カテゴリ:びまん性肺疾患( 310 )

結節性のreversed halo signは肉芽腫性疾患を示唆する

ついこの間記事にしたばかりのreversed halo signだが、
同じ筆者の論文がCHEST5月号に掲載されていた。
内部に網状影を伴う、"太い"reversed halo signはOPよりも侵襲性真菌感染症を疑わせる

Wegener肉芽腫症という病名がなくなったのは有名な話だが
(多発血管炎性肉芽腫症という病名になった)、
ちゃんとそれを反映させて論文を記載しているのが素晴らしい。

Edson Marchiori, et al.
Reversed Halo Sign
High-Resolution CT Scan Findings in 79 Patients
CHEST May 2012 vol. 141 no. 5 1260-1266


背景:
 このスタディの目的は、HRCTにおいてreversed halo sign(RHS)が
 みられる患者において、その原因による特徴の違いを調べたものである。

方法:
 胸部放射線科医2人によりHRCTにおいてRHSがみられた79人の
 患者を組み込んだ。われわれはその患者において
 形態的特徴、病変部位数、RHSに関連した特徴の存在を調べた。

結果:
 41人の患者が感染症を呈していた
 (paracoccidioidomycosis, TB, zygomycosis, 侵襲性真菌感染症、
 Pneumocystis jiroveci肺炎, histoplasmosis, cryptococcosis)。
 38人は非感染症(COP,肺塞栓、サルコイドーシス、浮腫、
 lepidic predominant adenocarcinoma,
 granulomatosis with polyangiitis [Wegener])。
 RHSの壁は58人においてスムースで(73.4%)、21人は結節性(26.6%)
 であった。病変は40人において多発性であった(50.6%)。

結論:
 結節性の壁あるいはハロー内部に結節がみられるRHSは
 有意に肉芽腫性疾患を示唆するものである。

by otowelt | 2012-05-03 19:47 | びまん性肺疾患

Good症候群によるびまん性汎細気管支炎類似の肺病変

Internal Medicineのサイトデザインが変わった。
Good症候群にDPBのような陰影を伴う報告がチラホラあるので
非常に興味深く読ませていただいた。
Good症候群は、typeA胸腺腫に低γグロブリン血症を合併したものである。

Takaaki Ogoshi, et al.
A Case of Good Syndrome with Pulmonary Lesions Similar to Diffuse Panbronchiolitis
Intern Med 51: 1087-1091, 2012


マクロライド2剤を用いてコントロールが可能であったDBP様の
Good症候群の患者を報告している。

Discussionにも記載されていたが、こういった症例は過去に
3例しか報告されていない。
・Chijimatsu Y, et al.A case report of Good syndrome complicated by diffuse panbronchiolitis. Nihon Kyobu Shikkan Gakkai Zasshi 20: 803-808, 1982.
・Akai M, et al. Immunodeficiency with thymoma (Good’s syndrome) similar to sino-bronchial syndrome. Nihon Kyobu Shikkan Gakkai Zasshi 34: 829-832, 1996.
・Tsuburai T, Ikehara K, Suzuki S, et al. Hypogammaglobulinemia associated with thymoma (Good syndrome) similar to diffuse panbronchiolitis. Nihon Kokyuki Gakkai Zasshi 41: 421-425, 2003.

HLA-B54が関連していると考えられているが、通常のDPBと同じように
長期マクロライドでコントロールできた症例が多いようだ。
なぜDPB様の所見になるかというと、このHLAによるリンパ球の
過剰活性化が呼吸細気管支に起こることがきっかけになると考えられている。

by otowelt | 2012-05-02 17:05 | びまん性肺疾患

ATSガイドライン:間質性肺疾患におけるBALの臨床的有用性

ATSからのBALのガイドライン。
呼吸器内科医必読と思われる。
推奨項目の中で唯一大文字で「NOT」と書かれている
部分については赤字で記載した。

Keith C. Meyer, et al.
An Official American Thoracic Society Clinical Practice Guideline: The Clinical Utility of Bronchoalveolar Lavage Cellular Analysis in Interstitial Lung Disease
Am J Respir Crit Care Med Vol 185, Iss. 9, pp 1004–1014, May 1, 2012


