カテゴリ:内科一般( 88 )

ラーメン店舗数が多い都道府県では脳卒中死亡率が高い

e0156318_15564137.png SNSで少し話題になっていたので読んでみました。
 ラーメンの種類や系統までの解析はしていないので、何ラーメンが危ないのかという議論は難しいかもしれません。

Matsuzono K, et al.
Ramen restaurant prevalence is associated with stroke mortality in Japan: an ecological study
Nutr J 18, 53 (2019) doi:10.1186/s12937-019-0482-y


背景:
 脳卒中と栄養の関係が近年調査されてきた。しかし、日本における食事と脳卒中の関係は明らかにされていない。われわれは、ラーメンの消費と脳卒中の死亡率に関連があると仮説を立てた。それを検証すべく、日本の都道府県におけるラーメン店の数と脳卒中死亡率との関連を調査した。

方法:
 ピアソンの相関係数を用いて、4種類のレストラン(ラーメン、ファストフード、フレンチまたはイタリアン、うどんまたはそば)のそれぞれの店舗数と、各都道府県の年齢・性別を調整した脳卒中死亡率との関連を評価した。また、コントロールとして、急性心筋梗塞と各レストランとの相関関係も調査した。日本で発表された2017年の国民保険データの動向から、各都道府県の年齢・性別を調整した脳卒中死亡率と急性心筋梗塞死亡率を取得した。各都道府県の各レストラン店舗数に関するデータは、NTTのデータベースから取得した。

結果:
 その他のタイプのレストランでは有意差はなかったが、ラーメン店に関しては男女ともに地域脳卒中死亡率と有意に相関していた(r> 0.5)。東北地方と九州南部の脳卒中死亡率が高かった。近畿地方では脳卒中死亡率が低かった。また、ラーメン店舗数と心筋梗塞の死亡率の間には関連はなかった。
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(各都道府県の脳卒中とラーメン店舗)

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(文献より引用)

結論:
 日本では、都道府県のラーメン店の数は、脳卒中死亡率と有意な相関がある。


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by otowelt | 2019-11-17 00:22 | 内科一般

2型糖尿病患者におけるビクトーザは肺機能を改善させる

e0156318_8455743.png COPD例でやっていただきたいところです。

Rogliani P, et al.
Long-term observational study on the impact of GLP-1R agonists on lung function in diabetic patients.
Respir Med. 2019 Jun 18;154:86-92.


背景:
 ヒトの気管支緊張にグルカゴン様ペプチド-1受容体(GLP-1R)が果たす役割が臨床前研究で報告されている。われわれは、COPD合併のない2型糖尿病(T2DM)の集団におけるGLP-1Rアゴニストの効果を検証した。

方法:
 メトホルミン単独治療、メトホルミン+GLP-1R(GLP-1Rアゴニストコホート)、メトホルミン+インスリン(インスリンコホート)で治療されたT2DM患者(32人)の2年におよぶ前向きコホート研究である。

結果:
 24ヶ月治療の後、ベースラインからの1秒量(FEV1)変化はGLP-1Rアゴニストコホートで有意に増加した(p<0.05)(218mL[95%信頼区間88~246])が、コントロールおよびインスリンコホートでは有意差は観察されなかった(それぞれ94mL[95%信頼区間-28~216]、26mL[95%信頼区間-174~226])(それぞれp>0.05)。GLP-1Rアゴニストコホートにおける平均FEV1上昇は、コントロールおよびインスリンコホートよりも有意に大きかった(差はそれぞれ、110mL[95%信頼区間18~202]、177mL[95%信頼区間85~270]、いずれもp<0.05)。努力性肺活量(FVC)についても、コントロールおよびインスリンコホートと比べてGLP-1Rアゴニストコホートで有意に上昇した(全体差183mL[95%信頼区間72-295], p<0.05)。50~75%呼出位における最大呼気流量のベースラインからの変化は、GLP-1Rで有意に改善したが(p<0.05)、コントロールおよびインスリンコホートでは改善しなかった(p>0.05)。

結論:
 我々の予備的研究は、気道障害を治療するうえで、GLP-1Rアゴニストが潜在的な新しい治療的役割を有することを支持するものである。



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by otowelt | 2019-07-17 00:37 | 内科一般

睡眠時間が短いと心房細動になりやすい

e0156318_12511756.png 個人的には、これは初耳でした。

Genuardi MV, et al.
Association of short sleep duration and atrial fibrillation.
Chest. 2019 Feb 27. pii: S0012-3692(19)30196-5.


