カテゴリ:肺癌・その他腫瘍( 477 )

ALK variant 1はザーコリ®が効きやすい

e0156318_16174587.jpg 非常に興味深い論文です。勉強になりました。

Yoshida T, et al.
Differential Crizotinib Response Duration Among ALK Fusion Variants in ALK-Positive Non-Small-Cell Lung Cancer.
J Clin Oncol. 2016 Jun 27. pii: JCO658732. [Epub ahead of print]


目的:
 ALK再構成陽性非小細胞肺癌(NSCLC)は、クリゾチニブのようなALKチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)によって効果的に治療されるが、反応性や奏効期間は不均一である。ALKにはいくつかのvariantが存在するが、これらによる効果の差についてはほとんど検証されていない。

患者および方法:
 2007年1月から2014年12月までにクリゾチニブで初回治療を受けた55人の患者のうち、腫瘍検体が得られ逆転写ポリメラーゼ連鎖反応によってALK variantの評価ができた35人を登録した。ALK variantごとの客観的奏効率(ORR)および無増悪生存期間(PFS)をもとに後ろ向きにクリゾチニブの効果を調べた。

結果:
 もっともよくみられたALK variantはvariant 1(EML4 exon13とALK exon20の融合)が19人(54%)、続いてvariant 2が5人(14%)、variant 3a/3b(EML4 exon6 とALK exon20の融合)が4人(12%)、その他のvariantが7人(20%)だった。ORRは全患者で69%で、variant 1は74%、non-variant 1は63%だった。PFS中央値は、non-variant 1よりもvariant 1で有意に長かった(11.0ヶ月[95%信頼区間6.5-43.0] v 4.2ヶ月[95%信頼区間1.6-10.2], P < .05)。多変量解析では、PFS延長に関して2つの独立因子が同定された。すなわち、ALK variant1(ハザード比0.350; 95%信頼区間0.128 to 0.929; P < .05)、進行病期(ハザード比4.646; 95%信頼区間1.381 to 21.750; P < .05)である。

結論:
 ALK variant 1のある患者はnon-variant 1の患者よりもクリゾチニブの効果が良好である。ALK variantステータスがALK-TKIの効果に影響するかもしれない。


by otowelt | 2016-07-04 00:29 | 肺癌・その他腫瘍

CheckMate-012試験:非小細胞肺癌に対する一次治療としてのオプジーボ®

e0156318_8501268.jpg このJCOの論文はニボルマブに関する記載ですが、CheckMate-012試験では、オプジーボ®+ヤーボイ®の併用療法で確認された奏効率(ORR)は、PD-L1発現レベルが1%以上の患者さんで57%、PD-L1発現レベルが50%以上の患者さんで92%でした。

Gettinger S, et al.
Nivolumab Monotherapy for First-Line Treatment of Advanced Non-Small-Cell Lung Cancer.
J Clin Oncol. 2016 Jun 27. pii: JCO669929. [Epub ahead of print]


目的:
 抗PD-1抗体であるニボルマブは、進行非小細胞肺癌(NSCLC)に対してドセタキセルより生存を改善することが示された。進行NSCLCに対する一次治療としてのニボルマブは、第I相試験、CheckMate-012試験で評価された。

方法:
 52人の患者が、病勢進行あるいは毒性中止になるまでニボルマブ3mg/kgを2週ごとに投与された。

※CheckMate -012 試験は、化学療法未治療の進行NSCLC患者を対象に、ニボルマブの安全性と忍容性を、単剤療法またはイピリムマブを含む他の薬剤との併用療法として、異なる用量と投与スケジュールを用いて評価した多群第Ib相臨床試験である。

 主要評価項目として安全性、二次評価項目として客観的奏効率(ORR)、24週無増悪生存期間(PFS)が設定され、全生存期間(OS)やPD-L1発現レベルごとの有効性は探索的エンドポイントとした。

結果:
 治療関連有害事象は患者の71%にみられた。疲労(29%)、皮疹(19%)、悪心(14%)、下痢(12%)などが挙げられる。10人(19%)の患者がGrade 3-4の治療関連有害事象を経験した。6人(12%)の患者が有害事象によって治療中断となった。ORRは23%(12人)で、4人は現在も完全寛解を維持し続けている。12人中9人(75%)が初回評価までに腫瘍縮小がみられており、8人(67%)は現在も効果を維持している。PD-L1発現レベル1%以上ではORR28%、1%未満(発現なし)ではORR14%だった。発現レベル50%以上の場合、ORRは50%だった。PFS中央値は3.6ヶ月であり、24週PFS率は41%(95%信頼区間27-54)だった。OS中央値は19.4ヶ月で、1年および18ヶ月OS率は73%(95%信頼区間59-83)、57%(95%信頼区間42-70)だった。
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(小野薬品工業プレスリリースより引用)

