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クリスマスBMJ2019:BMJの論文は労働時間外に投稿されている?

クリスマスBMJ2019:BMJの論文は労働時間外に投稿されている?_e0156318_1016912.png ”働き方改革”において重要な論文ですね。

Adrian Barnett, et al.
Working 9 to 5, not the way to make an academic living: observational analysis of manuscript and peer review submissions over time
BMJ 2019; 367 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.l6460


目的:
 研究者が、時間外にBMJジャーナルの論文原稿と査読を提出しているかどうか、およびこれが経時的に変化したかどうか判断すること。

デザイン:
 2012年から2019年までの地理的座標が同定できた研究者の論文原稿と査読における観察研究。

セッティング:
 大規模一般医療ジャーナル2誌におけるオンラインBMJ投稿システム。

アウトカム:
 週末・休日の1時間ごと(早朝と深夜を決定するため)の論文原稿と査読の提出。 ロジスティック回帰分析を使用して、週末または休日に論文原稿と査読が提出される確率を推定した。

結果:
 分析には49000を超える論文原稿と76000の査読が含まれた。週末または休日に論文原稿または査読の提出が行われる平均確率に、経時的な変化はほとんどみられなかった。勤務時間外におこなわれていることが多く、週末の平均確率は0.14~0.18、休日の平均確率は同じ週の別日と比較して0.08~0.13だった。国の間で明確で一貫した違いがあった。中国の研究者は、週末と深夜に最も頻繁に提出していたが、スカンジナビア諸国の研究者は平日と日中に提出する可能性が最も高かった。
クリスマスBMJ2019:BMJの論文は労働時間外に投稿されている?_e0156318_814592.png
(週末・休日の提出:文献より引用)

クリスマスBMJ2019:BMJの論文は労働時間外に投稿されている?_e0156318_8164261.png
(時間別の提出:文献より引用)

結論:
 長期間経過してもみられる国の間での違いは、「過労の文化」が単なる比喩ではなく、文字通りのものであることを示している。


by otowelt | 2019-12-20 08:09 | その他

クリスマスBMJ2019:芸術に触れると長寿になる

クリスマスBMJ2019:芸術に触れると長寿になる_e0156318_1016912.png おそらく、活動性が高い集団なので、長く生きるのかな~と思います。

Daisy Fancourt, et al.
The art of life and death: 14 year follow-up analyses of associations between arts engagement and mortality in the English Longitudinal Study of Ageing
BMJ 2019; 367 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.l6377


目的:
 14年間のフォローアップ期間における、芸術に触れる頻度と死亡率との関連を調査すること。

デザイン:
 前向きコホート研究。

参加者:
 50歳以上の成人住民6710人(52.6%が女性、平均年齢65.9±9.4歳)のイギリス縦断的研究。

介入:
 自己申告による”芸術に触れること”(美術館、美術館、展示会、劇場、コンサート、オペラに行くなど)。

アウトカム:
 国民健康サービスのデータリンクに基づく死亡率。

結果:
 まれではあるものの(1年に1回か2回)に芸術活動した人は、追跡中の任意の時点で死亡するリスクが芸術活動をしていない人よりも14%低くなった(3042人中809人死亡 vs 1762人中837人死亡、ハザード比0.86、95%信頼区間0.77〜0.96)。頻繁(数ヶ月ごと)に芸術活動をしている人は、人口統計学、社会経済学、健康関連、行動学的、社会的要因とは独立して、死亡リスクが31%低かった(1906人中355人死亡、ハザード比0.69、95%信頼区間0.59-0.80)。結果は、性別、社会経済的地位、社会的要因によって影響されることなく、感度分析の範囲では不変だった。当該研究は観察研究であり、因果関係は推測できない。
クリスマスBMJ2019:芸術に触れると長寿になる_e0156318_164517.png
(芸術活動ごとの死亡:文献より引用)
結論:
 芸術に触れることは、高齢者の長寿に対して保護的に寄与するかもしれない。芸術活動する人とそうでない人の、認識、精神的健康、身体活動性などの差によって部分的に説明されるかもしれないが、補正してもおおむね有意な結果であった。


by otowelt | 2019-12-19 16:08 | その他

クリスマスBMJ2019:イギリスの新年の叙勲にはバイアスが存在する

クリスマスBMJ2019:イギリスの新年の叙勲にはバイアスが存在する_e0156318_1016912.png 知っている人も多いと思いますが、「新年の叙勲」はイギリスの文化です。

