カテゴリ:びまん性肺疾患( 381 )

AJRCCMでのやりとり:外科的肺生検とクライオバイオプシー

e0156318_1543237.jpg AJRCCMで「IPF診断における外科的肺生検とクライオバイオプシー」について議論が交わされています。

参考記事:クライオバイオプシーと外科的肺生検の病理医による一致率は不良

クライオバイオプシーがダメという論調ではなくて、サンプリングエラーをどこまで考えるかという話です。

Romagnoliらの文章を引用します。

「In conclusion, if one considers TBLC as “the baby”, we suggest that the bathwater is dirty and requires a paradigm change. (中略) If we can “clean-up” the bathwater via robust pathological markers that render the probability of diagnosis independent of biopsy size, the baby will be much more comfortable.」

(Romagnoli, et al. Cryobiopsy Compared with Surgical Lung Biopsy in ILD: Reply to Maldonado et al., Froidure et al., Bendstrup et al., Agarwal et al., Richeldi et al., Rajchgot et al., and Quadrelli et al. AJRCCM, August 23, 2019 as DOI: https://doi.org/10.1164/rccm.201906-1252LE)



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by otowelt | 2019-09-11 09:05 | びまん性肺疾患

PAGE試験:軽症~中等症肺胞蛋白症に対するGM-CSF吸入療法

e0156318_9102518.png 肺胞蛋白症に対するGM-CSF治療は自然寛解例が20%存在するため評価が難しいとされていますが、軽症~中等症例におけるPAGE試験の結果がNEJMに掲載されました。

Tazawa R, et al.
Inhaled GM-CSF for Pulmonary Alveolar Proteinosis
N Engl J Med 2019; 381:923-932


背景:
 肺胞蛋白症とは、肺胞内にサーファクタントが異常に蓄積する特徴を有す疾患である。その多くは自己免疫性であり、肺胞マクロファージによる肺サーファクタントの除去を阻害する顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)に対する自己抗体が原因とされている。非ランダム化第2相試験において、重症肺胞蛋白症患者に対する組換えヒトGM-CSF吸入に軽度の治療効果が示されたものの、軽症~中等症の患者に対する有効性はまだ明らかとなっていない。

方法:
 二重盲検プラセボ対照試験(PAGE試験)において、室内気のPaO2が70mmHg 未満(有症状の場合は75mmHg未満)の自己免疫性肺胞蛋白症患者64人を対象に、組換えヒト GM-CSF(サルグラモスチム)125μgあるいはプラセボ1日2回7日間の吸入を隔週で24週間投与した(プラセボ群の1人は脱落)。プラセボ群に割り付けられた肺胞蛋白症患者が増悪する可能性を除外するため、重症肺胞蛋白症患者(PaO2<50 mmHg)は本研究から除外となった。プライマリエンドポイントは、A-aDO2のベースラインから治療25週目までの変化量に設定。セカンダリエンドポイントとして、症状(咳嗽、喀痰産生、労作時呼吸困難)、mMRCスケール(0-4点)、肺活量、DLco、PaO2、6分間歩行距離、胸部HRCT所見、血清KL-6、血清CEA、血清SP-D、血清SP-A、血清高感度CRP、血清MCP-1、抗GM-CSF抗体、CATスコアが設定された。また胸部CTで各患者ごとに平均肺濃度をHUで算出し、濃度上昇を評価した。

結果:
 2016年9月から2016年12月までに78人の肺胞蛋白症患者がスクリーニングされた。解析対象となったのはプラセボ群1人脱落を計算すると、63人(GM-CSF群33人、プラセボ群30人)だった。脱落前の特性データでは、GM-CSF群の平均年齢は56.5±12.4歳、プラセボ群の平均年齢は57.2±12.9歳だった。いずれの群も女性が42%だった。mMRCはそれぞれ1.55±0.94点、1.42±0.96点だった。平均PaO2は、それぞれ66.4±8.66mmHg, 68.8±8.96mmHgで、平均A-aDO2は、37.5±9.99mmHg、35.2±11.4mmHgだった。血清KL-6は両群とも極めて高値であり、平均値でそれぞれ5264±3102U/mL, 8104±10345U/mLだった。
 A-aDO2の平均(±標準偏差)変化量は、GM-CSF群(33人)のほうがプラセボ群(30人)より有意に改善した(ベースラインからの変化量平均-4.50±9.03 mmHg vs 0.17±10.50 mmHg,P=0.02)。
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(文献より引用)