背景:
 間質性肺疾患のある患者のマネジメントにおけるBALの臨床的有用性は
 ながらく議論され、いまだに結論がついていない。
 ATSは間質性肺疾患が疑われた患者におけるBALのマネジメント
 について推奨を提示する。

目的:
 (1)BALのパフォーマンスとプロセス
 (2)間質性肺疾患が疑われた患者におけるBAL中の細胞パターンと
    他のBALの特徴の解釈
 における推奨を提示すること。

方法:
 間質性肺疾患におけるBALをおこなわれた患者での実利的な
 システマティックレビューをおこなった(1970年~2006年までの文献)。
 ガイドラインをすすめる上で、検索を2011年3月まで継続しておこなった。
 
I.結論:
1.間質性肺疾患があると想定される患者の初期の臨床的・放射線学的な
 検査にひき続いてBAL解析をおこなうことは、HRCT上典型的な
 UIPパターンが観察されない患者においては診断的に有用
 かもしれない。不確かな間質性肺疾患の型についてBALを行うか
 どうかは非常に重要な問題ではあるが、BALは有益な情報の
 尤度が高い。
2.BALにおいて炎症細胞が多数みられる場合(リンパ球、好酸球、
 好中球)、たとえそのパターンが判然としなくても
 間質性肺疾患の鑑別を臨床的にせばめることができるだろう。
3. 正常なBAL所見は、顕微鏡的な異常を否定するものではない。
4. 悪性疾患や一部のまれな間質性肺疾患を除けば、BAL解析のみでは
 間質性肺疾患の診断には不十分である。しかしながら、BALの異常所見が
 臨床・画像所見ともに合致するような場合には特異的な診断に有用である。
5. BAL解析は予後や治療反応性について証明はされていない。

II.推奨:
1. 間質性肺疾患を疑った患者でBALを施行することが可能だと判断
 した場合には、BALを古典的BAL施行部位(中葉など)よりも
 HRCTに基づいて施行部位を決めるよう推奨する。われわれの
 臨床的プラクティスでは、HRCTはBALの6週間以内に行っている。
2. BALを行った間質性肺疾患を疑われた患者では、BALFにおいて
 細胞分画をカウントすべであると推奨する。これは、マクロファージ、
 リンパ球、好中球、好酸球を含む。残ったサンプルは、臨床的に
 妥当であるならば微生物学的、ウイルス学的、悪性腫瘍細胞診に
 用いる。
3.BALを行った間質性肺疾患を疑われた患者で
 リンパ球サブセット解析をルーチンに行うべきではない

III.手法・解析等のサマリー:
1. BALは、軟性気管支鏡で選択した気管支肺セグメントにおいて
 ウェッジして施行する。生理食塩水の注入量は、100mlを
 下回らず300mlを上回らないようにすべきである。3から5回に
 分割して、注入後吸引する手技をおこなう。
 ※回収圧は100mmHg未満が望ましい
2. 遠位のエアスペースの適切なサンプリングをおこなうためには、
 総注入(分割)容量の30%以上である必要がある。それ未満の場合
 細胞分画に誤りが生じるかもしれない、とくに10%未満の場合には
 なおさらである。洗浄セグメントからの液体の多くが滞留しており、
 回収できるのが分割注入量の5%未満のような場合には
 洗浄セグメントでの過度の膨満による組織破壊のリスクや、
 炎症性メディエーターの放出が起こりうるため、処置は中止すべきである。
3. BALの細胞分画のサンプルとして最小量5mlは必要である。
 適切な量は10-20mlである。BAL回収液の全分割を
 ルーチンの解析のために保存するのは妥当である(初回回収も含)。
4. BAL細胞分画におけるリンパ球15%以上、好中球3%以上、
 好酸球1%以上、肥満細胞0.5%以上は、それぞれ
 リンパ球細胞パターン、好中球細胞パターン、好酸球細胞パターン、
 肥満細胞増多を意味する。それぞれの診断的意義については 
 Table1に記載している。
5. 喫煙関連物質を含むマクロファージ優位な所見で
 他の細胞が増加していない、あるいはほとんど増加していない
 場合ではDIPやRBILD、Langerhans細胞組織球症のような
 喫煙関連間質性肺疾患に合致する。

