カテゴリ:肺癌・その他腫瘍( 484 )

悪性胸水再貯留のリスク因子

e0156318_10101326.jpg 確かに貯まりやすい人とそうでない人に二分される印象です。

Grosu HB, et al.
Risk factors for pleural effusion recurrence in patients with malignancy.
Respirology. 2018 Jul 2. doi: 10.1111/resp.13362.


背景および目的:
 悪性胸水患者における治療の主目的は、症状緩和である。この研究の目的は、有症状悪性胸水の再発のリスク因子を同定することである。

方法:
 初回胸水穿刺を受けた悪性胸水患者を後ろ向きに登録した多施設共同コホート研究を実施した。プライマリアウトカムは、転移性疾患の診断が得られている患者における介入を要する再発性胸水とした。原因別ハザードモデルを用いて、悪性胸水再発のリスク因子を同定した。

結果:
 転移性悪性腫瘍の診断を受けた988人の患者が登録された。累積再発率は、15日後までで30%の頻度だった。多変量解析では、胸部レントゲン写真における心上縁までの胸水貯留(ハザード比1.84、95%信頼区間1.21-2.80, P = 0.004)、心上縁を超える胸水貯留(ハザード比2.22, 95%信頼区間1.43-3.46, P = 0.0004)、大量の胸水排液(ハザード比1.06、95%信頼区間1.04-1.07、P < 0.0001)、胸水中LDH高値(ハザード比1.008, 95%信頼区間1.004-1.011, P < 0.0001)は再発と関連していた。細胞診陰性(ハザード比0.52, 95%信頼区間0.43-0.64, P < 0.0001)は再発率が低かった。

結論:
 胸水量、胸水排液量、胸水中LDH、胸水細胞診は、胸水貯留再発のリスク因子と考えられる。



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by otowelt | 2018-07-17 00:52 | 肺癌・その他腫瘍

COPD患者において、喘息合併や吸入ステロイド薬使用は肺癌リスクを減少させる

e0156318_8124310.jpg 後ろ向き研究ですが、非常に規模の大きなコホートからの報告です。
 この話はよく取り沙汰されますが、吸入ステロイド薬を用いている患者さんが、実はぶっちゃけCOPDらしくないので肺癌にかかりにくい、というストーリーも考えられなくはないでしょうか。

Sandelin M, et al.
Factors associated with lung cancer in COPD patients.
Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2018 Jun 6;13:1833-1839.


背景:
 肺癌の死亡リスクは、年齢・性別マッチのコントロールと比較するとCOPD患者で8倍高いと言われている。この研究の目的は、プライマリケアセンターにおける大規模COPD患者コホートで、肺癌に関連する因子を調べることである。

方法:
 年齢、性別、社会経済的因子、併存症、薬物治療がCOPDにおける肺癌リスクに影響を与えるかどうかを解析するため、プライマリケアセッティングでのスウェーデンのCOPDコホートを用いた。後ろ向き観察研究である。

結果:
 19894人の患者が登録された。594人(3.0%)に肺癌が診断された。多変量解析では、肺癌のリスクはCOPDと喘息の合併例では低かった(ハザード比0.54、95%信頼区間0.41-0.71)。一方で、年齢の増加とともに肺癌のリスクは上昇した。吸入ステロイド薬を処方された患者では用量依存性に肺癌リスクが減少した(ハザード比0.52、95%信頼区間0.37-0.73)。しかしながら、アセチルサリチル酸の使用者ではリスクが上昇した(ハザード比1.58、95%信頼区間1.15-2.16)。

結論:
 この大規模集団ベースコホートにおいては、COPD患者における喘息の合併と吸入ステロイド薬の使用は肺がんリスクを減少させる独立因子であり、アセチルサリチル酸の使用はリスクを上昇させた。この研究の知見は、前向き研究でもって立証されるべきである。



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by otowelt | 2018-07-12 00:20 | 肺癌・その他腫瘍

IMpower150試験:転移性非扁平上皮NSCLCに対する化学療法+ベバシズマブ+アテゾリズマブ

e0156318_8124310.jpg 言わずと知れた研究ですが、一応。

Mark A. Socinski, et al.
Atezolizumab for First-Line Treatment of Metastatic Nonsquamous NSCLC
N Engl J Med 2018; 378:2288-2301


背景:
 アテゾリズマブの癌細胞を殺傷する効果については、ベバシズマブで阻害することで血管内皮増殖因子を介する免疫抑制が増強される可能性が示唆されている。本第3相試験では、これまで化学療法歴のない転移性非扁平上皮非小細胞肺癌(NSCLC)患者を対象にアテゾリズマブ+ベバシズマブ+化学療法の併用を評価した。