John A Emelifeonwu, et al.
Bend it like Beckham or fix them like Florence—proportional representation of healthcare in New Year honours: an observational study
BMJ 2019; 367 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.l6721


目的:
 新年の叙勲(NYH)を受け取った医療従事者の比例代表を、他の業界の労働者と比較し、NYHシステムに性別・地理的バイアスがあるかどうかを判断すること。

デザイン:
 イギリス労働者の比例代表におけるNYHの観察研究。性別と地理的因子についてのサブグループ解析。

参加者::
 2009年~2018年までNYHを受賞した人。

アウトカム:
 イギリスの産業、性別、地域に基づいたNYHを受賞する絶対リスク。 他業界と比較して、医療職種におけるNYH受賞の相対リスク。

結果:
 2009年~2018年に10989人のNYH受賞者が同定され、そのうち47%が女性だった。832人(7.6%)が医療関連の職種であった。スポーツ・芸術/メディアで働く人々は、医療の業種よりもNYHを受賞する可能性が高かった(それぞれ、相対リスク22.01、95%信頼区間19.91~24.34、相対リスク5.84、95%信頼区間5.31~6.44)。医療サービスの業種と、科学/テクノロジーの分野では有意差はなかった(P=0.22)。34% (3741人)の受賞者が、ロンドンおよびイングランド南東部に居住しており、高位の叙勲1447のうち496(34%)は女性に授与された。
クリスマスBMJ2019:イギリスの新年の叙勲にはバイアスが存在する_e0156318_15331418.png
(業種別NYH:文献より引用)

結論:
 労働者の規模に鑑みて、医療の業種におけるキャリアは、その他の業界のキャリアほど「名誉」とは言えない。NYHには、地理的および性別のバイアスが存在する可能性もある。


by otowelt | 2019-12-19 15:32 | その他

クリスマスBMJ2019:春~夏に生まれた女性は心血管疾患死亡率が高い

クリスマスBMJ2019:春~夏に生まれた女性は心血管疾患死亡率が高い_e0156318_1016912.png あ、そう。という感想しか抱きませんでした。

Yin Zhang, et al.
Birth month, birth season, and overall and cardiovascular disease mortality in US women: prospective cohort study
BMJ 2019; 367 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.l6058


目的:
 生年月日、出生季節、総死亡率・心血管疾患死亡率の関連性を評価し、これらにおける家族および社会経済的要因の役割を調べること。

デザイン: 
 前向きコホート研究。

セッティング:
 1976年に立ち上げられたNurses’ Health Study。アメリカでおこなわれている前向きコホート研究。

参加者:
 コホート登録時の生年月日情報を報告した女性看護師(n = 116911人、1976年-2014年、38年間追跡)。

曝露:
 誕生月と天文学的な誕生季節(季節区分の境界として二至二分に基づく)。

アウトカム:
 Cox比例ハザードを用いて、出生月(基準として11月を使用)、天文学的誕生季節(基準として秋を使用)、総死亡率・心血管疾患関連死亡率の間の関連について、多変量補正ハザード比、95%信頼区間で評価。