 胸部CTにおける肺野濃度変化のベースラインから治療25週目までの変化量についても、GM-CSF群のほうが良好だった(群間差-36.08 HU,95%信頼区間 -61.58~-6.99)。重篤な有害事象は、GM-CSF群6人とプラセボ群3人にみられた。
 平均6分間歩行距離はベースラインでほとんどが360mを超えており、本研究の対象例では有効性を示すにいたらなかった。
 ベースラインから治療25週目までの平均血清KL-6変化は、GM-CSF群で −1199±3098 U/mL、プラセボ群で4.70±9154 U/mLと差がみられ、これは過去の研究でも示されている通りだった。

結論:
 このランダム化比較試験において、組換えヒトGM-CSF吸入は軽症~中等症の肺胞蛋白症患者に対して動脈血酸素分圧を改善させるという点においては有益であるものの、臨床上の利益(QOL質問票スコア改善や6分間歩行距離改善)までは改善させなかった。



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by otowelt | 2019-09-07 08:03 | びまん性肺疾患

SLEにおける間質性肺疾患の臨床的特徴

e0156318_93123.png SLEの間質性肺疾患についての貴重な報告です。

Toyoda Y, et al.
Clinical features of interstitial pneumonia associated with systemic lupus erythematosus
Respir Investig. 2019 Sep;57(5):435-443.


背景:
 全身性エリテマトーデス(SLE)はしばしば肺に影響を与える。しかしながら、間質性肺炎(IP)の頻度は約10%と他の膠原病よりも低いがゆえに、どのIP型がSLEと関連しているかは不明であえる。

方法:
 われわれは、2011年1月から2015年12月までに徳島大学病院に入院したSLE患者69人の診療録および胸部高分解能CT(HRCT)を後ろ向きにレビューした。胸部HRCTが撮影されていない患者は除外された。診断基準(The 1982 revised criteria for the classification of systemic lupus erythematosus. Arthritis Rheum 1982;25./ Derivation and validation of the Systemic Lupus International Collaborating Clinics classification criteria for systemic lupus erythematosus. Arthritis Rheum 2012;64:2677e86.)に基づいてSLEは4人の膠原病科医が診断した。

結果:
 外科的肺生検は誰一人として適用されなかった。
 55人(80%)が女性で、SLE発症の平均年齢は42.4歳だった。IPは20人(29%)にみられ、そのうち女性が14人(70%)で、SLE発症の平均年齢は53.4歳だった。有意にIPがなかった集団よりも高齢だった(p=0.003)。有意ではなかったが、IP合併例は男性のほうが多かった。胸膜病変は6人(8.7%)、肺高血圧症は4人(5.8%)、肺胞出血は1人(1.4%)にみられた。
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(患者特性:文献より引用)

 IPが見つかった患者20人のうち、半数はSLE診断時に指摘された。HRCTにおけるIPパターンは、5人(25%)でUIPパターン、11人(55%)でNSIPパターン、OPパターン2人(10%)、分類不能2人(10%)だった。fine cracklesは11人(55%)に観察された。ばち指があった患者は0人だった。平均%努力性肺活量は89.4±16.3%、平均%1秒量は81.0±8.50%、平均%DLcoは66.6±15.1%だった。平均KL-6は785.3±496.5U/mLだった。

 観察期間中、1人にIP急性増悪が起こったが生存した。画像所見では、IP進行はほとんどの症例でゆるやかであり(緩徐進行が12人[60%])、肺機能は保たれていた。IPの有無で生存率に差はなかった。
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(Kaplan-Meier曲線:文献より引用)