方法:
 登録患者をアテゾリズマブ+カルボプラチン+パクリタキセル(ACP)群、ベバシズマブ+カルボプラチン+パクリタキセル(BCP)群、アテゾリズマブ+BCP(ABCP)群のいずれかにランダムに割り付け、3週ごとの投与を4あるいは6サイクル行い、続いてアテゾリズマブ、ベバシズマブ、またはアテゾリズマブ+ベバシズマブ併用による維持療法を行った。プライマリエンドポイントは、野生型遺伝子を有するITT集団患者(WT集団:EGFR/ALK 遺伝子変異陽性例は除く)と、腫瘍にエフェクターT細胞(Teff)の遺伝子特徴が高発現しているWT集団患者(Teff高発現WT集団)の両方における医師の評価による無増悪生存と、WT集団における全生存の2つと規定した。まずABCP群とBCP群を比較し、その後にACP群とBCP群を比較した。

結果:
 WT集団では、356人がABCP群に336人がBCP群に割り付けられた。PFS中央値はABCP群のほうがBCP群よりも有意に長く(8.3 ヶ月 vs 6.8 ヶ月,病勢進行または死亡のハザード比 0.62、95%信頼区間0.52~0.74、P<0.001)、Teff高発現WT集団ではABCP群11.3 ヶ月,BCP群 6.8ヶ月だった(ハザード比 0.51 、95%信頼区間0.38~0.68,P<0.001)。PFSは、ITT集団全体(EGFR/ALK 遺伝子変異陽性例を含む)においても、PD-L1低発現または陰性例、Teff遺伝子特徴低発現例、肝転移例のいずれにおいても、ABCP群のほうがBCP群より長かった。WT集団のOS中央値は、ABCP群のほうがBCP群より有意に長かった(19.2 ヶ月 vs 14.7 ヶ月,死亡ハザード比 0.78、95%信頼区間0.64~0.96、P=0.02)。ABCPの安全性プロファイルは、過去の研究データと同等だった。

結論:
 転移性非扁平上皮NSCLC患者に対するベバシズマブ+化学療法にアテゾリズマブを追加することによって、PFSおよびOSが有意に延長した。




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by otowelt | 2018-06-19 15:48 | 肺癌・その他腫瘍

サルコイドーシス/サルコイド反応合併肺癌N因子評価にEBUS-TBNAは有用

e0156318_9511053.jpg ジレンマの多い論点ですよね。

市川紘将ら.
サルコイドーシス/サルコイド反応合併肺癌の病期決定におけるEBUS-TBNAの有用性
肺癌 58 (2):88─92,201
8

目的:
 サルコイドーシスやサルコイド反応は肺門・縦隔リンパ節腫大を呈し,これらを合併した肺癌症例には,リンパ節病変の評価が治療方針決定上で問題となる.本研究では,これらサルコイド反応合併肺癌症例の病期診断におけるEBUS-TBNAの有用性を検討した.

対象と方法:
 2009年1月から2016年12月に気管支鏡検査を実施され,サルコイドーシス/サルコイド反応と肺癌の合併と診断された症例におけるEBUS-TBNAの有効性について検討した.

結果:
 EBUS-TBNAにより,サルコイドーシス/サルコイド反応と肺癌との合併と診断された症例は4例であった.造影CT,FDG-PET/CTでは癌のリンパ節転移とサルコイドーシス/サルコイド反応の鑑別は困難であった.4例中3例はI期の非小細胞肺癌と診断され,2例は手術が施行された.術後検体でも転移はなく,granulomaが認められたことから,サルコイド反応と診断された.4例中1例は全身性サルコイドーシスに合併したIII期の肺癌症例であった.

結論:
 サルコイドーシス/サルコイド反応合併肺癌症例におけるN因子の評価に,EBUS-TBNAは有用であると考えられる.



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by otowelt | 2018-06-01 00:34 | 肺癌・その他腫瘍

KL-6と放射線性肺臓炎の関連性

e0156318_10202562.jpg KL-6が高いOPは予後がよくないことが知られてます(気管支学 36(4), 348-352, 2014)。

猪又峰ら
KL-6値と放射線性肺臓炎発症の危険性との関係に関する解析
肺癌 58 (1):19─23,2018


背景:
 局所進行肺癌に対する放射線治療の合併症として放射線性肺臓炎が挙がる.我々はKL-6値と放射線性肺臓炎発症割合との関係を解析することを目的として後ろ向き観察研究を行った.

