カテゴリ:肺癌・その他腫瘍( 477 )

21日サイクルのCPT-11/CBDCAのレジメンは再発SCLCの治療として有用


肺癌ガイドライン上ではSCLCの1st lineに関してはこのような推奨となっている。

a.シスプラチンとエトポシドの併用は標準的治療として強く勧められる(グレードA)。
b. シスプラチンと塩酸イリノテカンの併用は標準的治療として勧められる(グレードB)。
c. 超大量化学療法は日常診療として行わないよう勧められる(グレードD)。
d. PS不良例に対しても単剤(経口エトポシド)より
  多剤併用療法を行うよう強く勧められる(グレードA)。

ちなみに再発SCLCの場合は

標準的治療はないが,前治療終了後90日以上経過後に再発したもの
(sensitive relapse)は,再発小細胞肺癌の化学療法にも効果が
高い傾向にあり,初回化学療法と同様のレジメンを行う余地があるが,
勧めるだけの根拠が明確でない(グレードC)。

という記述になっている。

実地臨床では、放射線があてられない患者さんは
CDDP+ETP → AMR → CBDCA+CPT-11 → TOP
といった感じでケモすることが多い。


Phase II Trial of Irinotecan and Carboplatin for Extensive or Relapsed Small-Cell Lung Cancer. JCO Mar 2009: 1401–1404.

JCOのカリフォルニア大学からの論文。

目的:
 weekly CPT-11とプラチナ製剤の併用は、EDのSCLCで使われるレジメンである。
 多施設共同のphaseII試験として、新しい21日ごとのCPT-11/CBDCAのレジメンを
 再発あるいはEDのSCLCに対して使用した。

患者および方法:
 80人の患者が登録された。(39人が男性、41人が女性、平均65歳、PSは0-1が85%。)
 最大投与量は前回のphase I 試験に基づいて設定された。
 化学療法を受けたことのない、EDのSCLCではCPT-11が200 mg/m2 で
 CBDCAのAUCが5と設定。(arm A)
 化学療法治療歴があり、再発のあるSCLCではCPT-11は150 mg/m2 で
 CBDCAのAUCが5と設定。 (arm B)
 どちらのamでも1コース21日ごとでおこなわれ、最大6サイクルとした。

結果:
 grade 3~4の毒性として多かったのが好中球減少(54%)、
 血小板減少(22%)、貧血(13%)、下痢(22%)、悪心(11%)であった。
 3人の治療関連死がみられたが、これは好中球減少による敗血症によるものであった。
 72人の解析可能な患者では、RRはarmAおよびBで65%、50%であった。
 median survivalは、いずれも10ヶ月であった。(95% CI, 6 to 14 months)

結論:
 21日サイクルのCPT-11/CBDCAのレジメンは再発SCLCの治療として有用である。

by otowelt | 2009-03-21 13:47 | 肺癌・その他腫瘍

癌罹患者の失業率


癌を患ったことのない人に比べ
癌で生き残った人はは失業する可能性が高いという報告。
有意差は出なかったものの、悲しい話だと思う。

Cancer survivors and unemployment. A meta-analysis and meta-regression. JAMA 2009;301:753-762.

背景:
 癌が治癒した後、癌のサバイバーは日常生活上で困難を抱えている。
 多くの癌サバイバーにとって社会復帰はは至難の業である。
 多くが身体的支障に加え、精神・感情面の問題を抱えている。
 アメリカでは、雇用・健康保険が一体となっているため、
 基礎疾患は保険の適用外となることが多いのが現実である。
 保険料の負担が増加するため、職を失う癌サバイバーもいる。

方法:
 癌のサバイバーの雇用を扱った文献に掲載された36件の報告結果を調査。
 (1966年から2008年)
 このメタアナリシスに、合計20366人の癌のサバイバー
 および157603人のコントロール患者群が含まれた。