結語:
 BALにおける細胞成分のパターンとその他の特徴は
 間質性肺疾患が疑われる患者に有益な情報を与える。

by otowelt | 2012-05-02 06:39 | びまん性肺疾患

内部に網状影を伴う、"太い"reversed halo signはOPよりも侵襲性真菌感染症を疑わせる

侵襲性肺アスペルギルス症がhalo signだけでなくreversed halo signを
伴うことがあるため、内外のコンソリデーション濃度の差というのが
侵襲性真菌症を疑うひとつの情報になることは
呼吸器内科医にとって重要な知識である。
ただ、reversed halo signはCOPにおいても観察される所見であるため
これらを画像上区別する方法についてはこの論文は重要な知見となるだろう。

Edson Marchiori, et al.
Reversed Halo Sign in Invasive Fungal Infections: Criteria for Differentiation from Organizing Pneumonia
CHEST, Published online before print April 26, 2012


背景:
 このスタディの目的は、CTにおいてreversed halo sign (RHS)が
 OPよりも侵襲性真菌感染症invasive fungal infections (IFI)を示唆する
 所見を同定するためにおこなわれた。

方法:
 われわれはレトロスペクティブにCTにおいてRHSがみられたIFI患者あるいは
 OP患者を登録した。このスタディには15人のproven or probable IFI患者
 (8人が男性、7人が女性)、および25人の生検確定のOP患者(13人が女性、
 12人が男性)を登録した。CTは2人の放射線科医によって個別に評価された。

結果:
 IFI患者において、RHS内部に網状影が93%にみられた(14/15)。
 しかしながらOP患者ではこれは認められなかった。コンソリデーションの
 縁の最大肥厚はIFIにおいて2.04 ±0.85 cm であり、OPにおいて
 0.50 ± 0.22 cmであった。胸水はIFIにおいて73% (11/15)にみられたが
 OPではみられなかった。線状影は両群ともに観察された。
 RHSの病変数についても差はみられなかった。

結論:
 RHS内部に網状影がみられ、コンソリデーションの縁どりが1cmより肥厚して
 胸水がみられるような場合は、OPよりもIFIが疑わしい。

by otowelt | 2012-04-30 11:42 | びまん性肺疾患

IPFにおけるFVC10%以上の減少の相対的計算は予後予測に正確

Luca Richeldi, et al.
Relative versus absolute change in forced vital capacity in idiopathic pulmonary fibrosis
Thorax doi:10.1136/thoraxjnl-2011-201184


背景:
 FVCの減少は長らくIPF患者の死亡を予測する因子として
 信頼されてきた。臨床プラクティスにおける使用でも
 推奨されてはいるが、相対的減少か絶対的減少か
 どちらが死亡予測に関して有用であるかはわかっていない。

方法:
 IPF患者において、ベースラインと12ヵ月後の
 FVCデータがある2つのプロスペクティブコホートが
 組み込まれた。10%以上のFVC減少は2方法で
 計算された。すなわち、
 相対的10%減少(eg, from 60% predicted to 54% predicted)
 絶対的10%減少(eg, from 60% predicted to 50% predicted)
 である。予測値が60%である場合、その10%は6%になるので
 60-6=54%ということになる。
 また絶対値での10%は60-10=50%ということを意味している。
 2年の無臓器移植12ヶ月生存率を比較した。