結果:
 参加者のうち、登録から4136364人年のあいだに43248人の死亡が報告された。うち、8360人が心血管系疾患に関連した死亡だった。補正多変量解析では、出生月・出生季節・総死亡のあいだに関連は観察されなかった。11月に生まれた女性と比べると、心血管系疾患に関連した死亡は、3月~7月に多かった(ハザード比:3月:1.09, 95%信頼区間0.98~1.21; 4月: 1.12, 95%信頼区間:1.00~1.24; 5月:1.08, 95%信頼区間0.98~1.20; 6月:1.07, 95%信頼区間0.96~1.19; 7月1.08, 95%信頼区間0.98~1.20)。4月に生まれた人は心血管系死亡率がもっとも高く、12月がもっとも低かった(12月:0.95, 95%信頼区間0.85~1.06)。最高と最低の間の相対差は17.89%だった。春(1.10、95%信頼区間1.04〜1.17)および夏(1.09、95%信頼区間1.03〜1.16)に生まれた女性は、秋に生まれた女性よりも心血管疾患による死亡率が高かった。家族および社会経済的要因の調整はこれらの結果を変えなかった。リスクの最も低い季節と最も高い季節の相対差は10.00%だった。

結論:
 春と夏に生まれた参加者(特に3月〜7月に生まれた参加者)は、心血管疾患死亡率がわずかではあるが有意に増加した。しかし、総死亡率については、季節的な出生月の影響は観察されなかった。家族性および社会経済的要因はこれらの関連性に影響を与えなかった。心血管疾患の死亡率における季節的な出生月の影響のメカニズムを明らかにするには、さらなる研究が必要である。


by otowelt | 2019-12-19 15:13 | その他

クリスマスBMJ2019:スピード違反が多いのは、どの科の医師?

クリスマスBMJ2019:スピード違反が多いのは、どの科の医師?_e0156318_1016912.png 精神科医のみなさん、ご注意を!

André Zimerman, et al.
The need for speed: observational study of physician driving behaviors
BMJ 2019; 367 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.l6354


目的:
 運転速度、高級車の保有、警察官による違反寛容性が、専門医療分野によって異なるかどうかを判断すること。

デザイン:
 観察研究。

セッティング:
 アメリカフロリダ州。

参加者:
 2004年~2017年にスピード違反切符を発行された5372人の医師と19639人の非医師。

アウトカム:
 年齢・性別を調整した後の、極端なスピード違反(速度制限を20マイル/時を超えて走行することと定義)の頻度、高級車保有、警察官による違反寛容性、医師の専門分野。

高級車の定義:
 Acura, Audi, BMW, Cadillac, Ferrari, Infiniti, Jaguar, Land Rover, Lexus, Lotus, Maserati, Mercedes, Porsche, Tesla, Volvo。

結果:
 本研究には、14560のスピード違反切符を受け取った5372人の医師が含まれた。20マイル/時を超える速度で運転していたドライバーの割合は、スピード違反切符を受け取った非医師19639人のとの間で同等だった(26.4% vs 26.8%)。違反切符を受け取った医師の中でも、精神科医は極度のスピード違反で罰金を科される可能性が最も高かった(ベースライン麻酔科医と比較した精神科医の補正オッズ比1.51、95%信頼区間1.07〜2.14)。切符を受け取ったドライバーの中で、高級車の保有は循環器科医で最もよくみられた(補正割合40.9%、95%信頼区間35.9%~45.9%)。救急医、家庭医、小児科医、一般外科医、精神科医では高級車の保有は少なかった(例:家庭医20.6%、95%信頼区間18.2%〜23.0%)。超加速度を軽減する行為は、警察官による寛容性の指標となり、違反切符の速度は、より大きな罰金が課されるしきい値のすぐ下で記録されていることが多かったが、料金は専門分野によってまちまちで医師と非医師の間でも差はなかった。
クリスマスBMJ2019:スピード違反が多いのは、どの科の医師?_e0156318_1456619.png
(スピード違反:文献より引用)

クリスマスBMJ2019:スピード違反が多いのは、どの科の医師?_e0156318_15422693.png
(高級車:文献より引用)