結果:
 癌のサバイバーの失業率は34%であったのに対して
 コントロールでは15%であった。しかし、失業率は癌の種類によって異なっていた。
 アメリカの癌サバイバーの失業率はヨーロッパと比べて24%高いと報告したものの、
 この差は統計学的な有意差には達しなかった。

by otowelt | 2009-03-21 08:50 | 肺癌・その他腫瘍

Stage IIIB/IV NSCLCに毎週のcetuximabとPTX/CBDCA併用は実施可能で効果も同等

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セツキシマブという薬は、呼吸器内科医として
肺癌治療の将来のためにも知っておかねばならないものである。

この薬剤は、抗上皮細胞成長因子受容体(EGFR)抗体で
進行非小細胞肺癌対象に化学療法(CDDP+VNB)と併用で
1st-lineとして用いることで、全生存期間が対象群よりも
改善できることが明らかとなったため、脚光を浴びた。

●FLEX試験
 FLEX試験は、30カ国166施設で行われた試験で、
 EGFRを発現している3B期/4期の進行NSCLC患者を
 シスプラチン、ビノレルビンのみを投与する群(化学療法のみ群)と
 シスプラチンビノレルビンに加えてセツキシマブを投与する群(併用群)
 セツキシマブは最初400mg/m2を投与し、その後は毎週250mg/m2を投与。
 セツキシマブの投与は化学療法との併用終了後も維持療法として投与された。
 セツキシマブ併用群には557人、化学療法のみ群には568人が割り付け。
 化学療法のみ群、セツキシマブ併用群とも化学療法のサイクルの中央値は4。
 試験の結果、OS中央値はセツキシマブ併用群が11.3カ月、
 化学療法のみ群が10.1カ月、1年生存率はセツキシマブ併用群が47%、
 化学療法のみ群では42%だった。ハザード比は0.871
(95%CI:0.762-0.996、p=0.044)で有意にセツキシマブ群の延長が認められた。
 奏効率はセツキシマブ併用群が36%、化学療法のみ群が29%で有意に
 セツキシマブ群の方が優れていた。治療成功期間もセツキシマブ併用群が4.2カ月
 に対し、化学療法のみ群は3.7カ月で、ハザード比0.860(95%CI:0.761-0.971)で、
 セツキシマブ併用群の方が優れていた。ただし、PFSは両群とも4.8カ月で有意差なし。

つまり、ケモと併用してセツキシマブを使うわけだが、
・Phase II study of paclitaxel, carboplatin, and cetuximab as first line treatment for patients with advanced non-small cell lung cancer (NSCLC): results of OPN-017. Journal of Thoracic Oncology. 2008;3:1266-1292.
・Cetuximab in combination with carboplatin and docetaxel for patients with metastatic or advanced-stage nonsmall cell lung cancer: a multicenter phase 2 study. Cancer. 2008;113:2512-2517.

上記の論文ではCBDCA+DOCにセツキシマブを加えることでの有用性が
報告されている。

ご紹介するのは、CBDCA+PTXにセツキシマブを併用する場合のphaseII試験。


A randomized, phase II trial of two dose schedules of carboplatin/paclitaxel/cetuximab in stage IIIB/IV non-small-cell lung cancer (NSCLC).Ann Oncol 2009 Feb 2(Epub ahead of print)

背景:
 Stage IIIB/IVのNSCLC患者を対象に、毎週のcetuximabと
 paclitaxel/carboplatin(PC)の2種類の異なる投与スケジュールとの
 併用療法の効果と安全性を検討する第II相試験を実施した。

方法:
 前治療歴のないstage IIIB/IV NSCLC患者168例を
 arm A:cetuximab(400mg/m2、day 1、以後毎週250mg/m2)
      +paclitaxel(225mg/m2)/carboplatin(AUC 6)、day 1、3週毎
 または
 arm B:cetuximab(400mg/m2、day 1、以後毎週250mg/m2)
      +paclitaxel(100mg/m2)day 1、8、15、3週毎
       およびcarboplatin(AUC 6)day 1、4週毎
 に無作為に割りつけた。  
 治療は最大4サイクル継続した。4サイクル治療後に、CR、PR、
 および安定の得られた患者に対しては、cetuximab 250mg/m2/週を
 PDまたは許容不能の毒性がみられるまで投与できることとした。
 プライマリエンドポイントはPFSである。

