カテゴリ:びまん性肺疾患( 310 )

間質性肺疾患の死体肺移植待機中の患者の早期死亡リスク因子

e0156318_18552345.jpg ドナーが増えないと根本的な解決にならないのは明らかです。日本人の死生観が大きなハードルになっているように思います。

Hisao Higo, et al.
Clinical characteristics of Japanese candidates for lung transplant for interstitial lung disease and risk factors for early death while on the waiting list
Respiratory Investigation, DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.resinv.2017.03.002


背景:
 肺移植は、日本における間質性肺疾患(ILD)のアウトカムを良好にする。しかしながら、ドナーがきわめて少なく、移植までに約2.5年待機をしなければならないため、移植までに多くの患者が亡くなる。われわれは、移植待機した日本のILD患者の臨床的特徴と移植前死亡のリスク因子を明らかにした。

方法:
 われわれは、日本臓器移植ネットワークに登録された患者の臨床データを岡山大学病院から抽出し、後ろ向きにレビューした。1999年から2014年までにILDで死体肺移植の希望登録をしたものを対象とした。

結果:
 53人のILD患者が対象となった(24人がIPF、29人がその他)。患者は重度の肺機能障害と低運動耐容能を有していた。移植待機期間中央値は462日であり、22人の患者が死亡した。移植を受けずに462日以前に死亡した患者は、462日以上待機した患者と比較して、重度の呼吸困難を有しており、6分間歩行距離が短く、パフォーマンスステータスが低かった。
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(文献より引用:Figure1)

結論:
 日本のILD患者において死体肺移植を待機している患者は、重度の肺機能障害がある。重度の呼吸困難、短い6分間歩行距離、低いパフォーマンスステータスは、待機リストにおける早期死亡のリスク因子であった。



by otowelt | 2017-08-24 00:01 | びまん性肺疾患

IPFに対するトラロキヌマブは無効

e0156318_21341355.jpg いわゆる、ネガティブスタディです。

Joseph M Parker , et al.
A Phase 2 Randomized Controlled Study of Tralokinumab in Subjects with Idiopathic Pulmonary Fibrosis
AJRCCM, https://doi.org/10.1164/rccm.201704-0784OC


背景:
 インターロイキン13は、IPFの治療の潜在的ターゲットである。臨床前データでは、組織線維化に関与し、その曝露によって疾患進行がはやくなることが示唆されている。

目的:
 軽症~中等症のIPF患者におけるヒトIL-13モノクローナル抗体であるトラロキヌマブの効果と安全性を調べること。

方法:
 トラロキヌマブ(400mgあるいは800mg)あるいはプラセボを4週間ごとに68週まで経静脈的投与された患者を対象とした。プライマリエンドポイントは、ITT集団における52週時点での%努力性肺活量とした。探索的解析として、ベースラインの血清ペリオスチン濃度が低いサブグループ患者での臨床的反応も評価した。

結果:
 中間解析において効果が確認されなかったため、この研究は中断された。トラロキヌマブ400mgおよび800mgのいずれもプライマリエンドポイントを達成しなかった。血清ペリオスチン濃度で規定したサブグループ患者において当該プライマリエンドポイントは達成されなかった。プラセボと比較して、トラロキヌマブ群では52週時点での%努力性肺活量が10%以上低下した患者が多かった。

結論:
 トラロキヌマブは安全性や忍容性プロファイルには問題なかったが、効果エンドポイントは達成されなかった。

 

by otowelt | 2017-08-22 00:07 | びまん性肺疾患

PPFEはIPFより予後不良?

e0156318_18552345.jpg  翻訳は日本医科大学から引用させていただきました。国内のPPFEではかなりまとまった報告だと思います。予後が不良の一群をみていることについては以前から指摘されていますね(Respir Investig. 2012 Sep;50(3):88-97. )。

Hayashi H, et al.
Body Mass Index and Arterial Blood Oxygenation as Prognostic Factors in Patients with Idiopathic Pleuroparenchymal fibroelastosis
Sarcoidosis Vasc Diffuse Lung Dis. 2017; 34; 35-40