結果:
 いかなるFVC10%以上の減少においても
 相対的変化を用いた方が大きかった。
 両計算法ともに、2年の無臓器移植12ヶ月生存率に同様の正確性が
 あり、ベースライン特性を補正した後も有意差がみられた。
 絶対的計算法は5%以上の減少でも予測性がある。

結論:
 FVCの相対的な変化を用いて10%以上の減少を同定
 することで、予後推定の正確性を損なうことなく
 減少変化を最大に同定することができると考えられる。
 FVC5%以上の減少という基準は恒常性がない(not hold true)。
 これらの知見は、臨床試験をデザインする上でも
 重要なものである。
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by otowelt | 2012-03-23 06:04 | びまん性肺疾患

月経随伴性気胸

●月経随伴性気胸について
病態:異所性子宮内膜症による気胸で、90%以上は右側に起こる。
症状:月経開始3日前~5日後の胸痛、呼吸困難、血痰、喀血など
診断:組織学的診断が得られることは少なく、いまだ診断基準が一定していない。

●伴場の診断基準
 ①月経開始3日前から5日後ぐらいまでの間に気胸が発症
 ②2ヶ月に1回以上の間隔で、3回以上の気胸がみられる
 ③発症頻度が少ない場合には、術中に横隔膜欠損孔や胸腔内子宮内膜症が
  証明されることが必要であるが、横隔膜欠損孔や胸腔内子宮内膜症が
  両者とも証明されない場合、通常の気胸の原因であるブラ・ブレブが存在しない

●月経随伴性気胸の発生機序
1.血行性転移説・リンパ行性転移説
   子宮内膜組織が子宮から静脈系、あるいはリンパ行性に侵入し、
   胸腔内臓器に生着し増殖するという説。人工妊娠中絶、帝王切開などの子宮
   への手術操作や正常分娩での操作が誘因となる。
2.播種説・遊走説
   子宮内膜組織が卵管から腹腔内へと逆流して、腹膜・横隔膜を介し、
   遊走し播種するという説。
3.体腔上皮化生説
   胸膜中皮の化生により子宮内膜組織ができるという説。
4.誘導説
   未知の物質が子宮内膜から分泌されて、未分化の中胚葉から
   子宮内膜組織を形成させるという説。

●月経随伴性気胸の所見
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写真のような横隔膜にできることもあれば、肺内にできることもある。
(右は切除した横隔膜、欠損部分が異所性子宮内膜症である)
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異所性子宮内膜症であるため、プロゲステロン・エストロゲンの
免疫染色がともに陽性となることが多い。

●月経随伴性気胸の治療
1.外科的治療
・横隔膜病変の切除縫縮
・手術時期について、肉眼で同定不可能な病変の存在も予想されることから、
 同定しやすい月経時に手術を行うべきとの報告がある。
・卵巣摘出術または卵管結紮術などがあるが、挙児希望患者では選択できない。
・バイクリルメッシュとフィブリン糊を用いた横隔膜被覆の試みも報告されている。

2.内科的治療
・偽閉経療法・偽妊娠療法などのホルモン療法がある
①GnRHアナログ
 持続投与によりGn-RHに対する下垂体からのゴナドトロピン分泌反応が低下し、
 その結果、卵巣からのエストロゲン分泌が抑制されることにより内膜症病変が
 退縮するとされている。副作用として血栓症、骨塩量低下、更年期障害など。
②ダナゾール
 テストステロン誘導体であり、下垂体からのゴナドトロピン分泌を抑制する。
 副作用として男性化がみられる。
③低用量ピル
 消化器副作用が多いものの、比較的安全に長期投与が可能。