方法:
 2004年から2015年の間に定位照射を除く胸部放射線治療を受けた肺癌症例を対象とした.X線ならびにCT所見から既存の線維化病変を評価し,血清KL-6値500 U/mlをカットオフ値とし2群に分類した.

結果:
 69例を解析した.単変量解析において線維化を伴わない症例ではKL-6上昇群と非上昇群との間で放射線性肺臓炎発症割合に差は認められなかったが,線維化を伴う症例ではKL-6上昇群において放射線性肺臓炎の発症割合が高い結果が得られた(P = 0.029,Fisherの正確検定).線維化の有無,V20,KL-6を独立変数とした多変量解析では,KL-6の100 U/ml上昇による放射線性肺臓炎発症に対するオッズ比(95%信頼区間)は1.0(0.7~1.2)であった.

結語:
 肺の線維化を有する症例においてKL-6が放射線性肺臓炎発症に関係している可能性が示唆された.





by otowelt | 2018-05-11 00:06 | 肺癌・その他腫瘍

KEYNOTE-189試験:ペメトレキセド+プラチナ+ペムブロリズマブは化学療法単独よりOS・PFSを延長

e0156318_8124310.jpg 肺癌のマイルストーンとなるべき研究ですね。

Leena Gandhi, et al.
Pembrolizumab plus Chemotherapy in Metastatic Non–Small-Cell Lung Cancer
NEJM DOI: 10.1056/NEJMoa1801005


背景:
 本研究(KEYNOTE-189)は、転移性の非扁平上皮非小細胞肺癌(NSCLC)で、EGFR遺伝子変異あるいはALK遺伝子転座が陰性で、未治療のPS0-1の患者を対象に行われたものである。PD-L1の発現状況を評価したものの、値にかかわらず登録可能とした。

方法:
 日本を含む16ヶ国118施設で登録されたNSCLC患者616人を、化学療法+ペムブロリズマブ群(410人)と化学療法+プラセボ群(206人)に2:1でランダムに割り付けた。プライマリアウトカムを全生存期間(OS)および無増悪生存期間(PFS)とした。化学療法レジメンは、ペメトレキセド+プラチナ製剤とした。ペムブロリズマブ併用群では、ペムブロリズマブ200mg+ペメトレキセド500mg/m2(ビタミン併用)+シスプラチン75mg/m2あるいはカルボプラチン(AUC5)を3週間ごとに4回投与後、ペムブロリズマブ200mg+ペメトレキセド500mg/m2を3週ごとに投与し、病勢進行(PD)が観察されるまで継続した。プラセボ群でPDとなった場合、ペムブロリズマブ単剤投与へのクロスオーバーが認められた。

結果:
 患者背景は、ペムブロリズマブ併用群で男性がやや多かった(62.0% vs. 52.9%、P=0.04)以外は同様。ペムブロリズマブ併用群、プラセボ群でそれぞれ年齢中央値は65.0歳(34.0-84.0歳)、63.5歳(34.0-84.0歳)だった。喫煙歴のあるものはそれぞれ88.3%、87.9%だった。PD-L1の発現レベルは、1%以上は63.4%、62.1%、50%以上は32.2%、34.0%だった。プラチナ製剤については72.2%がカルボプラチンを選択されていた。
 2017年11月8日のデータカットオフ時点で、治療継続中の患者はペムブロリズマブ併用群が33.8%、プラセボ群が17.8%だった。プラセボ群でのペムブロリズマブ単剤投与へのクロスオーバー率は32.5%だった。
 10.5ヶ月(中央値)の追跡の結果、12ヶ月時点の全生存率はプラセボ群49.4%(95%信頼区間42.1-56.2%)、ペムブロリズマブ併用群69.2%(95%信頼区間64.1-73.8%)だった。OS中央値は、プラセボ群11.3ヶ月(95%信頼区間8.7-15.1ヶ月)、ペムブロリズマブ併用群は未到達。死亡リスクは51%と有意な減少がみられた(死亡ハザード比0.49、95%信頼区間0.38-0.64、P<0.001)。ペムブロリズマブ併用群の優越性は、PD-L1の発現率にかかわらず認められた。
 PFS中央値はプラセボ群4.9ヶ月(95%信頼区間4.7-5.5ヶ月)、ペムブロリズマブ併用群8.8ヶ月(95%信頼区間7.6-9.2ヶ月)と約2倍の延長が観察された(ハザード比0.52、95%信頼区間0.43-0.64、P<0.001)。
 グレード3以上の有害事象は、ペムブロリズマブ併用群で67.2%、プラセボ群で65.8%だった。有害事象による中止はそれぞれ13.8%、7.9%だった。最も多くみられたものは悪心、貧血、疲労など。免疫関連の有害事象はペムブロリズマブ併用群の22.7%で観察され、そのうちグレード3以上は8.9%、死亡は3人で全例が間質性肺炎によるものだった。

