カテゴリ:肺癌・その他腫瘍( 491 )

NVALT-11/DLCRG-02試験:病期III期NSCLC治療後PCIは有症状脳転移の発生を減少させる

e0156318_848424.png NNT4.95なので、かなり効果的な治療ではあります。ただ、「目に見える問題」を先送りにしているだけなのかどうかが気になります。

De Ruysscher D, et al.
Prophylactic Cranial Irradiation Versus Observation in Radically Treated Stage III Non-Small-Cell Lung Cancer: A Randomized Phase III NVALT-11/DLCRG-02 Study.
J Clin Oncol. 2018 Aug 10;36(23):2366-2377.


目的:
 この研究の目的は、予防的全脳照射(PCI)が病期IIIの非小細胞肺癌(NSCLC)において有症状脳転移を減少させるかどうか調べることである。

患者および方法:
 病期IIIのNSCLC患者が化学放射線治療±外科手術のあと、ランダムに経過観察群あるいはPCI群に割り付けられた。プライマリエンドポイントは、24ヶ月時点の有症状脳転移の発生とした。有害事象、生存、QOLなどが調べられた。

結果:
 2009年~2015年に175人の患者が登録された(腺癌41%、扁平上皮癌36%、大細胞癌18%、WHO PS0:38%、PS1:57%、病期IIIA:53%、IIIB:46%)。87人がPCI群、88人が経過観察群に割り付けられた。PCI線量は、38人が30Gy/12Fr、34人が30Gy/10Fr、3人が25Gy/10Frだった。追跡期間中央値は48.5ヶ月(95%信頼区間39-54ヶ月)だった。PCI群86人のうち6人(7.0%)、経過観察群88人のうち24人(27.2%)が有症状脳転移を発生した(p=0.001)。PCIは有意に有症状脳転移の発生を減らした(ハザード比0.23、95%信頼区間0.09-0.56、p=0.0012)。NNTは4.95だった。
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(文献より引用:有症状脳転移の発生)

 わずかにPCI群の方が全生存期間が長かったものの、統計学的に有意な差はなかった(PCI群24.2ヶ月 vs 経過観察群21.9ヶ月、p=0.56)。Grade 1および2の記憶障害は有意にPCI群で多かった。
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(文献より引用:全生存期間)

結論:
 病期IIIのNSCLC治療後PCIは有症状脳転移の発生を有意に減らす。



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by otowelt | 2018-09-10 00:15 | 肺癌・その他腫瘍

EBUS-TBNAによるPD-L1発現診断はカットオフ値50%以上の場合感度が低下する

e0156318_9511053.jpg それでも、ガイドシースによる微小検体なんかに比べると格段に診断能は高いと思います。

Sakata KK, et al.
Comparison of PD-L1 immunohistochemical staining between EBUS-TBNA and resected lung cancer specimens
CHEST, DOI: https://doi.org/10.1016/j.chest.2018.07.017


背景:
 進行非小細胞肺癌(NSCLC)では、EBUS-TBNAで得られた小さな検体はPD-L1発現の解析に際して、癌組織診断にのみ適切であるという事態がよくある。ゆえにわれわれは、外科的に切除された大きな検体と比較したEBUS-TBNAのPD-L1発現を1%以上、50%以上の場合に分けて感度、特異度、陽性的中率、陰性的中率を調べた。

方法:
 われわれは後ろ向きにEBUS-TBNAに引き続いて外科的肺生検をおこなわれたNSCLC患者を2006年6月~2016年9月に登録した。患者背景および処置前後・周術期データが収集された。検体は適切に処理されPD-L1発現が解析された。陽性となったPD-L1検体は、1%以上および50%以上の2つのカットオフ値に分類された。EBUS-TBNAによるPD-L1発現の感度、特異度、陽性的中率、陰性的中率を外科検体と比較した。

結果:
 61人の患者が登録された。PD-L1発現が1%以上の場合、EBUS-TBNAの感度は72%、特異度は100%、陽性的中率は100%、陰性的中率は80%だった。PD-L1発現が50%以上の場合、感度は47%、特異度は93%、陽性的中率は70%、陰性的中率は84%だった。PD-L1発現の一致率は、PD-L1発現1%以上の場合87%、PD-L1発現50%以上の場合82%だった。