結論:
 進行NSCLCの一次治療におけるニボルマブは忍容性があり、反応性も良好である。


by otowelt | 2016-07-01 00:49 | 肺癌・その他腫瘍

血中および胸水中VEGFレベルはベバシズマブのアウトカムを予測するバイオマーカー

e0156318_10101326.jpg アバスチン®のバイオマーカーの報告です。

Tamiya M, et al.
Vascular Endothelial Growth Factor in Plasma and Pleural Effusion Is a Biomarker for Outcome After Bevacizumab plus Carboplatin-Paclitaxel Treatment for Non-small Cell Lung Cancer with Malignant Pleural Effusion.
Anticancer Res. 2016 Jun;36(6):2939-44.


目的:
 悪性胸水は、VEGFが血清および血漿で上昇することと関連している。悪性胸水(MPE)患者におけるベバシズマブ治療のアウトカムとしてバイオマーカーは存在しない。われわれは過去にカルボプラチン+パクリタキセル+ベバシズマブが進行性非小細胞肺癌(NSCLC)およびMPE患者に効果的であることを示したが、治療アウトカムと血中あるいは胸水中のVEGFレベルの関連性については評価していなかった。そこで、このVEGFレベルがベバシズマブ治療アウトカムを予測するかどうか評価した。

患者および方法:
 NSCLCおよびMPEの患者23人を2010年9月から2012年6月まで登録した。血中VEGFレベルは19人の患者で、胸水中VEGFレベルは22人の患者で測定された。

結果:
 血中VEGFレベルが低い患者と比較して、高レベルの患者は有意に全生存期間(13.8ヶ月 vs. 6.5ヶ月, p=0.04)、無増悪生存期間(8.7ヶ月 vs. 4.8ヶ月, p<0.01)、胸水再貯留までの期間(9.7ヶ月 vs. 6.2ヶ月, p=0.02)が短かった。胸水中VEGFレベルが低い患者と比較して、高レベルの患者は有意に全生存期間(19.6ヶ月 vs. 6.9ヶ月, p<0.01)、胸水再貯留までの期間(9.6ヶ月 vs. 6.7ヶ月, p=0.04)が短かったが、無増悪生存期間には有意差はなかった(6.6ヶ月 vs. 5.9ヶ月, p=0.18).

結論:
 血中および胸水中のVEGFレベルは、NSCLCおよびMPE患者におけるベバシズマブのアウトカムを予測するかもしれない。 


by otowelt | 2016-06-23 00:45 | 肺癌・その他腫瘍

再発性SCLCに対してニンテダニブは有効か?

e0156318_12291546.jpg 小細胞肺癌に対する有効な治療法の報告が欲しいところ。

Han JY, et al.
A phase II study of nintedanib in patients with relapsed small cell lung cancer.
Lung Cancer. 2016 Jun;96:108-12. doi: 10.1016/j.lungcan.2016.04.002. Epub 2016 Apr 6.


目的:
 ニンテダニブは経口トリプルキナーゼ阻害薬である。この研究は、再発/抵抗性の小細胞肺癌(SCLC)患者に対するニンテダニブの効果と安全性を評価したものである。

患者および方法:
 ECOG PS0-2の患者で1~2回の化学療法/化学放射線治療歴がある者を登録した。患者は、ニンテダニブ200mg1日2回4週サイクルを病勢進行あるいは毒性による中止があるまで続けられた。プライマリエンドポイントは、客観的奏効率(ORR)とした。

結果:
 2011年12月から2014年6月までに24人の患者が登録された。22人の患者が治療を完遂し、その効果を評価された。フォローアップ期間中央値は9.7ヶ月(0.5-19.8ヶ月)だった。年齢中央値は64歳(46-77歳)だった。6人の患者はsensitive relapseで、8人が1回の化学療法治療歴を有していた。
 効果については、1人がPR、7人がSDだった。ORRは5%(95%信頼区間0.1-22.8%)だった。PFS中央値は1.0ヶ月(95%信頼区間0.9-1.1ヶ月)で、OSは9.8ヶ月(95%信頼区間8.4-11.2ヶ月)だった。
 有害事象は、肝障害86%、貧血73%、食思不振59%、悪心50%だった。ほとんどの有害事象はマネジメント可能であった。Grade3の肝障害が5人(23%)にみられた。

結論:
 再発性/抵抗性SCLCに対するニンテダニブは、マネジメント可能だが限られた抗腫瘍活性しか有さない。



by otowelt | 2016-06-02 00:44 | 肺癌・その他腫瘍

EGFR遺伝子変異陽性NSCLCは脳転移の頻度が高い

e0156318_1164629.jpg 既知の知見です。 

Hsu F, et al.
EGFR mutation status on brain metastases from non-small cell lung cancer.
Lung Cancer. 2016 Jun;96:101-7. doi: 10.1016/j.lungcan.2016.04.004.