結論:
 SLEの症例において、IPは男性や高齢者に多くみられた。NSIPパターンに咥えて、UIPパターンもSLE関連IPとして同定された。SLE患者の生存はIPとは関連していなかった。



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by otowelt | 2019-09-06 00:54 | びまん性肺疾患

LAM患者における気道可逆性と吸入薬

e0156318_21492533.jpg ブリーフコミュニケーションですが、とても興味深いテーマです。

Johnson J, et al.
Cross-sectional study of reversible airway obstruction in LAM: better evidence is needed for bronchodilator and inhaled steroid use.
Thorax. 2019 Jul 30. pii: thoraxjnl-2019-213338.


概要:
 確定あるいは疑い例のリンパ脈管筋腫症例(LAM)患者を2011~2018年まで登録した。初回受診時に、臨床・薬剤投与歴、肺機能検査、胸腹部CT検査がおこなわれた。サルブタモールを用いて気道可逆性も評価された。気道可逆性は1秒量200mL以上かつ12%以上の改善と定義された。
 213人の患者が登録された。症状発症時の平均年齢は37±12.9歳で、受診時の平均年齢は50±12.3歳だった。95人が気道可逆性検査を実施された。気道可逆性検査を受けた患者は、受けていない患者と年齢や肺機能に差はなかった。LAM患者の気道可逆性の平均は9.5±10%であり、全体の20%が気道可逆性ありと判定された。
 気道可逆性のある患者は気管支拡張薬によって治療されていることが多く、SABA 72% vs 34%、LABA 80% vs 47%、LAMA 76% vs 39%、ICS 44% vs 20%だった。全体の55%が吸入薬を用いていた。吸入薬を用いている患者は、用いていない患者と比較して、罹病期間が長く、1秒量が低く、DLcoが低かった。
 ラパマイシンは72% vs 34%とこれも気道可逆性がある患者群で多かった。
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(文献より引用)







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by otowelt | 2019-08-22 00:59 | びまん性肺疾患

TOMORROW試験・INPULSIS試験事後解析:ニンテダニブの心血管系への安全性

e0156318_10574046.jpg 基本的には問題なしという結論です。

Imre Noth, et al.
CV safety of nintedanib in subgroups by CV risk at baseline in the TOMORROW and INPULSIS trials
European Respiratory Journal 2019; DOI: 10.1183/13993003.01797-2018


背景:
 ニンテダニブは、IPFの治療に用いられるチロシンキナーゼ阻害剤である。われわれは、TOMORROW試験およびINPULSIS試験のプールデータを用いて心血管系の安全性を調べた。

方法:
 動脈硬化性の心血管系疾患およびベースラインに1つ以上の心血管系リスクがある患者(高リスク患者)、およびそれらリスクがない患者(低リスク患者)の事後解析である。

結果:
 罹患率は1231人(ニンテダニブ723人、プラセボ508人)で算出され、89.9%が高リスク患者であった。主要な心血管系イベント罹患率は、ニンテダニブ群とプラセボ群で同等だった(高リスク患者:100人年あたり3.88 [95%信頼区間2.58–5.84] vs 3.49 [95%信頼区間2.10–5.79]、低リスク患者:100人年あたり4.78 [95%信頼区間1.54-14.82] vs 5.37 [95%信頼区間1.73-16.65])。ニンテダニブ群およびプラセボ群における心筋梗塞の罹患率は、高リスク患者で100人年あたり3.03 (95%信頼区間1.91–4.81) 、1.16 (95%信頼区間0.48–2.79)で、低リスク患者で100人年あたり1.59 (95%信頼区間0.22–11.29)、1.78 (95%信頼区間0.25–12.64)だった。ニンテダニブ群およびプラセボ群における虚血性心疾患の罹患率は、高リスク患者で100人年あたり1.85 (95%信頼区間1.02–3.34)、3.28 (95%信頼区間1.94–5.54)、低リスク患者で100人年あたり0、1.80 (95%信頼区間0.25–12.78)だった。
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(文献より引用)