背景:
 原因不明で上葉優位に肺の線維化を来す疾患は,本邦では古くから認識されてきた.網谷らは,1992年,両側上葉に限局した非特異性線維化を呈する13症例をまとめ,「特発性上葉限局型肺線維症」として報告した.また,欧米でも,2004年に上葉優位の胸膜,隣接した肺実質の線維化,特に肺胞隔壁の弾性線維の増生を病理学的な特徴としたidiopathic pleuroparenchymal fibroelastosis (IPPFE)という概念が提唱された.2013年にはATS(米国胸部疾患学会)/ ERS(欧州呼吸器学会)から発表された特発性間質性肺炎ステートメントでも,IPPFEは稀な間質性肺炎の中に包括されている.これらの病態はほぼ同一と考えられているが,比較的稀少ということもあり,その診断基準や発症のメカニズムについては明らかにされていない.今回,特発性肺線維症(IPF)との比較を通して,その臨床的特徴や予後などを調べることを目的とした.

方法:
 2005年から2013年に日本医科大学付属病院ならびに国立病院機構茨城東病院を受診,画像上IPPFEと判断した症例を対象とし,その医療記録をreviewした.IPPFEは,既報告に基づき,胸部CTで胸膜直下の線維化に付随した胸膜肥厚を認め,かつ上葉主体で下葉の病変は乏しい,ないしは認めないものと定義した.明らかな膠原病や慢性過敏性肺臓炎,悪性腫瘍を背景に持つ症例,二次性PPFEは除外した.本検討では,臨床像,検査結果を調べ,その推移をみた.検討項目として,臨床像(性別,年齢,喫煙歴,職業歴,吸入歴,BMI),血液検査(KL-6,SP-D,動脈血液ガス),呼吸機能検査(FVC,FEV1,TLC,DLco,RV/TLC,ERV)とした.同時期に日本医科大学付属病院を受診し, IPFと比較検討し,予後不良因子を検討した.

結果:
 対象としたIPPFE は20 例,比較対象としたIPF は71 例であった.観察期間は,2 群間で有意差は認めなかった.年齢中央値は,IPPFE 群が68.5 歳,IPF 群が70 歳で群間に有意差は認めなかった.IPPFE 群の体重ならびにBMI は,有意に低値であった(共にp<0.0001).非喫煙者が半数を占め(10/20 例),また喫煙者でのpack-years も低かった (p<0.0001).IPPFE群は,FVC,%FVC,FEV1,FEV1%,ERV,%ERVが有意に低値を示した.またRV/TLCが有意に高値を認めた.呼吸機能の推移では,IPPFEでは⊿FVC -326ml/year,⊿%FVC -10%/year,⊿%TLC -10.7%/yearと有意に拘束性障害の進行を認めた.Kaplan-Meier曲線を比較してみると,IPPFE群はIPFに比較して有意に予後不良であった(P=0.021).univariate Cox-proportional hazard modelにおいてBMI, PO2が有意に予後と相関した.

考察:
 上葉優位型肺線維症は,比較的緩徐に進行するとされているが,本検討ではIPFと比較し初診時から拘束性換気障害,残気率の上昇を認め,経過中FVCの急速な低下,Ⅱ型呼吸不全の進行を来たし,必ずしも予後良好な病態とは言えなかった.初診時のBMIとPaO2は予後との関連を示した.症状出現後の病勢進行は比較的急速で予後不良と考えられるため,無症状期からの慎重な観察,栄養管理,更に肺移植の考慮が必要である.


by otowelt | 2017-08-15 00:04 | びまん性肺疾患

IPF患者において、抑うつは健康関連QOLあるいは健康ステータスの独立規定因子

e0156318_21341355.jpg こういう検証は重要だと思います。

Matsuda T, et al.
Depression Is Significantly Associated with the Health Status in Patients with Idiopathic Pulmonary Fibrosis.
Intern Med. 2017;56(13):1637-1644.