背景:
 短い睡眠は心房細動のリスク因子かもしれない。しかしながら、過去の研究では客観的睡眠評価が不足しており、サンプルサイズが小さく限定的であった。われわれは、客観的な睡眠時間と心房細動の関連性の同定をこころみた。

方法:
 1999年~2015年に、31079人の患者が診断的ポリソムノグラフィを大規模病院ネットワーク内の複数施設で受け、電子診療録として記録された。心房細動の有病率はポリソムノグラフィ中に実施した持続的心電図によって同定された。心房細動は診断コードおよび12誘導心電図によって同定された。ロジスティック回帰およびCox比例ハザードモデルを用いて、年齢、性別、BMI、高血圧、冠動脈疾患、脳血管疾患、末梢血管疾患、心不全、睡眠時無呼吸の重症度で補正し、睡眠時間と心房細動の有病率・罹患率の関連を調べた。

結果:
 ポリソムノグラフィ検査を受けた30061人(平均年齢51.0歳±14.5歳、51.6%が女性)のうち、心房細動症例が404人同定された。補正すると、睡眠時間が1時間減るごとに、心房細動の有病率が1.17倍増加した(95%信頼区間1.11-1.30)。
 中央値4.6年の追跡において、ベースラインに心房細動がない27589人のうち、1820人が心房細動を罹患した。補正すると、睡眠時間が1時間減るごとに、心房細動の罹患率が1.09倍増加した(95%信頼区間1.05-1.13)。
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(文献より引用:睡眠時間ごとの心房細動罹患)

結論:
 短い睡眠は、心房細動の有病率・罹患率の上昇に独立して関連していた。長い睡眠が心房細動のリスクを減らすかどうかを調べるため、さらなる研究が必要である。




by otowelt | 2019-03-27 00:11 | 内科一般

本の紹介:科学的認知症診療 5Lessons

 怪物的な医学書に出合いました。認知症の分野には明るくありませんが、おそらく現時点でこの領域随一の医学書であることは間違いないでしょう。まえがきにある「最新の臨床研究や系統的レビュー、すなわち科学的根拠を紹介することに徹しました。」という言葉は、自信に満ち溢れており、頼もしい。

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発売日:2018年10月5日
単行本 : 226ページ
価格 : 3,000円 (税別)
出版社 : シーニュ
著者: 小田 陽彦 先生

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 最初の項目のタイトルは「認知症という疾患は存在しない」です。「え?」と思いますよね。読んでみて下さい、その理由が分かります。そこから先は、雪崩のごとく読み進めていきました。自分の浅はかさが恥ずかしくなるくらい、1つ1つのフレーズが心に響きました。
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 私の目を惹きつけたのは、まえがきで宣言されていた、エビデンスの数々。よくもまぁここまで臨床研究をご存知だなというくらい、膨大なデータの洪水。そして、1ページに1回は登場するであろう認知症診療に対する深い洞察。豊富な経験があってこその、ズッシリと重みある言葉たち。数えきれないくらいガツンとパンチをもらったので、一部抜粋して紹介します。

 「この人はアルツハイマー病、と臨床診断すると、その病名が終末期まで独り歩きする傾向がありますが、臨床診断は症状から病理診断を予想する行為に過ぎないという事実を医師自身が認識しておく必要があります。」

 「外してはいけない大原則は、告知は技術的に不可能、という点です。認知症性疾患の確定診断は病理診断でなされますが、現行の臨床診断基準は不完全で、しばしば病理診断と一致しないことがわかっています。」

 「認知症診療はしばしば難しいですが、難しくさせている原因の1つは医療者側の知識不足であり、ある当事者の言葉を借りるならば人災という側面もあることは否定できないと思います。」
 
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 「アリセプト®やメマリー®ってぶっちゃけエビデンスどうなの?」と思っている内科医は多いと思いますが、認知症に関するこうした疑問のほぼ全てを、科学的根拠でもってこの本が解決してくれるはずです。

 全体的に、余白がものすごく狭い。シーニュならではのこだわりでしょう。226ページですが、おそらく一般的な医学書350ページぶんくらいの内容はあるでしょう。ちょっと藤本社長、3,000円っていくらなんでも安すぎないですか?