結論:
 これらのデータはIPF患者のニンテニブの心血管系への安全性プロファイルを提示した。


by otowelt | 2019-08-09 00:27 | びまん性肺疾患

血清HMGB1はIPF患者における急性増悪を予測

e0156318_10574046.jpg びまん性肺疾患の世界ではよく論議されていた知見ですね。PMX-DHPがIPF急性増悪期のHMGB1を減少させるという報告もありました(Blood Purif. 2011;32(4):310-6. )。

Yamaguchi K, et al.
Serum high-mobility group box 1 is associated with the onset and severity of acute exacerbation of idiopathic pulmonary fibrosis.
Respirology. 2019 Jul 3. doi: 10.1111/resp.13634.


背景および目的:
 HMGB1高値は、前炎症性シグナルを促進させることから肺傷害のメディエーターとして知られている。過去の研究ではHMGB1はIPF急性増悪の患者において肺および血中で増加していることが示されている。この研究では、血中HMGB1が安定期IPFおよび急性増悪期の疾患進行・予後の予測能があるかどうか調べた。

方法:
 計76人の安定期IPF患者のうち、17人がIPF急性増悪を起こした。COPD患者37人、健康コントロール患者74人が組み入れられた。血清HMGB1値を4群間で比較し、安定期IPF患者において、HMGB1濃度と急性増悪発症および予後との関連を評価した。HMGB1の予後予測能はIPF急性増悪患者において決定された。

結果:
 健康コントロール冠者と比べると安定期IPF患者では血清HMGB1が高かった。またIPF急性増悪の患者は、これらの群のいずれよりも血清HMGB1が高かった(安定期IPF:6.26 ± 5.27, 健康コントロール:3.42 ± 2.69、IPF急性増悪:19.20 ± 16.76 ng/mL)。安定期IPF患者とCOPD患者の間では血清HMGB1の値に差はなかった。HMGB1が高いと安定期IPF患者において急性増悪を早期に発症し、IPF急性増悪の患者では生存が短くなることがわかった(それぞれP = 0.030、0.001)。

結論:
 血清HMGB1高値は、安定期IPF患者において早期急性増悪よ予測し、IPF急性増悪患者では生存が短くなる。すなわち、HMGB1は、疾患の急性悪化と関連していることが示唆された。



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by otowelt | 2019-07-29 00:15 | びまん性肺疾患

筋炎関連ILDに対するアザチオプリンおよびミコフェノール酸モフェチル

e0156318_93123.png 膠原病関連ILDの研究がさかんになってきました、最近。

J.A. Huapaya, et al.
Long-term treatment with azathioprine and mycophenolate mofetil for myositis-related interstitial lung disease
CHEST, DOI: https://doi.org/10.1016/j.chest.2019.05.023


背景:
 間質性肺疾患(ILD)に対するアザチオプリン(AZA)およびミコフェノール酸モフェチル(MMF)の有効性が報告されているが、それは主に膠原病関連間質性肺疾患(CTD-ILD)においてである。この研究の目的は、肺機能検査に対するAZAおよびMMFの効果と筋炎関連ILD(M-ILD)におけるプレドニゾン用量への影響を調べることである。

方法:
 ジョンズ・ホプキンス病院におけるM-ILDの後ろ向き研究で、AZAあるいはMMF、その他ステロイド減薬因子を用いている患者を組み入れた。線形混合効果モデルで性別、年齢、抗ARS抗体、喫煙歴を補正し、%努力性肺活量(FVC%)、%拡散能(DLCO%)、プレドニゾン用量を比較した。