目的:
 抑うつはIPF患者でよくみられる症状であると報告されている。しかしながら、抑うつが健康関連QOLの独立規定因子であるかどうかはIPF患者では評価されていない。われわれは、SGRQスコア等が独立規定因子かどうか調べるためこの研究をデザインした。

方法:
 肺機能検査、動脈血酸素分圧、6分間歩行試験、SGRQ、BDI、HADSを評価された連続IPF患者を後ろ向きに登録した。すべての登録患者は、新規にIPFと診断されたものであり、抗うつ薬・ピルフェニドン・ステロイド・免疫抑制剤・長期酸素療法といった治療を受けていない。

結果:
 IPF121人が登録された(男性99人)。SGRQでは、全体および各コンポーネントのいずれにおいても軽度~中等度の障害が観察された。HADSでは、27人(22.3%)が境界あるいは確定的抑うつを有していた。単変量解析では努力性肺活量、DLCO、動脈血酸素分圧、BDI、HADS(HADS-A・HADS-D)、6分間歩行距離、6分間歩行試験中の最低酸素飽和度が有意にSGRQの合計と相関していた。ステップワイズ多変量回帰モデルでは、BDI、6分間歩行距離、HADS-DがSGRQスコアと関連する独立規定因子と同定された。このモデルでは、全分散は59%(p<0.001)だった。

結論:
 IPF患者において、抑うつは健康関連QOLあるいは健康ステータスの独立規定因子であると結論づけられた。

 

by otowelt | 2017-07-20 00:59 | びまん性肺疾患

IPF患者における睡眠呼吸障害の存在は予後不良因子

e0156318_21341355.jpg IPFは痩せ型の患者さんが多いので、そこまで私は意識していませんでした。

Bosi M, et al.
OSA and Prolonged Oxygen Desaturation During Sleep are Strong Predictors of Poor Outcome in IPF.
Lung. 2017 Jul 3. doi: 10.1007/s00408-017-0031-4. [Epub ahead of print]


目的:
 睡眠呼吸障害(SBD)はIPF患者でよくみられ、睡眠や生活の質の障害と関連し、また死亡率の上昇とも関連しているとされている。この研究の目的は、軽症~中等症のIPF患者の予後にSBDがもたらす影響を評価することである。

方法・結果:
 35人のIPF患者のうち、25人にOSAがみられた。軽症IPFは全体で14人、中等症は7人、重症は4人だった。AACM定義では、睡眠関連低酸素血症は35人のIPF患者のうち9人にみられた。SBDの有無でみると、IPF患者は4群に分けられる。すなわち、SBDがない群(A群:25.7%)、睡眠関連低酸素血症がないOSA群(B群:48.5%)、睡眠関連低酸素血症のあるOSA群(C群:22.8%)、OSAがないものの睡眠関連低酸素血症がある群(D群:1人のみ[2.8%])である。D群が1人のみであったため、統計学的解析はA~C群で行われた。
 C群は、死亡率あるいは臨床的悪化の両アウトカムにおいてもっとも予後不良だった。SBDは死亡(ハザード比7.6、p=0.029)および疾患進行(ハザード比9.95、p=0.007)の独立予測因子であった。

結論:
 IPF患者において、SBDは予後不良と関連していた。SBDの存在はすべてのIPF患者で検索すべきである。


by otowelt | 2017-07-19 00:55 | びまん性肺疾患

血清Dダイマーの上昇は間質性肺疾患の急性増悪のリスク増加と関連

e0156318_1543237.jpg ルーチンで測定してもよいという流れになるかもしれませんね。

Ishikawa G, et al.
Elevated serum D-dimer level is associated with an increased risk of acute exacerbation in interstitial lung disease.
Respir Med. 2017 Jul;128:78-84.


背景:
 早期に間質性肺疾患(ILD)の急性増悪やその前段階のリスク増加を認識することは、臨床的に有用である。本研究は、血清Dダイマーの上昇とILD急性増悪・前(preclinical)急性増悪の関連性を調べることである。

方法:
 単施設後ろ向き研究。2009年10月から20145年9月まで18歳以上のILD患者を登録した(IPF、他のIIPs、CHP、膠原病関連ILD、CPFE)。プライマリアウトカムはDダイマー測定から3ヶ月以内のILD急性増悪とし、セカンダリアウトカムは同3ヶ月以内の呼吸器系の入院、全ての原因による入院、静脈血栓塞栓症(VTE)、総死亡率とした。