●再発予防に対する治療の考察
・Gn-RH療法単独では63%で有効であったが、副作用の問題から2年以上
 継続できたのは9%のみ。
伴場ら:月経随伴性気胸に対する治療法の検討:日胸臨;42:571-577, 1983
・外科治療後の再発率は高く、開胸横隔膜病変切除例で21%の再発率が報告。
    谷村ら:月経随伴性気胸に手術は必要か:
    自験および文献報告例の検討 日胸;57:979-984,1998

・手術症例の約3分の1の症例で再発がみられ、特に術後のホルモン療法を
 併用しなかった症例で多い傾向がみられた。
    大政ら:手術を施行した月経随伴性気胸5例の検討:
     日呼外会誌;14:846-849,2000

・外科的治療とホルモン療法を組み合わせた治療が望ましい。    
文責"倉原優"

by otowelt | 2012-03-02 07:24 | びまん性肺疾患

IPFにおいて食道裂孔ヘルニアの合併は多い

食道裂孔ヘルニアとIPFの話題。
ヘルニアそのものが呼吸機能を悪化させるわけではないが、
他の閉塞性肺疾患に比べるとIPFでの合併頻度が高いという報告。

Imre Noth, et al.
Prevalence of hiatal hernia by blinded MDCT in patients with IPF
ERJ Feb 1 2012; 39 (2)


背景:
 食道裂孔ヘルニアHiatal hernia (HH)は、胃食道逆流(GER)、GERDを
 合併し、IPFに寄与するかもしれない。われわれは
 CTで評価されたHHが喘息やCOPDよりもIPFによくみられるという
 仮説をたてた。また、GERに関してはpHプローブテストの異常値と関連させた。
 
方法:
 観察研究、非ランダム化試験。
 HHの頻度は3コホートにより比較された。
 IPF (N=100), COPD (N=60)、喘息(N=24)。

結果:
 HHはCOPD (13.3%, p<0.0001) や喘息(16.67%,p<0.02)よりも
 IPFにおいて多くみられた(39%)。
 HHの観察者間診断一致はIPF (k 0.78)、喘息(k 0.70)、
 中等度COPD(k 0.42)であった。IPFにおいて、HHは
 GER治療を受けている患者を除いて呼吸機能との相関性はなかった。
 上記GER治療を受けている患者はDLCOも(p<0.04)CPIも(p<0.04)
 良好であった。HHはDeMeesterスコアからGERと相関があった(p<0.04)。

結論: 
 IPFにおいてHHは、COPDや喘息よりも高頻度にみられる。
 IPFコホートにおいてHHは高いDeMeesterスコアと関連していた。 
 HH単独の存在は呼吸機能の減少との関連性はなかった。 

by otowelt | 2012-01-30 18:56 | びまん性肺疾患

クリソタイル石綿労働者は癌死・呼吸器疾患死のリスク

塵肺の臨床試験はきわめて少ない。

Xiaorong Wang, et al.
A 37-year observation of mortality in Chinese chrysotile asbestos workers
Thorax 2012;67:106-0110


目的:
 37年におよぶプロスペクティブコホート試験によって
 クリソタイル石綿:chrysotile asbestosに曝露されることによる 
 死亡への影響を調査する。

方法:
 577人の石綿業務にたずさわる労働者と
 435人のコントロール労働者を試験に登録。
 1972年から2008年までフォローアップした。
 フォローアップ率はそれぞれ99%、73%であった。
 死亡率は観察人年に基づいて決定。
 Cox比例ハザードモデルが原因特異的死亡率のハザード比算出
 のために用いられた。