結果:
 66人のM-ILD患者がAZAで治療され、44人がMMFで治療された。非喫煙者はAZA群で有意に多かった(p=0.03)。AZA群の53%、MMF群の15.9%が抗Jo-1抗体陽性だった(p<0.0001)。治療開始時、平均FVC%およびDLCO%変化はAZAのほうがMMFよりも有意に低かった。両群ともに、2~5年におよびFVC%は改善しプレドニゾン用量は減少した。しかしながら、DLCO%は、AZA群のみが改善した。補正モデルでは、治療後FVC%もDLCO%も有意な差は観察されなかった(それぞれ平均差1.9%、-8.2%)。しかし、AZA群では36ヶ月時点でプレドニゾン用量が6.6mg減った。
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(%努力性肺活量:文献より引用)
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(%DLCO:文献より引用)

 有害イベントはMMFよりAZAのほうが頻度が高かった(33.3% vs 13.6%, p=0.04)。トランスアミナーゼ上昇はAZA群で15.2%、MMF群で2.3%だった。

結論:
 M-ILDにおいて、AZA治療はFVC%改善, DLCO%改善, プレドニゾン用量減少と関連していた。MMFで治療された患者は、FVC%およびプレドニゾン用量が改善した。36ヶ月後、AZAで治療された患者はMMFで治療された患者よりもプレドニゾン用量が少なかった。



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by otowelt | 2019-07-25 00:17 | びまん性肺疾患

進行したIPF患者でもピルフェニドンは有用か?

e0156318_10574046.jpg 重症例に対してもピルフェニドンは臨床的利益があるという事後解析結果です。

Nathan SD, et al.
Pirfenidone in patients with idiopathic pulmonary fibrosis and more advanced lung function impairment.
Respir Med. 2019 Jul;153:44-51.


背景:
 特発性肺線維症(IPF)患者は、さまざまな程度の肺機能障害をきたす。しかしながら、プラセボと比較した抗線維化薬の効果は、病状が進展した患者ではアセスメントされていない。この事後解析では、IPF患者でより肺機能障害が進行した集団(%努力性肺活量<50%または%DLCO<35%)において、プラセボと比較したピルフェニドンの効果および安全性を調べた。

方法:
 ASCEND試験およびCAPACITY試験においてピルフェニドン2403mg/日あるいはプラセボにランダム化された患者のうち、より肺機能障害が進行した集団(ピルフェニドン90人、プラセボ80人)が組み込まれた。52週におよび、死亡、肺機能、入院、運動耐容能、呼吸困難が調べられた。

結果:
 平均年齢はピルフェニドン群70歳、プラセボ群69歳だった。男性はそれぞれ82.2%、73.8%だった。在宅酸素療法を使用している患者はピルフェニドン群の42.2%、プラセボ群の40.0%だった。ほぼ全例が胸部HRCTにおいてdefinite UIPだった。
 52週時点で、プラセボと比較したピルフェニドンは有意に総死亡リスクを減少させた(ハザード比0.28、95%信頼区間0.09-0.86、p=0.0180、NNT10)()。
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(文献より引用:総死亡)

 また、10%以上の%努力性肺活量減少あるいは総死亡のリスク(ハザード比0.40、95%信頼区間0.23-0.69、p=0.0006、NNT5)()、10%以上の%努力性肺活量減少あるいは呼吸関連入院あるいは総死亡のリスク(ハザード比0.46、95%信頼区間0.28-0.76、p=0.0018、NNT5)を減少させた。
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(文献より引用:10%以上の%努力性肺活量減少あるいは総死亡)

 52週時点で、プラセボ群において、6分間歩行距離中央値の差は36.7m増加し、the University of California-San Diego Shortness of Breath Questionnaire総スコアは8.0点減少した。治療中断にいたる有害イベントは、ピルフェニドン群14.4%、プラセボ群21.3%だった。皮疹はピルフェニドン群28.9%、プラセボ群8.8%で、下痢は同等だった。

結論:
 ピルフェニドンは、IPF患者および進行した集団においても、有害事象によって治療中断リスクを上昇させることなく、複数のドメインを通して臨床的利益があることが示された。



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by otowelt | 2019-07-12 00:54 | びまん性肺疾患

IPFに対するニンテダニブの6臨床試験のプール解析

e0156318_10574046.jpg 11年は言い過ぎかなと思いますが。

Lancaster L, et al.
Safety and survival data in patients with idiopathic pulmonary fibrosis treated with nintedanib: pooled data from six clinical trials.
BMJ Open Respir Res. 2019 Mar 25;6(1):e000397.