結果:
 合計263人(平均年齢64.1歳)が登録され、Dダイマーが374回測定された(中央値0.44μg/mL)。急性増悪のリスクは血清Dダイマーが上昇している患者で有意に高かった(補正オッズ比10.46; 95%信頼区間1.24-88.11; p = 0.03)。血清Dダイマーが上昇している患者は、呼吸器系の入院、全ての原因による入院、VTE、総死亡率のリスク増加がみられた。他の急性増悪を予測する因子として、在宅酸素療法、血清LDH上昇、努力性肺活量減少、1秒量減少が挙げられた。

結論:
 血清Dダイマーの上昇はILD急性増悪のリスクと関連していた。急性増悪ないしは前急性増悪の状態を予測する上で血清Dダイマーは有用かもしれない。


by otowelt | 2017-06-28 00:31 | びまん性肺疾患

びまん性肺疾患の診断におけるクライオ生検(cryobiopsy)は同一葉内別部位から検体を採取した方がよい

e0156318_9551539.jpg 夏に発売されます。
 一式そろえるのに700~800万円必要とのことですが、いつかこれが主流になる日を心待ちにしています。

Ravaglia C, et al.
Transbronchial Lung Cryobiopsy in Diffuse Parenchymal Lung Disease: Comparison between Biopsy from 1 Segment and Biopsy from 2 Segments - Diagnostic Yield and Complications.
Respiration. 2017;93(4):285-292.


背景:
 経気管支肺クライオ生検(cryobiopsy)は、びまん性肺疾患の患者の肺実質から検体を得る革新的な方法である。しかしながら、その技術はまだ確立されておらず、適切なプロトコル(検体数、検体サイズ、採取部位)は定まっていない。

目的:
 検体数、採取部位、検体サイズといった肺組織検体採取の異なる手法ごとで、診断率や合併症に差がみられるか調べた。

方法:
 われわれはびまん性肺疾患が疑われた46人の患者を前向きに登録した。全患者は経気管支肺クライオ生検(cryobiopsy)を受けた。患者は、グループA(同一部位から4検体採取)とグループB(同一葉内の別の2部位から2検体採取)に分けられた。

結果:
 平均検体サイズは29~30mmだった(初回生検は35mmm程度が多かった)。
 平均診断率は、2群を合わせると1回しか検体しなかった例でも69%であった。2回目以降の生検をおこなうと、平均診断率は改善したが、その効果がみられたのはグループB群のみだった(96%)。
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(文献より引用:Table2)

結論:
 びまん性肺疾患の診断において、同一葉内の別の部位から2検体ずつクライオ生検すると診断率が上昇する可能性が示唆された。


by otowelt | 2017-06-27 00:18 | びまん性肺疾患

LAMにおけるCA-125は、胸水・肺機能低下と関連しシロリムス治療によって減少

e0156318_21492533.jpg まれな疾患ですが、キーとなる因子はおさえておきたいですね。

Connie G. Glasgow, et al.
CA-125 in Disease Progression and Treatment of Lymphangioleiomyomatosis
Chest. 2017. doi:10.1016/j.chest.2017.05.018


背景:
 リンパ脈管筋腫症(LAM)は、TSC1/2腫瘍抑制遺伝子の変異がある腫瘍様LAM細胞の増殖によって引き起こされる女性の進行性肺疾患である。症例報告に基づき、CA-125がLAM患者で上昇することが示されている。われわれは、幾人かのLAM患者にみられるCA-125の上昇はLAMによるものであり、他の悪性腫瘍とは関連しておらず、またシロリムス治療に反応性がみられるものと仮説を立てた。

方法:
 241人のLAM患者でCA-125が測定された。診療録で併存疾患、疾患進行性、シロリムス治療反応性などが調べられた。LAM細胞のCA-125発現が免疫組織化学的に調べられた。

結果:
 LAM患者の25%に、少なくとも1回の血清CA-125上昇がみられた。多変量モデルでは、高いCA-125は、1秒量低値、パフォーマンスステータス、胸水と関連していた(p<0.001)。血清CA-125はシロリムス治療後に減少していた(p=0.002)。CA-125およびα平滑筋アクチンはLAM肺結節に共発現していた。

結論:
 LAM患者におけるCA-125高値は胸水、肺機能低下と関連し、シロリムス治療に反応して減少した。LAM細胞はCA-125を発現していた。CA-125上昇は、漿膜浸潤を反映しているのかもしれない。


by otowelt | 2017-06-23 00:47 | びまん性肺疾患

IPF・CHPの咳嗽はSSc-ILDよりも強い

e0156318_11335545.jpg 少しニッチなテーマですが。先日のATSでも発表されていた内容ですね。

JASMINE Z. CHENG, et al.
Cough is less common and less severe in systemic sclerosis-associated interstitial lung disease compared to other fibroticinterstitial lung diseases
Respirology, in press.