結論:
 未治療の転移性非扁平上皮NSCLCでEGFRまたはALK陰性の患者では、ペメトレキセド+プラチナ製剤による標準化学療法にペムブロリズマブを併用することで、化学療法単独に比べてOS、PFSの有意な延長が示された。


by otowelt | 2018-04-21 00:15 | 肺癌・その他腫瘍

ATLANTIC試験:サードライン以降におけるデュルバルマブの有効性

e0156318_8124310.jpg このラインでの免疫チェックポイント阻害剤研究をよくぞ立案されたなと思います。

Garassino MC, et al.
Durvalumab as third-line or later treatment for advanced non-small-cell lung cancer (ATLANTIC): an open-label, single-arm, phase 2 study.
Lancet Oncol. 2018 Mar 12. pii: S1470-2045(18)30144-X. doi: 10.1016/S1470-2045(18)30144-X. [Epub ahead of print]


背景:
 免疫チェックポイント阻害薬はEGFRやALKの遺伝子変異がみられない進行非小細胞肺癌(NSCLC)の新しい標準治療であるが、EGFRやALKに変異が診られる場合の臨床的効果は明らかでない。EGFR/ALK変異の状態や腫瘍PD-L1発現によって定義されたNSCLCの3コホートからデュルバルマブ(抗PD-L1抗体)の効果を評価した。

方法:
 ATLANTIC試験は第2相オープンラベルシングルアーム試験で、アジア、ヨーロッパ、北アメリカの139施設で行われた。適格患者は、少なくとも過去にプラチナ併用化学療法(あるいは適応があればTKI)を含む2レジメンで病勢進行となったNSCLC患者で、18歳以上のPS0-1でRECIST判定ができるものを対象とした。混合型小細胞癌例、過去に抗PD-1抗体・PD-L1抗体で治療された場合、過去に免疫治療薬によるグレード3以上の有害事象があったものは除外された。
 コホート1の患者群は腫瘍細胞PD-L1発現が少なくとも25%あるいは25%未満でEGFR遺伝子変異陽性あるいはALK遺伝子転座陽性のNSCLCとした。コホート2,3の患者群はいずれもEGFR遺伝子変異陰性あるいはALK遺伝子転座陰性のNSCLCで、コホート2はPD-L1発現が少なくとも25%あるいは25%未満の患者を含み、コホート3にはPD-L1発現が少なくとも90%の患者が含まれた。2週ごとにデュルバルマブ10m g/kgが12ヶ月まで投与された。12ヶ月完遂後の病勢増悪でも臨床的利益がありそうな患者群は再投与が許可された。
 プライマリエンドポイントは、PD-L1の発現のある(コホート1,2では25%以上、コホート3では90%以上)患者群での奏効割合とした。安全性は少なくともデュルバルマブが1回投与された患者で評価された。

結果:
 2014年2月から2015年12月まで444人の患者が登録されデュルバルマブが投与された。111人がコホート1、265人がコホート2、68人がコホート3に登録された。PD-L1発現が少なくとも25%以上ある患者群で、奏効率はコホート1で74人中9人(12.2%、95%信頼区間5.7-21.8)、コホート2で146人中24人(16.4%、95%信頼区間10.8-23.5)、コホート3では68人中21人(30.9%、95%信頼区間20.2-43.3)だった。グレード3/4の治療関連有害事象は全444人中40人(9%)にみられ、コホート1で5%、コホート2で8 %、コホート3で18%だった。最も頻度の高いグレード3/4の治療関連有害事象は肺臓炎(4人:1%)、γGTP上昇(4人)、下痢(3人)など。最も頻度の高い重大な有害事象は肺臓炎(5人:1%)、倦怠感(3人)、infusion reaction(3人)など。標準治療ガイドラインにより免疫関連有害事象は管理可能だった。

