、症状に特化した質問票が用いられた。胸筋面積の定量的測定を行った。異なるフレイル群のあいだで患者変数を比較した。

結果:
 50人の被験者のうち、48%がフレイルで、40%が2つ以上の老年症候群を有していた。フレイルは加齢、肺機能低下、短い6分間歩行距離、症状スコア高値、併存症の多さ、老年症候群、機能的制限と関連していた(p<0.05)。胸筋面積もほぼ有意な結果だった(p = 0.08)。自己申告の疲労スコア(オッズ比 2.13, 95%信頼区間1.23-3.70, p = 0.0068)および拡散能(オッズ比0.54、95%信頼区間0.35-0.85, p = 0.0071)はフレイルの独立予測因子だった。

結論:
 フレイルと老年症候群は高齢IPF患者ではよくみられる。フレイルの存在は客観的データ(拡散能)および主観的データ(自己申告の疲労スコア)とも関連していた。縦断的な評価によって、IPFの疾患関連アウトカムに対してフレイルが与える影響を調べる必要がある。









by otowelt | 2019-04-15 00:09 | びまん性肺疾患

関節リウマチ関連肺疾患の治療反応性がよいのはUIPパターン?

e0156318_10574046.jpg 意外な結果でした。ただし、MTX使用率・ステロイド使用率には差があるので、解釈には注意が必要です。個人的にはUIPパターンだからといって何がなんでもMTXを避ける必要はないと思っています。

Hanaka T, et al.
Radiological patterns of pulmonary involvement may predict treatment response in rheumatoid arthritis: A retrospective study.
Respir Investig. 2019 Feb 1. pii: S2212-5345(18)30194-1.


背景:
 肺の放射線学的パターンと関節リウマチ(RA)活動性あるいはRA治療反応との関連性についてはこれまでRA-肺疾患(LD)患者で報告がない。

方法:
 2005年4月から2015年3月までに治療を受けたRA-LD患者を後ろ向きに評価した。RA-LDは、胸部HRCTパターンから3つに層別化された。すなわち、UIPパターン、NSIPパターン、細気管支炎の3つである。DAS28-ESRおよびRAに対する治療反応性(EULAR治療反応基準)が調べられた。

結果:
 合計77人(21人がUIP、23人がNSIP、33人が細気管支炎)が登録された。DAS28-ESRスコア中央値(四分位範囲)は、UIPパターンで5.27(4.76-5.74)、NSIPパターンで5.48(4.26-6.34)、細気管支炎で5.04(3.90-5.66)だった。3群に有意な差はなかった(p = 0.412)。
 MTX使用率は、UIPパターンで9人(43%)、NSIPパターンで1人(4%)、細気管支炎で22人(67%)だった。ステロイド使用はNSIPパターンで多くみられた。
 ベースラインから1年後において、EULAR反応基準を用いて評価された良好あるいは中等度の反応性があると考えられた患者はUIPパターンで19人(90%)、NSIPパターンで14人(61%)、細気管支炎で19人(58%)だった。これについては3群で統計学的な有意差があった(p = 0.014)。多変量ロジスティック回帰分析では、UIPパターンはべースラインから1年後のRA治療の良好あるいは中等度の反応性と有意に関連していた(p = 0.012)。

結論:
 胸部HRCTでNSIPおよび細気管支炎があると、RA治療に抵抗性となるリスクが高いかもしれない。









by otowelt | 2019-04-05 00:48 | びまん性肺疾患

クライオバイオプシーと外科的肺生検の病理医による一致率は不良

e0156318_1543237.jpg さて、クライオバイオプシーに対して一石を投じる論文が出てきました。
 「中」と「外」から採取するので、厳密に同じ場所をとっているわけではないのですが、さりとて外科的肺生検のほうが検体量が大きいため、信頼性もそちらのほうが高くなります。
 オルタナティブとして用いることができるかどうか、議論はまだまだ続く。

Romagnoli M, et al.
Poor Concordance between Sequential Transbronchial Lung Cryobiopsy and Surgical Lung Biopsy in the Diagnosis of Diffuse Interstitial Lung Diseases.
Am J Respir Crit Care Med. 2019 Mar 13. doi: 10.1164/rccm.201810-1947OC.