目的:
 この研究の目的は、EGFR遺伝子変異が進行非小細胞肺癌(NSCLC)患者における脳転移の頻度にどういった影響を与えるか調べることである。

方法:
 後ろ向き研究。EGFR遺伝子変異陽性および陰性が判明している患者を本研究コホートとして使用。プライマリエンドポイントは、脳転移の頻度とした。セカンダリエンドポイントは全生存期間とした。

結果:
 543人の患者のうち、121人がEGFR遺伝子変異陽性、422人がEGFR遺伝子変異野生型であった。脳転移の累積罹患率は、前者で39.2%、後者で28.2%だった(p=0.038; ハザード比1.4)。多変量解析では、若年者、EGFR遺伝子変異陽性は有意な脳転移予測因子であった。生存期間中央値はEGFR遺伝子変異陽性群22.4ヶ月、野生型7.9ヶ月であった(p<0.001)。PS不良および脳転移は生存期間短縮のリスク因子であった。

結論:
 進行期NSCLCにおけるEGFR遺伝子変異陽性の患者では野生型の患者と比べて脳転移の頻度が高い。


by otowelt | 2016-05-27 00:26 | 肺癌・その他腫瘍

タグリッソ®発売

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本日、タグリッソ®が発売されました。

効能効果:
 
EGFRチロシンキナーゼ阻害薬に抵抗性のEGFR T790M変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌

効能・効果に関連する使用上の注意
 十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、EGFRT790M変異陽性が確認された患者に投与すること。検査にあたっては、承認された体外診断薬を用いて測定すること。
1.【臨床成績】の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し、適応患者の選択を行うこと。
2.本剤の術後補助化学療法における有効性及び安全性は確立していない。

用法用量:
 通常、成人にはオシメルチニブとして80mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。

by otowelt | 2016-05-25 08:50 | 肺癌・その他腫瘍

BRAF-V600E変異陽性非小細胞肺癌に対するダブラフェニブの有効性

e0156318_9144269.jpg 非小細胞肺癌に対するダブラフェニブの論文です。ダブラフェニブ(タフィンラー)はBRAF V600E/K変異を有する悪性黒色腫の治療の際に、MEK阻害薬トラメチニブ(メキニスト)と併用されます。

Planchard D, et al.
Dabrafenib in patients with BRAFV600E-positive advanced non-small-cell lung cancer: a single-arm, multicentre, open-label, phase 2 trial.
Lancet Oncol. 2016 Apr 11. pii: S1470-2045(16)00077-2. doi: 10.1016/S1470-2045(16)00077-2. [Epub ahead of print]


背景:
 活性化BRAFV600E(Val600Glu)変異は肺腺がんの1~2%にみられ、これらの患者に対して当該標的治療が有効かもしれない。ダブラフェニブは経口選択的BRAFキナーゼ阻害薬である。われわれは、BRAFV600E陽性の進行非小細胞肺癌(NSCLC)に対するダブラフェニブの臨床的活性を調べた。

方法:
 これは多施設共同非ランダム化オープンラベル第2相試験であり、治療歴の有無を問わず病期IVのBRAFV600E陽性NSCLC患者を登録した。患者はダブラフェニブ150mg1日2回の投与を受けた。プライマリエンドポイントは、1回でも試験薬を投与された患者の奏効率とした。安全性はこの集団で解析をおこなった。研究そのものは現在も進行しているが、この2相試験コホートの患者は組み込まれていない。

結果:
 2011年8月3日から2014年2月25日までの間、84人の患者が登録され、そのうち6人がNSCLCの治療を過去に受けたことがなかった。治療歴のある78人のうち26人の奏効率は33%(95%信頼区間23-45%)、過去に治療を受けたことが無い6人のうち4人が客観的奏効が得られた。1人はダブラフェニブによる脳出血によって死亡した。もともよくみられたGrade3以上の有害事象は皮膚扁平上皮がん(12%)、無力症(5%)、基底細胞癌(5%)だった。