結論:
 PD-L1発現のカットオフ値を1%以上に設定すると、EBUS-TBNAのPD-L1発現診断は外科的切除検体と相関がみられた。しかしながら、PD-L1発現のカットオフ値を50%以上に設定すると、感度と陽性的中率が有意に減少した。カットオフ値50%以上に設定する場合、EBUS-TBNA検体ではPD-L1ステータスを誤認する可能性がある。



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by otowelt | 2018-09-07 00:19 | 肺癌・その他腫瘍

EGFR-TKIとニボルマブの併用は間質性肺炎のリスク

e0156318_1164629.jpg ニボルマブ→EGFR-TKIによる続発発症も注意が必要です。

Oshima Y, et al.
EGFR-TKI-Associated Interstitial Pneumonitis in Nivolumab-Treated Patients With Non-Small Cell Lung Cancer.
JAMA Oncol. 2018 Aug 1;4(8):1112-1115.


背景:
 ニボルマブとEGFR-TKIは非小細胞肺癌(NSCLC)に対する標準的治療に位置付けられている。EGFR-TKIの特性や安全性プロファイルはよくわかっているが、免疫チェックポイント阻害剤については他の抗癌剤と併用されるにも関わらずいまだよくわかっていない部分がある。

目的:
 ニボルマブがEGFR-TKI関連間質性肺疾患の頻度を増加させるかどうか調べること。

方法:
 2015年4月~2017年3月までの20516人のNSCLC患者FAERSデータベースを用いた。ニボルマブ治療を受けた患者とそうでない患者のEGFR-TKI関連間質性肺疾患の頻度を比較した。

結果:
 EGFR-TK治療を受けた患者の平均年齢は64.4±15.5歳、EGFR-TKIとニボルマブを併用した患者の平均年齢は68.9±11.8歳だった。男性の比率はそれぞれ40.0%、53.8%だった。
 20516人のNSCLC患者のうち、985人(4.8%、95%信頼区間4.51-5.10)に間質性肺炎が生じた。5777人のEGFR-TKIを受けた患者のうち、265人に間質性肺炎が生じた(4.59%、95%信頼区間4.06-5.16)。EGFR-TKIとニボルマブを併用した患者70人のうち18人に間質性肺炎が生じた(25.7%、95%信頼区間16.0-37.6)。EGFR-TKIとニボルマブの相互作用に対する補正オッズ比は4.31(95%信頼区間2.37-7.86; P < .001)であり、相互作用があると考えられる。ニボルマブ使用の有無で層別化すると、EGFR-TKI関連間質性肺炎のオッズ比はニボルマブ併用時5.09(95%信頼区間2.87-9.03)、非併用時1.22(95%信頼区間1.00-1.47)だった。
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(文献より引用)

結論:
 EGFR-TKIとニボルマブを併用すると、それぞれの単剤治療と比較すると高い頻度で間質性肺炎を発症した。研究には限界があるため、さらなる検討が望まれる。しかしながら、EGFR-TKIとニボルマブを併用する場合は間質性肺炎の発症に注意が必要である。



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by otowelt | 2018-08-28 00:36 | 肺癌・その他腫瘍

オプジーボ、悪性胸膜中皮腫に承認

 今月の二部会で悪性胸膜中皮腫に対するオプジーボが承認されました。8月末から使用可能となる見込みです。


▽オプジーボ点滴静注20mg、同点滴静注100mg、同点滴静注240mg(ニボルマブ(遺伝子組換え)、小野薬品):「切除不能な進行又は転移性の悪性胸膜中皮腫及び悪性黒色腫」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品・剤形追加に係る医薬品。いずれも希少疾病用医薬品。再審査期間は悪性胸膜中皮腫が10年、悪性黒色腫が残余期間(2024年7月3日)。

by otowelt | 2018-08-18 00:06 | 肺癌・その他腫瘍

肺癌と診断された患者ではCOPDが多いものの見過ごされがちである

e0156318_10535567.png COPDサイドから見た研究は多いですが、肺癌から見た研究はそう多くありません。

Mouronte-Roibás C, et al.
Chronic Obstructive Pulmonary Disease in Lung Cancer Patients: Prevalence, Underdiagnosis, and Clinical Characterization
Respiration 2018;95:414–421, https://doi.org/10.1159/000487243