 認知症の患者さんを診ることがある、すべての医師が持っておくべき一冊です。とりわけ、総合診療科畑の人たちにとっては、最高のリファレンスブックとなるでしょう。自信をもってオススメできます。




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by otowelt | 2018-11-10 00:33 | 内科一般

本の紹介:プライマリ・ケア医のための糖尿病診療入門

 私たち呼吸器専門医にとって、糖尿病は薬が多くてわかりにくい。敬遠している人も多いと思います。ステロイドが入っている患者さんの糖尿病管理を専門家にお願いすることもしばしばです。
 
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発売日:2018年10月26日
単行本 : 232ページ
価格 : 3,800円 (税抜)
出版社 : 日経BP社
著者: 岩岡秀明 先生

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 紹介させていただくのは、糖尿病の世界では名の知られた岩岡先生の書籍です。この本、珍しいことに対談で結構なページが割かれているんです。コラム扱いのポジションですが、全体の3~4分の1くらいは対談という印象です。私は、たとえば医学書院の医学界新聞がよくやっているような対談企画が好きです。医療従事者同士が話しているのを見聞きすると、記憶に残りやすいんですよね。説得力やリアリティがある。対談に参加されているのは藤沼康樹先生、南郷栄秀先生、徳田安春先生、高瀬義昌先生というビッグネームです。
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 われわれ門外漢にとって最も重要な章は第4章の「糖尿病治療薬を知る」です。メトホルミンが第一選択にであることは知られていますが、最近処方が増えてきたSGLT2阻害薬などの新しい薬剤の注意点などが書かれています。プライマリ・ケア医向けの糖尿病の書籍はこれまで岩岡先生がたくさん書かれてきましたが、最新の知識をここでアップデートしておくとよいでしょう。また、第10章の「レセプト査定される処方」は、保険医必読です。これは岩岡先生がよくFacebookで「こういう処方は査定されるんです」という啓蒙をされているので、オリジナリティがありますね。自分の専門分野でも、どういう処方が査定されやすいのか知らない人が多いですし。DPP-4阻害薬の併用や多剤併用といったピットホールが具体例を挙げて記載されています。
 
 タイトル通り、プライマリ・ケア医向けの難易度で、章ごとに対談が散りばめられているので、スラスラと読み進めることができると思います。



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by otowelt | 2018-10-27 00:33 | 内科一般

ベッドサイド処置時の1%リドカイン注入前同液表面使用は疼痛軽減に有効

e0156318_21221396.jpg 個人的にやってみたことがあるのですが、注入前に皮膚表面に1%リドカインを塗り付けてもこすっても、あまり変わらなかった印象があります。10mL全部使うことはないので、最初に1-2mL使うという戦略はいいかもしれませんが。

Bhakti K. Patel, et al.
Comparison of Two Lidocaine Administration Techniques on Perceived Pain from Bedside Procedures: A Randomized Clinical Trial
CHEST, DOI: https://doi.org/10.1016/j.chest.2018.04.018


背景:
 リドカインは処置時の疼痛軽減に用いられるが、注入によって逆に痛みを誘発してしまうことがある。疼痛の知覚は、非薬物的な刺激、たとえば温度やタッチングなどで疼痛閾値を上げることで修飾可能である。われわれは、リドカイン注入前に皮膚に滴下することで、皮膚表面を冷却あるいは接触し、疼痛知覚を軽減することができるのではないかと考えた。

方法:
 われわれは、2011年2月から2015年3月までに処置を必要として紹介された患者にランダム化比較試験を実施した。全患者は、1%のリドカイン注射を受けた。介入群に割り付けられた患者は、リドカイン注入前に1~2mLのリドカイン皮膚散布を受けた。この研究の介入について患者には盲検化された。プライマリアウトカムは処置による疼痛の程度とし、VASの平均を用いた。