結論:
 ダブラフェニブはBRAFV600E陽性NSCLC患者に臨床的活性を持つ。ダブラフェニブは限定的な治療法しかない当該集団において治療オプションとなりうる。


by otowelt | 2016-04-25 00:47 | 肺癌・その他腫瘍

システマティックレビュー:非小細胞肺癌に対する維持療法

e0156318_8124310.jpg タルセバを含めた維持療法についてもさかんに議論されています。

Kulkarni S, et al.
The Use of Systemic Treatment in the Maintenance of Patients with Non-small Cell Lung Cancer: A Systematic Review.
J Thorac Oncol. 2016 Mar 21. pii: S1556-0864(16)30017-X. doi: 10.1016/j.jtho.2016.03.007.


背景:
 非小細胞肺がん(NSCLC)はしばしば進行期に診断され、治療オプションが限られているのが現状である。維持療法は病勢進行までの期間を延長させる効果があり、潜在的には全生存期間をも延長する。また、病勢進行があったときに二次治療にすすむことができる患者の割合も増加させることができる。このシステマティックレビューの目的は、NSCLC患者の維持療法としての全身治療の有用性を調べることである。

方法:
 MEDLINE, EMBASE, Cochrane Libraryを用いて、病期IIIBあるいはIVの最低4コースのプラチベースの化学療法を実施したNSCLC患者において、維持療法を他の全身治療あるいはプラセボと比較した第III相ランダム化比較試験を抽出した。当該研究に対してメタアナリシスを実施した。

結果:
 14のランダム化比較試験が登録された。全生存期間に対する利益は、非扁平上皮NSCLCに対するペメトレキセド維持療法で最も強く観察された(ハザード比0.74; 95%信頼区間 0.64 to 0.86)。しかし、扁平上皮NSCLC患者にはこの利益は観察されなかった。EGFR-TKIによる全生存期間への利益も観察されたが、ペメトレキセドほどの効果はなかった(ハザード比0.84; 95%信頼区間0.75 to 0.94)。ドセタキセルあるいはゲムシタビン維持療法は、全生存期間に対する影響はなかった。

結論:
 4~6コースのプラチナベース化学療法を受けて進行がみられなかった進行期IIIB/IV期NSCLCにおいて、ペメトレキセド維持療法による全生存期間の効果が最も強く、EGFR-TKIがそれに次ぐ。


by otowelt | 2016-04-22 00:18 | 肺癌・その他腫瘍

進行期非小細胞肺癌患者に対する血清ddPCRによる遺伝子ジェノタイピング

e0156318_1164629.jpg 科学の進歩を感じずにはいられない報告ですね。リキッドバイオプシーが将来当たり前になる時代が来るかもしれません。

Adrian G. Sacher, et al.
Prospective Validation of Rapid Plasma Genotyping for the Detection of EGFR and KRAS Mutations in Advanced Lung Cancer
JAMA Oncol. Published online April 07, 2016. doi:10.1001/jamaoncol.2016.0173


背景:
 セルフリーDNAの血清ジェノタイピングによって、組織ジェノタイピングの欠点や再生検を避けることができる非侵襲的ジェノタイピングが可能となった。

目的:
 よくみられるEGFRおよびKRAS遺伝子変異、またEGFR T790M獲得変異に対して血清droplet digital PCR (ddPCR)の妥当性を前向きに検証する。

方法:
 進行期非扁平上皮非小細胞肺癌(NSCLC)で、①新規診断され初回治療を考慮されている患者、②EGFR-TKI耐性となり再生検を考慮されている患者、に対して迅速血清ddPCRによってEGFR exon 19 del, L858R, T790M, KRAS G12X変異を2014年7月3日から2015年6月30日までNational Cancer Instituteにおいて検索した。全患者は組織ジェノタイピングを実施されており、これが対照比較として用いられた。再生検はEGFR-TKI耐性となった患者に適用された。採血から結果報告までのターンアラウンドタイム(TAT)についても、営業日ベースで調べた。
 アウトカムは、血清ddPCRの感度、特異度およびTATである。