結果: 
 石綿労働者のうち合計259人(45%)が死亡。96人は癌死であった。
 肺癌は53人で非悪性呼吸器疾患は81人。
 コントロールでは9人の肺癌、11人の呼吸器疾患死であった。
 石綿労働者における全原因死亡率、全癌死亡率の
 年齢・喫煙調整ハザード比は、それぞれ2.05 (95% CI 1.56to 2.68)、
 1.89 (1.25 to 2.87)であった。石綿労働者における肺癌、呼吸器疾患の
 死亡はコントロールの3倍を超えた
 (それぞれHR 3.31(95% CI 1.60 to 6.87);
 HR 3.23 (95% CI 1.68 to 6.22)。
 喫煙・非喫煙両方ともに石綿曝露レベルと肺癌死亡率に
 曝露反応関係が観察された。
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結論:
 プロスペクティブコホート試験により、石綿曝露は
 癌および呼吸器疾患による死亡リスクと関連していた。

by otowelt | 2012-01-25 07:46 | びまん性肺疾患

胃食道逆流に対する治療はIPFの線維化と生存に良い影響

GERDとIPFの関連については
長らく議論がかわされている。
Sole treatment of acid gastroesophageal reflux in idiopathic pulmonary fibrosis: a case series. Chest 2006;129:794–800.

ただ、IPFの病態生理の一体どの程度を占めるのかは
わかっておらず、個人的にはIPFの大勢には大きな影響を
及ぼしていないのではないかと思っている。

Joyce S. Lee, et al.
Gastroesophageal Reflux Therapy Is Associated with Longer Survival in Patients with Idiopathic Pulmonary Fibrosis
Am. J. Respir. Crit. Care Med. December 15, 2011 vol. 184 no. 12 1390-1394


背景:
 胃食道逆流(GER)は、特発性肺線維症(IPF)患者において
 高頻度でみられる。GERによる慢性的な微細な誤嚥が
 IPFの病因と自然経過に重要な役割を果たしているのかもしれない。

方法:
 2つの医療センターにおいてIPFをよく特徴づける
 患者をレトロスペクティブにGERとIPFの関連について
 回帰分析を用いて評価した。 

結果:
 204人の患者が組み込まれた。
 GER症状を訴えたのは34%で、GERDの病歴があるのは45%、
 GERに対する治療を受けたことがあるのは47%、
 Nissen fundoplicationを受けたことがあるのは5%であった。
 補正すると、GERに対する治療はIPF患者における長期生存の
 独立予測因子であった。加えて、この治療は放射線学的な
 線維スコアの低下と関連していた。

結論:
 GERに対する治療は、IPFの線維化を減少させ、
 生存期間の延長の独立予測因子であると考えられる。

by otowelt | 2011-12-20 07:31 | びまん性肺疾患

肺胞蛋白症に対するリツキシマブの効果

肺胞蛋白症に対するリツキシマブの話題。

M.S. Kavuru, et al.
An open-label trial of rituximab therapy in pulmonary alveolar proteinosis
Eur Respir J 2011; 38: 1361–1367


リツキシマブは、CD20に対するモノクローナル抗体であり
自己免疫性疾患のいくつかに使用されている。
肺胞蛋白症(PAP)は、GM-CSFに対する抗体が産生される特徴を
有する自己免疫性疾患である。オープンラベルの第II相試験を
10人のPAP患者で施行。2回にわけてリツキシマブ1000mgを15日
あけて投与する以下のスケジュールとした。
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BALと血液検査がおこなわれ、プライマリアウトカムは血液ガスに
おける酸素化の改善とした。これについては9人中7人で改善がみられた。
呼吸機能検査とHRCTをセカンダリアウトカムに設定したが、これも
改善がみられた。CD19陽性Bリンパ球は、リツキシマブの投与により
ベースライン378 (108–1,518) cells/mLから73 (0–216) cells/mL
へ減少(p=0.008; n=10)した。この減少は3ヵ月続いた。
CD4陽性、CD8陽性細胞数については変化がみられなかった。
抗GM-CSF IgG抗体はベースラインから6ヵ月後において
BALで減少した(n=8)ものの、血清では変化がみられなかった(n=9)。
結論として、PAP患者においてリツキシマブは忍容性と効果が期待できる。
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by otowelt | 2011-12-02 06:07 | びまん性肺疾患