結果:
 481人の患者がランダム化された。プライマリアウトカムである疼痛は介入群のほうがVASスコアが良好であった(16.6±24.8mm vs 12.2±19.4mm、p=0.03)。サブグループ解析において、疼痛スコアはPICC挿入患者において主に改善がみられた(18.8±25.6mm vs 12.2±18.2mm; p=0.02)。

結論:
 総じてベッドサイドの処置で疼痛の報告は少ないものの、リドカインを皮膚表面に事前に用いることでさらなる疼痛の軽減が期待される。


by otowelt | 2018-05-15 00:45 | 内科一般

出版のお知らせ:非呼吸器科医へささげる 呼吸器診療に恐怖を感じなくなる本

 2018年4月23日に「非呼吸器科医へささげる 呼吸器診療に恐怖を感じなくなる本」が発売されます。しかし、すでになぜかAmazonではもう発売されていました。

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発売日:2018年4月23日
単行本 : 202ページ
価格 : 3,400円 (税抜)
出版社 : 金芳堂
著者 : 倉原 優 (国立病院機構近畿中央胸部疾患センター内科)

e0156318_13141310.jpgAmazonから予約/購入する 
e0156318_13141310.jpg出版社から購入する 


 呼吸器内科にあまり関与することがない非呼吸器科医向けに書いたものですが、表紙の格式高さとはウラハラに、かなりハッチャけた読み物になっています。吸入薬はぶっちゃけどれがよいのか、肺癌の今の治療を簡単に書くとどうか、といった極めてベーシックなポイントを説明させていただいています。呼吸器内科に慣れているドクター向けの書籍ではありませんので、ご注意ください。

 なお、チョイ悪呼吸器内科医ドクターぱるもんと、婚活中の非呼吸器科医ひっこ先生が繰り広げるくだらないコントが結構な割合を占めております。関西人が書いた医学書ということで、ご海容いただきますようお願い申し上げます。



by otowelt | 2018-04-20 00:16 | 内科一般

咽頭痛に対する単回低用量のステロイドは疼痛を軽減する

e0156318_1835391.jpg 咽頭炎に対するステロイドは、いちおう保険適用上問題ないみたいです。

Behnam Sadeghirad, et al.
Corticosteroids for treatment of sore throat: systematic review and meta-analysis of randomised trials
BMJ 2017; 358 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.j3887


目的:
 咽頭痛の治療に対してステロイドを用いることの利益と有害性を調べること。

デザイン:
 ランダム化比較試験のシステマティックレビューおよびメタアナリシス。

データ:
 Medline、Embase、CochraneCENTRALの電子データベースで2017年5月までのランダム化比較試験データを抽出。

研究:
 5歳以上の救急部を受診した急性扁桃炎、咽頭炎、咽頭痛の患者に対して、通常ケアにステロイドを加えたランダム化比較試験を対象とした。言語や出版ステータスは問わなかった。

結果:
 10研究1426人が対象となった。単回の低用量ステロイドを投与された患者(もっともよくみられたのは経口デキサメタゾンを最大10mg使用)は、24時間後(相対リスク2.2, 95%信頼区間1.2 to 4.3; リスク差12.4%)、48時間後(相対リスク1.5, 95%信頼区間1.3 to 1.8; リスク差18.3%)の疼痛緩和が得られやすかった。
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(文献より引用)

 発症から疼痛緩和までの平均時間は、ステロイド投与によって4.8時間早くなった(95%信頼区間−1.9 to −7.8)。発症から疼痛の完全寛解までの平均時間は、ステロイド投与によって11.1時間早くなった(95%信頼区間−0.4 to −21.8)。24時間時点での疼痛緩和のVASスコア減少は、ステロイド投与群で大きかった(平均差1.3, 95%信頼区間0.7 to 1.9)。10研究のうち9つが副作用に関して報告していた。6研究は副作用について触れられておらず、3研究はわずかだが副作用に触れられていた。その多くが疾患の合併症であり、両群とも同等だった。

結論:
 単回低用量のステロイド投与は、重篤な有害事象を増やすことなく咽頭痛の軽減に有用である。


by otowelt | 2017-11-02 00:40 | 内科一般

坐骨神経痛に対するリリカ®はプラセボと同等の鎮痛効果

e0156318_7363615.jpg 椎間板ヘルニアもちなのですが、リリカ®を服用していた時期もありました。なんだか悲しい(笑)
 帯状疱疹はともかくとして、神経痛には疑問符がつきますね。