結果:
 180人の進行期NSCLC患者(62%が女性、年齢中央値62歳[37-93歳])が登録され、120人が新規にNSCLCと診断され、60人がEGFR-TKIに耐性を獲得した。ジェノタイピングでは、80人がEGFR exon 19/L858R変異, 35人がEGFR T790M変異, 25人がKRAS G12X変異を有していた。血清ddPCRのTAT中央期間は3日(1-7日)だった。組織ジェノタイピングのTATは、新規NSCLC診断例で12日(1-54日)、耐性獲得例で27日(1-146日)だった。血清ddPCRの陽性適中率はEGFR 19 delで100%(95%信頼区間91-100%)、L858変異で100% (95%信頼区間85%-100%)、KRAS変異で100% (95%信頼区間 79%-100%)、T790M変異で79% (95%信頼区間62%-91%)だった。同様に感度は、EGFR 19 delで82% (95%信頼区間69%-91%), L858変異で74% (95%信頼区間55%-88%), T790M変異で77% (95%信頼区間60%-90%)、KRAS変異で64% (95%信頼区間43%-82%)だった。多発転移巣を有する患者ではEGFRあるいはKRASの感度は高く、肝転移・骨転移を有する患者では特異度が高かった。
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(文献より引用:Table 2)

結論:
 迅速に結果が得られるEGFRおよびKRAS変異を同定する血清ddPCRは、高い特異度を有し、早期の治療選択や再生検の回避に役立つ。このアッセイはEGFR T790M変異も同定できるため、EGFR-TKIに対して耐性を獲得した腫瘍の不均一性(heterogeneity)に由来する組織ジェノタイピングの欠点を補うことも可能かもしれない。


by otowelt | 2016-04-11 00:13 | 肺癌・その他腫瘍

ROMANA試験:アナモレリンは進行非小細胞肺癌患者の悪液質に有効

e0156318_8124310.jpg 70人あまりの解析で既にアナモレリンの有効性は同雑誌から報告されています(Lancet Oncol. 2015 Jan;16(1):108-16. )。

Temel JS, et al.
Anamorelin in patients with non-small-cell lung cancer and cachexia (ROMANA 1 and ROMANA 2): results from two randomised, double-blind, phase 3 trials.
Lancet Oncol. 2016 Feb 19. pii: S1470-2045(15)00558-6.


背景:
 進行癌患者はしばしば食思不振と悪液質を経験する。それにより食事摂取が減少し、生体成分に変調をきたし、機能低下を招く。われわれは、新しいグレリン受容体アゴニストであるアナモレリンが進行非小細胞肺癌患者の悪液質に対して効果があるかどうか調べた。

方法:
 ROMANA1試験およびROMANA2試験は、ランダム化二重盲検プラセボ対照第3相試験で、19か国93施設から登録された。手術不能病期IIIあるいはIVの非小細胞肺癌患者で、悪液質(6か月以内に5%以上の体重減少あるいはBMI20未満)を有するものをランダムに2:1にアナモレリン100mg1日1回あるいはプラセボに割り付けた。複合プライマリ効果エンドポイントは、12週におよぶ除脂肪体重および握力の変化の中央値とした(ITT)。

結果:
 2011年7月8日から2014年7月28日までの間、484人の患者がROMANA1試験(323人がアナモレリン群、161人がプラセボ群)に、2011年7月14日から2013年10月31日までの間、495人がROMANA2試験(330人がアナモレリン群、165人がプラセボ群)に登録された。12週におよぶ観察期間において、除脂肪体重はアナモレリン群の方がプラセボ群よりも有意に多かった(ROMANA1試験:増加中央値0.99 kg [95%信頼区間0.61 to 1.36] vs -0.47 kg [95%信頼区間-1.00 to 0.21], p<0.0001、ROMANA2試験:0.65 kg [95%信頼区間0.38 to 0.91] vs -0.98 kg [95%信頼区間-1.49 to -0.41], p<0.0001)。握力については有意差はみられなかった(ROMANA1試験:-1.10 kg [95%信頼区間-1.69 to -0.40] vs -1.58 kg [95%信頼区間-2.99 to -1.14], p=0.15、ROMANA2試験:-1.49 kg [95%信頼区間-2.06 to -0.58] vs -0.95 kg [95%信頼区間-1.56 to 0.04], p=0.65)。グレード3-4の治療関連有害事象については両群で有意差はなかった。もっともよくみられたグレード3-4の有害事象は高血糖であり、ROMANA1試験のアナモレリン群320人中1人(<1%)、ROMANA2試験のアナモレリン群330人中4人(1%)に観察された。

結論:
 アナモレリンは悪液質にある進行期非小細胞肺癌患者に対して除脂肪体重の有意な増加をもたらすが、握力の増加はもたらさない。悪液質に対する安全で効果的なアンメットニーズの治療薬を考慮した場合、アナモレリンは治療オプションとなりうるかもしれない。


by otowelt | 2016-03-25 00:17 | 肺癌・その他腫瘍