結論:
 スピード違反切符を受け取った精神科医は、極端なスピード違反の割合が最も高かったのに対し、循環器科医は高級車を運転する頻度が高かった。警察官の寛容性は、専門分野全体および医師と非医師の間で同等だった。


by otowelt | 2019-12-19 14:57 | その他

クリスマスBMJ2019:SSSPIN研究:spin研究のspinをあばく

クリスマスBMJ2019:SSSPIN研究:spin研究のspinをあばく_e0156318_1016912.png 「spin」(都合のよい解釈)というのは、以下のことを指します。
・オーサーが特定の結果のみに言及し、結果の解釈を選択的に報告する行為
・重要な結果をもたらす検定の数値のみを公開する行為
・統計についての不適切または誤解を招く使用


 spinに関する研究のspinをあばくという斬新な論文です。

Lisa Bero, et al.
The SSSPIN study—spin in studies of spin: meta-research analysis
BMJ 2019; 367 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.l6202

目的:
 spinに関する研究におけるspinの頻度を同定・計算すること。

デザイン:
 メタアナリシス(research on research)。

セッティング:
 科学文献における35のspin研究
 
アウトカム:
 spin研究のspin。spinについては上述。

結果:
 35のspin研究のうち5研究(14%)がspinを有していた。2研究が結果の表示と解釈をゆがめるもの、3研究が結果の過剰解釈または不適切な外挿だった。
クリスマスBMJ2019:SSSPIN研究:spin研究のspinをあばく_e0156318_918764.png
(spinの頻度:文献より引用)

結論:
 spinは、spinに関する研究でも発生している。この分野の研究者はspin発見に敏感であるべきだが、われわれの研究は、さまざまな研究分野でspinを減らすための厳密な介入の必要性を決して妨害するものではない。

spin的結論:
 spinの研究においては、他の分野の研究よりもspinが横行していないという仮説が証明された。 spin研究者は他の研究者よりも、結論をspinしちゃう可能性が低いので、spinと研究の無駄を減らすための介入を立案・吟味するための実質的資源を受け取るべきだ。


by otowelt | 2019-12-19 09:19 | その他

クリスマスBMJ2019:「静かに」という言葉を病院で避ける迷信

クリスマスBMJ2019:「静かに」という言葉を病院で避ける迷信_e0156318_1016912.png ニュアンスがちがっていたらすいません。

Charlotte R Brookfield, et al.
Q fever—the superstition of avoiding the word “quiet” as a coping mechanism: randomised controlled non-inferiority trial
BMJ 2019; 367 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.l6446


クリスマスBMJ2019:「静かに」という言葉を病院で避ける迷信_e0156318_8475096.png
(本研究の概要:文献より引用)

目的:
 臨床現場で「静かに」という言葉を発すると、業務負担が増加するという迷信の妥当性を判断する。

デザイン:
 前向きランダム化比較非劣性試験。

セッティング:
 イギリスのランカシャーにある大規模教育病院の微生物学部門。

参加者:
 医学微生物学チームの2人の職員が平日業務を行い、週末はオンコールチームのメンバーが勤務した。スタッフが「今日は静かな日になるだろうね」と発言する29日間と、どのような状況でも「静か」という言葉を差し控える32日間が割り当てられた。

介入:
 ランダムに「今日は静かな日になるだろうね」と言う日(介入群)、または「静かな」という言葉を差し控える日(対照群)に割り当てられた。

アウトカム:
 プライマリアウトカムは、全体的な仕事量の平均とした:臨床に関連する電話の数、臨床に重要な結果、臨床エピソード(24時間の間に医学微生物チームによって処理された検査結果)。異なる30の臨床エピソードを非劣性マージンとみなした。セカンダリアウトカムには、プライマリアウトカムの個々の要素を設定した。

結果:
 仕事量は、合計61日間(2019年5月1日から6月30日まで)にわたって毎日測定された。介入日の144.9と比較して、平均139.0の仕事量が対照日に発生し、これは5.9の差(95%信頼区間-12.9〜24.7)だった。この上限は、指定された30というマージンよりも小さく、非劣性であることが分かった。非補正または補正の分析においても、平日または週末のサブグループを検討した場合においても、いずれの4要素においても介入による有意差は観察されなかった。
クリスマスBMJ2019:「静かに」という言葉を病院で避ける迷信_e0156318_8483834.png
(文献より引用)