Stephanie Mathieson, et al.
Trial of Pregabalin for Acute and Chronic Sciatica
N Engl J Med 2017; 376:1111-1120


背景:
 坐骨神経痛は障害をもたらしうる症候であり、薬物治療のエビデンスは限られている。プレガバリンは、一部の神経障害性疼痛に有効とされている。本研究では、プレガバリンによって坐骨神経痛の強さが減少するかどうか調べた。

方法:
 坐骨神経痛がある患者を対象に、プレガバリンのランダム化二重盲検プラセボ対照試験を実施した。患者を、最長8週間プレガバリンを投与する群と、プラセボを投与する群にランダムに割り付けた。プレガバリンの開始用量は150mg/日で、その後最大600mg/日まで漸増調整した。プライマリアウトカムは、8週時点の10ポイントスケール下肢痛強度スコア(痛みなしが0点、最大の痛みが10点)とした。この強度スコアは52 週の時点でも評価した。セカンダリアウトカムは試験期間中(1年間)の障害の程度、腰痛の強さ、QOLなどとした。

結果:
 209人をランダム化し、108人がプレガバリン群、101人がプラセボ群に割り付けられた。ランダム化後、プレガバリン群の2例が解析から除外された。8週時点で、非補正下肢痛強度スコアの平均は、プレガバリン群3.7、プラセボ群3.1だった(補正差平均0.5、95%信頼区間-0.2~1.2、P=0.19)。52週時点でも、プレガバリン群3.4、プラセボ群3.0と有意差はなかった(補正差平均0.3、95%信頼区間-0.5~1.0、P=0.46)。セカンダリアウトカムについても群間差は観察されなかった。有害事象はプレガバリン群で227件、プラセボ群で124件報告された(プレガバリンによるめまいが多かった)。

結論:
 プラセボと比較して、8週間のプレガバリン投与は坐骨神経痛に関連する下肢痛を軽減させず、その他の評価項目にも有意な改善は観察されなかった。有害事象はプレガバリン群のほうがプラセボ群より有意に多かった。



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by otowelt | 2017-03-27 00:28 | 内科一般

書籍紹介:かぜ診療マニュアル 第2版

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 「かぜ診療マニュアル第2版」が400ページと分厚くなってリニューアルされました。第1版を持っていようと持っていまいと、断言できるのは「つべこべ言わず今すぐ買え」ということです。特にかぜ症候群を第一線で診ることが多い人は、マストバイ・マストリードです。なんとなく総合感冒薬やレスピラトリーキノロンを処方している医師は、これを読まなければこの先も間違った医師人生を送りかねません。

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 コラムの充実度が良い意味で恐ろしい。アドバンストレクチャー、アドバンストレクチャー、アドバンストレクチャーの嵐。また、しくじり先生にあやかって「筆者のしくじり」というコラムが追加になっています。

 「かぜ」って難しいですよね。よほど深く勉強していないと、なかなかこんな本は書けないと思います。市中肺炎のことをレクチャーしてくれる指導医はいても、かぜのことをレクチャーできる指導医はなかなかいません。この本は、かぜ診療のノウハウを惜しみなく出しているレクチャーが200回分くらい詰まった一冊です。

 初期研修医時代、私が総合診療科をローテートしているときの指導医だったのが山本舜悟先生です。落ち着いた立ち居振舞いの中に熱い闘志がみなぎっている先生で、右も左も分からぬヒヨコ研修医にとってあれが一般的な医療だと思っていました。しかし、後に音羽病院でかなりレベルの高い診療を目の当たりにしていたことを知り、タイムマシンに乗って過去に戻れないものかと悔やんだものです。

 以前当ブログで紹介した、「ジェネラリストのための内科診断リファレンス: エビデンスに基づく究極の診断学をめざして」を書いた上田剛士先生や「ホスピタリストのための内科診療フローチャート」を書いた高岸勝繁先生も同じ時期に音羽病院に属していました。切磋琢磨する医師たちがすし詰め状態でゴッタガエしていた環境で過ごした日々は、私の人生の中でいまだに光り輝いています。




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by otowelt | 2017-02-12 10:07 | 内科一般