背景:
 ニンデタニブは、努力性肺活量の減少率を抑制することで、特発性肺線維症(IPF)患者の疾患進行をゆるやかにし、ほとんどの患者において有害事象プロファイルはマネジメント可能である。われわれは、ニンテダニブの安全性と忍容性を特徴づけ、生存に対する効果を検証した6つの臨床試験のデータを用いた。

方法:
 ニンテダニブ150mg1日2回あるいはプラセボを52週間治療されたTOMORROW試験、またそのオープンラベル拡大試験である52週間の2つのINPULSIS試験、同INPULSIS-ON試験、6ヶ月以上を追跡した第IIIb相プラセボ対照比較試験からデータをプールした。原因を問わず、すべての有害事象が記述的解析に組み込まれた。パラメトリック生存分布をプールされたKapla-Meier生存データに適合させ、長期生存を推定するため外挿した。
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(文献より引用)

結果:
 1126人のニンテダニブ群患者、565人のプラセボ患者が登録された。平均ニンテダニブ治療期間は28ヶ月だった。新しい安全性懸念は発生しなかった。出血、肝機能障害、心血管系イベントの頻度は、INPULSIS試験で観察されたものと同等だった。下痢は、INPULSIS試験のニンテダニブ治療群よりもプールデータのほうが低く(76.5 vs 112.6イベント/100患者曝露年)、永続的な治療中断にいたる頻度は低かった(3.6イベント/100患者曝露年)。Weibull分布に基づくと、平均生存期間はニンテダニブ治療患者で11.6年(95%信頼区間9.6-14.1年)、プラセボ治療患者で3.7年(95%信頼区間2.5-5.4年)と推定された。
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(文献より引用)

結論:
 6つの臨床試験のプールデータに基づくと、ニンテダニブの有害事象プロファイルはほとんどの患者でマネジメント可能だった。生存データの外挿による探索的解析では、IPF患者におけるニンテダニブ投与は余命を延長させると考えられる。



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by otowelt | 2019-07-04 00:01 | びまん性肺疾患

プレアルブミンはIPFの予後不良因子

e0156318_14441648.jpg 栄養指標はおおむね予後不良因子として知られていますね。

Li B, et al.
Serum prealbumin is a prognostic indicator in idiopathic pulmonary fibrosis.
Clin Respir J. 2019 May 18. doi: 10.1111/crj.13050.


背景:
 特発性肺線維症(IPF)はさまざまな経過をたどる致死的な間質性肺疾患。プレアルブミン(PA)は、ルーチンで測定される血液生化学検査である。われわれは、IPF患者の予後予測的な価値があると考えた。

目的:
 IPF患者におけるPAの予後予測価値を調べること。

方法:
 中国2施設において2012年7月から2016年12月までにIPF患者の血液生化学検査、患者特性、肺機能検査データを収集した。感染例、肝腎機能障害、肺移植例はコホートから除外した。

結果:
 多変量Cox回帰分析では、PAは、BMI、努力性肺活量(FVC)、血清アルブミン、血清相タンパクとともに、IPFの有意な予後予測因子であった。PA < 0.2 mg/Lは、PA正常例よりも生存期間が短かった。PA < 0.2 mg/Lおよびアルブミン35g/Lの患者は、PA < 0.2 mg/Lの患者と生存期間に差はなかったが、PA < 0.2 mg/Lおよびアルブミン35g/Lの患者の平均生存期間は短かった。

結論:
 われわれの研究では、PA < 0.2 mg/LのIPF患者は予後不良だった。さらなる研究によって、IPF患者におけるPAの予後予測能や病態生理を解明する必要があろう。



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by otowelt | 2019-06-27 00:10 | びまん性肺疾患