背景:
 経気管支肺クライオバイオプシー(TBLC)と、組織検体を要する現在の間質性肺疾患(ILD)ゴールドスタンダードである外科的肺生検(SLB)の間の診断不一致についてはいまだ議論の余地がある。

目的:
 同一患者で連続して実施されたTBLCとSLBの間の診断不一致、両処置の診断精度、多面的アセスメント(MDA)決定の変化について調べること。

方法:
 初回MDAで非definite UIPパターン(胸部HRCT写真における)と診断されたILD患者の、2施設における前向き研究である。TBLCを行われた患者が、すみやかにビデオ補助胸腔鏡によるSLBを同一の解剖学的部位で実施された。施設の病理医による両検体の公開検鏡および2回目のMDA(MDA2)で最終診断された後、匿名化されたTBLCおよびSLBスライドが外部専門家病理医(TVC)によって盲目的に評価された。κ一致係数および%一致率が、TBLC vs SLB、MDA2 vs TBLC、MDA2 vs SLBにおいて盲検化された病理医と施設病理医で比較検討された。

結果:
 21人の患者が登録された。TBLCの検体サイズ中央値(長径)は7mm(IQR 5-8mm)だった。SLB検体サイズは平均46.1±13.8mmだった。一致係数および%一致率は、TBLC vs SLB:κ=0.22(95%信頼区間0.01-0.44), %一致率38%(95%信頼区間18-62)、MDA2 vs TBLC:κ=0.31(95%信頼区間0.06-0.56), %一致率48%(95%信頼区間26-70)、MDA2 vs SLB:κ=0.51(95%信頼区間0.27-0.75), %一致率62%(95%信頼区間38-82)だった。2例の気胸(9.5%)がTBLCで発症した。もし21人中11人(52%)の症例でSLBが実施されなかった場合、TBLCは異なる治療をもたらしたと考えられる。

TBLCSLB
患者1OP亜急性HP
患者2UIPCHP
患者3UIPUIP
患者4診断できずPLCH
患者5UIPUIP
患者6UIPCHP
患者7UIPNSIP
患者8RB-ILDRB-ILD
患者9診断できずUIP
患者10PLCHUIP
患者11NSIPNSIP
患者12UIPUIP
患者13診断できずALI
患者14NSIPlymphoid process
患者15UIPNSIP
患者16診断できずUIP
患者17UIPUIP
患者18NSIPNSIP
患者19UIPUIP
患者20RB-ILDNSIP
患者21慢性リンパ性白血病DIP


結論:
 ILDのアセスメントにおいてTBLCとSLBの病理学的な検討の一致率は不良であった。SLBはMDAで支持された最終診断とより一致していた。






by otowelt | 2019-04-04 00:35 | びまん性肺疾患

びまん性嚢胞性肺疾患は飛行機搭乗によってどのくらい気胸になるか?

e0156318_14441648.jpg 患者さんにとって煩雑なのは、在宅酸素療法の搭乗手続きですね。

Wajda N, et al.
Air Travel-Related Spontaneous Pneumothorax in Diffuse Cystic Lung Diseases.
Curr Pulmonol Rep. 2018 Jun;7(2):56-62.



レビューの目的:
自然気胸(SP)は、リンパ脈管筋腫症(LAM)、肺Langerhans細胞組織球症(PLCH)、Birt-Hogg-Dubé(BHD)といったびまん性嚢胞性肺疾患(DCLD)によくみられる病態である。そこで、われわれは、航空機に関する適切な意思決定に際して患者および臨床医に情報提供するべく、DCLD患者の航空機SPに関する文献をまとめた。

近年の知見:
いくつかの近年の研究によれば、DCLD患者のフライト中のSPのリスクは約1%と見積もられており、疾患特異的リスクはLAMで1.1~2.6%、BHDで0~0.63%、PLCHで0.37%と類推される。

まとめ:
一般的に、DCLDのほとんどの患者は航空機を安全に使用できると思われる。ただし、飛行機に搭乗する前に、突然または新たに発症した胸痛や呼吸困難がある場合は、医師の診察を受け、飛行機に搭乗しないように助言されるべきだ。





by otowelt | 2019-04-03 00:33 | びまん性肺疾患