結論:
 進行NSCLCで複数の治療歴のある患者群において、デュルバルマブの臨床的効果や安全性プロファイルは他の抗PD-1/PD-L1抗体と同等だった。本研究の全コホートにおいて奏効が観察され、EGFR/ALK陰性(コホート2,3)のNSCLCの奏効率がEGFR/ALK陽性(コホート1)のNSCLCよりも高かった。腫瘍細胞のPD-L1発現が25%以上みられるEGFR陽性NSCLCに対してデュルバルマブの臨床的効果が期待されるが、EGFRならびにALK陽性非NSCLCでのデュルバルマブの更なる研究が望まれる。


by otowelt | 2018-03-30 00:53 | 肺癌・その他腫瘍

メタアナリシス:ED-SCLCに対するPCI

e0156318_8124310.jpg 日本の肺癌診療ガイドラインでは、ED-SCLCに対するPCIの意義は乏しいと結論づけられています。

Maeng CH, et al.
The Role of Prophylactic Cranial Irradiation in Patients with Extensive Stage Small Cell Lung Cancer: A Systematic Review and Meta-Analysis.
J Thorac Oncol. 2018 Mar 8. pii: S1556-0864(18)30180-1. doi: 10.1016/j.jtho.2018.02.024. [Epub ahead of print]


背景:
 進展型小細胞肺癌(ED-SCLC)に対する予防的全脳照射(PCI)の役割は、まだ議論の余地がある。この研究の目的はED-SCLC患者におけるPCIの影響を調べることである。

方法:
 システマティックレビューおよびメタアナリシスをおこなった。電子データベースから研究を抽出し、全生存期間(OS)をプライマリアウトカムとした。

結果:
 984人の患者が登録され、448人がPCI群、536人が非PCI群だった。PCIはOSを改善しなかった(ハザード比0.82; 95%信頼区間0.60 to 1.11; I2 = 77%; p = 0.19)。しかしながら、PCIによって1年生存率は上昇した(37.1% vs. 27.1%; リスク比0.87; 95%信頼区間0.80 to 0.95; I2 = 47%; p = 0.002)。また無増悪生存期間(PFS)もPCI群のほうが良好であった(ハザード比0.83、95%信頼区間0.80-0.98、I2 = 22%; p=0.03)。

結論:
 ED-SCLCにおけるPCIは1年生存およびPFSの観点からは有用と言える。しかし、OSのアドバンテージは有意ではない。


by otowelt | 2018-03-27 00:29 | 肺癌・その他腫瘍

ジオトリフ®投与患者におけるミノサイクリンの有効性

e0156318_1164629.jpg ジオトリフ®ではあまり検討されていませんでしたから、貴重な報告ですね。

Goto A, et al
Clinical impact of minocycline on afatinib-related rash in patients with non-small cell lung cancer harboring epidermal growth factor receptor mutations
Respiratory Investigation, DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.resinv.2017.11.009


背景:
 アファチニブ治療において皮膚障害のマネジメントが重要であるが、テトラサイクリン系抗菌薬の役割はよく分かっていない。

方法:
 われわれは、EGFR遺伝子陽性非小細胞肺癌の治療にアファチニブが用いられた患者の診療録を後ろ向きに調べた(2014年10月~2016年11月)。アファチニブ関連皮膚障害のマネジメントにテトラサイクリン系抗菌薬が用いられた25人が登録された。

結果:
 登録患者にはミノサイクリンが経口投与された。アファチニブ関連障害である皮疹、下痢、爪周囲炎はそれぞれ92%、92%、40%にみられた。下痢の24%、爪周囲炎の4%の患者はグレード3以上であったが、重篤な症例は観察されなかった。アファチニブ減量を余儀なくされた18人のうち、14人(78%)が下痢、3人(17%)が爪周囲炎、1人(6%)が胃炎に起因するものだった。皮疹で減量を強いられた患者はいなかった。ミノサイクリン治療を開始したとき、21人(84%)がグレード1以下、3人がグレード2以上の皮疹だった。アファチニブの効果は18人(72%)にみられ、投与期間中央値は501日だった。ミノサイクリンによる副作用はグレード1の悪心が1人にみられたのみだった。

結論:
 大部分が、グレード2の皮疹到達前にミノサイクリンを開始した患者だった。アファチニブ関連皮膚障害の重症度は過去の報告よりも低かった。経口テトラサイクリン系抗菌薬はとりわけ早期に開始すると医学的利益が大きい。


by otowelt | 2018-01-10 00:10 | 肺癌・その他腫瘍

タグリッソ®の新適応症早期承認要望書提出

e0156318_1027926.png
 昨日付けで、日本肺癌学会が厚生労働大臣宛に「EGFR変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌に対するタグリッソ®の新適応症の早期承認」の要望書を提出したそうです。
 ファーストラインでタグリッソ®が使われるとなると、T790Mの測定の位置付けはどうなるのでしょうね。


by otowelt | 2017-12-29 00:26 | 肺癌・その他腫瘍