結果:
 arm AおよびBのPFS中央値は、それぞれ4.7か月および4.3か月
 (6か月PFS生存率27.3%対30.9%)であった。
 OSの中央値は、それぞれ11.4か月および9.8か月で、
 推定1年生存率はそれぞれ29.6%および25%であった。
 忍容性は良好で、最も多く見られた毒性は皮疹および血液毒性であった。
 今回の試験は、予め設定した6か月PSF生存率35%の目標基準には
 達しなかったが、cetuximab+PCの2種の併用スケジュールとも実施可能で、
 効果も同等であった。

by otowelt | 2009-03-21 01:29 | 肺癌・その他腫瘍

NSCLCセカンドラインにおけるドセタキセルの発熱性好中球減少症の頻度は6%


非小細胞肺癌(NSCLC)におけるセカンドラインは
文句なしにドセタキセルが第一選択であろう。
発熱性好中球減少症がどのくらいの頻度で起こるのかを
調べる研究が出た。

The risk of febrile neutropenia in patients with non-small-cell lung cancer treated with docetaxel:a systematic review and meta-analysis.
Br J Cancer 2009;100:436-441.


方法:
 ドセタキセルによるNSCLCのセカンドラインにおける
 発熱性好中球減少(FN)の発生頻度について、
 システマティックレビューおよびメタアナリシスにより検討した。
 前治療歴のある患者に承認用量のドセタキセルが使用され、
 FNの発生頻度が報告されている既発表の試験を検索し、解析対象とした。

結果:
 1回以上のFNエピソードを経験した患者比率をメタアナリシスにより評価。
 患者1,609例を含む13試験についての統合ランダム効果メタアナリシスで、
 ドセタキセル投与中に1回以上のFNエピソードを経験した患者の比率は
 5.95%(95%CI 4.22-8.13)であった。G-CSFの予防的投与が
 容認された試験、あるいは第II相試験と第III相試験との間には有意差はなし。
 ドセタキセルによるFNの発生頻度は、無作為比較試験のエビデンスでは約6%で、
 これは化学療法レジメンの選択に際して考慮すべき重要な要素になると考えられた。

by otowelt | 2009-03-19 02:49 | 肺癌・その他腫瘍

ガバペンチンは、アンドロゲン除去関連のほてりを軽減する


A phase III randomized, double-blind,placebo-controlled trial of gabapentin in the management of hot flashes in men (N00CB).
Annals of Oncology 20: 542–549, 2009


背景:
 ほてり(hot lash)は、アンドロゲン除去療法(前立腺癌)において
 非常に問題になることがある。

方法:
 前立腺癌に対し安定したアンドロゲン除去療法施行中の患者で、
 ほてりを訴える症例を対象に前向き二重遮蔽プラセボ比較試験を実施した。
 患者にプラセボまたはガバペンチン(ガバペン)を
 300、600または900mg/日を投与した。ベースラインの1週間および
 試験薬投与後4週間のほてりの頻度と重症度を記録。

結果:
 適格214例における試験薬投与第4週目の平均のほてりスコアは、
 ベースラインの週に比し4.1単位減少した。ガバペンチンの投与量群別
 では、300mg群で3.2、600mg群で4.6、900mgで7.0単位減少。
 ガバペンチン群全体とプラセボ群の比較では、ほてりに関して有意差はなし。
 ガバペンチン最大量投与群の治療4週後のほてりスコアとほてりの頻度の
 変化をプラセボ群と比較した場合のp値は、それぞれ0.10および0.02だった。
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結論:
 ガバペンチンがアンドロゲン除去関連の血管運動機能障害を有する患者の
 ほてりをある程度軽減する。

by otowelt | 2009-03-18 22:34 | 肺癌・その他腫瘍

ピロリ除菌および化学療法抵抗性の胃MALTリンパ腫に放射線治療は有用


MALTリンパ腫の治療には興味があるので。
Annals of oncologyより。

Complete long-term response to radiotherapy of gastric early-stage marginal zone lymphoma resistant to both anti-Helicobacter pylori antibiotics and chemotherapy.
Ann Oncol 2009 20: 465-468