背景:
 COPDにおける肺癌は、死亡リスクを上昇させる。肺癌患者ではCOPDの有無によって臨床的・機能的なアウトカムが異なる可能性がある。

目的:
 この研究の目的は、肺癌患者におけるCOPDの頻度と過小診断を調べることである。

方法:
 われわれは2014年1月から2016年8月に肺癌と診断された症例を多施設で抽出した。疫学的、臨床的、放射線学的、機能的、組織学的な違いを調べた。

結果:
 肺癌と診断された602人を登録した。男性は77.9%で、年齢中央値は67±15歳だった。肺癌患者のうちCOPDの頻度は51.5%で、71.6%が過小診断されていた。肺癌+COPD患者は、肺癌単独と比べると高齢で男性の頻度が高かった。また、喫煙歴が多く、扁平上皮癌の組織型が多く、拡散能が低く、Charlsonインデックススコアが高かった。肺癌単独の生存期間中央値は、肺癌+COPD患者よりも37%長かった(22ヶ月 vs 16ヶ月)が、統計学的な有意差はなかった。

結論:
 肺癌患者において、COPDは頻度が高く、過小診断されがちである。肺癌+COPDの患者は扁平上皮癌の組織型が多く、合併症が多く、拡散能が低かった。





by otowelt | 2018-08-17 00:27 | 肺癌・その他腫瘍

I期肺癌切除後の再発予測因子

e0156318_848424.png 実地的でよいと思います。

安川 元章ら
病理病期I期非小細胞肺癌完全切除後の再発予測因子の検討
日本呼吸器外科学会雑誌, 2018 年 32 巻 4 号 p. 432-441


背景:
 肺癌病理病期I期の5年生存率は約80%で,完全切除できた症例でも再発する.

方法:
 今回,我々は病理病期I期非小細胞肺癌完全切除症例について予後検討を行い,再発予測因子を検討した.当院において肺葉切除以上と系統学的リンパ節郭清を行い,完全切除が施行できた原発性肺癌症例で,病期分類I期の非小細胞肺癌381例を対象とした.

結果:
 観察期間中央値は45ヵ月(1-89ヵ月)で,再発例は51例で,全症例の5年生存率は92.1%(95%信頼区間88.0-94.8%),5年無再発生存率は84.9%(95%信頼区間80.3-88.5%)であった.再発をエンドポイントとして検討した結果,単変量解析ではCT上の腫瘍浸潤径,病理学的腫瘍浸潤径,充実性腫瘍,組織型,組織学的グレード,PL因子,V因子,LY因子,術前CEA値が再発予測因子であったが,多変量解析では組織学的グレードのみが独立した再発予測因子であった.

結論:
 病理病期I 期非小細胞肺癌完全切除症例において,年齢,性別,CT 上の腫瘍浸潤径,病理学的腫瘍浸潤径,病理病期T 因子,腫瘍の存在部位,充実性腫瘍,組織型,組織学的グレード,PL 因子,V 因子,LY 因子,術前CEA値を共変量とした多変量解析において,組織学的グレードは独立した再発予測因子であった.



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by otowelt | 2018-07-26 00:40 | 肺癌・その他腫瘍

補完代替医療を受ける癌患者は死亡リスクが高い

e0156318_1013928.png 一時期、日本でも問題になりました。特に外科手術のように生命予後に直結するケースで補完代替医療を選ぶのは、危険だと思っています。

Skyler B. Johnson, et al.
Complementary Medicine, Refusal of Conventional Cancer Therapy, and Survival Among Patients With Curable Cancers
JAMA Oncol. Published online July 19, 2018. doi:10.1001/jamaoncol.2018.2487


背景:
 補完代替医療(CM)を受けていない患者と比較した場合、CMを受けている癌患者におけるCM、標準癌治療(CCT)アドヒアランス、全生存期間の関連性についての情報は不足している。

目的:
 CMの有無ごとにCCTを受けた癌患者の全生存期間を比較すること。また、治療アドヒランスや患者特性を比較すること。

デザイン:
 国立癌データベースによる190万1815人の患者データを用いた後ろ向き観察研究である。癌種は乳癌、前立腺癌、肺癌、直腸結腸癌とし、2004年1月1日~2013年12月31日までの患者を組み入れた。患者は、年齢、臨床病期、Charlson-Deyo合併症スコア、保険種類、人種、診断時年齢、癌種によってマッチングされた。統計解析は2017年11月8日~2018年4月9日まで実施された。