結論:
 この調査結果は、「静かに」という発言が、臨床的業務に影響を与えるという長年の迷信を否定するものである。人手不足と仕事によるストレスが増加する時代、医師はスタッフの幸福と精神的健康を保護するための他の方法に目を向けるべきである。


by otowelt | 2019-12-19 08:50 | その他

クリスマスBMJ2019:新車を保有すると、体重が増加し運動量も減る

クリスマスBMJ2019:新車を保有すると、体重が増加し運動量も減る_e0156318_1016912.png そりゃそうだ、という結果。
 ちなみに、中国政府は大気汚染や渋滞が深刻になっているため、北京の新車販売は抽選制度になっています。当選率は1~2%とかなり低く、お金を持っていても車を所有していない人もいるようです。上海や深圳では競売制度になっていて、お金を出せば車を所有できます。

Michael L Anderson, et al.
Physical activity and weight following car ownership in Beijing, China: quasi-experimental cross sectional study
BMJ 2019; 367 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.l6491


目的:
 世界の都市部での身体活動性と体重に対して、自動車を所有することの影響を判断する。 

デザイン:
 疑似-実験的断面研究。

セッティング:
 2011年~2015年、中国北京。

参加者:
 2011年1月~2015年11月の間に車を購入するための抽選に参加した世帯のランダムサンプルから選ばれた18歳以上。

介入:
 許可証発行から6ヶ月以内に車両を購入する権利を認可。

アウトカム:
 交通機関の使用(毎週の地下鉄とバスの乗車回数)、身体活動(毎日のウォーキングまたは自転車)、体重(2016年初に1回測定)とした。

結果:
 937人が解析に組み込まれ、180人が新車を購入する認可を得た。抽選に当選した場合、91%の確率で追加の車両が購入された(95%信頼区間89%〜94%、P <0.001)。抽選から約5年後、当選者は非当選者と比べて、週ごとの交通機関利用を大幅に減らし(-2.9乗車、95%信頼区間-5.1~-0.7; P = 0.01)、ウォーキングや自転車が大幅に減った(-24.2分、95%信頼区間-40.3~-8.1); P = 0.003 )。当選者と非当選者では平均体重に変化はなかった。しかし、50歳以上では、当選者の体重は非当選者の体重と比べて有意に増加していた(10.3 kg、95%信頼区間0.5~20.2; P = 0.04)。
クリスマスBMJ2019:新車を保有すると、体重が増加し運動量も減る_e0156318_820373.png
(約5年の追跡結果:文献より引用)

結論:
 これらのデータは、急速に成長している世界的都市での車両保有が、身体活動の長期的な減少と重量の増加につながることを示している。発展途上国および中所得国での自動車の使用・保有の継続的増加は、身体的健康および肥満に悪影響を与える可能性がある。


by otowelt | 2019-12-19 08:20 | その他

クリスマスBMJ2019:政治的イベントは医師の気分に影響を与える

クリスマスBMJ2019:政治的イベントは医師の気分に影響を与える_e0156318_1016912.png 若干誰かをディスっている感がありますが。次の大統領選を見据えたよい論文ですね(笑)

Elena Frank, et al.
Political events and mood among young physicians: a prospective cohort study
BMJ 2019; 367 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.l6322