背景:
 胃MALTリンパ腫で、ピロリ除菌に抵抗性の場合の
 適切なアプローチはまだ定まっていない。

方法:
 1997年1月から2004年12月まで24人のピロリ陽性の胃MALTリンパ腫と
 診断された患者を対象とした。5人がピロリ抵抗性であった。
 その後1ないし2レジメンの化学療法が追加された。
 51から77歳で平均年齢は70歳であった。
 彼らは30 Gyの放射線治療を受けた。

結果:
 これらピロリ除菌耐性の患者は放射線治療後に完全寛解を得た。
 67ヵ月後も再発がみられなかった。
 早期毒性はきわめて軽く、軽度の嘔気がみられる程度であった。
 晩期毒性は確認されなかった。

結論:
 放射線治療は、ピロリ陽性の胃MALTリンパ腫で除菌および
 その後の化学療法抵抗性の場合に効果があるものと考えられる。
 放射線治療はピロリ除菌や化学療法抵抗性であっても
 サルベージ療法として有用な可能性がある。

by otowelt | 2009-03-18 22:21 | 肺癌・その他腫瘍

胃MALTリンパ腫の治療


日本胃癌学会より2009年2月に発表された、胃悪性リンパ腫の手引き。
ガイドラインと銘打っていないことがミソである。
国立がんセンターでは、胃原発限局期MALTリンパで除菌治療を行った
132人の治療成績を報告し、追跡期間中央値84カ月で5年生存率は98%に上った。
胃MALTリンパ腫における除菌治療の奏効率は高いが、
11番染色体と18番染色体の転座によるAPI2-MALT1の遺伝子異常(融合遺伝子)
が認められる場合は、除菌治療に反応しないとされている。
いつこのAPI2-MALT1を検査するのかというコンセンサスはない。

個人的にMALTリンパ腫に興味があったので、読んでみた。


●MALTリンパ腫の治療
1.除菌
 MALTリンパ腫において除菌対象となるのは、限局期症例。
 (Lugano分類のI期およびII1期)
 限局期MALTリンパ腫においては、現在はH,pyrori除菌療法が、
 第一選択として標準的治療である。除菌療法による奏功率は、
 わが国では70-80%前後である。しかし、除菌療法後
 MALTリンパ腫が消失するまでの期間は2-3ヶ月から数年と差があり
 内視鏡検査の間隔、除菌療法後に残存する場合の
 サルベージ治療のコンセンサスは得られていない。

2.除菌抵抗例
 現時点において、除菌抵抗症例の2次治療の標準治療は存在しない。
 限局期では、放射線治療もしくは手術療法、ステージ進行期なら
 化学療法を選択する。
 放射線治療は、限局期なら、限局期低悪性度悪性リンパ腫と同様に
 30Gyの放射線治療をおこなうことが多い。
 手術療法は、胃癌と同様な定型的手術を施行する。
 化学療法は、stageII2以上の胃MALTリンパ腫には、CHOPなどを
 中心とした全身化学療法を試行していたが、B細胞悪性リンパ腫に対する
 治療に準じリツキシマブを中心とした治療が行われる。

 除菌抵抗症例については、わが国においては、肉眼的に改善を認めても
 組織学的に遺残を認めた場合に、治療が追加される(2008年NCCN)。
 しかし増悪を認めない症例も存在し、そのような場合は診断の見直しを
 含めた検討のうえでの慎重な経過観察が可能である

by otowelt | 2009-03-15 17:31 | 肺癌・その他腫瘍

CDDP+GEM+アバスチンはCDDP+GEMよりPFSを延長:AVAIL試験


以下にも書いたとおり、AVAiL試験により
アバスチンが承認されるに至ったわけだが・・・・

http://pulmonary.exblog.jp/9629452/

JCOでAVAiL試験の詳細がレポートされているので
呼吸器内科医や腫瘍内科医は要チェックだ。

Phase III Trial of Cisplatin Plus Gemcitabine With Either Placebo or Bevacizumab As First-Line Therapy for Nonsquamous Non–Small-Cell Lung Cancer: AVAiL.
JCO Mar 2009: 1227–1234.