曝露:
 CMは、「非医療従事者によって管理されたその他の癌治療」とされ、外科手術、放射線治療、化学療法、ホルモン療法といった少なくとも1つ以上のCCTに追加的に用いられるものとした。

主要アウトカム:
 全生存期間、治療アドヒアランス、患者特性。

結果:
 190万1815人の癌患者コホート(258人:CM群、190万1557人:コントロール群)となった。マッチング後の主要解析に用いられたのは、CM群258人(女性199人、男性59人、平均年齢56歳[IQR48-64歳])、コントロール群1032人(女性798人、男性234人、平均年齢56歳[IQR48-64歳])である。
 CMを選んだ患者は、CCT開始が遅れたわけではなかったが、外科手術(7.0% [18 of 258] vs 0.1% [1 of 1031]; P < .001)、化学療法(34.1% [88 of 258] vs 3.2% [33 of 1032]; P < .001), 放射線治療(53.0% [106 of 200] vs 2.3% [16 of 711]; P < .001), ホルモン療法(33.7% [87 of 258] vs 2.8% [29 of 1032]; P < .001)に拒否的であった。CM使用は、5年生存率の悪化と関連していた(82.2% [95%信頼区間76.0%-87.0%] vs 86.6% [95%信頼区間 84.0%-88.9%]; P = .001)。また、治療遅れや拒否を組み込まない多変量解析において、CMは独立して死亡リスクを上昇させた(ハザード比2.08; 95%信頼区間 1.50-2.90)。しかしながら、治療遅れや拒否をモデルに組み込むと、有意差は消失した(ハザード比1.39; 95%信頼区間0.83-2.33)。
e0156318_1053684.png
(文献より引用)

結論:
 この研究において、CMを受けている患者は追加的なCCTを拒否しやすく、死亡リスクを上昇させた。CMはCCTを拒否しやすいため、リスク上昇につながったものと考えられる。







by otowelt | 2018-07-23 00:49 | 肺癌・その他腫瘍

悪性胸水再貯留のリスク因子

e0156318_10101326.jpg 確かに貯まりやすい人とそうでない人に二分される印象です。

Grosu HB, et al.
Risk factors for pleural effusion recurrence in patients with malignancy.
Respirology. 2018 Jul 2. doi: 10.1111/resp.13362.


背景および目的:
 悪性胸水患者における治療の主目的は、症状緩和である。この研究の目的は、有症状悪性胸水の再発のリスク因子を同定することである。

方法:
 初回胸水穿刺を受けた悪性胸水患者を後ろ向きに登録した多施設共同コホート研究を実施した。プライマリアウトカムは、転移性疾患の診断が得られている患者における介入を要する再発性胸水とした。原因別ハザードモデルを用いて、悪性胸水再発のリスク因子を同定した。

結果:
 転移性悪性腫瘍の診断を受けた988人の患者が登録された。累積再発率は、15日後までで30%の頻度だった。多変量解析では、胸部レントゲン写真における心上縁までの胸水貯留(ハザード比1.84、95%信頼区間1.21-2.80, P = 0.004)、心上縁を超える胸水貯留(ハザード比2.22, 95%信頼区間1.43-3.46, P = 0.0004)、大量の胸水排液(ハザード比1.06、95%信頼区間1.04-1.07、P < 0.0001)、胸水中LDH高値(ハザード比1.008, 95%信頼区間1.004-1.011, P < 0.0001)は再発と関連していた。細胞診陰性(ハザード比0.52, 95%信頼区間0.43-0.64, P < 0.0001)は再発率が低かった。

結論:
 胸水量、胸水排液量、胸水中LDH、胸水細胞診は、胸水貯留再発のリスク因子と考えられる。



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by otowelt | 2018-07-17 00:52 | 肺癌・その他腫瘍

COPD患者において、喘息合併や吸入ステロイド薬使用は肺癌リスクを減少させる

e0156318_8124310.jpg 後ろ向き研究ですが、非常に規模の大きなコホートからの報告です。
 この話はよく取り沙汰されますが、吸入ステロイド薬を用いている患者さんが、実はぶっちゃけCOPDらしくないので肺癌にかかりにくい、というストーリーも考えられなくはないでしょうか。

Sandelin M, et al.
Factors associated with lung cancer in COPD patients.
Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2018 Jun 6;13:1833-1839.