目的:
 最近の政治イベントが若手医師の間の気分に与える影響を調査すること。
 
デザイン:
 前向きコホート研究。

場所:
 アメリカ合衆国の医療センター。

参加者:
 2016年~2018年に実施された研修医健康研究による2345人の研修医の縦断的な気分データ。

アウトカム:
 影響力のある政治的および非政治的イベント後の1週間の平均気分スコアと、前の4週間の対照期間における平均気分との比較。

結果:
 分析のために、9つの政治的イベントと8つの非政治的イベントを同定した。7月にインターンシップを開始すると、研修医の気分の平均低下は-0.30(95%信頼区間-0.33〜-0.27、t = -17.45、P <0.001)だった。2016年のアメリカ大統領選挙(平均気分変化-0.32、95%信頼区間-0.45〜-0.19、t = -4.73、P <0.001)およびその後の大統領就任(平均気分変化-0.25、95 %信頼区間-0.37から-0.12、t = -3.93、P <0.001)でも有意な影響がみられた。
 男性と比較して、女性は2016年の大統領選挙(平均性差0.31、95%信頼区間0.05~0.58、t = 2.33、P = 0.02)と大統領就任(平均性差0.25、95%信頼0.01~ 0.49, t=2.05, P=0.04)の両方の後、より大きな気分の低下がみられた。
 全体として、政治的イベントの66.7%(6/9)に続いて、統計的に有意な気分の変化があった。反面、分析に含まれた非政治的イベントについては、いずれも気分の変化と関連していなかった。

クリスマスBMJ2019:政治的イベントは医師の気分に影響を与える_e0156318_10415594.png
(文献より引用:政治的・非政治的イベントと医師の気分)

結論:
 政治などのマクロレベルの要因は、若手医師の気分と相関する可能性がある。若手医師とその担当患者のために、政治と医学の絡み合いについてはさらに検証が必要であろう。



by otowelt | 2019-12-17 10:42 | その他

クリスマスBMJ2019:臨床研究の著者が男性の場合、研究結果は誇張される?

クリスマスBMJ2019:臨床研究の著者が男性の場合、研究結果は誇張される?_e0156318_1016912.png 臨床研究のフレーミング効果について。

Marc J Lerchenmueller, et al.
Gender differences in how scientists present the importance of their research: observational study
BMJ 2019; 367 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.l6573


目的:
 女性は、医学部や生命科学の分野で代表的な立ち位置にいない。臨床研究の主たる研究者に性差が存在し、これが影響する可能性があるかどうかは調査が困難だった。この研究の目的は、性別が研究結果をどの程度肯定的なものにするか分析し、こうした研究がその後の引用の増加に関連しているかどうかを調べることである。

デザイン:
 後ろ向き観察研究。

データ:
 PubMedで検索され、2002年から2017年の間に発行された101720の臨床研究のタイトルとアブストラクトおよび約620万の一般的なライフサイエンス記事からデータを得た。

アウトカム:
 タイトルとアブストラクトを分析して、男性と女性が「新規」や「優秀」などのポジティブな用語を使用して研究を提示しているかどうかを判断した。ファーストオーサーとラストオーサーの性別構成を調べ、科学雑誌、出版年、雑誌のインパクトファクターなどで補正し、25の肯定用語のセットについて男女のポジティブフレーミングの相対確率を推定した。

結果:
 ファーストオーサー、ラストオーサーの両方が女性である記事は、タイトルまたはアブストラクトの10.9%で25の肯定的な用語の少なくとも1つを使用し、これが男性の場合は12.2%だった(相対差12.3%、95%信頼区間5.7%-18.9%)。
 肯定的な提示の性差は、インパクトファクターの高い臨床系ジャーナルで最も大きく(インパクトファクター>10)、女性は研究をポジティブに提示する可能性が21.4%少なかった。 臨床ジャーナル全体で、ポジティブな提示は9.4%(95%信頼区間6.6%-12.2%)高くその後の高い引用と関連しており、インパクトファクターの大きい臨床ジャーナルでは13.0%(95%信頼区間9.5%-16.5%)高く関連していた。
 これらの結果は、一般的なライフサイエンスの記事に適用されたときと類似しており、ポジティブな用語を使用する際の性差は、科学雑誌以外の状況においても一般化されることを示している。
クリスマスBMJ2019:臨床研究の著者が男性の場合、研究結果は誇張される?_e0156318_10255233.png
(ポジティブな用語:文献より引用)

結論:
 男性のファーストオーサー・ラストオーサーが関与する臨床論文は、特にインパクトファクターが高いジャーナルで、両方が女性である論文と比較して、タイトルおよびアブストラクトで研究結果を肯定的に提示する可能性が高い。研究結果を肯定的に提示することで、その後の引用が増えた。



by otowelt | 2019-12-17 10:16 | その他