コントロールアームはCDDP+GEMだが、
何気に日本のFACS研でもCDDP+GEMが4群でOSが一番よく、
欧米でも(Schiller, et al. NEJM2002)4群比較で一番OSがよかった。

アバスチンは、すでにアメリカの2009年NCCNのガイドラインに
組み込まれている。もう1st-lineとしての地位を確立していると言っても
過言ではない。

2009年NCCNより
PS 0,1
Chemotherapy
Chemotherapy: 2 drug regimens are preferred.
CDDP+MTA (if criteria met)
Bevacizmab+Chemotherapy (if criteria met)
Cetuximab+CDDP+VNB (if criteria met)

by otowelt | 2009-03-15 17:20 | 肺癌・その他腫瘍

化学療法時の制吐に対して、パロノセトロンはグラニセトロンより有効


グラニセトロン(カイトリル)が抗癌剤治療における
制吐剤として使用されているが、どうも効きが悪いという経験を
多くの内科医は感じていると思う。
アロキシ(ALOXIR)のphaseIIIの試験がようやく出たのでピックアップしてみたい。

Palonosetron plus dexamethasone versus granisetron plus dexamethasone for prevention of nausea and vomiting during chemotherapy: a double-blind, double-dummy, randomised, comparative phase III trial.
Lancet Oncol 2009; 10: 115–24


背景:
 化学療法を受ける癌患者で、一番問題となるものは悪心と嘔吐。
 現在、化学療法由来の悪心・嘔吐(CINV)に対しては5-HT3受容体拮抗薬
 が標準的治療となっている。5-HT3拮抗剤は、 急性期のCINVに対しては
 かなりの効果を示すものの、予防的投与を行っていても、
 ほぼ半数の患者に急性と遅延性CINVが続く。パロノセトロンは、長い半減期
 (約40時間)と、強く高度な5-HT3受容体拮抗作用をもち、化学療法に
 関連する急性・遅延性CINVの両方を防ぐ効果があるとされている。
 第Ⅱ相試験で、プライマリーエンドポイントとされている急性期でのCRに対して、
 パロノセトロンの0.075mg・0.25mg・0.75mgの間では用量依存性はなかった。
 120時間を超える試験期間では、明らかに用量依存性の反応を示した。
 パロノセトロンの3用量は容認性があり、用量と関連する副作用の増加はなし。
 パロノセトロン0.75mgがPⅡ試験で推奨用量となりうることが示唆された。
 グラニセトロンは40μg/kgの用量が推奨臨床用量で、一般的な治療である。  
 試験の目的は、特に高催吐の化学療法を受けている患者に対して、
 CINVをコントロールするための最も基本的なレジメンを確立させることにある。

方法:
 1日目の化学療法開始の30分前に静注1回用量としてパロノセトロン(0.75mg)
 かグラニセトロン(40μg/kg)を投与する群へとランダムに割り当てる。
 デキサメタゾンの予防的投与(16mg静注)は1日目のパロノセトロンや
 グラニセトロンの投与前の45分以内に行った。
 シスプラチンを受ける患者には8mg静注、AC/EC療法の患者には4mg経口の
 デキサメタゾンを2日目(化学療法から24~26時間後)と3日目(48~50時間後)に投与。
 二重盲検の手法で試験は行われた。
 
 5日間を効果のエンドポイント、8日間を安全性のエンドポイントとして追跡。
 プライマリーエンドポイントは、急性期(化学療法後0~24時間)と、
 遅延期(化学療法後24~120時間)でのCRの患者の割合。
 セカンダリーエンドポイントは 、全体期での完全緩解、嘔吐の数、
 最初の嘔吐までの時間、レスキューを服薬するまでの時間、治療失敗までの時間、
 患者の主観的な評価とした。