背景および目的:
 この研究の目的は、IPF、CHP、SSc-ILDの咳嗽の頻度と特性を調べることである。

方法:
 咳嗽の重症度が、連続したIPF患者77人、CHP患者32人、SSc-ILD患者67人で評価された。10cmVASを用いて呼吸困難およびQOLを評価した。この咳嗽重症度をILDサブタイプで比較し、多変量解析で咳嗽重症度を予測する因子を調べた。

結果:
 咳嗽はIPFおよびCHPのほうがSSc-ILDより有意に多く(87%・83% vs 68%、p=0.02)。IPFコホートではVAS中央値は39(IQR17-65)、CHPコホートでは29(IQR11-48)、SSc-ILDコホートでは18(0-33)だった(P < 0.0001)。咳嗽はCHPおよびIPFでは湿性であることが多かった(63%・43% vs 21%, P < 0.001)。咳嗽重症度は、ILD診断や呼吸困難の強さとは独立していた。また、咳嗽重症度はその他のよくある咳嗽の原因疾患とは関連していなかった。年齢、性別、呼吸困難、ILD重症度で補正しても、咳嗽はIPF・SSc-ILDにおいて有意なQOL予測因子であった。しかしCHP患者では咳嗽はQOLとは関連していなかった。
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(文献より引用:Figure2引用改変)

結論:
 ILD重症度が同程度であったとしても、SSc-ILDの咳嗽よりもIPF・CHPの咳嗽の方がより強度である。咳嗽重症度は、呼吸困難や肺機能に独立して関連しており、IPF・SSc-ILDではQOLの障害に有意に寄与する。


by otowelt | 2017-06-21 00:05 | びまん性肺疾患

ピレスパ®はIPF患者の呼吸器系入院リスクおよび入院後死亡リスクを低下

e0156318_21341355.jpg 副作用は多いですが、肺機能以外にも臨床的恩恵が示されたことは大きな一歩です。

Ley B, et al.
Pirfenidone Reduces Respiratory-related Hospitalizations in Idiopathic Pulmonary Fibrosis.
Am J Respir Crit Care Med. 2017 May 4. doi: 10.1164/rccm.201701-0091OC.


背景:
 IPF患者の呼吸器系の増悪による入院は、IPF急性増悪よりも頻度が高く、アウトカム不良と関連している。

目的:
 IPFの第III相試験において52週間の試験期間中、ピルフェニドンとプラセボの入院および入院後死亡のリスクを比較した。入院は、全ての入院、呼吸器系による入院、非呼吸器系による入院について調べた。

方法:
 IPFにおけるピルフェニドンの第III相ランダム化プラセボ対照試験であるCAPACITY・ASCEND試験から患者データを抽出した。time-to-event法で入院リスクを比較した。

結果:
 1247人の患者(CAPACITY試験692人、ASCEND試験555人)が解析に組み込まれた。ピルフェニドンはプラセボと比較して呼吸器系の入院リスク低下と関連していた(7% vs 12%, ハザード比0.52, 95%信頼区間0.36-0.77, p=0.001)。しかし、すべての入院(ハザード比0.91, 95%信頼区間0.70-1.19, p=0.53)、非呼吸器系の入院(ハザード比1.32, 95%信頼区間0.92-1.88, p=0.145)に有意な関連性は観察されなかった。全入院患者では、ピルフェニドン治療は入院後死亡のリスク低下と関連していた(傾向スコア補正後:ハザード比0.56, 95%信頼区間0.32-0.99, p=0.047)。

結論:
 IPFの第III相試験のプール解析では、ピルフェニドン治療は呼吸器系の入院リスクを1年にわたり低下させることがわかった。また、入院後死亡リスクの低下とも関連していた。


by otowelt | 2017-06-09 00:39 | びまん性肺疾患