背景:
 肺癌の死亡リスクは、年齢・性別マッチのコントロールと比較するとCOPD患者で8倍高いと言われている。この研究の目的は、プライマリケアセンターにおける大規模COPD患者コホートで、肺癌に関連する因子を調べることである。

方法:
 年齢、性別、社会経済的因子、併存症、薬物治療がCOPDにおける肺癌リスクに影響を与えるかどうかを解析するため、プライマリケアセッティングでのスウェーデンのCOPDコホートを用いた。後ろ向き観察研究である。

結果:
 19894人の患者が登録された。594人(3.0%)に肺癌が診断された。多変量解析では、肺癌のリスクはCOPDと喘息の合併例では低かった(ハザード比0.54、95%信頼区間0.41-0.71)。一方で、年齢の増加とともに肺癌のリスクは上昇した。吸入ステロイド薬を処方された患者では用量依存性に肺癌リスクが減少した(ハザード比0.52、95%信頼区間0.37-0.73)。しかしながら、アセチルサリチル酸の使用者ではリスクが上昇した(ハザード比1.58、95%信頼区間1.15-2.16)。

結論:
 この大規模集団ベースコホートにおいては、COPD患者における喘息の合併と吸入ステロイド薬の使用は肺がんリスクを減少させる独立因子であり、アセチルサリチル酸の使用はリスクを上昇させた。この研究の知見は、前向き研究でもって立証されるべきである。



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by otowelt | 2018-07-12 00:20 | 肺癌・その他腫瘍

IMpower150試験:転移性非扁平上皮NSCLCに対する化学療法+ベバシズマブ+アテゾリズマブ

e0156318_8124310.jpg 言わずと知れた研究ですが、一応。

Mark A. Socinski, et al.
Atezolizumab for First-Line Treatment of Metastatic Nonsquamous NSCLC
N Engl J Med 2018; 378:2288-2301


背景:
 アテゾリズマブの癌細胞を殺傷する効果については、ベバシズマブで阻害することで血管内皮増殖因子を介する免疫抑制が増強される可能性が示唆されている。本第3相試験では、これまで化学療法歴のない転移性非扁平上皮非小細胞肺癌(NSCLC)患者を対象にアテゾリズマブ+ベバシズマブ+化学療法の併用を評価した。

方法:
 登録患者をアテゾリズマブ+カルボプラチン+パクリタキセル(ACP)群、ベバシズマブ+カルボプラチン+パクリタキセル(BCP)群、アテゾリズマブ+BCP(ABCP)群のいずれかにランダムに割り付け、3週ごとの投与を4あるいは6サイクル行い、続いてアテゾリズマブ、ベバシズマブ、またはアテゾリズマブ+ベバシズマブ併用による維持療法を行った。プライマリエンドポイントは、野生型遺伝子を有するITT集団患者(WT集団:EGFR/ALK 遺伝子変異陽性例は除く)と、腫瘍にエフェクターT細胞(Teff)の遺伝子特徴が高発現しているWT集団患者(Teff高発現WT集団)の両方における医師の評価による無増悪生存と、WT集団における全生存の2つと規定した。まずABCP群とBCP群を比較し、その後にACP群とBCP群を比較した。

結果:
 WT集団では、356人がABCP群に336人がBCP群に割り付けられた。PFS中央値はABCP群のほうがBCP群よりも有意に長く(8.3 ヶ月 vs 6.8 ヶ月,病勢進行または死亡のハザード比 0.62、95%信頼区間0.52~0.74、P<0.001)、Teff高発現WT集団ではABCP群11.3 ヶ月,BCP群 6.8ヶ月だった(ハザード比 0.51 、95%信頼区間0.38~0.68,P<0.001)。PFSは、ITT集団全体(EGFR/ALK 遺伝子変異陽性例を含む)においても、PD-L1低発現または陰性例、Teff遺伝子特徴低発現例、肝転移例のいずれにおいても、ABCP群のほうがBCP群より長かった。WT集団のOS中央値は、ABCP群のほうがBCP群より有意に長かった(19.2 ヶ月 vs 14.7 ヶ月,死亡ハザード比 0.78、95%信頼区間0.64~0.96、P=0.02)。ABCPの安全性プロファイルは、過去の研究データと同等だった。

結論:
 転移性非扁平上皮NSCLC患者に対するベバシズマブ+化学療法にアテゾリズマブを追加することによって、PFSおよびOSが有意に延長した。




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by otowelt | 2018-06-19 15:48 | 肺癌・その他腫瘍