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結果および考察:
 この第3相試験で、強い催吐作用がある化学療法を受けている患者において
 吐き気と嘔吐の防止のpalonosetronの有効性は、急性期のグラニセトロンと非劣勢。
 また遅発相ではグラニセトロンよりよいことが示された。
 有害事象の頻度は、palonosetronとグラニセトロンでほぼ同じであった

 これらの結果から、パロノセトロンとグラニセトロンを比較し、性別や年齢、
 化学療法に関係なく、急性期の悪心・嘔吐に対しては薬剤間に有意な差はないが、
 遅延期ではパロノセトロンのほうが完全制御率は高いとし、
 「がん化学療法による悪心や嘔吐の予防には、パロノセトロンとデキサメタゾンを
 標準治療にすべきである」と研究グループは結論づけた。

 強い催吐作用がある化学療法の後、デキサメタゾンを併用て、
 遅発型と全体的なCINVを防ぐ際にグラニセトロンに対するpalonosetronの有意性を
 示す最初のレポートである。
 最高2.25mgまでドーズアップしてもQTcを含むECGに対する重要な影響も
 示さなかったので、制癌剤または他の併用薬物に関連があるかもしれない。

by otowelt | 2009-03-12 14:08 | 肺癌・その他腫瘍

FDG-PETとCTを組み合わせるとBACの鑑別が可能


肺癌領域ではPETをよく使う。
まぁ、どの癌でもそうなのだが・・・・・
PETでは、肺胞上皮癌(BAC)、高分化型腺癌、10mm以下の肺癌で
偽陰性が起こる。特にこのBACの偽陰性は呼吸器内科医の間では有名だ。
J Nucl Med 1998;39:1016-1020

SUVとは、投与したRIが体内に均一に分布しかつ排泄されていないとした場合
の組織の放射能濃度を1とし、それに対して関心領域の放射能濃度が
何倍であるかを示したもの。
ちなみに、肺の平均SUVは0.6である。
Ann Acad Med Singapole 2004:33:183-185

lung cancerから出た論文では、
BACの平均SUV7.2、その他NSCLCの平均SUV13.33という結果。
以下にそれを紹介する。
・・・・・でも、PETの報告書みても、SUV10くらいが上限のことが多いのだが・・・
依頼しているPETに問題があるのか???

Clinical usefulness of the fluorodeoxyglucose (FDG)-PET maximal standardized uptake value (SUV) in combination with CT features for the differentiation of adenocarcinoma with a bronchioloalveolar carcinoma from other subtypes of non-small cell lung cancers. Lung Cancer, In Press, Corrected Proof, Available online 8 February 2009


目的:
 FDG-PETの最大SUVとCTを組み合わせることで
 BACとその他のNSCLCを区別する。

方法:
 125人の患者(男性104人、女性21人、平均年齢64歳)で、
 CTとそれに引き続くPETを施行し、手術のあとの組織学的診断の
 妥当性を検討。最終的に16症例のBACと109症例の他のNSCLCサブタイプ
 が登録された。PETで最大SUVを検討。

結果:
 BACではmixed patternを持つ結節影がCTで観察された(8/16, 50%)。
 他のNSCLCではそういったパターンはあまりみられなかった(2/109, 1.8%) 。
 (p < 0.0001)。
  BACにおける最大SUVは平均7.2であった。これは他のNSCLCの平均13.33より
 低かった。(p < 0.0001)
 BACを鑑別するためのCTでは、感度50%、特異度98.2%、PPV80%、NPV93%。
 また、PETにおける場合、感度68.8%、特異度86.2%、PPV42.3%、NPV94.9%。
 これらを組み合わせると、 感度81.3%、特異度85.3%、PPV44.8%、NPV96.9%。
 
結果:
 FDG-PETの最大SUVとCT所見を組み合わせると、
 BACと他のNSCLCの鑑別が可能。


 

by otowelt | 2009-03-05 21:50 | 肺癌・その他腫瘍