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気道熱傷


救命センター併設の病院だと、呼吸器内科医は、ERで気道熱傷の
コンサルトを受けることもしばしばある。

●気道熱傷を疑うポイント
・密室での火災
・咳、痰、くしゃみ、息切れ、嗄声
・黒い痰、焦げた鼻毛
・咽頭浮腫、顔面や頚部の熱傷
・その他の部位の重症熱傷
・ラ音(Crackle、Wheeze)
・意識障害

SpO2がどんなに良くても、必ず10Lリザーバーマスクで酸素投与を行う。

カルボキシヘモグロビンや、メトヘモグロビンがあると、SpO2は
実際の値よりも過大評価をしてしまうため、あまり信用しないほうがよい。


●対処 ABC
1.挿管
・口腔、咽頭内に熱傷や浮腫があるとき
・頚部全周の熱傷やstridorがあるとき
・昏睡状態のとき
             → 挿管
※全身熱傷の場合、大量輸液を行うことで、気道浮腫を起こすことも。
 気道熱傷がなくても、早期の気管挿管が必要

2.高容量酸素投与(COPD患者さんでも迷わずに!)
3.Β2刺激薬使用。
4.20G×2本ライン確保
5.血ガスでCO-Hb、Met-Hbチェック
6.胸部レントゲン
7.心電図(不整脈や心筋虚血が起こりうる)

by otowelt | 2009-02-24 09:45 | 救急

低体温療法は不整脈を増加させる可能性がある



ヘルシンキ大学病院のICUの研究である。

Arrhythmias and heart rate variability during and after therapeutic hypothermia for cardiac arrest. Critical Care Medicine:Volume 37(2)February 2009pp 403-409

目的:
 CPAのあとの低体温治療における、不整脈、心拍数変化、予後について考察。
 RCT(the European Hypothermia After Cardiac Arrest study.)

患者:
 70人の成人男性における院外VF症例において、33℃の低体温治療と正常体温に
 romdomized

低体温治療:  
 低体温群にわけられた患者は、24時間クーリングデバイスで冷却され
 その後12時間かけて徐々に温度を上げていく。正常体温グループでは体温は常に
 38度未満におさえておく。全ての患者は最低でも2日間ICUに滞在

結果:
 来院24-48 hoursと14日目に心電図検査。
 臨床的アウトカムは6ヶ月後とした。
 premature ventricular beatsが低体温グループで増えた。
 しかしながら、VTおよびVFの頻度は両群ともに変化なかった。
 心拍数変動は低体温で多く(p < 0.01)、2週間後では両者とも差がなかった。
 また低体温グループでは、正常循環や調律に戻るのに少し時間がかかった。

結論:
 CPA24時間後の33℃の低体温治療は、不整脈を増やす可能性がある。
 


<現在のAHAのステートメントは以下の通り>
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心停止後蘇生して循環動態が安定している患者が、自然に軽度低体温(33℃)に
陥った場合、復温すべきでない。軽度低体温療法は、神経学的転帰に有利である。
病院外心停止で心拍再開した昏睡状態の成人患者には、初期調律がVFなら、
32から34℃に12から24時間で冷却すべきである(ClassIIa)。
病院外VF以外の心停止や、院内例でも、同様の治療が有益(ClassIIb)。
********************************************************************************************************

1)心停止(不整脈の種類は問わない)後に蘇生
2)意識障害がある
3)心停止は目撃者がいるか推定5分間以内
4)胸骨圧迫は45分以内
こういった患者には32-34℃を目標にできるだけ早く低体温導入した方が
よいという意見が多い。
敗血症や頭蓋内病変・脳出血などは除外。

by otowelt | 2009-02-12 13:26 | 救急

緊張性気胸における脱気針の適切な長さ


救急をやっていたとき、緊張性気胸の脱気をレントゲンを見る前に
しなければならない状況があったのですが
針の長さはどれくらいがベスト?という論文が発表された。

Needle Thoracostomy for Tension Pneumothorax: Failure Predicted by Chest Computed Tomography. Prehospital Emergency Care 2009;13(1):14 - 17.

第2肋間・鎖骨中線上の胸壁の厚さをCTで計測したというシンプルな論文。
脱気の際にアメリカで用いる、4.4cmのカテ針は妥当かどうかを考察した。
全110例(平均43.5歳)の平均の胸壁厚は、右:4.5 cm (± 1.5 cm)、
左:4.1 cm (± 1.4 cm)だった。
結果としては、4.4cmのカテ針は、50%(95%CI:40.7-59.3%)の外傷患者で
脱気に失敗する!!!

ゲゲップ!!!!

自然気胸でも外傷性気胸でも、大胸筋発達してるし、年齢も若いから
50%で失敗するという考察が成り立ってしまったのだと思う。

ちなみによく救急でおいてある針、テルモの針なんかは
38mmなので、届かない可能性もある・・・・。
日本人はでも痩せてるから大丈夫かな。。。

by otowelt | 2009-01-18 21:22 | 救急